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2005年度予算編成に対する申入書全文(1P) 2004年11月19日

台風被害対策県民政策部企画管理部健康生活部産業労働部農林水産部県土整備部企業庁病院局復興本部総括部教育委員会警察


台風被害対策

 台風16号、18号、21号、23号など、一連の台風において、兵庫県の各地に大きな被害が広がり、23号では死者25名、多数の全壊・半壊家屋、広範囲の浸水被害をもたらした。
 今回の台風被害の特徴として、浸水被害(床上・床下)が広範に広がっていることを重視し、その被害の実態や被災者の状況をつぶさに把握し、実態にあわせた住宅・生活・営業への公的支援を抜本的に強めることが急務となっている。
 全国的にも、福井県独自の住宅再建への上乗せ支援にはじまり、京都府では国の制度とあわせて全壊600万円、半壊150万円、床上浸水・一部損壊に50万円の公的支援(所得制限なし)を行なうなど、国の公的支援の枠を乗り越えて、「被災者の要望、実態にあわせた支援の拡充」を行なう府県独自の努力が広がっている。
 阪神・淡路大震災を経験し、被災者生活再建支援法の成立、その後も拡充を求めてきた兵庫県として、国に対してさらなる制度の拡充を求めるとともに、県独自にも、全国に誇ることのできる被災者への手厚い公的支援こそ切実に求められている。この立場にたって、以下の台風被害対策、被災者支援策の強化を求める。

  1. 被災者の住宅と生活の支援について
    1. 被災者の救援に全力を
      1. 災害救助法にもとづく住宅の応急修理を柔軟に適用し、畳も含め、被災者の住宅改修をすすめること。床上浸水住家も対象とすること。
      2. 仮設住宅などは、希望するすべての被災者が入居できるようにし、収入制限など、入居要件を設けないこと。
      3. 災害援護資金を、床上浸水被害の被災者も対象とし収入基準を緩和すること。
    2. 「被災者生活再建支援法」の見直しを国に求めること。
      1. 収入や年齢などの支給要件、支給金額などの抜本的な見直しを行うこと。
      2. 床上浸水住宅や半壊も支援対象とすること。
      3. 床上浸水住宅については、生活用具購入100万円も支給対象とすること。
    3. 法の改正前にも、県独自に全壊や大規模半壊の被災者への支援の上乗せを行い、京都府なみの被災者支援(全壊最高600万円、半壊150万円、床上浸水・一部損壊50万円)以上の公的支援をおこなうこと。 所得要件も、県独自に大幅に緩和すること。
    4. 被害住家の判定にあたっては、被災者を救援する立場にたって、認定基準を、最大限、弾力的に運用すること。特に、床面積で不利な判定になる2階建て住宅などの判定は配慮すること。
    5. 被害認定にあたって、市町から県への人的支援要請には積極的に対応すること。
    6. 被災者むけ公営住宅の供給や民間住宅の借上げ等の対策を積極的にすすめること。
    7. 泥の洗浄などによる大量の水利用に伴う水道料金の負担免除を行なうこと。県営水道についても、受水している被災市町の料金を軽減すること。
    8. 親類宅などに避難している被災者の実状をつかみ、支援策を強めること。
  2. 被災者の福祉医療対策について
    1. 被災高齢者などに対し、保健師の訪問を継続的に行い、健康維持のための支援を行なうこと。
    2. 介護保険施設への入所が必要な高齢者は、優先的に入所をすすめること。
    3. 浸水した医療機関に対し、医療機器の修理や購入する際には、補助制度や無利子融資などの支援を行なうこと。
  3. 台風・浸水等による被害の緊急復旧と災害防止について
    1. 補正予算を組んで、連続した台風・浸水等による被害箇所の緊急復旧を急ぐとともに、災害発生原因を徹底的に究明するとともに、抜本的な対策を講じること。
    2. 被害の実態調査と査定を早急に完了させるため、他府県からの専門職員の応援も要請し、体制を強化充実すること。
  4. 県土の復旧と災害防止について
    1. 河川・治水対策
      1. 今回の台風被害の多くは山腹崩壊や堤防の決壊により起きている。
        河川の流下能力や堤防の安全性について再点検をおこない、必要な計画見直し、河川の危険箇所の早急な改修と安全な堤防への補強などを行なうこと。(円山川、加古川、武庫川、千種川、三原川、洲本川等、及び各河川の支流)
      2. 河川の治水対策では、関係住民の意見を反映させるための仕組みをつくること。
    2. 高潮対策
      1. 台風16号・18号のように大潮と満潮が重なれば異常な高潮が押し寄せ、港湾や海岸においては大きな被害をもたらす。港湾・海岸の「安全性」について早急に総点検をし、ただちに安全対策を行うと同時に地元の意見を十分反映させて抜本的改良を行うこと。
      2. 大潮・満潮・高潮が重なった場合の「緊急警報」のあり方など「防災マニュアル」を策定すること。
    3. 道路対策
      1. 道路が流出したりのり面が崩壊するなどして、いまだに復旧されていない道路(県・市町道)の応急復旧は最優先で行うこと。特に通学路等の復旧・代替道路の設置には万全を期すること。
      2. 災害時に日常利用している一般道路が通行不能になった場合、代替道路として利用出来る高速道路については料金を徴収しないこと。
    4. 砂防
      災害の未然防止のため、土石流危険渓流や地すべり危険箇所などの整備を急ぐこと。今回の災害は「危険箇所指定地」以外での崩壊も多数発生したことから県下全域にわたって再調査を早急に行い対策をとること。
    5. 開発事業について(山林開発等)
      1. 保水機能の強かった山林の開発、遊水池の役割を果たしていた田畑の宅地化等により、今回の災害はより被害が大きくなったことを反省し、開発行政の根本的見直しを行うこと。
      2. 宅地造成における災害を防止するため、パトロールを強化するとともに危険箇所については、法の適用も含め業者に対し厳しく指導すること。
  5. ゴミ対策について
    1. 広域的な連携を強め、ゴミの早期処理に力をつくすこと。
    2. 処理費用の市町負担にたいする県支援をおこなうこと。また、国へより一層の補助・支援を求めること。
    3. 産業廃棄物や、フロン処理、家電のリサイクルなどの処理に万全を期すこと。
    4. 海岸に漂着した倒木などの災害ゴミについて、県の責任で処理すること。
    5. 被害を受けた事業所の機械や製品、材料などの処分については、産業廃棄物でなく、災害ゴミとして処理し、処理費用を無料とすること
  6. 被災自営業者、被災工場への支援
    1. 相次ぐ台風による被災業者に対して経営再開への支援策を強めること。
    2. 中小企業むけ制度融資(災害枠)を、貸し出し上限や利息・据え置き期間など、さらなる条件の改善を行なうこと。保証料についても補助を行なうこと。
    3. 中小業者の営業や工場再建を対象にできるよう、被災者生活再建支援法を改正するよう国に求めること。県独自にも営業や工場再建への補助制度をつくること。
    4. 豊岡鞄、播州織物、淡路瓦など、地場産業の再建のため、福井県が実施しているような無利子の復興支援融資や「地場産業復旧支援助成制度」(300万円)を実施すること。
    5. 城崎など被害をうけた旅館や観光地対策を行なうこと。
  7. 台風被害にかかる失業などの雇用問題にたいし、緊急雇用の活用など、万全の対策を講ずること。
  8. 農林業への台風被害対策強化を
    1. 農業生産を継続するために
      1. ため池や用水路などの査定に県の支援を行い、期間の延長、工事の繰り越しを国に求めること。来年のコメづくりに間に合うように復旧を急ぐこと。
      2. 被害を受けた農産物や農業施設、田畑の復旧、農機具の購入・修理、種苗や農薬、肥料等の購入などに国の支援を求めるとともに、県の独自支援を行うこと。
      3. 融資については、利子補給や据え置き期間を長期にとるとともに、既融資分については、償還期間の延長をはかるよう指導すること。
      4. 被害により廃棄するビニールシートや溺死した牛等の処分については、処理の方法や費用について災害ゴミとして無料にすること。
    2. 災害に強い山・森林へ
      1. さらなる倒木・二次災害防止のため、人工林などの森林の倒木危険箇所について調査を行い、降雪までに危険箇所の緊急除伐と間伐をすること。
      2. 調査に必要な専門家の応援を国や他府県に要請すること。
      3. これまでの森林管理、民有林・公有林施策を根本から見直し、スギなど単一樹種の一斉造林、密植造林の方針を転換し、災害に強い山・森林づくりのための研究と施策をすすめること。その際、ブナなど広葉樹との混合林を増やすことを重視すること。
  9. 被災児童・生徒対策の強化を
    被災児童が、家庭の経済力の差や被災の差によって惨めな思いをするような2次災害を教育現場や子どもたちに起こさないために、以下の対策をすること。
    1. 県が行った市町への説明会において、災害救助法で支給対象となっている通学用品や文房具について、説明資料から削除しているが、本来、応急救助として直ちに取り組むべきことであり、改善すること。
    2. 被災した受験生や児童生徒の勉学と受験が保障できるように、図書館などの学校施設の提供とそのための人的体制を確保するとともに、被災家庭の受験費用の負担軽減支援をすること。
    3. 台風被害のために修学旅行のキャンセルを行わざるを得ない場合、大震災で行ったように、キャンセル料の負担がおきないように関連業界に働きかけること。
    4. 交通手段が途絶し、通常の通学のルートを確保できない生徒に対して、通学の保障のための支援を具体的に行い、新たな経済的負担がおきないようにすること。
    5. 被災児童・生徒の健康問題やPTSD対策を講ずること。
  10. 浸水などによって被害を受けた古文書類などについて、補修、保管の支援をおこなうこと。
  11. 台風被害につけこんだ犯罪や便乗詐欺商法などの取り締まりを強化すること。
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