国は雇用守る責任をと厚生労働省へ申し入れ
日本共産党兵庫県委員会は3月6日、参議院議員会館で、厚生労働省に対し、「雇用を守る取り組み強化に関する申し入れ」をおこない、瀬戸恵子(比例)、金田みねお(比例・3区)、味口としゆき(1区)、井村ひろ子(2区)、北野のり子(6区)、平野貞雄(7区)、庄本えつこ(8区)の各衆院候補、堀内照文参院候補、山下よしき参院議員秘書らとともに新町みちよ県議が参加しました。
派遣切り 具体例あげての追及に 「法令違反に厳しく対処」と厚労省
「派遣受け入れが3年を超える場合、派遣先企業は直接雇用契約を申し込まなければならない」「偽装請負と違法クーリングも派遣制限期間に通算される」との厚生労働大臣答弁(2月4日衆院予算委員会、志位質問)を踏まえて、違法な「派遣切り」を未然に防止するよう、ルネサステクノロジ、三菱電機姫路製作所、同三田製作所、三菱重工高砂製作所、ナブテスコ、日本トムソン姫路工場、姫菱テクニカ、ニチリン、日本化薬など具体的企業名をあげ、厳しく指導するよう求めました。 厚労省は、「3年を超えても、派遣元から通知がなければ、直接雇用を申し入れる義務は派遣先にない」「厚労相答弁は、これまでも実施してきた中身と同じ」と型どおりの回答。これに対し、瀬戸恵子衆院比例候補らが、「偽装請負や違法クーリングが通算されることを派遣先はほとんど認識していない」「過去に偽装請負があった企業では、いつから派遣受け入れ期間がスタートしたかも、違ってくる」と、具体的な「派遣切り」の実態も示し追及した結果、厚労省に、法令違反については厳しく対処する旨の答弁をさせました。
有期雇用でも「雇い止め認められないケースある」
パナソニックプラズマディスプレイ尼崎工場が、偽装請負から期間工となった労働者を2年3カ月契約の後、雇い止めしている問題を、庄本えつこ8区候補が追及。 「新しく職員を募集しながら、一方で期間工を、正社員のテストも受けさせずに雇い止めするのは、あまりにひどい。正社員として雇用するよう指導を」と強く迫りました。 厚労省は、「有期雇用でも、具体的に見て、雇い止めは認められないケースもあると、企業によく知ってもらうことが必要だ」と、昨年12月の「非正規切り防止通達」の立場を明言しました。 さらに、庄本氏は、「パナソニックのやり方がまかりとおれば他の企業もまねをすることが考えられる。ぜひそうならないよう指導してほしい」と重ねて要請しました。
労働行政への手厚い配置を求める
国の「行革推進法」のもと兵庫でも4年間で93人もの労働行政の職員定数が削減され、労働者や中小企業にとっても利用しにくい状況になっていることを示し、労働局、労働基準監督署、公共職業安定所への厚い人事配置をおこなうよう求めました。
失業者支援 雇用促進住宅廃止見直し中 一時避難所拡充は自治体任せ
失業者への緊急生活支援については、実態にあった条件での住宅斡旋や雇用促進住宅の整備、家賃補助など支援の拡充、生活支援と再就職支援がワンストップでおこなえる総合窓口の設置を求めました。 とくに、緊急一時避難所については、味口としゆき1区候補が自らの実態調査も踏まえ、「仕事を失った若い人が、ネットカフェにも泊まれないような状況が生まれているのに、一時避難施設は全国に19カ所しかありません」と拡充を迫りました。 厚労省は、「自治体と連携しながら進めている。自治体から申請があれば対応する」「自治体の局・部・課長会議で、ホームレス対策の活用を促した」と述べるなど、今の雇用状況の中で国がどう対応するかの姿勢がみられない答弁にとどまりました。 雇用促進住宅については、新町みちよ県議が明石市内での例もあげ、廃止を白紙に戻し、入居者に退去を強制しないこと、立ち退き料の不公平を是正することを求めたのに対し、厚労省は、廃止するとした閣議決定について「見直しも含め検討する」との厚労相答弁(2月25日衆院予算委員会、佐々木質問)を受け検討中であることを認めました。(2009年3月15日付「兵庫民報」より)
写真:申し入れる(左奥から)平野、井村、北野、庄本、瀬戸、金田、味口の各衆院候補と、堀内参院候補、新町県議ら ⇒この申し入れの本文はこちら |