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2009年03月06日

雇用を守る取り組み強化に関する申し入れ

貴職におかれては、時下ますますご清栄のことと存じます。
さて、去る1月30日の兵庫労働局長定例記者会見で発表された「非正規労働者の雇い止め等の状況について」によると、兵庫県内で2,738人(内派遣87.3%)が雇い止めになっています。これは08年12月19日発表の1.7倍で、「派遣切り」「非正規切り」は現在もなお規模とスピードを増しています。
1月末にはパナソニック プラズマディスプレイ株式会社が期間工数百人を雇止めし、三菱電機株式会社も2月半ばまでに姫路で約50人、三田で約70人の「派遣切り」を行ったといわれています。さらに株式会社ルネサステクノロジは3月末までに1,000人、三菱マテリアル株式会社は300人の雇止めを予定しています。
これらの「雇止め」は、人道上も、大企業が果たすべき社会的責任と内部留保額等大企業「体力」の実態に照らしても許されることではありません。同時に、この間の国会質疑および政府によって明らかにされた法の立場からも、是正指導されるべきものです。
これまでも大企業は「偽装請負」や不当な「クーリング期間」など違法・脱法行為を繰り返し、人間を「使い捨て」にする非道かつ残酷な実態が厳しい批判を受けていますが、未だにそうした実態が改められていないことは極めて重大です。
貴職が必要かつ充分な手立てを講じられるよう、現場の実態とあわせて、下記について申し入れます。 


  1. 違法な「派遣切り」の防止について
    2月4日の衆議院予算委員会質疑で確認された、「派遣受け入れ期間の期間制限は最大3年であり、それを超える場合、派遣先企業は雇用契約を申し込まなければならない」、「(違法)クーリングをはさんでも、『偽装請負』の期間も、すべて派遣制限期間に通算される」との厚生労働大臣答弁に照らして、派遣先大企業への周知徹底、指導を行い、これ以上の違法な「派遣切り」を未然にくいとめること。
    また、兵庫県下では、株式会社ルネサス テクノロジ、三菱電機株式会社姫路製作所および三田製作所、ナブテスコ株式会社、三菱重工業株式会社高砂製作所、日本トムソン株式会社姫路工場、姫菱テクニカ株式会社、株式会社ニチリン、日本化薬株式会社などで働く派遣労働者から、3年を超えて派遣として働かされてきたとの声が挙がっている。実態調査を積極的に行い、法律に基づき、厳しく指導すること。
  2. パナソニック プラズマディスプレイ株式会社尼崎工場への指導について
    パナソニック プラズマディスプレイ株式会社尼崎工場では、「偽装請負」の後、該当者を2年3ヶ月の期間工とした。その最初の期間工のうち数百名とも言われる人が、「契約切れ」「雇い止め」となっている。そのうち、少なくない人たちが、会社の基準により正社員登用テストすら受けられず、満了で契約を切られた。
    昨年12月の通達「経済情勢の悪化を踏まえた適切な行政運営について」に基づく「厳しい経済情勢下での労務管理のポイント」のなかで、有期労働契約であっても、「解雇に関する法理の類推適用等がされる場合」があることが裁判例もあげて明記している。パナソニック プラズマディスプレイ株式会社尼崎工場は、偽装請負のあと、3度契約を繰り返し、その後正社員となる可能性も述べていること、「雇い止め」をする一方で同じ仕事をする契約社員をまた募集していることなどから、この裁判例にあてはまる可能性がある。
    また、「常用雇用代替禁止」の原則に照らせば問題である。法の原則を踏まえ、直接雇用は期間の定めのない正社員化が基本であることを強調し、先例をつくらないためにも、安定雇用確保を強く指導・要請すること。
  3. 労働局、労基署、職業安定所などの体制強化について
    雇用をめぐる、今日の厳しい状況下で、実態調査や点検・指導など雇用を守り確保する取り組み、法遵守、労働者や中小企業への支援等、各地域の労働局、労働基準監督署、公共職業安定所が果たす役割と責任は、今日ますます重要度を増している。手厚い人事配置を行うこと。
    これまで、国の「行革推進法」のもと、職員の定数削減がされ、兵庫県においても、この4年間で93人減らされている。このことも要因となり、派遣労働者の申告も労働局に集中し、緊急雇用対策の助成金についても一つの窓口が対応し、労働基準監督署や公共職業安定所も、相談者の増加で、減らされた人員では、対応できない状況である。また、相談者にとっても、利用しにくい状況となっており、早急に抜本的な人員増を行うこと。
    法令等の遵守など、解雇や雇止め、労働条件切り下げ等についての不適切な取り扱いがないように、事業主および労働者の啓発活動は重要だが、新たに作成されたパンフレットは数量不足や未活用が目立っているなど、取り組みは不十分である。事業所へのパンフレットを届けることをはじめ、チラシ作成・配布やホームページ配信など広報啓発促進のための実効ある措置(予算措置、人員配置)を取ること。
    また、「中小企業緊急雇用安定助成金」の申請を公共職業安定所でも受け付けられるよう、人員配置等を含め拡充を行うこと。
  4. 失業者への緊急支援について
    失業を余儀なくされた人々への生活援助は、雇用促進住宅への入居斡旋や融資制度などがあるが、中々実態に合わず、実際の入居者や利用者は少ない数字にとどまっている。また一時宿泊業務をになう施設が圧倒的に少なく、利用者の増加にとても対応しきれない。実態にあった条件での住宅斡旋や雇用促進住宅への入居のための整備、家賃等必要経費への支援の拡充、緊急一時避難所の増設が必要である。
    同時に、失業を余儀なくされた人々への生活支援(住居確保、積極的な制度活用)と再就職支援をワンストップで行える総合窓口を設置し、必要な機能拡充を図ること。
    また、雇用促進住宅について、「(廃止の閣議決定)見直しを含めて検討する」との大臣答弁通り、早急に再検討し白紙に戻すこと。それまでは、一方的に入居者の退去の手続きを進めず、退去を強制しないこと。また、立ち退き料の不公平を改善すること。

以上

2009年3月6日

日本共産党兵庫県委員会委員長 岡正信
同 常任委員 瀬戸恵子
元県会議員 金田みねお
兵庫国政委員長 堀内照文
日本共産党兵庫県会議員団 団長 ねりき恵子

厚生労働大臣 舛添要一 殿

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