 |
2014年度予算編成に対する申入書
農政環境部
T 農林水産業について
- TPPについて
- 県内農林水産業を壊滅させるTPP交渉からの撤退を国に強く求めること。
- 仮にTPP参加による非関税障壁撤廃が求められた場合にも、食の安全を守る立場から、産地表示、遺伝子組み換え表示、農薬回数等の表示、トレーサビリティなどが継続されるよう求めるとともに、「ひょうご安心ブランド」など独自の認証も継続すること。
- 燃油高騰への対策について
- 軽油引取税の免税措置・農林漁業用輸入A重油にかかる免税措置・農林漁業用国産A重油にかかる還付措置の恒久化を国に求めること。
- 「漁業経営セーフティネット構築事業」における燃油費の補填発動の基準を引き下げるよう国に求めること。
- 県として値上がりに対する補てんなど独自の支援を行うこと。
- 農業の発展のために
- 国の「成長戦略」による農業・農村の「所得倍増」計画は、コメの生産コスト引き下げや大手流通加工企業の主導する6次産業化など、農業を株式会社の参入で大企業のビジネスチャンスにするもので、農家の所得を増やすものではない。国に撤回を求めること。
- 義務でないミニマムアクセス米の輸入を中止することを国に強く求めること。
- コメの価格は、少なくとも60キロ・1万8千円の価格保障を中心に、農地面積などを対象にした各種の所得補償を組み合わせて生産コストをカバーできる施策に切り替えるよう国に求めること。
- 兵庫県の状況をふまえ、中山間地等直接支払制度の恒久化と要件緩和を国に求めるとともに、県として中山間地など条件不利地への支援を充実すること。
- 大規模農家のみでなく、農家の多くを占める小規模・兼業農家も「担い手」として支援すること。また、集落営農化は農家の意思を尊重すること。後継者育成のため、新規就農希望者への支援をさらに充実・強化すること。
- 麦・大豆など主な農産物に価格保障、所得補償を実施し、国産を活用したパンや加工品の学校給食での普及・拡大などを支援し、国産麦や大豆の需要拡大をはかるよう国に求め、県独自でもすすめること。
- 都市近郊の農業と耕作地を守るため、生産緑地の要件を緩和するとともに、特定市以外にも生産緑地制度を導入し、全県的に拡大すること。
- 株式会社の農地利用については、もうけ優先で農業から撤退して、大規模な荒廃・転用がおこるなどの事態を防ぐため、監督・規制を強めること。
- 遺伝子組み換えナタネの拡散、生育が県内で認められており、交雑が心配されていることから、県として定期的に調査を行うとともに、輸入時の零れ落ちなどを防ぐ対策を検討すること。
- 畜産業の発展のために
- BSE対策について、輸入制限緩和を行わないよう国に求めるとともに、全頭検査を復活すること。
- 安全な飼料を確保できるよう支援すること。
- 口蹄疫や鳥インフルエンザなど家畜の防疫対策について、発生原因の解明や十分な予防対策に万全を期すこと。機敏な対応のための体制を確保すること。
- 基盤整備について
- 土地改良事業については、地域や農家の意見を良く聞き、必要なものについて国庫補助の拡充を国に求め、県費補助率を引き上げ農家負担の軽減を図ること。
- 農道・用水路等は広域的な施設であり、地元農家に財政負担をさせないこと。
- 宍粟市の基幹農道蔦沢―菅野線は事業を中止すること。
- 林業振興のために
- 県の公共事業に数値目標を設定し、県産材利用を抜本的に増やすこと。
- 県産材利用促進のために、品質の向上を図り、木材加工技術の新たな研究開発の促進、融資や税制上の優遇措置を拡充するとともに、県産材使用の住宅リフォーム助成制度を創設するなど、使用住宅を広げること。
- 木質バイオマスなど間伐材の利活用の研究をすすめるとともに、支援策拡充で一層の促進を図ること。
- 林業労働者の所得保障制度の創設と、共済事業や社会保険制度、新規就業者支援の拡充を国に求めるとともに県の支援策をすすめること。
- 広域基幹林道建設は、見直しを行い不要不急の事業は中止すること。一般林道や作業道の充実をはかるとともに、簡易な作業道への助成、維持管理への補助制度を創設すること。同時に希少野生動物の保護対策に取り組むこと。
- 間伐・除伐への助成強化を国に求めるとともに、県独自でさらに支援を行うこと。
国の間伐補助の面積要件(5ha以上)を従前の0.1haにもどして事業ごとの補助とするよう国に求めること。
- 野生動物被害対策について
- シカ、イノシシ、サル、クマなどによる鳥獣被害対策について防護柵などの設置・更新への県補助を増額すること。
- 駆除に参加する猟友会員への支援をさらに強めるとともに、シカなどの処理施設を県として整備すること。
- 効果的な駆除・防除の対策とともに、生態系を取り戻す抜本的な研究・対策を講じること。
- アライグマやヌートリア、ブラックバスなどの外来生物の駆除、防止対策をさらに強化すること。
- 被害補償への県の支援を充実すること。
- 水産業振興のために
- 後継者育成のため、青年漁業者支援制度を創設すること。
- 不法外国船の取り締まりを強化するよう国に求めること。
- 種苗放流費用の受益者負担の軽減を図ること。
- 生態系を崩す外来魚の調査研究をすすめ、対策を強化すること。
- ノリ養殖における乾燥機等の費用や水道料金軽減などの支援をおこなうこと。
- 豊かな海を取り戻すために
- 藻場・干潟の再生など、住民・関係者の参加で豊かな瀬戸内海をよみがえらせることを目的とした瀬戸内海再生法の制定を国に求めるとともに、県として森・川・海の総合的な環境保全対策や藻場、干潟の再生などに、目標を明確にして、住民参加で取り組むこと。
- これ以上の埋め立てなどの開発や海砂利採取を禁止するなど、関係府県と連携して、漁場の保全を図ること。
- 漁場の荒廃・破壊につながる産業廃棄物の海上不法投棄防止のため万全の対策を取ること。
- 瀬戸内におけるノリの色落ち対策のため、ため池や加古川大堰の冬季一時放流など具体的な研究を進め、環境保全と両立させながら栄養塩供給をはかること。
- 農林水産技術センター等試験研究機関の基礎的な研究やその役割はますます重要になってきている。研究員はじめ人員の削減縮小でなく増員・充実をはかること。
- 行革によるこれ以上の農林水産振興事務所の縮小、農業改良普及員等の削減は中止すること。
- 地産地消の促進について
- 県内食料自給率の向上に向けて、農畜水産物の販路拡大や流通に県が責任を持ち、地産地消で安全な食料提供を抜本的に推進すること。地域での自主的な取り組みを支援すること。
- 学校給食に地元産の野菜や魚介類、畜産物などの活用を、教育委員会と連携して進めること。米飯給食への補助を復活すること。
U 環境対策について
- 地球温暖化対策・再生可能エネルギーの爆発的普及について
- 温室効果ガスを2020年までに90年比25〜30%削減するなど、積極的な「中期目標」を持つよう国に働きかけるとともに、県として持つこと。
- 企業の排出量と削減目標を事業所ごとに公開するだけでなく、キャップ制で義務的に削減を課す条例を制定すること。
- 再生可能エネルギーの普及にあたっては、大企業主体の大規模発電施設中心でなく、地域の資源を生かした住民や市町主体の取り組みを支援すること。
- 住宅用太陽光発電の県独自の設置補助金を復活し、さらに充実をめざすこと。
- 農業用水路などを利用した小水力発電の普及のために、発電を行う農業団体などへの導入費用補助制度や、水利権等手続きについての相談窓口を設置すること。
- 石炭火力発電は、温室効果ガス削減に大きく逆行することから、神戸製鋼の石炭火力発電の新増設計画は中止するよう働きかけること。
- TPPに参加すれば、水田等が持っている環境保全の機能も失われる。環境に与える影響について調査し県民に明らかにすること。
- 大気汚染対策について
- 神鋼環境ソリューションが、兵庫西流域下水汚泥広域処理場で、汚泥を焼却した際に出る排ガス濃度のデータを改ざんしていた問題について、実態調査・公表し、厳正に対処すること。立ち入り調査の実態についても検証を行い改善を行うこと。
- 改正大気汚染防止法に基づき、大気汚染物質の実効ある排出規制のために、企業等への立ち入り検査等を厳正に行えるよう、体制を充実すること。
- 神戸製鋼の石炭火力発電所に毎月の大気汚染物質、重金属類の排出データを県民に公表させること。
- 土壌汚染対策について、操業中の工場敷地や、工場敷地を別の工場に売却した場合など、土壌汚染防止法の対象外の工場についても、県として法と同趣旨の調査と報告を求めること。
- 自動車排ガス対策について
- 環境省調査(そらプロジェクト)で、43号線周辺で子どものぜんそく発症率が高いことが明らかになっていることから、調査結果を活かした排ガス対策を検討すること。
- ディーゼル車運行の独自規制は廃止せず継続し、対象地域への排出不適合車の規制をさらに徹底すること。
- 尼崎公害訴訟の原告と国との合意文書に基づき、環境ロードプライシング・国道43号での通行ルールの定着などの継続をはじめとする環境対策に取り組むこと。
- アスベスト対策について
- 飛散対策について、解体工事現場等の監視体制をさらに強化すること。
- 民間建築物にかかるアスベスト除去費用に対する補助制度を県としてつくること。
- アスベストを含む建築廃棄物の最終処分場における処理の監視を強化し、飛散防止に万全を期すこと。
- ごみの増量をまねき、危険性が指摘されている「東播磨臨海広域ゴミ」「北但馬広域ゴミ」処理施設建設計画を凍結するとともに、県下の広域ゴミ処理計画を住民本位に見直すこと。
- 姫路市夢前町・赤穂市福浦地区・朝来市上岩津地区など、住民の反対が強い産廃処理施設計画は、計画中止を求めること。
- PCBの処理は、使用者が行うことになっているため、中小企業では処理費用が大きな負担となっていることから、中小企業へ費用助成をするなど安全な処理を行う対策をとること。保管状況の監視・指導を強化すること。
- 生活排水事業について、淡路など未整備地域の市町と住民負担を軽減する財政支援を行うこと。
- 自然環境保護、生物多様性の保全のために
- イヌワシ・クマタカをはじめとする希少な動植物の保護・保全の施策を進めること。
- 河川や湖沼、ため池などの水質改善の積極的な取り組みをすすめること。
- 武庫川をはじめ、天然アユの遡上できる河川の自然再生に取り組むこと。
|
|
|
|
 |