■県土整備部
1.投資事業について
- 「行財政構造改革」によって県民生活にかかわる予算を削減する一方で投資事業予算は「行革」前の水準を確保するという姿勢をあらため、不要・不急の事業を見直すなど大幅な削減を実施するとともに、生活に密着した事業に転換すること。
- 各事業ごとに、第三者機関による事前、事業途上、事後における評価システムを確立し、必要な見直しを行うこと。また対象事業の選定に、県民参加を保障するとともに評価の内容を詳細に公表すること。
- 県が行う道路・街路・河川・港湾事業等、広域にわたる事業や広く県民に供用される土木事業については、市町に負担を求めないこと。
2.空港問題について
- 関西国際空港の第2期工事の中止を国に強く求めるとともに、県として新たな負担を拒否すること。
- 神戸空港は、採算・安全・環境面など問題が多く、何より市民の合意が得られていないことから、神戸市に対し工事の中止を求めること。
- 播磨空港計画については、関係市町や住民の要望に応え、きっぱりと中止すること。
- 但馬空港は、県および関係市町の財政に多大の負担をもたらしていることから、その運営について全面的に見直すこと。
3.道路整備について
- 第7期道路整備5カ年計画の実施にあたっては、高速道路優先でなく、生活道路や歩道の整備、安全対策などを重点とした事業にあらためること。
- 格子型高規格道路の建設を見直し、高齢化社会に対応し生活道路のバリアフリー化を実施するとともに、地球環境対策や快適な都市生活のために、パークアンドライドや路面電車など公共交通網の整備を促進すること。
- 道路は地域の骨格となり公共空間として環境そのものを形成していることから、道路整備にあたっては良好な環境を創造するよう配慮し、人優先の歩道整備などを促進すること。
- 阪神間南北高速道路計画・高速東神戸南北線と、既に着工している阪神高速北神戸線の一部については、環境・住民合意・採算などに問題があり見直しを行うこと。
- 県道神戸三木線の改修については、妙法寺川の改修とあわせて早期に実施すること。
- 紀淡連絡道路関連調査は、ただちに中止すること。
4.鉄道整備等公共交通について
- 路線バスに対する規制緩和に反対するとともに、市町営バスや過疎バスなどに対する県独自の支援策を強化し、地域の「あし」を守ること。
- 県内すべての駅舎のバリアフリー化計画を立てること。当面国の基準である乗降客5,000人以上の駅舎については、現計画を大幅に前倒しして実施すること。
- JR播但線の全線電化と複線化を急ぐとともに、JR姫新線のダイヤ大幅削減の中止と電化・複線化を鉄道事業者に求めること。
- 阪急甲陽線の地下化計画は、交通渋滞の解消につながらないことは明白であり、この計画を中止するとともに抜本的な渋滞解消対策を検討すること。
- 阪急武庫川新駅(仮称)の新設を、阪急電鉄株式会社や関係市に働きかけること。
- 壮大なムダが明らかな大阪湾横断鉄道構想は中止をすること。
5.港湾について
- 姫路港や尼崎・西宮・芦屋港など、採算見通しのない大型深水バースの建設を中止すること。
- すべての港湾の環境整備を実施するとともに、厳正な管理を行い美しく親しめる港湾にすること。
- 県内すべての重要港湾において非核「神戸方式」を採用するとともに、軍艦の入港を拒否すること。
6.河川治水対策について
- 武庫川の治水対策は、武庫川ダム計画を白紙撤回したうえで流域全体での総合治水による計画とすること。また、リバーサイド地区の治水安全対策をただちに実施すること。
- 金出地ダムについては、過大な利水計画となっており、中止を含め抜本的に見直すこと。
- 災害を未然に防止するための改良工事を積極的に実施すること。とりわけ都市における災害防止対策を強化すること。
- 「阪神疏水構想」は、莫大な事業費を投入しても防災・消防活動に役立たないばかりか、環境面にも大きな問題があることから中止すること。
7.下水道整備について
- 過大な流域下水道計画を見直すこと。下水処理水を河川に還元し、清流として取り戻すこと。
- 公共下水道事業など生活排水処理の整備については、地元市町と住民の負担を軽減するため、一般財源を投入するなど支援策を強化すること。
8.砂防について
- 小規模生活ダムも含めすべてのダム計画は、関係資料を全面公開するとともに、見直しを行うこと。
- 災害の未然防止のため、土石流危険渓流や地すべり危険箇所などの整備を急ぐこと。
- グリーンベルト事業については、保安林の指定などによって防災の目的を達成している土地の取得は行わないなど必要最小限にとどめること。
9.開発事業における環境保全について
- すべての開発事業について、構想段階から事業完成後も含め、全面的な環境アセスメントを実施すること。
- アセスメント結果はすべて公表し、開発の可否、代替案を含む計画の変更、原状回復など環境保全に必要な措置をとること。
- 環境影響評価委員会は、公正と客観性の確保のため学識経験者だけでなく住民代表を加えること。また、アセスメント結果を実効あるものにするため、委員会として一定の権限を持つこと。
- 阪神国際海上都市、西宮沖防災拠点計画などは過大な事業であり、環境を破壊する新たな埋め立て計画は中止すること。
- 関西国際空港第2期工事のための土取りを中止すること。
10.建築指導について
- マンション建設をめぐるトラブルを解決するため、周辺住民の立場に立って指導にあたること。
- マンションも含め分譲住宅の欠陥問題や分譲業者とのトラブルを解消するための相談窓口を開設するとともに、県民の立場に立って業者への指導を行うこと。
- 宅地造成における災害を防止するため、パトロールを実施するとともに危険箇所については、法の適用も含め業者に対し厳しく指導すること。
11.土地開発公社等が保有している「先行取得用地」について、すべての箇所と取得面積・金額を公表すること。また今後の土地利用計画については住民参加でつくるとともに、新たな取得については必要最小限にとどめること。
12.県営住宅について
- 県営住宅の建設や管理は、公営住宅法に定められているとおり県の責任において行うべきであり、住宅供給公社への全面委託はやめること。
- 最低居住水準未満の世帯で公営住宅対象世帯が約36,000世帯もあることから、県営住宅の大量建設を行うこと。
- 耐震性や避難性能が基準を満たしていない県営住宅の早期建て替えを行うこと。
- 県営住宅のバリアフリー化を促進するため具体的な年次計画を策定し、積極的に実施すること。
- 県営住宅など公営住宅の建設や建て替えにあたっては、デイサービスセンターや特別養護老人ホームなど高齢者福祉施設や「ケア付き住宅」などを併設し、入居者と地域の福祉水準を向上させること。
- 県営住宅の建設・建て替え、改修工事については、分割発注を徹底し、地元中小零細業者に優先発注すること。なおその際、最終段階の下請業者まで適正な請負単価が保障されるよう指導すること。
- 県営住宅への若年世帯の入居を積極的に推進するために所得制限を緩和すること。
- 災害公営住宅について
- 「元住んでいたところに戻りたい」との被災者の願いに応え、県外被災者の入居を促進するとともに、住み替え制度を拡充すること。
- 全・半壊証明書がありながら「解体証明」を持たない被災者に対しては「一般者」としてではなく「被災者」としての入居資格を与えること。
13.住宅について
- 高齢者や障害者・低所得者・青年向けの恒常的な「民間賃貸住宅家賃補助制度」をつくること。
- 公社住宅の供給は、都市部における賃貸住宅の供給に重点をおくこと。また老朽化した賃貸住宅の建て替え等は前倒しして実施すること。その際、県が財政支援を行い、従前居住者も住めるような家賃設定とすること。
- ゆきづまりつつある「特定優良賃貸住宅制度」の改善を国に求めるとともに、県独自に家賃減額補助、利子補給を拡充すること。
- 公営住宅・民間住宅を問わず、賃貸住宅から退去する際、畳の表替え・ふすまの張り替え・内壁の塗り替えなどについては、故意による破損・汚染以外は入居者の負担でないことを周知徹底すること。
- 住宅など建築物の耐震性確保のために、耐震診断の補助だけでなく、改修などにも補助を行い、耐震対策を強化すること。
14.マンション問題について
- 県下のすべての分譲マンションについて、戸数、規模、管理、老朽度などの調査を行い、問題のあるマンションに対する支援策を確立すること。
- マンションの劣化診断や耐震診断、修繕計画の作成、耐震補強、大規模修繕、改築建て替え等についての助成と長期低利の融資制度を県独自にもつくること。
- マンション問題についての法律、技術、管理など総合的な相談に対応できる総合窓口を設置し、問題解決のために積極的に支援すること。
15.まちづくりについて
- 既成市街地における再開発事業や土地区画整理事業については、地域住民の生活・歴史・環境を無視した従来型の大規模開発をやめ、地元住民の参加と合意のもと「歩いて生活できる」環境整備に取り組むこと。
- 難航している被災地の面的整備事業については、関係住民の声を尊重し必要な場合は計画の変更も含め見直しを行うこと。
- 密集市街地整備事業については、真に効果ある事業にするために地域住民、とりわけ地権者の意向を尊重し計画を策定すること。
- 大規模小売店舗立地法の施行にあたっては、適正な運用を行うことはもちろん、近隣商店街との共存共栄ができるよう、まちづくり基本条例を改正すること。
- 市街化調整区域の開発許可の弾力的運用については、厳正に行うこと。
- すべての高齢者・障害者が、安心して外出できるよう市街地のバリアフリー化の年次計画を早急に作成し、積極的に実施すること。
- 公園の整備にあたっては「播磨中央公園」「有馬富士公園」などの広大な公園に偏重せず、県民が身近で日常的に利用できるよう各地に適正規模の公園を設置すること。
- 施設の企画・設計にあたっては、県内設計業者の育成や経済性を大切にし、特定建築家との随意契約をやめ、公正な競争入札とすること。
- 多くの問題が指摘されているコンペ方式やプロポーザル方式をやめ、県職員の能力や創意を発揮させること。また現在行っているコンペ方式については審査基準・メンバーおよび応募者とその内容をすべて公開すること。
- 小野長寿の郷(仮称)基本計画の策定にあたっては、需要見通し・環境問題・周辺地域に与える様々な問題を考慮し、中止・縮小も含め慎重に検討すること。
16.工事発注にあたって
- 中小企業への発注率を飛躍的に高めるための指導を貫徹させるために、横断的な組織をつくること。
- 一般競争入札を基本にすること。また分離・分割発注はもちろん、あらゆる工夫をして地元中小零細企業への発注率を当面8割以上に高めること。
- 最終段階への下請企業への単価保障を行うために、すべての下請契約を掌握・管理すること。また「不払いや不当な単価切り下げ」などの事態が生じないよう万全の措置をとること。
- 公正な「競争」のために、入札にあたっては、事前に予定価格を、事後に最低制限価格を公表するなど、行政として談合を生まないようにするとともに、説明責任を明らかにすること。
- 談合情報が寄せられた場合は、警察に通報するなど厳正に対処すること。
- 談合の事実に対しては、地方自治法施行令に従い、入札参加資格の取り消しを迅速に行うとともに、取り消し期間を2年間とするなど厳正に対処すること。
- 下請代金不払いおよび賃金不払いを根絶するために、建設業法や「公共工事の入札・契約の適正化促進法」など法の適用も含め厳正に指導・監督すること。
17.県幹部職員の在職中の業務に関連する企業や業界への天下りを少なくとも5年間は禁止するための条例を制定すること。
■長期ビジョン部
1.「兵庫長期ビジョン」について
- 県と県民が当面している諸困難を直視し、その具体的な打開策を「県民が主人公」の立場ですすめ、県民の将来不安をなくすものにすること。また、地方自治の本旨に基づき県行政の責任を明確にすること。
- 全県ビジョン、地域ビジョンを問わず、県民の実態が正確に反映されるように、県民の意見を従来の対象以上の広い範囲から聴取すること。
2.市町合併について、市町の自主性を尊重するといいながら実際には、「市町経営 のあり方検討支援会議」から「同支援本部」に組織変更するなど、国の方針と歩調を合わせ合併の誘導を強めている。
- 国の露骨な合併誘導方針に反対を表明し、すべての情報を公開するとともに、合併の是非については住民合意を基本とし、市町の自主性を尊重する態度を明確にすること。
- 市町合併を誘導する地方交付税の「段階補正」の縮小を行わないよう国に求めること。
3.地域振興について
- 地域振興計画は、市町の意向を十分尊重するとともに、大型開発中心ではなく、地域住民のくらし、福祉、環境を守ることを重点にすること。
- 無駄な大型開発を推進する「大阪湾ベイエリア開発」は抜本的に見直すこと。
4.市町振興について
- 深刻化する市町財政の健全化と充実のための支援強化を国に求めるとともに、県も独自に支援計画を確立すること。
- 市町の自主性を尊重し、市町の策定する「振興計画」に介入しないこと。
- 自治振興助成事業による市町への助成を拡大するため、生活排水対策事業の助成は一般会計から賄うこと。また、県からの事業のおしつけをなくし、市町の自主的な申請を優先すること。
- 過疎、辺地、離島対策について、これまでの対策を総括し、現地の課題解決に真に有効なものに改善すること。とりわけ介護や医療、保育所、交通などの事業の水準を高め、不利を是正するよう国に求めるとともに、県独自の支援を強めること。
- 「ヘリコプター運行事業」は廃止すること。
- CATV放送については住民要求や需要などを見極め、計画の押し付けや過大な受益者負担をもたらさないようにすること。
5.水資源の確保について
- 淡路1市10町への「本土導水」は市町への負担増にならないよう、淡路広域水道企業団との分水基本協定を改訂して、神出浄水場〜淡路間の導水施設費と維持管理経費は県負担とすること。
- 篠山市への県水の供給についても県の責任において地元の負担増にならないようにすること。
6.選挙の公正と住民の権利保障について、
- 住民基本台帳のネットワーク上の個人情報管理にあたっては、プライバシーの保護に万全をつくすこと。
- 18歳選挙権制度の確立を国に求めること。
- 永住外国人の地方参政権の法制化を国に求めること。
- 車椅子利用の障害者や高齢者の投票権を保障するために、すべての投票所の段差を解消するなどバリアフリー化をすすめること。また、視覚障害者が識別できるように点字投票用紙に選挙の種類を点字印刷すること。

■復興本部総括部
1.国連社会権規約委員会の政府への勧告、なかでも阪神・淡路 大震災に関する勧告を尊重し、これを実行するために
- 国連の見解を「事実誤認」などとする態度を改め、勧告の尊重と実行を国に求めるとともに、県としてもこの勧告を真摯に受け止め実行すること。
- 「創造的復興」を名目にした開発優先の立場に立つ「後期5カ年推進プログラム」を改訂し、住宅・店舗の再建のための二重ローン対策や被災高齢者対策など被災者の生活再建のための直接支援や高齢者・障害者などに対するコミュニティーサービスの充実などを重点にすること。
2.被災者の生活と営業、住宅の再建のため「被災者生活再建支援法」の抜本改正を国に求めること。
- 現行の「被災者生活再建支援法」の少なすぎる支給金額、厳しすぎる支給要件の改正を国に求めること。
- 住宅再建支援については、共済制度に固執するのではなく、国の責任を明確にした公的支援とするとともに、阪神・淡路大震災への遡及や借家人への支援を明確にした内容で国に求めること。
3.復興基金事業を拡充すること
- 復興基金の増額と期間の延長を国に求めること。
- 震災に関係のない事業や一般施策で措置すべき事業を、復興基金から除外し、被災者の生活と営業の再建に直接役立つものに切り換えること。
- 基金事業の中の補助金や利子補給の要件を全面的に見直し、必要なものは緩和すること。また、被災者自立支援金支給の世帯主要件を改善するとともに、これに関する控訴は取り下げること。
- 基金事業の拡充をより弾力的に行えるよう、基金の運営を改善するとともに基金の理事会に被災者代表などを加えること。
4.復興都市計画事業について
- 地権者、借家人を問わず、すべての被災者が、「希望する元住んでいたまちに戻れる」よう計画を抜本的に見直すこと。特に、被災者の負担金が大きすぎることがネックになっている場合が多く、改善すること。
- 高層ビル中心の計画をやめ、地域の実情に即したものとすること。
- 計画地域内での災害公営賃貸住宅の建設を優先すること。
5.阪神・淡路大震災メモリアルセンターT期については、被災者の意見や要望を反映したものにするとともに、2期については建設を中止すること。
6.1.17メモリアルデーの運営は被災者の実情を反映したものにするため、被災者団体の意見を尊重すること。 |