2016年度予算編成にあたっての重要政策提言(3)
第3.原発からの撤退、再生可能エネルギー導入、公害防止と環境保全のために
九州電力・川内原発の再稼働が行われたが、多くの国民は、原発の安全性や将来のエネルギー計画について、さまざまな意見、疑問を持っている。国民的な議論で、再稼働をやめ、原発ゼロの日本にすすむことが求められている。
- 政府にたいし、川内原発や福井の原発群をはじめとする原発再稼働をやめ、原発輸出政策を中止するよう求めること。
- 兵庫県のエネルギー長期展望については、「ベースロード電源」として原発に依存し、石炭火力発電をすすめる姿勢をあらため、原発ゼロ、脱化石燃料を柱にして、再生可能エネルギーの2030年目標を40%に引き上げること。
- 関西電力にたいし、電力料金の値上げを抑制することを求め、高浜・大飯、美浜などの再稼働計画の中止、高速増殖炉「もんじゅ」の廃炉を申し入れること。
- 実効ある地球温暖化防止対策のため、現行の、2020年度の90年度比3%削減目標を大幅に引き上げること。排出量の半分を占めている、条例対象事業所をはじめ大規模事業所に温室効果ガスの排出総量削減を義務付ける制度を導入し、特定物質排出状況と削減計画の公表は、事業者単位でなく事業所ごととすること。
- 温暖化対策に逆行する、神戸製鋼所などによる石炭火力発電所の新設や、関西電力などによる燃料の石炭への切り替えは中止を求めること。燃料切り替えについて、新設時と同様のアセスメントを求めること。
- 大気汚染対策について、半数の測定局で環境基準非達成(平成26年度)となっているPM2.5の成分分析と発生源の推定を進め、情報公開と、地域に応じて工場への指導強化や自動車排ガス規制の強化など、適切な対策を講じること。
- 神鋼加古川工場や、新日鉄住金広畑製鋼所などで、降下煤塵の発生が自主管理目標値を上回るなど、飛散が続き、住民生活に影響を及ぼしていることから、改善の指導を強化すること。
- 石綿(アスベスト)被害対策について
(1) 認定基準を緩和するなど、すべての被害者、家族に、より充実した補償と救済を行うよう国に要望すること。今後被害のピークを迎えると予測されることから、健康福祉事務所をはじめ相談体制を強化し、関係機関と連携して、早期診断、治療、被害補償につなげるようにすること。 (2) 解体現場、搬送、最終処分場における埋め立てにおいて、違法行為が後をたたないことから、監視・立ち入り検査を強化すること。昨年明らかになった新日鉄住金広畑第一製鋼所内における件のような、自社敷地内におけるアスベストの違法処理についても厳しく対処すること。 (3) 民間建築物にかかるアスベスト除去費用に対する補助制度を県としてつくること。
- PCBの処理は、使用者が行うことになっているため、中小企業では処理費用が大きな負担となっていることから、中小企業へ費用助成をするなど安全な処理を行う対策をとること。保管状況の監視・指導を強化すること。
- 産業廃棄物の不適正処理については、国の行政処分指針を基本に、行政処分・刑事告発を厳然と行い、悪質な事業者を排除し不法投棄の未然防止に努める産廃行政に転換すること。
- 姫路、赤穂市など県内各地で産廃最終処分場計画が進められているが、いずれも浄水場、漁場周辺などで計画されており、専門家から「最終処分場計画地として不適格であることは明確」と指摘されている。不適格な計画地での産廃最終処分場建設を認めないこと。
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