2014年度予算編成にあたっての重要政策提言(5)
第5.災害や事故から県民の命と暮らしを守る兵庫県に
近年、東日本大震災だけでなく、台風や豪雨、土砂災害など大規模な災害が毎年のように頻発している。福島原発事故の放射能汚染はさらに拡大するなど深刻さを増している。災害や事故から命と暮らしを守る政治が強く求められている。
〈災害に強い兵庫県へ〉
- 災害への備えの強化について
- 南海トラフなど巨大地震災害などに備え、県防災計画を抜本的に見直し、防潮堤や阪神南の広域防災拠点など必要な防災施設の整備と安全点検など防災対策をすすめるとともに、県民の避難体制の整備など、安全対策をすすめること。
- 県立こども病院のポーアイ移転については、津波被害等で、災害拠点病院としての機能が果たせない危険があり、中止すること。
- 昨年発生した淡路地震で、県立淡路病院にも防護擁壁や駐車場などにひび割れなどの被害が及んでいる。浸水防止壁が災害から守る役割が果たせるのかなど、災害対応を検証し抜本的に見直すこと。
- この間実施されて市町合併や県行革による土木事務所や健康福祉事務所の廃止や人員削減が、災害のとき、実態把握や支援対策などが迅速にできないなど、住民の命と安全を守るうえで、地方自治体の役割と責任が大きく後退している。防災体制を確立するために、「行革」を見直し、マンパワーの充実を図ること。
- 耐震化補助の予算を増額し、民間住宅の耐震診断を無料にし、住宅耐震化を抜本的に促進すること。とくに遅れている昭和57年以前の旧基準の耐震化を抜本的に強化すること。
- 県立学校・小中学校・特別支援学校や、遅れている保育所等の社会福祉施設の耐震化を早急に100%にすること。
- 急傾斜地対策や土石流危険地域の対策をすすめること。
- 山林に放置された風倒木が豪雨・台風被害を拡大したことから、再発防止対策をすすめること。
- 淡路地震の被害で、見舞金以外の公的支援金はなかった。県独自の被災者への公的支援を、少なくとも2004年に実施した水準まで復活し、淡路の被災者に適用すること。「被災者生活再建支援法」や「災害救助法」について、適用戸数の柔軟化や一部損壊も対象にするなどの支援金増額も含めた改正を国に求めること。また、被災した店舗・工場も支援対象にするよう国に求めるとともに、県としても支援制度をつくること。
- 福井県の大飯原発や高浜原発が原発事故を起こせば、放射能汚染は兵庫県全域に及び、但馬、丹波、神戸、阪神地区など25市町で安定ヨウ素剤の服用が必要なレベルを超えるとの、放射性物質拡散シミュニレーションが発表された。
また、琵琶湖が放射能で汚染されれば、近畿一円の住民生活と企業活動、社会全体に多大な影響を及ぼす。 避難者受け入れなど、原発事故から県民の命と安全を守る対策を早急に策定し公表すること。また、原発を稼働させないことが、安心・安全の最大の保障であることから、原発再稼働にきっぱりと反対すること。
- 住民の命と安全を守る消防体制が全国からみても最低水準にまで後退している。消防本部を減らす「消防の広域化」をやめ、計画を市町におしつけないこと。国が示した「消防力の基準」に満たない消防力の強化こそ重要であり、消防職員の増員や、消防水利の整備などを国に求めるとともに、県としても支援すること。
- 阪神淡路大震災被災者のUR借り上げ復興公営住宅について、入居者の追い出しを中止し、希望者全員が安心して住み続けられるようにすること。
- 災害援護資金貸付金の返済について、東日本大震災と同様の徴収猶予を、阪神淡路大震災被災者にも適用するよう国に強く要望すること。
- 昨年の網干日触爆発事故を通して、石油コンビナート防災会議が開催され、防災訓練の実施など防災対策がすすめられている。臨海コンビナートと住宅密集地が隣接しており、大規模災害が発生したときの安全対策は、事業所まかせのあり方を改めるとともに、県単位の防災計画だけでなく、臨海部一体の防災計画について国が責任を持ち、国と地方の関係行政機関と事業所が連携してすすめる体制の構築を国に求めること。
(東日本大震災被災者支援は生活再建を柱に)
- 被災者の暮らしの復興は程遠く、今も困難な状況がつづいている。復興予算の横流しを許さず、被災者支援に誠実な取り組み、被災者の生活と生業の再建を中心にした支援策を拡充するよう国に働きかけること。
- 被災地の医療費免除のうちきりをやめ、国の責任で免除するや被災中小企業グループへの支援の継続すること。
- 被災ローン減免をもっと有効活用できるように、周知や金融機関への対策を行うこと。
- 兵庫県内に避難している東日本大震災被災者にたいする、生活面での支援、仮設住宅扱いによる民間賃貸住宅での家賃負担などを行うこと。
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