老朽化した道路・トンネル・橋りょう等の点検と安全対策を求める申し入れ
中央自動車道の笹子トンネルで天井板が落下し、9名が亡くなった事故が県民に衝撃を与えています。 大事故となったのは、天井をつり金具で支える構造の問題も指摘されていますが、大きな原因は老朽化とされています。高速道路6社が管理するトンネルの5分の1以上、道路も約4割が開通から30年を超えていると言われているもとで、今後同様の問題の発生が心配されます。県内に5ヶ所あるとされている同構造のトンネルはもちろん、老朽化したトンネル・橋梁・道路等の点検が必要です。 また、同事故では打音検査が行われていなかったことや、改修が先延ばしにされていたことなど、安全管理や点検の方法が適切でなかった可能性があり、この点で事業者だけでなく国や県が責任を果たすことが求められています。 問題の根本には、高速道路の新規建設など大型開発を優先し、老朽化対策を怠ってきた道路行政があり、新規開発から「維持、管理、更新」に公共事業の力点を移すことが必要です。 以上のことから、下記について早急に対応されることを求めるものです。 記 1. 事故トンネルと同構造の県内トンネルについて緊急点検を行い、県民に結果を知らせること。 2. 事業者による点検結果についての報告と適切な安全管理を義務付けるしくみをつくること。 3. 県内の道路・トンネル・橋梁の老朽化の状況を調査・把握し、総点検を早急に実施し、安全対策を講じること。 4. 社会基盤整備プログラムの見直しに当たっては、高速道路の新規建設など大型開発優先から「維持・管理・更新」を重視する政策への転換を図ること。 以上 兵庫県知事 井戸敏三 様 |