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2011年09月14日

2012年度予算編成にあたっての重要政策提言(9)

第9.すべての子どもの成長発達を支える教育に転換を

どの子どもにも、十分な教育を受けて成長発達する権利があり、そうした教育の保障こそ、平和で豊かな社会を築く鍵である。ところが日本では、「世界一高い学費」のもとで貧富の差に寄る教育格差が広がり、さらに県による過度の「競争」や非人間的な「管理」が子どもの成長をゆがめている。この異常さは、国際機関も厳しく指摘しており、その転換がつよく求められている。

  1. 教育費の負担軽減・無償化をすすめること
    1. 義務教育は、無償が原則である。しかし、無償の対象は、授業料や教科書代などに限られ制服代、修学旅行費の積立などの負担が家計を圧迫している。義務教育に相応しく家計負担の解消を求めること。また、就学援助の国庫負担制度を元に戻し、対象や支給額を拡充するよう国に求めること。学校給食費の無償化を目指し、当面、必要な免除措置をすすめること。

    2. 公立高校無償化の見直しがすすめられている。ひきつづき無償化を国に求めること。通学費、教科書、教材、制服、修学旅行、部活動などへの支援のため、県として給付制奨学金制度をつくること。

    3. 授業料補助単価を引き上げ、私立高校の実質無償化をめざすこと。国の「高校生就学支援基金」を入学金等にも対象を拡大し、恒久化を国に求めること。県外通学者についても県内と同額とし、専門学校・外国人学校にも適用すること。私学経常費補助については、国庫補助制度を堅持し、拡充を図るよう国に求めること。県としても拡充すること。

  2. 教育条件の整備をすすめること
    1. 30人以下学級・少人数学級は、世界のすう勢であり、国民のつよい要求である。文部科学省の中央教育審議会分科会も「学級規模の引き下げ」を求める提言を行っている。国に対し、30人以下学級をすみやかに実現するよう求めること。また、義務教育の国庫負担を元の2分の1に戻すよう強く求めること。また、この施策は、若者の雇用をふやし、地域の景気対策としても有効である。県としても義務教育はもとより、高校教育でも30人学級を早期に実現すること。当面、小学校4年生でとまったままの35人学級について、中学3年生までひろげること。

    2. 安全で豊かな完全給食を全ての小・中・特別支援学校で実施すること。未実施の中学校での給食導入に県の補助制度をつくるとともに、「全員喫食」を基本とした「実施計画」とするよう市町に強くはたらきかけること。また、すでに給食を実施している市町に対する運営費補助制度を創設すること。

    3. 特別支援学校や特別支援学級に在籍する子どもたちが急増している。そのため普通教室や特別教室、体育館や運動場などが足りないなど、劣悪な教育条件となっている。施設の整備促進と教員定数を増やすことを国に求めること。また、今年度でおわる県の「推進計画」にかわる「計画」を策定し、新たな施設整備を含め、早急に改善すること。

    4. 阪神淡路大震災を経験した兵庫県での公立学校の耐震化は、現在小学校・中学校81.5%、高校69.4%にとどまっている。予算を大幅に引き上げ、早急に耐震化をすすめること。

    5. 普通教室のエアコンの設置予算を増やし、計画を前倒し、すすめること。

    6. 全国で、安上がりな民間委託によりプールでの死亡事故がおこっている。教育施設のプール監視体制に不備がないか総点検を行うこと。

  3. 競争とふるいわけの教育をあらためること
    1. 「県高等学校通学区域検討委員会」が発表した「素案」は、(1)現行の16通学区を5学区に統合 (2)全学区で複数志願選抜を実施 (3)自由学区を市町単位の双方向受験に拡大することが盛り込まれており、この10月にも最終報告にまとめ、2014年度から実施されようとしている。通学区域の拡大による通学費や通学時間等の負担だけでなく競争の激化や、高校のさらなる「序列化」がもたらされると、この間の説明会やパブリックコメント等でも保護者や学校関係者から「拙速」や「不安」の声があがっている。「素案」を撤回し、計画を中止すること。

    2. 全国いっせい学力テストを廃止するよう国に求めること。

  4. 教育の自由と自主性を保障し、子どもの豊かな成長をささえること
    1. すべての子どもに基礎的な学力を保障することを学校教育の基本的な任務として重視すること。暗記ではない自然や社会のしくみがわかる知育、市民道徳の教育、体育、情操教育などバランスのとれた教育をおこなうこと。

    2. いじめ・不登校を多発・深刻化させている過度の競争と管理の教育をあらため、子どもの声をききとり、子どもを人間として大切にする学校をつくること。子どもの権利条約の普及に努めること。

    3. 市民道徳の教育を、憲法にもとづき、基本的人権の尊重を中心にすえ、子どもたちが自らモラルを形成できるようにすること。子どもの納得を無視して「規範意識」を叩き込むようなやりかたは、反人間的・反道徳的なものであり強制はやめること。

    4. 教育振興基本計画については、「愛国心」の押し付けなど、教育の内容に介入するのではなく、行政は教育条件や教育環境の整備を責任をもっておこなうこと。

  5. 教職員の条件整備
    1. 定数内の臨時講師や非常勤教師など非正規の教師が増大している。そのため教育条件を不安定にし、官製ワーキングプアで劣悪な処遇となっている。早急な定数改善を国にもとめ、県としてもただちに正規化への取り組みをすすめること。

    2. 教師が子どもたちと接する時間や授業の準備をする時間もとれず、忙しすぎる状況にある。共同して問題解決にあたる教師集団作りのためにも教員評価制度をやめ、教員の多忙化解消を図ること。

    3. 主幹教諭制度をやめること。また教員免許更新制を廃止するよう国に求めること。

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