議会改革についての申し入れ

いま、貧困と格差問題や石油高騰による物価値上や国による後期高齢者医療制度の導入などによって県民のくらしは、かつてなく厳しい状況にある。また、地方自治をめぐる状況は、道州制導入の検討や「地方分権改革」、国による交付税削減や地方財政健全化法制定による地方自治体の締め付けなども行われている。さらに、本県においても県民に負担を強いる「新行革プラン」など行財政問題が焦眉の重要問題となっている。
このような中で県民の福祉を第1に守るべき地方自治体の役割がますます重要になっており、県議会の果たすべき役割は一層大きくなっている。
県議会と県会議員には、県政監視、ムダ遣いや事業の優先を徹底的にチェックするとともに、県民のくらしと福祉・医療、教育などをまもる施策などの提案が強く求められており、議会自らの政調費や費用弁償など税金に使い道もさらなる透明性が求められる。
日本共産党県議団は、改めて、県政のチェック機能と提案機能の強化、県議会自らの議会改革をいっそう推進するよう下記のとおり申し入れる。

1. 政務調査費について
   1. 政調費の決算報告については、この間の条例改正案が提出され議論されてきたところであるが、1円からの領収証の写し等の添付などへの改善は、全国都道府県でも進み過半数を超えている。県民からの一層の信頼を得る立場から、政務調査費のすべての支出に対し領収証の写し等を添付することは、合意できる一致点であり、早急に改善すること。
   2. 議員支給を撤廃し、すべて会派支給にすること。
2. 費用弁償について
   1. 議員登庁に関わる交通費については、実費支給に改善し、県民の目線にたって直ちに改善すること。
   2. 登庁交通費にかかわる「会議諸費2500円」の支給は廃止されたが、議員の管内外の出張にかかわる旅行諸費は残されている。これも会議諸費と同様の性格であり、日当に類する制度は完全に廃止すること。
   3. 海外視察旅行については、議員派遣の上限額を改善されたところであるが、友好訪問団の人員については、会派代表に限定するなど最小人数とし支出を抑えること。
      また、議長、副議長の慣例的な海外視察は、中止すること。
3. 議長交際費については、大阪府議会では今年度から廃止するとの報道もあり、県議会としても使途を精査し抜本的に見直すこと。
4. 議員互助会にたいする公費補助は全廃すること。
5. 本会議における各会派の代表質問の保障について
   代表質問は、執行機関にたいする各会派の公式の意見表明や政策提起、監視の揚であり、重要な意味をもっているが、現状は「6名の交渉会派」要件に満たないとの理由から、少数会派の代表質問権が認められていない。6名に満たない少数会派にも代表質問権を保障すること。
6. 本会議について
   1. 代表質問、一般質問に一問一答方式を取り入れ、再質問、再々質問については可能となるよう改善すること。
   2. 各議員が県民の付託にこたえるためにも本会議での一般質問は、議員一人当たり年1回の質問ができるよう機会を保障すること。
   3. 県民の傍聴を容易にするため土曜、日曜開催などに本会議を開催するよう検討すること。
7. 各委員会について
   1. 各委員会の傍聴は、随時傍聴できるよう改善し、傍聴定員についても柔軟に対応し定員を超えても配慮すること。また、席次表や資料配付、マイク利用など審議がわかるように改善すること。
   2. 予算特別委員会、決算特別委員会における総括質疑は6名以上の会派に限定しているが、6名に満たない会派にも改選前の運営にならって総括質疑ができるよう改善し、質問時間を保障すること。
   3. 行財政構造改革調査特別委員会、少子化対策調査特別委員会は、県政における重要テーマを審議しており、県民の幅広い意見を反映させるため6名に満たない会派の議員も正規委員とし十分な審議時間を保障すること。
   4. 閉会中の常任委員会については、少数会派の議員が所属しない委員会に委員外発言や傍聴が可能となるよう日程や午前や午後などにずらすなど改善をはかること。
8. 議会運営委員会、代表者会議、政務調査会長会について
   少数会派であっても、議会運営等の役割を担っており、少数会派も代表者会議、議会運営委員会、政務調査会長会の正規メンバーとすること。
9. 請願、陳情について
   1. 請願の委員会審議あたっては請願者の趣旨説明の場を設けること。
      また、請願の紹介議員による趣旨説明をおこなうよう促進し請願審議を充実すること。
   2. 請願の採決にあたっては、分離採択、趣旨採択など部分採択できるよう改善すること。
   3. 陳情については、請願と同様の扱いとするよう改善すること。
10. 議会広報について
    1. 各会派代表者会議、各会派政務調査会長会、特別委員会理事会などは、会議録を議会ホームページなどに公開するとともに会議の公開をはかること。
    2. 各常任委員会の会議録のホームページ公開については、発言議員名や答弁者名を記載するなど改善をはかること。