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2004年03月19日

鳥インフルエンザ対策の課題ー毛利りん県議に聞く
被害の実態をつかみ、いっそうの支援の拡充へ

(2004年3月21日付け「兵庫民報」より)

兵庫県は10日、鳥インフルエンザ被害にたいする緊急対策を発表しました。処分された鶏への補償だけでなく、肉や卵の損失への補填をするほか、移動制限・自粛区域外の農家や流通業者などへの融資などもおこなうというものです。
 この対策にかかる費用は、国の補助金を除く県の負担分4億500万円。2003年度2月補正予算と2004年度予算をあてます。補正予算分については10日の県議会で審議され、全会一致で可決されました。この緊急対策について日本共産党兵庫県委員会鳥インフルエンザ対策本部副本部長の毛利りん県議に聞きました。

――これが対策のすべてなのでしょうか?
 今回の緊急対策は文字どおり“緊急”のものです。県議会では総務、健康生活、農林水産の3常任委員会で審議されました。農林水産委員会での補正予算の審議の中で私は、移動自粛区域外も含め、県が農家・業者の経営実態を調査し、区域内と同様の補償をするよう求めました。これにたいし、黒田進農林水産部長は「区域外での実情は把握していない。そういう実態があるのなら実情を聞いて対応したい」と答弁しました。知事も議会後に日本共産党の控え室を訪れ、「今回は緊急策としての補正であり、今後必要なものについては、措置していく」と明言しています。
 移動制限区域・自粛区域の内外を問わず、農家や関係業者がそれぞれ直面している問題点や要求を具体的に明らかにし、県自身にも被害実態を確認・把握させることで、支援策をさらに前進させることができると考えています。

――被害を受けた農家・業者がすべて補償されるのでしょうか?
 今回の対策で補償の対象となるのは、丹波町から30キロ圏内の移動制限区域内と、八千代町から5キロ圏内の移動自粛区域内だけです。
 特に、八千代町周辺では、自粛区域が2日間で30キロから5キロに縮小されました。5キロ圏の農家はわずか7戸にすぎません。残り128戸は補償の対象外になってしまったのです。自粛区域から外れたからといって、すぐに卵、肉の取引が再開できた訳ではありません。
 また、小野市のブロイラー農家のように、鶏肉の処理場が移動制限区域内の春日町にあるため出荷できず、育ちすぎて商品価値をなくしてしまうという被害もあります。
 都市部でも焼き鳥屋で週末の家族連れがぱったり来なくなるなど風評被害も出ています。
 県自身が被害実態を調査し、必要に応じて補償・支援の対象を大きく広げることが必要です。

――補償以外の支援策の課題は?
 家畜伝染病予防法では、補償の対象は感染して殺処分された鳥だけですが、今回は移動制限・自粛で卵や肉が出荷できなかったことによる減収への補填もされます。
 ところが、卵への補填は1キロで150円にすぎません。県下では、1キロ300円から500円のブランドものの高い卵を生産していた農家も多く、これでは不十分です。
 無利子融資制度も創設されますが、区域外は対象外です。区域外の農家や関係業者へは従来からある制度の対象要件を緩和したもので対応しようとしています。
 しかし、低利とはいっても、信用保証協会での審査や保証料の負担はどれほどなのでしょうか。不況で苦しいなか、返済条件の変更などをしてきた業者は、今回の対策による低利融資をうけようとしても、信用保証協会の審査が通らなかったり、保証料が引き上げられたりして、結局、借りられなくなるおそれがあります。必要な農家・業者が実際に利用できるものにしなくてはなりません。

 日本共産党は、大沢たつみ党県鳥インフルエンザ対策本部長・参院議員を先頭に、被害にあわれた農家・関連業者のみなさんの暮らしと営農・営業を守るため、また、国民の食料と健康を守るため、国・県の支援策拡充をもとめ全力をあげる決意です。

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