富士通・明石工場のリストラ計画の 見直し求める
大沢参院議員と、県議団、明石市議団が兵庫労働局と兵庫県に申入れ
富士通が兵庫県の明石工場の全労働者を対象に早期退職募集を実施している問題で、8月5日、日本共産党県議団は、大沢たつみ参院議員、明石市議団と共同で兵庫労働局と兵庫県知事に申入れを行ないました。 申入れでは、今回のリストラ計画が「60歳定年制」の法律や、整理解雇4要件に反する恐れがあり、労働者と家族の生活を破壊する身勝手で乱暴なやり方だと指摘し、富士通への指導を強く要請。実態調査の上、計画の見直しと退職強要をやめさせる、実質10日余の選択期限を延長する、聴覚障害者に十分配慮するよう求めました。 労働局側は、「労働者が考えるための十分な時間をとるよう富士通に伝える」「退職強要など個別の実態があれば指導する」「聴覚障害者への対応を確認する」と答えました。 兵庫県への申入れでは、岩崎博県産業労働部長が「今回の計画は、県として5万人の雇用づくりをめざしているときだけに残念」とし、「富士通に現状を聞きたい」とのべました。 <県知事への申入れ>------------------------------
兵庫県知事 井戸敏三 様 日本共産党参議院議員 大沢たつみ 日本共産党兵庫県会議員団 団長 筒井 もとじ 日本共産党明石市会議員団 団長 沢井 きよみ
富士通明石工場のリストラに対し緊急の対応を求める要請書
富士通が長野工場をはじめ本県の明石工場など数千名規模の全従業員を対象に、早期退職の募集をすすめています。富士通では、これまでもリストラがおこなわれてきましたが、全員対象は初めてのことです。 今回の提案は30歳以上の全従業員が対象で明石工場でも、「明石工場の富士通従業員全員と明石工場からの出向者」となっています。これは「60歳定年」を定めた法律に違反のおそれがある上、8月9日までに個々の労働者に@独立支援(希望退職)A製造受託、派遣、介護、工事会社への転進(子会社への転籍)B新会社への転進(別会社への転籍)の選択を迫っています。いずれも退職するか派遣社員や契約社員など、きわめて不安定な身分の選択しかなく、とても雇用を確保したとはいえない状況です。しかも子会社や新会社での賃金や労働時間などの労働条件は明らかにされていません。 労働契約や労働条件の変更には労働者の合意が必要ですし、県民である労働者とその家族にとって、生活基盤を大きくおびやかされる深刻で重要な内容であるにもかかわらず、内容もやり方もきわめて一方的で乱暴なものです。今回の提案は、労働者個人や一企業の問題にとどまらず、最近の雇用情勢の悪化の中、明石市を中心に地域経済にもいっそう深刻な影響をおよぼします。大企業としての社会的責任が大きく問われるところです。以上の立場から、貴職が直ちに以下のとりくみをされるよう要望します。
記
1.富士通のリストラ・人減らし計画を直ちに調査し、雇用確保や関連企業をはじめ地域経済への責任を明確にさせること。 2.労働者の雇用確保、関連企業への仕事の確保などの計画を明らかにさせ、計画が不明確な場合は、リストラ提案の中止を要請すること。 3.富士通が企業としての社会的責任を負うように強く要請すること。
以上
<兵庫労働局長への申入れ>------------------------------
兵庫労働局長 菅原英夫 様 日本共産党兵庫県委員会 委員長 西川恭次 日本共産党参議院議員 大沢たつみ 日本共産党県議会議員 新町みちよ 日本共産党明石市会議員団
富士通明石工場のリストラにたいして緊急の対応を求める要請書
富士通が明石工場、長野工場などの全従業員を対象に早期退職の募集をおこなっています。同社では一昨年も大規模なリストラをおこない、明石工場でも多くの従業員が関連企業にすでに出向していますが、今回の早期退職の対象は、これら出向者も含めた文字通り全従業員に退職を迫るものです。 会社は「転出支援プログラム」として、個々の労働者に次の3つからの選択を迫っています。(1)独立支援(実質は希望退職)、(2)製造受託・事務派遣会社、福祉会社、工事会社などへの転進(転籍)、(3)ビジネスの分離・独立にともなう新会社への転進(転籍)。定年退職扱いとし、退職金に特別加算をするとはいうものの、いずれにしても富士通本体を退職し、派遣社員や契約社員など不安定な身分を選択するしかありません。 転籍先の人員計画、賃金や労働時間など労働条件なども明かにされたとはいえず、とても雇用を確保したとはいえない状況です。 しかも、7月半ばに募集を発表、応募期限を8月9日までとし、それ以降は自己都合退職扱いとするなど、半月余りの短期間に、労働者と家族の全生活のかかった重要な選択を強要するもので、それ自身が退職強要ともいえる手法をとっています。 これらは「60歳定年」を定めた法律や、最高裁判例などで確立している「整理解雇四要件」に反するおそれがあります。ご承知のように、労働条件の変更には労働者の合意が必要です。しかし、今回の提案は、1人ひとりの労働者と家族の生活の基盤に深刻な影響をおよぼすにもかかわらず、その内容も募集のやり方もきわめて一方的で乱暴なものです。 さらに、工場閉鎖ともなれば、富士通従業員のみならず、明石工場を派遣先とする関連企業労働者の雇用も何の保障もなく強行されることになります。 これは1企業や1個人の問題にとどまりません。最近の雇用情勢の悪化に対し、県や市町は「緊急雇用創出特別交付金」事業などの努力をおこなっています。その一方でこのような、身勝手なリストラを放置すれば、労働者保護法の精神に反して、企業の都合でどうにでもできることになります。大企業としての社会的責任がきびしく問われます。 以上の立場から、兵庫労働局としてただちに以下の取り組みをされるよう要望します。 記 1、富士通のリストラ・人減らしの実施内容をただちに調査されること。「転進支援プログラム」対象者が全明石工場の従業員であり、雇用と地域経済・社会に与える影響は重大です。 会社にたいし、今回の計画そのものを見直すよう指導されたい。 2、労働条件を明示しないままの退職強要、本人同意のない転籍など、労働者保護法に反する行 為にたいしては、厳しく指導をされること。 3、今回の「転進支援プログラム」募集期間の設定はあまりに性急であり、十分な考慮の時間を 労働者に保障するため、選択期限を延長するよう富士通にたいし指導されること。 以上
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