このサイトは旧サイトです。最新情報などはこちらをご覧ください。
メニューをスキップする TOPページへ 本会議へ 予算決算特別委員会へ ニュースへ 政策見解へ 県会報告へ リンクへ スケジュールへ
2003年02月23日

検証・県2003年予算案

(2003年2月23日付け「兵庫民報」より転載)

大型開発の予算は優先確保しながら、福祉・くらし軒並み削る

 兵庫県は2月13日、2003年度予算案を発表しました。一般会計2兆1020億円と特別会計1兆1421億円、企業会計1689億円の合計3兆4130億円。伸び率は3.2%増です。公共事業を「いくら確保するかが最大の焦点だった」(「産経」)と井戸知事がいうように、大型開発の予算確保を最優先し、福祉、教育、雇用の予算を軒並み削り、県民のくらしを犠牲にしている予算案です。長野県のように「脱ダム宣言」をおこない、公共事業4割削減を決め、福祉、教育に重点をうつし、自治体らしい自治体へ努力する全国の新しい流れに逆らうものとなっています。

県民1世帯あたり借金は201万円にも

 予算案は、小泉内閣の社会保障改悪やデフレ不況のもとで、県税収入が447億円(前年比8.7%減)と減収となっています。その穴埋めに基金890億円をとりくずし、臨時財政対策債(赤字債)1059億円を含む県債発行額は、3254億円と震災の年を除き過去最高です。
 県の借金総額は、4兆2236億円となり1世帯当たり201万円(県民1人当たり75万6千円)。銀行への返済額は、3472億円で、1日に9億5千万円というぼう大な金額です。
 県税は、5028億円と15年前(88年)の5426億円より少なく、なかでも法人事業税1058億円は、24年前(79年)と、個人県民税1023億円は、18年前(85年)と、同レベルです。長期の不況で個人消費の落ち込みの影響が色濃く、震災時よりもいっそう厳しい状況となっています。

老人医療助成3万人減 30人学級の予算なし

 県「行革」が3年目を迎えますが、老人医療費公費助成の対象をさらに3万人も減らし、予算を7億5千万円も削減したのをはじめ、待機者が1万2804人もいるのに、特別養護老人ホームの整備費補助など老人福祉施設整備費補助を8億6千万円も削っています。
 さらに老人福祉対策費の介護予防・地域支え合い事業費補助、在宅老人介護手当支給事業費補助の削減など、お年寄りいじめの予算案です。
 乳幼児医療費公費負担助成費も、5億6千万円が減額され、父母への一部負担が導入された影響があらわれています。その他、民間社会福祉事業振興対策費、知的障害者福祉施設整備費補助の予算が減額されています。
 教育では、私学助成費の県費3億2400万円の削減や夜間定時制高校の生徒給食実施費の減額も。県立大学授業料は、年額2万4千円の値上げで52万800円にもなり、入学料とあわせて初年度負担金は80万2800円、県外入学者は94万3800円になるなど負担を増やしています。
 県民の願いが強い30人学級の実施にむけた予算はありません。教育費は20億円も削減しています。

労働費18億円削減 乏しい被災者支援


 県下の完全失業率が全国ワースト3位、19万7千人もの失業者がいるのに、労働費は18億円も減額。緊急雇用創出事業も、国の枠内で2636人、6カ月未満の臨時雇用しかありません。高校生の就職難対策「高校生就職支援総合プログラム」も、カウンセリングや講座の開設程度で就職への直接支援はありません。
 商工費予算は110%とふえていますが、中小企業融資の預託金がのびたこと、「産業特区構想」など外資系企業の誘致や新産業対策が主です。融資を除いた実質的な中小企業予算は1億3千万円減り、91億7千万円と一般会計にしめる割合は、わずか0.4%です。
 日本共産党県議団が昨年、提案した「中小企業・地域経済振興基本条例」を制定し、地場産業やものづくり支援など抜本的強化が求められています。
 震災対策は、災害復興公営住宅に住む高齢者への「緊急通報ペンダント」の無料配布や電話相談を夜間・休日にとりくむ予算4億4千万円を計上。「高齢者対策を強化した」としていますが、全額、復興基金からの支出です。震災から8年、被災者が求める生活・営業再建への抜本策は、実現していません。

もっと「行革」せよと迫る自民党や公明党


 公共事業は、県民の多くが反対する神戸空港に2億1千万円、関西空港2期工事への出資9億8千万円、阪神疏水構想や紀淡海峡連絡の調査費など、ムダな公共事業をすすめるための投資的経費は、1月補正予算を含め3844億円で、前年度比6.5%増を確保しています。
 合併の動きがある地域の県道整備に40億円を特別に計上。市町合併を上から押しつけようとする予算案になっています。
 ムダな開発をつづけながら、県は、「行革」を始めた3年前よりも収支不足の見通しが増えるため県民犠牲の「行革」をさらに促進するとしています。
 与党の自民党も、さらなるコスト削減へ「知事の思いきった決断に期待」(神戸新聞)、公明党も「“第2次行革”を進めるときに来ている」(同)といっそうの「行革」を求めています。
 それだけに「ムダな開発をやめ、くらし、福祉の充実を」と奮闘する日本共産党が県議選で現有15議席を守り前進し、県民と力をあわせて、福祉、医療、教育を守る運動をいっそう強めることが求められています。

クリックで大きな写真を表示

くらし応援へ提案権も使い

日本共産党 宮田しずのり政調会長

 党県議団は、不十分な雇用対策や中小企業対策の抜本的強化、被災者への生活再建支援、30人学級の実現、県「行革」で削減された老人医療費助成などを元にもどすとりくみを、県民のみなさんと力をあわせて強める決意です。
 大型公共事業予算を大幅に削り、生活密着型事業に改め、中小企業への発注率を80%以上にすること、福祉、環境、教育など県民生活の支援策を強化するため、予算組み替え提案など提案権も使い、県民のねがい実現に全力をあげます。

力合わせ、借換融資、耐震助成など要求実現

 自民、公明、民主・社民の「オール与党」政治のもとでも、県民運動と連携した日本共産党県議団の奮闘で、県民の切実な要求が実現しています。

 昨年1年、民主商工会がねばり強く運動し、党議員団が議会でくりかえし要求してきた「借換融資制度」(融資目標額200億円)が創設されるなど、中小企業の融資制度が充実されました。

 党議員団は「大震災の教訓をふまえ、住宅の耐震化助成にふみきるべきだ」と再三、要求。耐震診断・改修設計費と耐震改修工事に最高36万円を助成することが盛り込まれました。高齢者・障害者のバリアフリーを促進する住宅改造助成も、予算が3割増え、2億5200万円になりました。

 日本共産党の議員提案を契機に実現したテレクラカードの自販機撤去につづき、新たにピンクチラシの規制が提案されています。

 産廃不法投棄の対策として「産業廃棄物等の不適正な処理の防止条例」制定でパトロール体制の強化などが盛りこまれました。食品衛生監視補助員9名の新たな配置、8億9千万円の予算で西播磨養護学校の整備も実現しました。

前のページへ戻る このページの上へ
Copyright(c)2001-2018 日本共産党兵庫県会議員団