宝塚・カラオケ店火災死傷 市長に究明要求
ずさん経営、行政の対応
兵庫県の日本共産党宝塚市議団と、ねりき恵子県議は23日、8人が死傷したカラオケ店火災について、阪上善秀市長に申し入れをしました。
申し入れでは、「建築基準法、消防法などに違反するずさんな経営を行っていた経営者の責任は厳しく問わなければならない」と指摘しました。
また、行政の対応について
- 1990年に「宝塚市カラオケ施設等の指導に関する要綱」が制定されているにもかかわらず放置されており、同要綱に基づく審査会が機能していない
- 市教委は青少年健全育成条例の観点からカラオケ店などの見回りを実施しており、今回の店でも行っていたが、消防などとの情報共有ができていなかった
- 党市議団の調査によると、同店は深夜零時以降も酒類を出していたとの情報があり、風営法に抵触する
- 被害者が搬送された医療機関が遠方になっている
――ことなどを指摘し、事件を未然に防げなかったことに対する原因究明と遺族や負傷者への相談・援助を行うよう強く求めました。
阪上市長は「罰則の強化も含め、安全を厳密にチェックする仕組みを考えたい」と述べました。また、行政の対応について「縦割り行政の弊害だ」と認め、今後のあり方を検討しなければならないと答えました。
党市議団は、火災のあった翌日から対策本部を設置し、原因について調査をしています。
カラオケ店火災に関する申入れ
1月20日18時30分、カラオケ店「ビート」において火災が発生し、多数の死傷者を出す悲惨な事件が発生しました。 過去において、雑居ビルにおける火災で多数の死傷者がでるという事件が起こっており、宝塚市としても、当然教訓を生かした行政指導等が必要であり、対策を講じておかなければならないことです。 残念なことに、その教訓が十分生かされてこなかったことにより、今回の事件につながりました。 カラオケ店「ビート」の経営責任・過失責任は厳しく問われなければなりません。それだけにとどまらず、行政責任も問われる多くの事項があり、徹底した解明と今後の対策を緊急に行う必要があります。よって、以下の事項について申し入れます。
1、カラオケ店「ビート」における出火原因と被害者が多数発生した原因究明を徹底して行うこと。 とりわけ、カラオケ店と認識しながら、長期にわたって違法・無届状況が放置されていたこと、消防署の立入調査が一度も行なわれなかったことについて、きびしく究明されなければならない。 (1)1990年7月の「宝塚市カラオケ施設等の建築等の指導に関する要綱」制定時に市内カラオケ施設の実態調査が行なわれなかったのではないか。 (2)「宝塚市カラオケ施設等審査会」が機能していない。なぜ機能しなかったのか。
2、密閉に近い状態で一般的に営業をしている市内のカラオケ店の実態を至急調査し、消防法や建築基本法など違法性が確認された場合は、営業の中止と改善命令を行うこと。 3、市議団の調査によると、 (1)消防法で遊技場などには「誘導灯」「消化器具」「カーテン等の防炎措置」の設置が義務づけられている。また、収容人員10人以下の施設の場合、避難器具(2階以上で直通階段1のみの階)が必要となっている。明らかに消防法違反の疑いがあると思われる。 (2)1階にカウンターが設置され、深夜0時以降も酒類を出していたとの情報が入っている。明らかに風営法に抵触すると考えられる。以上、調査すること。
4、倉庫からカラオケ店に転用されていたが、市は届け出が無いので知らなかったと主張している。しかし、平成17年2月に宝塚健康福祉事務所(保健所)から飲食店営業許可がおろされている。県・市の連携・連絡を改善、強化すること。 5、青少年健全育成の観点から青少年の出入りが多い、ゲームセンターやカラオケボックス等の立入、見回りを実施してきた。カラオケ店「ビート」もその対象のひとつとなっており、見回りを実施してきている。市長部局と教育委員会との連携ができていなかったことが明らかであり、今後強化すること。 6、亡くなられた方やその遺族、負傷された方の医療機関への搬送先が遠方になっている。市立病院は2次医療機関であり、受け入れをすることが責務であるが何故できなかったのか、その報告と今後の受け入れのあり方を検討すること。 7、亡くなられた方の遺族や負傷された方の相談や援助を行うこと。 |