議会報告

  • 2026年03月23日
    本会議

    第374議会 本会議 当初予算案・関連議案に対する反対討論 久保田けんじ

     私は日本共産党兵庫県会議員団を代表して、上程されている議案のうち、第1号議案、第2号議案、第4号議案、第5号議案、第7号議案、第10号議案、第14号議案ないし第17号議案、第19号議案、第21号議案ないし第23号議案、第25号議案、第28号議案ないし第30号議案、第37号議案、第41号議案、第43号議案、第56号議案ないし第58号議案、第60号議案、ひょうご県民連合提案の令和8年度関係第1号議案(修正案)、計26件ついて反対し、以下、主な理由を述べます。

    まず第1号議案「令和8年度兵庫県一般会計予算」、関連して第2号議案「令和8年度兵庫県県県有環境林等特別会計予算」、第14号議案「令和8年度兵庫県国民健康保険事業特別会計予算」第19号議案「令和8年度兵庫県地域整備事業会計予算」、第43号議案「兵庫県県政改革方針の変更」です。
    反対の第1の理由は、物価高騰のなかで県民の暮らし、中小事業者の営業などが困難に陥っている中、県税収の中心が地方消費税ということです。
    個人県民税、法人関係税、地方消費税の主な税収のうち、2026年度も依然、最大なのが構成率34.1%の地方消費税で、2019年の10%への増税後、2020年度から7年連続で最大税収項目となっています。東京商工リサーチ神戸支店によると2025年の兵庫県の企業倒産件数が前年比11%増の634件、リーマンショック以来の高水準となっています。倒産の多くは小規模零細企業です。また、厚生労働省発表の毎月勤労統計調査によると、2025年の実質賃金は、全国で前年比マイナス1.3%と4年連続マイナスとなり、物価高に見合う賃金上昇にならず、県民生活は疲弊の一途をたどるばかりです。兵庫県予算は、疲弊する営業や県民の暮らしを支えるものにするべきです。

    反対の第2の理由は、継続した不要不急の投資的事業を行う一方で、県民の支援を置き去りにすることです。
    類似団体に比べても高い水準で投資的事業を行ってきたことが要因で、来年度収支不足額見込みが130億円、2028年には総額で530億円となります。そして2025年度決算見込みで実質公債費比率19%、起債許可団体になるにも関わらず、投資的事業である播磨臨海地域道路や名神湾岸連絡線や、大阪湾岸道路西伸部など高規格道路ネットワーク整備に約76億円、三宮再開発に42億円を計上しています。また、これまで開発のために過剰に土地取得をした反省も説明もないまま、更に、ひょうご情報公園都市第二期区画の開発外部分を県有環境林としての買い戻しに77億7800万円の予算を計上しています。大企業誘致のための産業立地促進補助事業に30億円の予算を計上しています。これでは将来にわたり、さらなる公債費負担を課し、財政を圧迫し、県民の暮らし、福祉を置き去りにするものです。

    反対の第3の理由は、国保健康保険の標準保険料の統一化や、地域医療構想にもとづく急性期病床の削減、県立病院の医療機器の更新を見送るなど、福祉・医療を後退させることです。
    国民健康保険の加入者は、約4割が年金生活者などの無職、約3割が非正規雇用で、それ以外の加入者も、フリーランスや請負など低所得者が多数を占めています。保険料が統一されれば、市町独自の保険料減免や控除制度の廃止や保険料の引き上げをもたらすことになり、保険料を払えない人が増え、医療受診機会が失われます。また、病床削減をすすめ、粒子線医療センターの治療停止を決定していますが、地域の医療体制の崩壊、難治がん患者への治療の提供機会を無くすものです。そして県立病院の法定耐用年数が過ぎる医療機器を、部品交換で対応し、更新を見送るとしていますが、MRI等精密機器は部品交換で耐用の保証をしても、治療の精度が不安定になることで、医療ミスやトラブルにつながる恐れがあり、患者の安全と医療現場の信頼性を維持できません。

    反対の第4の理由は若者・子育て施策が不十分ということです。
    県立大学の無償化は県内生のみであり、県外生も対象にするべきです。また県立大学以外の学生のためにも給付型奨学支援制度を創設するべきです。中学生も含めた給食費無償化、18歳までの子どもの医療費無償化も進めるべきです。

    反対の第5の理由は小規模農家及び家族農家、漁業支援が不十分ということです。
    21世紀に入り、効率一辺倒で農業の大規模化や工業化、貿易自由化などを推進する農政は、各国で小規模・家族農家を大量に離農させ、農村の疲弊を深刻にしました。その深刻な反省から、国際社会はいま、農政の大転換に踏み出し「家族農業の10年」(2019年~28年)をスタートさせ、「農民の権利宣言」を採択しました。兵庫県は農業経営の法人化や集落営農の組織化を支援してきましたが、小規模農家及び家族農家支援は不十分です。また、深刻な被害を受けている播磨灘のマガキ養殖及び関連事業者への支援、国の漁獲枠(TAC)の制限により漁獲量を減らしたスルメイカ漁業者への支援も不十分であり、支援を強化するべきです。

    反対の第6の理由は地球規模の気候危機対策に逆行していること、災害対策が不十分ということです。
    命の危険を招く異常な地球温暖化対策のためにCO2排出削減は待ったなしです。兵庫県は一刻も早く県内の石炭火力発電所の停止をし、効果が検証されておらず不確実性が高い水素事業を縮小し、再生可能エネルギーへの転換を進めるべきです。そして今年は阪神淡路大震災から31年、東日本大震災から15年、能登半島地震から2年経ちました。震災の教訓を活かし南海トラフ地震への備えを加速させる必要があります。

    反対の第7の理由は平和行政が不十分ということです。
    アメリカとイスラエルによるイランへの攻撃が行われ、多くの子どもを含む民間人が犠牲になっています。ロシアによるウクライナ侵略、イスラエルによるガザ攻撃も続いています。北東アジア地域の自治体共同発展と世界平和に寄与することを目的とした北東アジア地域自治体連合を提言し参加している兵庫県としては、非核・平和の北東アジアの構築と、世界の紛争の平和的解決へのイニシアチブを発揮できるよう働きかけるために十分な予算を措置するべきです。
    以上の理由から、第1号議案、および関連議案に反対します

    次に第4号議案「令和8年度兵庫県公共事業用地先行取得事業特別会計予算」です。
    用地先行取得事業費として30億円が計上されています。過去の先行取得用地の失敗や、未利用地の時価評価について県民に明らかにしないままの新たな予算付けは、認められません。
    次に第5号議案令和8年度兵庫県営住宅事業特別会計予算」です。            2021年7月に改定された「ひょうご県営住宅整備・管理計画」では、2020年4月1日時点で49,950戸あった県営住宅管理戸数を2025年度に48,000戸へ、2030年に45,000 戸へと削減する計画を決定しています。
    新年度予算案では、白川台、姫路青山台、小野神明などそれぞれの団地の建て替え計画案が提案されています。老朽化した団地の建て替えは当然ですが、全体では従前個数1090戸から639戸へ451戸削減する計画になっています。物価高騰の中賃金は上がらず、貧困と格差が広がり県民の生活が大変な中、低廉な家賃で住宅を供給するという県営住宅のはたす役割がますます高まるもとでの管理戸数削減は認められません。

    次に第7号議案令和8年度兵庫県庁用自動車管理特別会計予算」です。
    2025年度当初の運転業務職員を14人から12人に減らしています。補充がされないことは問題です。その日の業務により、運転手が足りなくなる場合には、運転手付きの車を民間から借り上げ、業務を遂行し、過重・過密負担にならないようにしているとの説明ですが、運転業務は県の職員が行うべきであり、必要な人員を補充すべきです。

    次に第10号議案「令和8年度兵庫県母子寡婦福祉資金特別会計予算」です。
    福祉的な貸付の償還金回収を、民間回収業者に委託しています。回収困難な事例が増えており、毎年10%台の回収率です。機械的な徴収強化ではなく債権者の生活実態に見合った丁寧な対応が必要なことから反対です。

    次に第15号議案「令和8年度兵庫県病院事業会計予算」、第25号議案「兵庫県職員定数条例及び兵庫県病院事業職員定数条例の一部を改正する条例」です。
    県立がんセンター等の看護師を79人減らすものです。県立がんセンターの病床の稼働率を考慮して45床削減することが主な理由だが、「都道府県がん診療連携拠点病院」の指定をうけ、県内外のがん診療の中核病院としてその重責を担っており、がん登録件数からも関西有数のがん専門病院である、がんセンターの病床削減、伴う看護師等の定数削減をするべきではありません。仕事量が多く長時間労働である医療現場には加配した定員設定をするべきであるため本議案に反対です。

    次に第16号議案「令和8年度兵庫県水道用水供給事業会計予算」です。2024年度から兵庫県水道用水の平均供給単価は2円値下がりし118円となっています。しかし、2024年度都道府県別供給単価の平均は、20府県87.01円、大阪広域水道事業団は、72円となっています。過去の過剰な水需要予測による施設整備や二部料金制により、都道府県平均供給単価と比較しても高い水道料金を市町に押し付けていることから反対です。

    次に第17号議案「令和8年度兵庫県工業用水道事業会計予算」です。工業用水道事業は、日本製鉄株式会社など、大企業に供給している揖保川第1工業用水の水道料金が、1トン当たり4円30銭で、50年前の1971年から2円しか値上げされていません。工業用水道事業法でうたわれている「社会的経済的事情の変動により著しく不適当」な料金状態と言わざるを得ず、不当に安い価格に据え置いていることから認められません。
    次に第21号議案「令和8年度兵庫県地域創生整備事業会計予算」です。
    未利用地の新たな開発は、必要性、採算性、収益性などを踏まえ、慎重に見極めるべきです。本議案は、三木ひょうご情報公園都市の新たな開発については賛同できません。

    次に第22号議案「令和8年度兵庫県流域下水道事業会計予算」、第41号議案「流域下水道事業についての市町負担額の決定」です。
    流域下水道事業は2018年度から公営企業会計となり、施設の改善などの費用が使用料対象資本費という名目で市町の追加負担となっています。2021年度までは利息償還のみだったので市町負担は年間600万円程度でしたが、2023年度からは元利償還となり年間約1千万円を超える新たな市町負担になります。来年度は1億1244万円ほどになります。施設改善は、30年間隔で繰り返され、市町負担も同様に繰り返されます。企業会計化による新たな市町負担になることから反対です。

    次に第23号議案「行政手続条例の一部を改正する条例」です。
    行政庁が許可を取り消すなどの不利益処分に係る聴聞で、名宛人に期日などを通知する際、所在が判明しない場合にこれまでは掲示板などに書面で公示していました。今回の改正では掲示板などでの公示送達と合わせ、本人が確認しやすいようにとインターネットでの公示が行えるようにするものです。しかし、不特定多数がインターネットで閲覧を可能にすることはプライバシーの侵害になることは否定できません。法改正時の日本共産党の国会質問に対し「氏名とともに公示送達の対象である旨の情報が容易に拡散されえる側面もあるという意味では、当該者のプライバシーの保護に配慮を要する必要もある」と政府答弁がされています。公示送達が書面で行われ、2週間に限定されていたのもプライバシーを保護するためです。インターネットでの公示が2週間で削除されたとしても、世界中に拡散された後では消滅できません。よってプライバシー保護の観点から賛同できません。

    次に第28号議案「使用料及び手数料徴収条例及び兵庫県立兵庫津ミュージアムの設置及び管理に関する条例の一部を改正する条例」です。
    本議案は、切実な保育士不足に対応するためとして、国家戦略特区に限って認められていた地域限定保育士を一般制度化した児童福祉法の一部改正に伴って、地域限定保育士に関わる試験等手数料を新設するものです。保育士不足のそもそもの原因は、他産業と比べても著しく低い給与水準や、保育士一人でたくさんの子どもたちを見なければならない配置基準の不十分さなど処遇や労働環境の劣悪さからなるものです。更なる規制緩和によって資格取得者を増やそうというものですが、保育現場の処遇や労働環境の抜本的な改善がされない下では保育士不足の解消には結び付かないことは明らかです。地域限定保育士の一般制度化に反対のため反対です。
    また、サービス付き高齢者住宅の登録料などの値上げにより、住宅の利用料などに跳ね返る恐れがあるため本議案に反対です。

    次に第29号議案「後期高齢者医療財政安定化基金の管理等に関する条例の一部を改正する条例」です。                                     本議案は広域連合から徴収する拠出金の基礎分拠出率を変更し、子ども分拠出率を定めるものである。子ども分拠出において、令和8年度は基金を使うことにより広域連合に拠出金を求めないが、令和9年度以降は不透明です。そもそも後期高齢者医療財政安定化基金は、後期高齢者医療の財政に不足が生じた場合に財政の安定化、保険料率の増加の抑制をするものです。高齢者医療のための積立金を別目的で使うことは本基金の趣旨から逸脱しており、保険料増のリスク、将来基金不足のリスクが発生します。子ども・子育てのための支援は国が責任を持って国庫負担で行うことが当然であるため、本議案には反対です。

    次に第30号議案「国民健康保事業の運営に関する条例の一部を改正する条例」です。
    子ども・子育て支援金による、新たな社会保険料負担について「こども未来戦略」では「賃上げと歳出改革により実質的な負担は生じない」としており、改正法附則第47条においても明記されたところです。しかし、子ども・子育て支援法と本改正条例案はすべての健康保険料に子ども・子育て支援納付金が賦課されるものであり、令和8年度の平均負担月額は健保組合で約550円、国保で1世帯300円、後期高齢者で1人200円になり大きな負担です。そもそも医療保険料に医療給付とは別の目的で上乗せすることは社会保険の原理に反します。本来、子育てのための財源は国の責任で行うべきものであり、本議案に反対です。

    第37号議案「兵庫県学校教職員定数条例の一部を改正する条例」です。
    小学校教諭の定員を13940人から13822人に118人削減するものです。義務教育標準法による配置数だが、小学校教諭の平均勤務時間は11時間23分で長時間労働が改善されていません。担任がいないクラスがあるなど教諭が充足していないのが教育現場の現状です。教諭を充足させ、十分な加配を行うためには現人数を減らすべきではないため本議案に反対です。

    次に第56号議案「公の施設の指定管理者の指定(交流の翼港)」です。
    そもそも必要のない事業として、また、第58号議案「公の施設の指定管理者の指定(兵庫県立淡路夢舞台公苑等3施設(兵庫県立淡路夢舞台公苑、兵庫県立灘山緑地、兵庫県立淡路島公園ハイウェイオアシスゾーン))」、第60号議「公の施設の指定管理者の指定(淡路夢舞台国際会議場)」について、今回は、地域整備事業の在り方検討に伴い、一年の契約ですが、共産党議員団は、そもそも公金を投入する事業ではないと、採算性も含め、当初から反対してきたものであり、これら議案に反対します。

    次に第57号議案「公の施設の指定管理者の指定(県立明石公園)」です。
    公募制をめざし、1年ごとの契約となっているとのことですが、公園の管理は、計画的に行うもので、1年ごとの契約では、計画的な管理・運営が難しく、例えば噴水の水が汚れているとの指摘もあります。公募制ではなく、非公募で、実績もあり、専門性のある園芸・公園協会の管理運営をめざすべきです。よって、本議案に賛成できません。

    次に「ひょうご県民連合提案の令和8年度関係第1号議案(修正案)」です
    県立大学授業料等無償化については、政策決定過程の透明性が確保されていないことやKPIの不十分さは同様に指摘するものです。しかし、提案にある、対象者を2割程度にすると、更に対象者が限定的になります。わが会派は県外生も含めて全ての学生を対象に、県立大学の授業料を無償化すること、今後、全ての大学の授業料無償を目指すべきだと考えます。これは「高等教育は無償教育の漸進的な導入により、能力に応じ、すべての者に対して均等に機会が与えられるものとする」とする日本も批准している国際人権規約に沿うものです。また今後、多額の予算を永続的に計上し、恒久的な制度として運用するためには県立大学授業料等無償化基金の活用は必要であると考えるため、修正案には賛同できません。

    以上、議員各位のご賛同をお願いし、私の討論を終わります。

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