議会報告

  • 2025年03月26日
    本会議

    第370議会 意見書討論 庄本えつこ

    私は、日本共産党県会議員団を代表し、上程されている意見書第62号「旧姓の通称使用の法制化・選択的夫婦別姓制度の議論の活性化を求める意見書提出の件」について反対の立場から討論をし、以下その主な理由を述べます。

     姓名は、個人がそれまで生きてきた人生の象徴であり、姓の変更を強制されないことは人格権の大事な一部です。憲法13条は個人の尊厳及び幸福権をうたい、24条2項では婚姻に関して法律が個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して制定されなければならないと定めています。

    1996年、法務省の法制審議会が選択的夫婦別姓の導入を含む民法の改正を答申しましたが、夫婦の氏に関する制度として慣行上、旧姓を使用する「通称使用」は提案しませんでした。通称使用は、必要に迫られて広く行われてきたのが実情です。

    旧姓の通称使用の限界については、意見書の文案にもありますが、例をいくつか挙げます。

    税金関連の手続きや銀行、クレジットカードなど旧姓の使用ができない場合がある。

    本人の旧姓併記、改姓の手続き等に係る金銭的時間的負担。

    企業などの人事・給与管理上の負担。

    個人識別の誤りのリスク。

    改姓や旧姓併記による婚姻、離婚、再婚などのプライバシーが公になる。

    改姓によるアイデンティの喪失。

    実家の名字の存続の問題による事実婚の選択や結婚をあきらめる。

    パスポートの戸籍名と通称との違いに関し、本人の説明が必要。

    改姓による論文や特許等研究実勢、業績、経歴の分断など女性活躍の妨げになっているなど、

     

    通称使用の拡大や法制化は一時しのぎの弥縫策にすぎず、問題は解決されないのは明らかです。今、本当に求められているのは、選択夫婦別姓制度の導入です。

    国民の間に、家制度や家族間の考え方に違いはありますが、だからこそ、選択的夫婦別姓制度は夫婦同一姓を選ぶ権利も保障しており、国民それぞれの思いをかなえる制度なのです。

     

    「旧姓の通称使用の法制化の議論の活性化」というのは聞こえはよいですが、国民の7割以上が望み、議論が進んでいる選択的夫婦別姓制度導入を先延ばしすることにつながるものでしかありません。

     

    女性活躍を本気で進め、だれ一人取り残さない社会の形成のためにも、早期に選択的夫婦別姓制度の法制化こそ必要であことから、本意見書には賛成できません。

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