議会報告
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私は日本共産党兵庫県会議員団を代表して、日本共産党の2025年度兵庫県予算案の編成替えを求める動議に賛成し、上程されている議案のうち、第1号議案、第4号議案、第5号議案、第10号議案、第14号議案ないし第17号議案、第19号議案、第21号議案、第22号議案、第24号議案、第25号議案、第30号議案、第31号議案、第33号議案、第41号議案、第45号議案、第46号議案、第48号議案、第49号議案、第51号議案、第54号議案、第57号議案、第58号議案、令和6年度関係第225号議案ないし227号議案、ひょうご県民連合議員団の令和6年度関係第225議案修正案、令和7年度関係第49号修正案の計30件ついて反対し、以下、主な理由を述べます。
第1号議案「令和7年度兵庫県一般会計予算」、第4号議案「令和7年度兵庫県公共事業用地先行取得事業特別会計予算」についてです。県民の暮らしや中小企業支援政策がほとんどないため反対です。
第1号議案、第4号議案に関わって、日本共産党の編成替えを求める動議には、子育て・教育支援のためには学校給食費の無償化や医療費助成、高齢者の補聴器購入補助など医療・福祉対策の充実、気候危機対策、災害対策、平和行政への予算の支出増が提案されています。一方、過大な高規格道路事業や万博関連事業などは削減するべきであり、それらが提案された本動議に賛成します。
次に第5号議案「令和7年度兵庫県営住宅事業特別会計予算」についてです。
2021年7月に改定された「ひょうご県営住宅整備・管理計画」では、2020年4月1日時点で49,950戸あった県営住宅管理戸数を2025年度に48,000戸へ、2030年に45,000 戸へと削減する計画を決定しました。
新年度予算案では、宝塚山本、尼崎西昆陽、津名塩尾、小野神明のそれぞれの団地の建て替え計画案が提案されています。老朽化した団地の建て替えは当然ですが、従前戸数240戸から231戸へ9戸削減、全体では927戸から637戸へ290戸削減する計画になっています。貧困と格差が広がる中、低廉な家賃で住宅を供給するという県営住宅の役割がますます高まるもとでの管理戸数削減は認められません。
次に第10号議案「令和7年度兵庫県母子寡婦福祉資金特別会計予算」です。
福祉的な貸付の償還金回収を、民間回収業者に委託しています。回収困難な事例が増えており、毎年10%台の回収率です。機械的な徴収強化ではなく債権者の生活実態に見合った丁寧な対応が必要なことから反対です。
次に第14号議案「令和7年度兵庫県国民健康保険事業特別会計予算」です。
国民健康保険料について、2027年度に標準保険料率の統一、2030年度に保険料水準の完全統一を計画しています。保険料統一は受けられる医療サービスが整っていないのに高額の保険料を求められること、市町村独自の保険料減免や控除制度が廃止されること、保険料の引き上げをもたらすことになります。低所得者を中心に、負担が大きくなり医療受診の機会を奪うことになります。保険料統一を計画した本議案には反対です。
次に第15号議案「令和7年度兵庫県病院事業会計予算」についてです。
公営企業会計の全部適用が行われ運営されています。公営企業としての独自性の名のもとに、賃金、労働条件が一般行政職と切り離され、水準の切下げが可能な仕組みになっています。病院運営の議論は、経営対策のみに焦点が当てられ、地域の医療の充実や患者の命と健康を守る視点が抜けています。
また急性期病院は、急性期の患者の状態を早期に安定させるための高密度な診療を行う早期安定化、緊急性の高い医療を提供し患者の生命を守るための迅速な対応、高度な医療技術と専門知識を持つ医療スタッフが複雑な病状に対して専門的な治療、他の医療機関や介施設と連携し患者の治療後のケアやリハビリをスムーズに行うための役割分担といった地域医療の中核として患者の迅速な治療とその後のケアの連携を図る重要な役割があるにも関わらず、病院構造改革推進方策は急性期病床を減らす方策になっているため反対です。
次に第16号議案「令和7年度兵庫県水道用水供給事業会計予算」についてです。
2024年度から兵庫県水道用水の平均供給単価は2円値下がりし118円となっています。しかし、2023年度都道府県別供給単価の平均は、20府県86.56円、大阪広域水道事業団は、72円となっています。過去の過剰な水需要予測による施設整備や二部料金制により、都道府県平均供給単価と比較しても高い水道料金を市町に押し付けていることから反対です。
次に第17号議案「令和7年度兵庫県工業用水道事業会計予算」についてです。
工業用水道事業は、日本製鉄株式会社など、大企業に供給している揖保川第1工業用水の水道料金が、1トン当たり4円30銭で、50年前の1971年から2円しか値上げされていません。工業用水道事業法でうたわれている「社会的経済的事情の変動により著しく不適当」な料金状態と言わざるを得ず、不当に安い価格に据え置いていることから認められません。
次に第21号議案「令和7年度兵庫県地域創生整備事業会計予算」についてです。
三宮東再整備事業は地域社会を縮小・疲弊させ、人口減少を助長させます。三宮に一極集中させ地域疲弊をもたらす巨大開発に県予算を投入することに反対です。
次に第22号議案「令和7年度兵庫県流域下水道事業会計予算」、第45号議案「流域下水道事業についての市町負担額の決定」についてです。流域下水道事業は2018年度から公営企業会計となり、施設の改善などの費用が使用料対象資本費という名目で市町の追加負担となり、来年度は、新たに6,402万円が追加されます。企業会計化による新たな市町負担になることに対し、反対です。
次に第24号議案「個人番号の利用、特定個人情報の提供に関する条例の一部を改正する条例」についてです。
マイナンバー制度は個人情報を容易に照合できる仕組みであり、プライバシーの侵害や個人情報が流出したときの被害は甚大で、この制度そのものに反対しています。条ずれということだが、個人情報のさらなる利用の拡大につながるため反対です。
次に第25号議案「兵庫県職員定数条例及び兵庫県病院事業職員定数条例の一部を改正する条例」についてです。知事部局の職員6,330人を6,295人に、警察職員12,928人を12,881人にするなど病院事業職員を除いた県職員全体で208人削減するものであり、職員を減らすことにより県民サービスの低下が懸念されるため反対です。また病院事業においては、県立病院の一部病床閉鎖により看護師の定員を54人削減するものです。看護現場からは「休暇が取れない」「仕事量が多く長時間労働」という声があります。また県は医師の働き方改革としてタスクシフトを勧めているが「看護師は通常業務だけでも大変なのに特定行為が実施できない」という声があります。看護師の充足が求められる中、県は看護師確保のために採用試験の複数回実施、就学資金制度の実施、就職説明会の開催、広報の強化などを展開しているところです。定員を減らすのではなく加配した定員設定をするべきであり本議案には反対です。
次に第30号議案「使用料及び手数料徴収条例等の一部を改正する条例」についてです。物価高騰で県民の暮らしが大変な時に使用料の増額について賛成できません。
次に第31号議案「兵庫県税条例の一部を改正する条例」についてです。
本議案の内、軽油引取税に関して賛同できません。2024年度の条令改正は、日本国の自衛隊とオーストラリア国防軍との間における相互のアクセス及び協力の円滑化に関する日本国とオーストラリア間の協定に基づき、オーストラリア軍の日本国内での公的活動において、軽油の輸入や消費する軽油を非課税とする等でしたが、今回は、オーストラリア軍を締約国軍隊と名称を変え、イタリア軍も含めるものです。
この協定には、災害救援も入っていますが、日米軍事同盟の下で自衛隊の海外活動と外国軍隊との共同の軍事活動のさらなる強化を図るものであり、憲法9条に違反します。兵庫には伊丹に自衛隊基地があり、神戸港、姫路港もあり、これらは兵庫県にも大いに関係することであり、軽油非課税等については認められません。次に第33号議案「兵庫県民会館の設置及び管理に関する条例を廃止する条例」について県民会館は長年県民の文化、芸術に大きく寄与してきました。耐震基準が満たされず取り壊しになることは承知しています。取り壊すので条例の廃止というのではなく、今後どうしていくかについて県民の意見や要望を聞き、代替措置を提案すべきであります。
次に第41号議案「兵庫県学校教職員定数条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例」についてです。
教員不足が深刻であり、教員は多忙化を強めている。そのような中、県立高校統廃合等による学級減、教職員減があります。統廃合については、現在も生徒や保護者から不安の声や地域の県立高校の存続を求める要望が相次いでいます。少子化を理由にしているが統廃合ありきの計画を推し進めるのではなく、学校を存続させ、きめ細やかな教育、教員の負担軽減をすすめることができるよう高校での少人数学級に踏み切ることが必要です。少人数学級を早期に実施するために教員を増やし、教員の負担軽減とともに子どもたち一人ひとりに丁寧な教育を行うことを求めます。
次に第46号議案「関西広域連合規約の変更について」です。
副広域連合長の定数1人を3人以内に変更するものであるが、そもそも国の出先機関を廃止し「受け皿」になることを推進している関西広域連合の設立に反対しており、本議案の規約の変更に反対です。
次に第48号議案「兵庫県地域創生戦略(2025-2029)の策定」についてです。第2期戦略で掲げた人口対策は成功しているとは言えません。社会増の目標・指標を2024年までに社会減ゼロ、20歳代前半の県内定着率を93.0%としましたが、それぞれ、7004人減、91.3%と減少傾向に歯止めがかかっていません。また、自然増対策については2024年までに合計特殊出生率1.41維持としたが2023年は1.29であります。人口減少を止めるには、自然増に力を入れる必要があります。そのためには子育て支援の充実、県内の中小企業に対する直接支援を強め、若者が求めるやりがいのある企業の育成、雇用の場の確保などが求められます。
次に第51号議案「公の施設の指定管理者の指定(兵庫県立兵庫津(ひょうごのつ)ミュージアム)」についてです。
同施設は、幕末・明治期に設置された最初の兵庫県庁を復元した「初代県庁館」と「ひょうごはじまり館」が並び立つ全国でも珍しいミュージアムで、兵庫の歴史、五国の魅力や多様性を発信する拠点になる重要な施設である。党県議団は、本来、県が公の施設として管理すべきであるとの考え方は変わるものではないが、現在の管理者は開設時から県とともに尽力し、オープン1年4か月余りで来館者が10万人突破、シニアやファミリー層などの人気が高まり家族連れが増えたなど、いわば兵庫津を育ててきたものと認識します。今後さらに専門性を発揮し兵庫津を運営することが期待されるもと、新しい指定管理者に変える必要はないと考えます。
第54号議案「公の施設の指定管理者の指定(淡路交流の翼港港湾施設)」、第57号議案「公の施設の指定管理者の指定(兵庫県立淡路夢舞台公苑、兵庫県立灘山緑地及び兵庫県立淡路島公園ハイウエイオアシスゾーン)」、第58号議案「公の施設の指定管理者の指定(兵庫県立淡路夢舞台国際会議場)」についてです。
淡路交流の翼港については、過大な需要予測にもとづき建設されたが、予定されていた定期就航便は、現在は一便もなく、プレジャーボートの係留のみとなっています。党県議団は当初から過大な予測にもとづく港建設にそもそも反対していましたが、現在もなお県として管理・運営していくことに反対です。また淡路夢舞台公苑、国際会議場などの地域整備事業による施設の運営管理ですが、そもそも県が公金を使い、管理・運営することに賛同できず、これら議案については反対です。
次に第19号議案「令和7年度兵庫県地域整備事業会計予算」、第49号議案「兵庫県県政改革方針の変更」あわせて、R6年度関係、第225号議案「令和6年度兵庫県一般会計補正予算(第6号)」、第226号議案「令和6年度兵庫県県有環境林等特別会計補正予算(第2号)、第227号議案「令和6年度兵庫県地域整備事業会計補正予算(第3号)」についてです。
地域整備事業について、過去の過大な土地取得の原因と責任があいまいなまま、800億円もの負債への対応をどうするのかという小手先の対応に終始し、県債管理基金を取り崩し、その補填のために行政改革推進債を活用しながら、県債管理基金に一般財源より積戻する方針です。しかし、その一部は結局、県民の負担に転嫁されるということであり、容認できません。また、具体的な活用が見込めない土地については、県有環境林として簿価で移管するとしているが、責任をあいまいにしたままの回避的措置としての移管に見受けられ賛同できません。さらには、新たな開発などもすすめようとしていることなどから、地域整備事業会計と、関連するR6年度関連の議案に反対です。
分収造林事業については、森林管理経営制度は市町に負担がかかります。人材派遣人数、財政支援額を提示するべきです。公社等については指定管理を進めるべきではありません。指定管理制度は全国的にも管理者の経営破綻、運営困難、撤退、業務不履行など不適切無責任な運営実態が多いのが現状です。行政に蓄積された人材や知識、技術が失われ、企画政策能力は脆弱化し、実力ある政策を打ち出せるのか危惧されています。指定管理者制度は業務委託とは異なり、管理権限までも受託担当に至るものであり、自治体側の責任感自覚は乏しくなるため進めるべきではありません。県庁舎については、空間の多目的利用の検討をするということであるが、必要な執務スペースが確保できるか不透明です。また、県庁舎以外の県職員の執務スペースは、3号館周辺で、距離、テナント料、テナントスペースの要素を満たした民間スペースを確保することとしていますが、実現性が不透明です。災害時はもちろん平時も全職員が執務を行えるスペースを確保した新庁舎の建設をするべきです。
県立大学の無償化については、対象となるのは県内大学生の1.7%である。県外生も含めて無償して、返済不要の奨学金制度も創設するべきです。
次に、ひょうご県民連合議員団の令和6年度関係第225号議案及び第49号議案の修正案についてです。県立大学授業料等無償化について、政策決定過程の透明性が確保されていないことやKPIの不十分さは同様に指摘するものである。しかし、今後、多額の予算を永続的に計上し、恒久的な制度として運用するためには県立大学授業料等無償化基金を設置する必要があると考えるため、修正案には反対です。
以上、議員各位のご賛同をお願いして私の討論を終わります。