議会報告
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私は日本共産党県議会議員団を代表して、上程中の議案の内、第178号議案、第201号議案、第203号議案、第205号議案、第219号議案、計5件について反対し、以下、主な理由を述べます。
まず第178号議案「令和6年度兵庫県一般会計補正予算(第5号))についてです。
本議案の国土強靭化緊急対策事業には東播磨道の建設があります。日本共産党議員団は、高規格道路を整備しても東京一極集中は是正されないこと、災害時物資輸送には既存の県道を使用する計画になっているなどを理由に東播磨道の建設に反対してきました。不要不急の事業であると考えるため反対です。
本議案には県の保有する情報漏洩を調査する第三者機関委託料があります。県が保有する情報が洩れるというのは大変危険で由々しき事態です。情報漏洩が分かった時点で告発や被害届を出すなど直ぐに対処するべきです。知事はまず事実の確認をすることが大切だと言うが、事実確認に時間がかかりすぎています。まず事実確認というのであれば告発文書に関してもまず事実確認をするべきです。第三者機関による調査はするべきだが、今回委託した第三者機関には実施要項はあるものの、目的や委員の人数や予算規定など設置要綱がありません。設置のプロセスが不透明なまま、とりあえず規定費として1200万を出すべきではなかった意見します。また調査結果は公表することを求めます。
次に第201号議案「県が行う建設事業についての市町負担額の決定」についてです。国営、公団営及び都道府県営事業における都道府県及び市町村の負担割合について、標準的な費用負担の水準(ガイドライン)があるものの、主に団体の受益に着目して設定したものであり、あくまでも都道府県及び市町村が各々の負担割合を調整し、決定するに当たっての指針であり従わなければならないものではありません。県が行う、ため池整備事業に福崎町へ負担を求めるべきではないため本議案に反対です。
次に第203号議案「ひょうご子ども子育て未来プランの改定」についてです。多様な受け皿の確保として企業主導型保育事業の空き定員の活用や、保育所・認定こども園における定員弾力化措置を掲げているが、企業主導型保育事業の不正受給や運営基準違反、弾力運用は運営費をため込み当該保育園以外に流用できる仕組みになっているという問題があるため、企業主導型保育事業への保育を推奨するべきではありません。公的な保育事業所を増やすべきです。またこども誰でも通園制度は、現在、保育士1人が見る子どもの数が多すぎるにも関わらず、新たな子どもが短時間、日替わりで来るとなれば現場の負担はさらに増えます。アレルギーや発達状況など必要な情報が把握されず命にかかわる事故が起きかねません。慣れない環境に置かれる子どものストレスが懸念されます。このような、こども誰でも通園制度を推奨する、ひょうごこども子育て未来プランの改定には賛同できません。
次に第205号議案「第6次兵庫県環境基本計画の策定」についてです。
温室効果ガス削減目標については2030年度には2013年度比48%であるが、国際水準に合わせて2035年までに2013年比75~80%の削減を目標とするべきです。また、2030年に再生可能エネルギーの発電量を100億kwhにするという目標は低いため目標数値を上げるべきです。2030年までに再生可能エネルギー比率を50%まで引き上げ、2050年には100%にする目標が必要です。地球温暖化防止活動推進員の活動件数は2023年2087件だったのが2025年以降2030年まで2000件維持を目標としています。温暖化防止の推進のためには増やす必要があります。グリーンランドと西南極の氷床融解など、後戻りできない変化を引き起こすティッピングポイントを迎えないためにも省エネと再エネを組み合わせて実行すべきです。
水素活用については、播磨臨海地域カーボンニュートラルポートの形成に向けて、「姫路港・東播磨港港湾脱炭素化推進計画」を策定し、水素エネルギーの活用拡大の「兵庫水素社会推進構想」を掲げて、水素ステーションを2023年5基から2030年に20基に増やす目標をもっています。水素ステーションの利用低迷、電解装置の開発の遅れの現状の中、実際の水素需要もわからないままでの大規模サプライチェーンの構築は、あらゆる分野で水素が利活用される水素社会という不確かな未来像を描いています。低炭素・低コストの水素生産システムを構築し、グリーン水素と中心に発展させ、化石燃料由来の水素生産を厳しく制限する取り組みこそが必要です。
そして、関空、神戸空港の発着拡大により、淡路島の住民は騒音による人や家畜への健康被害を懸念しているにも関わらず十分な対策が講じられていません。1997年9月12日付の「空関第55号」にある淡路島上空を出発8000フィート以上で飛行、ピークレベルは66デシベル以下を遵守する対策が必要です。
次に第219号議案「県営青木高層・鉄筋住宅PFI建替事業契約の締結」についてです。本議案は、県営青木高層・鉄筋住宅の建替えにおいて、本県の県営住宅では初めてPFI手法を導入し、建替え事業の公募入札に対し、落札事業者と事業契約を結ぶものです。この建替え事業により管理戸数は、314戸から285戸に減少します。また、建替えによる家賃の高騰で、現在の居住者のなかには、継続して居住できないものもでてきています。物価高騰で国民、県民生活が深刻な中、公営住宅のニーズはさらに高まっています。しかし、兵庫県では2021年7月に改定された「ひょうご県営住宅整備・管理計画」では、2020年4月1日時点で49,950戸あった県営住宅管理戸数を2025年度に48,000戸へ、2030年に45,000 戸へと削減するとしています。青木高層・鉄筋住宅の建替えでも管理戸数が、29戸削減されることには、同意できません。また、公営住宅は、本来「国及び地方公共団体が協力して、健康で文化的な生活を営むに足りる住宅を整備」することが求められており、福祉的な対応も含め公的関与が必要な施策です。しかし、今回の青木高層立替えのPFI方式は、1グループ8社の民間事業者ですすめられるもので、県営住宅の建替えにおいて、公的関与を著しく弱めるものとなります。よって、本議案には、賛同することができず、反対するものです。
以上、議員各位のご賛同をお願いし、私の討論を終わります。