議会報告

  • 2026年03月07日
    予算・決算特別委員会

    3月5日 予算特別委員会(財政状況審査) 久保田けんじ

    財政状況について

    1.県税収入について

    1)まず消費税減税についてです。一般質問でも指摘しましたが、県税収9094億円のうち地方消費税収は3102億円、構成比34.1%と過去最高となり、県民、中小事業者の大きな負担となっています。20日に行われた高市首相の施政方針演説では、「飲食料品の消費税を2年間に限りゼロ税率とする措置の検討を加速」と述べましたが、来年度に盛り込むプログラムになっていません。

    消費税減税は、先の選挙でもほとんどの政党が掲げており、早急に実施することが求められています。自治体からも要請を強めるべきです。

    Q1)現在、国会でも消費税減税について議論されていますが、政府は、国民会議で枠組みを検討するとして、その具体化は先送りしかねない状況にある。この議論の行く末は、ただちに県予算、県財政にも影響するものである。あらためて県として、国に対し、消費税減税の実施を求め、その財源も国に求めるべきと考えるがいかがか。

    答弁)消費税減税は、さまざまな観点から課題の整理を慎重におこなうべきと認識しているので、まずは国民会議の議論を待つ。仮に飲食料品ゼロの実施が行われる場合、本県では、年間約450億円減収となることから、地方財政運営に支障が生じないように国に財源措置を求める。

     

    2)次に、減税分の財源確保についてです。

    私たちは、食料品のみ2年に限りゼロでは、効果は限定的どころか、その後、また元に戻る、あるいは、増税になるなどでは、さらなる物価高騰を招き、県民の暮らしは、より深刻になると考えます。

    Q2)消費税減税は、一律5%にすることを求め、インボイスを廃止、財源は、内部留保が過去最大の585.6兆円ともなっている大企業への減税や優遇税制をやめ応分な負担を求めるなどの歳入改革を行うことも重ねて要請します。

     

    答弁) 消費税を一律5%に引き下げた場合、自治体への交付金含め1450億円の減収となる。財政運営にあたる影響は甚大で、代替財源の目途が立たない現状では、減税は慎重であるべきと考えている。地方消費税は、法人関係税に比べて、地域偏在も少なく、社会保障を支える地方の安定した財源となる。法人税率の改定については、国において、さまざまな角度で検討されるべきであり、所得、消費、資産のバランスの取れた税制構築を求めるものである。

     

    2.投資的経費について

    1)普通建設事業費決算額の推移について

    来年度収支不足額見込みが130億円、R10年、2028年までの総額は530億円、R7年度2025年度決算で実質公債費比率3カ年平均で19%となり、起債許可団体になるとされました。知事は、その要因に、類似団体に比べても高い水準で投資事業を行ってきており、令和4年度以降は、投資事業の適正化を図ってきたと述べました。しかし、公債費比率の悪化は、実際に、普通建設費にどのくらい支出してきたのかが問題になるのではないでしょうか。

    Q1)そこで当初予算資料で示された投資規模の類似団体比較で示された2008年から2024年度の普通建設費の決算額の推移の特徴をおこたえてください。

                  

    答弁)行財政構造期間であるH20~30年は、2034億~2450億円の間で推移。その後R3年度は、2714億円でご指摘の期間で最大となっている。R8年度当初記者発表でお示しした通り標準財政規模に占める普通建設費の割合は、行財政構造改革期間において投資的経費を見直してきたものの類似団体と比べても高い投資水準で推移してきたため、R4年度以降、投資事業の見直しをはかってきている。高い投資水準になった理由は、県土の安全・安心のため防災・減災対策事業を投資フレームの別枠で措置するとともに、国の経済対策に呼応した補正事業を積極的に実施してきたことなども要因と考えている。

     

     このグラフは、答えていただいた2008年から少し前の2006年からの推移です。

    兵庫県は95年の阪神淡路大震災から総額約16兆3000億円の復興事業をすすめ、そのうち県の直接負担が2兆3000億円で、1兆3000億円を「県債(借金)」で賄ってきました。復興事業のなかには、創造的復興として大規模な投資事業による建設費が県の財政を圧迫し、震災関連県債は、まだ公共事業分など856億円が残っています。2006年~2011年度まで起債許可団体に転落。このグラフを見ると2006年以降は、普通建設費は、少し抑えられているのかもしれませんが、他県に比べて2008年以降も高水準で推移していることになっています。そして2018年度をもって、財政運営の健全化を達成したとして、その後、また普通建設費が増額されますが、2022年の県政改革方針で、適正化したとされています。

    しかし、2008年~2024年の決算額について、この間の普通建設費の平均は、2296億円で、知事が抑えたとされる2024年も、2314億円で、これまでの水準と同等以上の支出がなされています。齋藤県政になってからも続く、高水準の投資事業により、起債許可団体に転落したと言わざるを得ません。

    2)普通建設事業費額の増要因について

    県は、今後「公債費負担適正化計画」を策定するとしていますが、公債費負担を抑制するためにも投資事業を抑制しなければなりません。しかしこのグラフでは、2020年から2022年が山になっていますが、この時期の普通建設事業費について、その比重が高いと考えられる土木部支出分における主な要因(事業名等)決算額が増えた要因や事業名をおこたえいただきたい。

    答弁)R2年度、R4年度の決算額が相対的に高い数字、平成30年度からR2年度3カ年緊急対策予算、R元年の国の経済対策補正、R2年度以降の5か年加速化対策予算、ならびにR元年度に制度化された有利な地方債を活用した緊急措置事業など国の国土強靭化施策と歩調をあわせたインフラ整備を実施してきた。具体的には、東播磨道(約272億円)や浜坂道路二期(約135億円)など将来の地域活動の向上につながるインフラ整備を着実に推進したほか、平成30年の高潮被害をふまえた防災対策、高度経済成長期につくられたインフラの老朽化対策など多岐にわたる喫緊の課題に対応してきた。なお県政改革方針策定初年度は、前年度予算額の繰越額が多かったため高い水準となっている。今後も県政改革方針によって示した投資事業の基本額を踏まえ、事業の選択と集中をふまえ、安全安心な県土をめざして事業をすすめていく。

     

    やはり普通建設費の中で、高速道路事業が大きく支出額を引上げていることが確認されます。

    3)大型高規格道路事業の概要について

    今後の普通建設費の中でも、八連携軸とする高速道路ネットワーク事業が大きく占めると考えられるが、その中でも大規模な大阪湾岸道路西伸部、名神湾岸連絡線、播磨臨海地域道路の総事業費と、県費の見積もりがそれぞれどのくらいなのか、また、これら3つの事業は、財政フレームの中に含まれているのかどうか、おこたえください。

    答弁)

    〇大阪湾岸道路西伸部

    事業主体:国土交通省・阪神高速道路(株)

    総事業費:6,740億円(国直轄:2,500億円・阪高:2,500億円・未定:1,740億円)

    神戸市負担:国直轄2,500億円のうち、1/3を神戸市が負担(約833億円)

    兵庫県負担:神戸市負担のうち、交付税措置を除いた額の1/2を県が補助(約333億円)

    財源:一般財源

     

    〇名神湾岸連絡線

    総事業費:1,050億円(国直轄520億円・阪高500億円・NEXCO西30億円)

    県費負担:国直轄520億円のうち1/3を県が負担(約170億円)

     

    〇播磨臨海地域道路

    まだ事業化されていないので、総事業費も不明。(2020年6月に国土交通省は、優先32km区間で5900億円と示している)

    播磨臨海地域道路は、財政フレームには含まれていない。

     

    〇久保田

     それぞれ相当大きな事業費であり、県費負担も大きなものとなっています。

    これは、3つの事業に関連して支出した事業費であるが、大阪湾岸道路西伸部は、すでに21億円以上が一般財源で支出され、まだ事業化されていない播磨臨海地域道路計画でも、調査費としてすでに7億円以上が支出。名神湾岸連絡線については、調査費を除く事業費3億73,33万2千円のうち、その財源はほとんどが起債である。これらの事業はやはり将来も含め、財政を圧迫していくことになると考える。

    4)播磨臨海地域道路計画の事業主体の検討について

    とくに播磨臨海地域道路計画については、まだフレームの中にも入っておらず、この事業が事業化されれば、さらなる負担になることは間違いありません。

     事業費がしめされていない播磨臨海地域道路についてですが、ルート帯が決定された2020年の6月、近畿地方小委員会において、当面都市計画などが行われる32㎞区間だけでも、5900億円と示されました。

    Q)そして、2015年12月議会、播磨臨海地域道路計画について当時の井戸知事が「県が考える優先整備区間や東部の直轄施行、西部の県施行など国と県との役割分担による整備を提案している」と述べていますが、いまもこの方向で、事業主体や事業手法について調整を進めていかれようとしているのか、お答えください。

     

    答弁)播磨臨海地域道路は、神戸市から太子町までの約50㎞の高規格道路です。整備延長が長く完成まで相当な期間を要することが想定されたため平成27年当時、早期実現の観点から国と県の役割分担による整備等を検討する必要性について県議会でも答弁している。現在は、第2神明道路から姫路市広畑までの約32㎞について都市計画・環境影響評価手続きをすすめている段階であり、事業主体や事業手法については、決定しておりません。今後過去の県議会答弁も含め、播磨臨海地域道路の早期整備と県負担額軽減の観点をもって国を中心とした関係者と調整をすすめ、最適な事業主体、事業手法を検討してまいります。

     

    久保田:再質問)

     もう一度確認ですが、播磨臨海地域道路について、西側が県、東側が国直轄という枠組みというのは、そのまま今も継続してすすめようとしているのかどうかおこたえください。

     

    答弁)平成27年の答弁につきましては、播磨臨海地域道路を早期実現ための方策の一つとして示したものであり、本道路の早期整備をめざすという点では、当時も現在もなんら変わりはありません。早期整備できるよう事業主体、事業手法について関係者と調整をすすめていきます。

     

    現在示されている事業費5900億円の西部半分を県単独でおこなえば、単純に計算しても3000億円は、県負担になる、国直轄部分も負担が生じることを考えても、莫大な投資を余儀なくされることは必至である。都市計画がすすめられるなかで、住宅街をとおる、学校の真上をとおる、自然破壊をすすめるなど、地元からの反対の声もひろがっている。

    5)財政フレーム見直しとあわせ、こうした声もかんがみ、播磨臨海地域道路計画については、いったん中止すべきではないか。

    答弁)播磨臨海地域道路は、国道2号バイパスの慢性的な渋滞の緩和や臨海部に集積する製造業の物流効率化、災害時のネットワーク確保など地域の多様な課題を解決する重要な社会基盤。R5年度以降の都市計画手続きにかかる地元説明会や公聴会では、住宅地をとおるルートの妥当性、自然環境への影響等に関する懸念が示される一方で、早期整備を求める意見もいただいている。また沿線の市町長や地元経済界からは企業進出や観光客増大を促し、地元経済の発展にも貢献することから早期事業化および早期完成に向けた検討をすすめるよう強く要望されております。都市計画および環境影響評価手続きについては、今後も地元意見を聞きながら、丁寧に進めてまいります。また事業化についても早期整備と県負担額軽減の観点をもって関係者と調整をすすめてまいります。播磨臨海地域は、製造品出荷額全国2位の規模を誇るとともに脱炭素に向けた水素等次世代エネルギーの取組が進むなど日本屈指の産業集積地であり、播磨臨海道路は、地域の未来を支える重要な道路になっている。引き続き地域住民の丁寧な対応に配慮しながら早期整備に向けて取り組んでまいります。

     

    久保田)

    播磨臨海地域道路は、事業化されておらず財政フレームにも入っていない、環境破壊、住宅街の上をとおるなどの地域住民の懸念も大きい、こうした声を聞いて、いったん中止することを改めてもとめるものである。

    3.産業立地促進補助事業と中小企業への支援について

    1)産業立地促進補助金の大企業・中小企業補助額につい

     東京商工リサーチ神戸支店によると2025年の兵庫県企業倒産状況は、倒産件数が前年比11%増の634件、リーマンショック以来の高水準となっています。倒産しているのは、小規模零細企業が多く、事業継承、賃金上昇を含むコスト高などに対応できなくなっています。物価高騰などにより経営継続に困難を抱える事業者への支援が求められます。

     ところが兵庫県予算での産業振興政策の柱は、大企業を中心に立地補助を行う産業立地補助金で、新年度は、国の未来投資資金の繰り入れを見込み、産業立地促進費として、今年度の約1.5倍の、29億5325万1千円が計上されています。

    Q1)そこで、今年度の産業立地補助金の補助額ベースで、大企業、中小企業の額、割合をそれぞれおこたえください。

    答弁)産業立地補助金の令和7年度支出見込みについて、補助件数88件、補助額は23億8335万1千円を交付する見込み。企業規模別で大企業は、26件、78.2%で補助額は18億6297万3千円、中小企業62件、補助額21.8%の5億2037万9千円となっている。

    R7年度で、78.2%が大企業、事前にいただいた資料では、産業集積条例※が施行されたH14年度からR6年度まで23年間に、同条例に基づく支援措置を活用した249社306億円のうち、251億円、82.0%が、大企業への補助となっています。県の施策として、体力のある大企業に補助をおこなうのではなく、中小企業への直接支援をすすめる施策を具体化する必要があるのではないでしょうか。

     

    2)中小企業への直接支援について

     いま、中小企業への直接支援として、例えば岩手県は、1時間あたり60円以上の賃上げをおこなった中小企業に対し、設備投資などの条件をつけることなく、1人当たり6万円、最大50人分上限400万円の賃上げ支援金制度を実施しています。こうした支援制度が求められるのではないでしょうか?

    Q2)産業立地促進補助をあらため、中小企業の抜本的支援となる賃上げ支援金の創設を求めますが、いかがですか?

     

    答弁)経済の好循環を生み出すためには、県内雇用の7割以上を占める中小企業の賃上げが重要です。賃上げについては、一時的なものではなく、企業が継続的かつ安定的に賃上げができる環境を整えることが重要であると考えている。このため、本県では、長期的な収益力の向上や賃上げにつながる設備導入等に取り組む中小企業への支援をすすめるとともに、経営指導員を核とした経営指導体制の強化、交渉力の強化、販路開拓等にとりくんでまいります。さらに、賃上げを下支えし人手不足にも対応するため、中小企業のDX導入等にも取り組んでまいります。なお産業立地促進補助につきましては、投資誘発効果を含む経済波及効果、直接雇用をはじめとした雇用への波及と誘発など地域へ大きな投資と雇用を生み出す呼び水として効果があるものと分析をしておるところです。中小企業が今後とも希望をもって日々の経済活動にとりくみ、活力を維持できるよう、しっかりと支援してまいります。

     

    久保田)

    日本経済の根幹で、地域社会と住民生活に貢献している。企業の99.7%をしめ、働く人の2/3が働いている雇用の担い手である。日本経済を支える中小企業の支援として岩手県の賃上げ支援制度を紹介しましたが、ほかにも群馬県、徳島県、茨城県などでもおこなっているところである。大幅な賃金引き上げと大規模な中小企業支援を同時並行でおこなうマクロ的な経済政策、それこそがやはり経済効果も抜群である。先ほども述べましたが、中小企業の倒産、県内でも相次いでいるなかで、中小企業の直接支援を兵庫県もおこなうことを要望して質問をおわる。

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