政策・見解・議員団活動

  • 2020年04月28日
    申し入れ

    新型コロナウイルス感染症対策に関わる申し入れ

    新型コロナウイルス感染症対策について、昼夜わかたず、対応されていることに心から敬意を表します。

    依然、県内の患者発生が一定の規模で続き、収束の見通しがたっていません。同時に、感染拡大防止のための外出自粛、休業要請により、県民の生活と業者の営業、子どもたちの学習・生活に大きな影響がひろがっています。

    日本共産党兵庫県会議員団は、これまでも新型コロナウイルス感染症対策の強化を要請してきました。

    そのうえで、さらなる対策の強化として、以下のことを申し入れます。

    1、医療・検査体制の強化について

    (1)医師会などの協力を得て、PCR検査センターを早急に整備し、帰国者・接触者相談センターを介さずとも、速やかに検査が受けられるようにすること。ドライブスルー方式など含め、検体をとる手立てを拡充すること。

    (2)「発熱外来」を早急にもうけること。そのためのスタッフ配置や防護服・マスク・フェイスシールドなど、医療従事者の個人防護具を、国に緊急に要請すること。

    (3)院内感染により、救急や新規外来休止など通常の診療体制にまで影響が拡がっている病院がでてきている。新型コロナウイルス感染症患者の重症者を扱う病院、中等症患者を扱う病院、コロナ患者以外を扱う病院など病院・病棟ごとの機能分化をおこなうこと。空床準備の経費は、全額公費とし、国にもとめること。中等症患者を受け入れる病院をひろげるために、おもいきった財政支援をおこなうこと。

    (4)軽症者・無症状者を受け入れるホテルなどでの対応には、常時医師の配置も含め、万全の体制をとること。

    (5)医療関係者を感染から防護するために、防護服、N95はじめ医療用マスク、ゴーグル、消毒液などを速やかかつ十分に供給すること。人工呼吸器の供給の抜本的強化を図ること。また、新型コロナウイルス感染症を扱わない一般民間病院やクリニック、保険薬局でもガウン、マスク等医療用衛生資材が枯渇している。医療用マスクや消毒液などの医療資材の提供を強めること。

    (6)新型コロナウイルス感染症対策にあたる医療関係者専用の宿泊施設を確保すること。

    (7)仕事が過重になっている健康福祉事務所、健康科学研究所などの体制補強もおこなうこと。

    (8)オンライン診療に係る診療報酬の引き上げを国にもとめること。

    (9)福祉関係事業所のマスク、消毒液、ガウン、施設運営の安全指針など感染症防止対策をはかること。

    (10)自粛要請にともない介護・障害者施設、放課後デイサービス、保育・福祉施設等の自粛の影響による減収に対する補填をおこなうこと。

    (11)院内感染などで休業を余儀なくされた病院や事業所などへの損失補填、および自宅待機等となる職員の給与補償を行うよう雇用調整助成金の活用や労災申請などで手立てをとれるよう県として対応すること。

    (12)感染者や関係者、医療従事者などへの不当な差別や偏見、誹謗中傷などの風評被害について、知事を先頭に正しい情報を発信するとともに、相談窓口を設けるなど被害の回復に努めること。

    2、休業・自粛要請と一体的に県民・事業者への十分な補償をおこなうこと

    (1)県独自支援の経営継続支援事業については、収入50%減額要件、100㎡以上の面積要件を撤廃するなど対象を拡大し、金額も引き上げること。

    (2)休業要請にこたえた中小企業や個人事業主だけでなく、自粛・休業要請により直接的・間接的に不利益をこうむるすべての中小・小規模事業者に対して、家賃・地代・水光熱費・リース代などの固定費への直接助成をはじめ、損失に見合う補償をおこなうこと。

    (3)創設される持続化給付金(仮称)については、収入が前年同月比50%以上減少した事業者に絞るなど厳しい要件への懸念がある。迅速さも考慮し、一律給付などを検討するよう国にもとめること。国の持続化給付金の創設に合わせ、県独自の持続化補助金を創設し、経営向上・改善を図る中小業者を応援すること。

    (4)1人当たり10万円の給付金支給は、住民登録がない人にも福祉窓口から緊急的に支給するようにすること。世帯支給でなく、すべての個人に渡るようにすること。DV被害者や学生など住民票のある住所に居住していない人にも速やかに手渡るようにすること。DV被害者は、居所が明らかにならないよう配慮すること。

    (5)県は、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う解雇・離職者、減収した人に対する県営住宅の提供をおこなっているところではあるが、家賃や敷金などの自己負担分を凍結するなど、当面無償で提供できるようにすること。またDV被害者なども入居対象とすること。

    (6)新型コロナウイルス感染者による被用者への国保による傷病手当支給について、市町での条例改正などただちに実施できるようにすることとあわせ、事業主・家族従業者、フリーランスなども支給対象に含めるよう市町に要請すること。

    (7)県営水道料金を全額減免すること。各市町の水道料金を免除するよう要請すること。

    (8)雇用調整助成金、小学校休業等対応助成金、フリーランス向け対応支援金など国の助成金制度は、手続きの簡素化、支給対象の拡充、相談・審査人員の増員などをおこない、大規模に迅速に支給できるよう国に手立てを求めること。県としても特別窓口を設置するなど対応できるようにすること。

    (9)創設された新型コロナウイルス感染症対応資金については、売上減少の申出兼企業確認書以外、売上明細書(日別)などの資料は求めず、スムースに認定できるように手続きを簡素化すること。

    (10)新型コロナウイルス感染症拡大以前の県制度の既存債務については、当面、返済凍結し、利息を県が支援すること。県税などの納税緩和措置を徹底し、生活や生業の実態に応じ、税の執行停止を行うこと。

    (11)国や県の給付、支援、助成、融資制度は、当事者にただちに伝わるように、周知徹底の工夫をおこなうこと。とくに居住地に住民票がない学生やDV被害者などに対し、きめ細かな対応をおこなうこと。

    (12)緊急経済対策として、消費税を5%にすることを国に強く申し入れること。

    3、教育・子どもにかかわる分野での要望について

    (1)長期化する臨時休業期間中の児童・生徒に対する学習・生活支援をネットや電話、郵便など様々な工夫によって支援を行うこと。サンテレビなどと連携し、学習支援番組を提供すること。

    (2)長引く学童保育での受け入れの負担軽減を図るため、人員の確保・派遣を含め教員と学童保育の指導員とで連携が図れるようにすること。

    (3)特別支援学校の臨時休業中に子どもたちがどこで(学校、放課後デイ、家庭、祖父母の家など)過ごしているのかを把握し、適切に支援が行われるようにすること。

    (4)子どもの受け入れを行なう学童保育や放課後デイ、居場所提供を行なう学校にたいして、消毒液やマスク、非接触体温計など必要な衛生資材の支援を行うこと。

    (5)万が一学校内で感染者が発生した場合の体制整備や、子どもの心のケアなどに必要な人員確保、地域医療機関との連携強化を行うこと。また、そのために市町への支援を行うこと。

    (6)私立幼稚園での臨時休園にあたっては、子どもの休園中の過ごし方などを分かりやすく子どもや保護者に伝えることができるように、県として動画や文書を作成、配信・配布するなど配慮すること。

    (7)新型コロナウイルス感染症の影響で、保護者の収入減など家計急変に対し、公立高等学校授業料減免、私立学校生と授業料軽減臨時特別補助の拡充、高校生等奨学給付金の拡充が行われるが、生徒・保護者への周知を徹底し、もれなく受けられるようにすること。

    (8)休校要請により休業となった私立学校について、休校中の授業料が保護者や学校の負担とならないよう検討すること。

    (9)県立大学でも、新型コロナウイルス感染症対策による経済的影響を受ける学生への学費減免をおこなうこと。また国立、私立大学などにおいても学費減免するよう国に求めること。

    (10)学生のアルバイト収入などの減収により、学生の生活などに影響がでている。学生への一律給付金をおこなうこと。

    (11)奨学金返済の免除もしくは猶予をおこなうよう国に求めること。

    (12)県立図書館の利用案内は、臨時休館を強調するのではなく、資料やデータベースの予約や郵送での複写、市町図書館を通じた協力貸し出しサービスや電話でのレファレンスは利用できることを分かりやすく表示すること。

    (13)学校再開にあたっては、専門家からの意見をふまえたうえで、保護者や生徒の納得得られるように慎重に対応すること。

    (14)休業終了後の授業時間の確保のために、調査や研修、研究指定、連合行事など不要不急の事業は思い切って削減すること。学力テストと体力テストは中止すること。また全国学力テストは中止するよう国に求めること。夏休みの過度な短縮は行わないこと。

    (15)県立学校や私立学校での行事やイベントでキャンセルになるものについて、契約先の損失補償を行なうこと。

    (16)学校の一斉休業にともないキャンセルになった給食調理やスクールバス、学校図書館の運営、用務、通学時の見守り等の委託民間事業者やシルバー人材センター等と、これらで働くパート労働者等に対し、損失補償を行うこと。

    (17)親が感染して養育できない子どもの一時保護施設を確保すること。

    4、国、県予算での抜本的対応を求める

    (1)国は、4月補正予算をくんだが、検査・医療体制についても、自粛・休業要請への補償についても、きわめて不十分と言わざるを得ない。検査・医療体制の抜本的充実と、自粛・休業に完全に見合う補償のための抜本的な予算措置をおこなうことを国に強くもとめること。

    (2)県として、さらなる医療・検査体制の充実、県民と事業者への抜本的な補償を行うために、高速道路の新設や調査、病床削減のための予算などを組み替えて、県独自でも最大規模の予算出動を行えるようにすること。

    以上

    兵庫県知事   井戸 敏三 様

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