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2015年度 予算特別委員会 県土整備部 宮田しずのり
2015年3月10日

県営住宅の家賃減免制度の改変について

■宮田しずのり■ それでは早速質問に入る。
 まず、第1点目は、県営住宅の減免制度の改変の問題について質問する。
 県営住宅の家賃の問題、特に来年度の家賃から導入されている新たな家賃減免制度の問題についてである。
 ある家賃減免を受けている入居者は、今年度から5,000円が上がって、1万4,900円の家賃通知が来たと言われた。月額の所得で2万4,000円ほどの低所得者のひとり暮らしの入居者である。また、1万800円から1万5,800円になったという声も聞いた。この入居者もひとり暮らしで低所得である。介護保険サービスなどのサービスを受けているから、利用もかかる方である。このような低所得者に非常に重い負担となっている。
 これは県営住宅の家賃減免制度の改編で、今まで政令月収、非課税などを控除を除いた所得で減免率を決めていたものを世帯の総収入で計算をしたせいで、減免率が下がって、減免後の家賃が引き上げられたとのことによるものである。5,000円というのは、激変緩和措置としてのもので、経過措置的なものであるが、これ最終的には、更に引き上がっていくということになる。低所得者が一挙に5,000円も家賃が上がるとすると生活に大きな打撃となることは、もう明らかである。真に経済的に困窮する世帯に対する公平な制度にするために改編を行ったという説明だけれども、今回の家賃減免制度の改定で、入居者の生活、特に低所得者に大きな影響があると認識をしているのかどうか、まず、この認識について伺いたいと思う。

■住宅管理課長(飯塚功一)■ 今回の減免制度については、先ほど委員から指摘があったような内容の改定にしている。ただ今回は、住宅審議会に諮問して、その答申を踏まえて検討して減免制度の見直しを決定している。それによって、県としては減免制度を公平かつ適正な制度に見直されたということで認識しているので、十分負担していただけると認識している。

■宮田しずのり■ 十分負担できるという認識であるが、県民は、今、年金引き下げ、それから消費税の引き上げ、物価高で、非常にただでさえ苦しい生活を強いられている中で、低所得者の方がこれだけ大きな家賃の引き上げというのは大問題である。
 次に、その影響について聞きたいが、現在申請をしている中で、家賃減免制度の改定によって、その影響について、今まで減免を受けていた世帯のうち、どれだけの世帯が今度の改定で減免制度からの対象から外されるのか、その影響について聞きたいと思う。
 この問題は、今話があった住宅審議会で議論されて、今まで減免を受けていたうちの1割から2割の世帯が対象外となり、減免の金額も1割から2割引き下がるという説明があった。実際の影響はどうなっているのか、また、入居者の家賃が引き上がるということは、県営住宅の県の家賃収入が増える訳だけれども、これはどれだけ収入が増えるのか、その点について答えをいただきたいと思う。

■住宅管理課長(飯塚功一)■ まず、影響を受ける世帯等については、住宅審議会でいろいろな試算をする中で、対象者については1〜2割、金額については1〜2割という、ある段階でそういう試算が出て報告はしている。
 ただ、今回の見直しについては、非課税収入を含めた年間総収入等をもとに決定するが、年度末までの申し出により来年度の減免額が確定することなどから、現在、個々具体的な所得階層別の影響の算定は困難である。ただ、今回見直した結果、平成26年度当初予算では、減免見込み額を約21億円に対して、27年度では約19億円と試算し、計上している。
 なお、収入全体の話については、26年度当初予算の一般の県営住宅の家賃収入が当初予算ベースで127億円に対して、27年度当初予算では約128億円を計上している。

■宮田しずのり■ 非常に大きな負担になるということは明らかだと思う。このような制度が大きく変わることについて、入居者に対してはどういう説明をされたのか聞きたいと思う。

■住宅管理課長(飯塚功一)■ 新たな制度の入居者への周知は、まず、7月に県営住宅だよりを全戸に配布した。そして11月には、減免の継続対象世帯に対して制度の内容と申請手続について通知した。そして本年2月中旬には、減免申請者に対しては、制度内容に加えて算定方法等も記載し、来年度家賃を通知しており、問い合わせに対しては、個々具体的な算定の説明等を丁寧に行っている。

■宮田しずのり■ 何回かお知らせをしたということだが、しかし入居者の多くの人が制度の変更を知らない。減免の申請をして、初めて家賃が大幅に上がったということを知って、非常にびっくりされているというのが実情である。入居者に対する説明が圧倒的に不足をしていたということは明らかだと思う。
 この問題では、住宅審議会の答申を受けて制度を変えている訳だが、入居者にどういう影響が出るのか、あるいは入居者に十分説明もなく、県議会に対しても、昨年の予算特別委員会での答弁などでも十分に説明しているとは言えない状況だったと記憶している。これでは入居者に納得してくれというのは非常に無理な話ではないかなというふうに思う。
 そこで、こういう状況の中で、もう一度、率直に家賃減免制度の内容は、もう一回再検討すべきではないかと思うが、その点についてはどうか。

■住宅管理課長(飯塚功一)■ 家賃減免については、あくまでも入居者に特別の事情があり、必要があると認められる場合に、例外的かつ補足的な措置として行っている。それで今回の見直しにおいては、真に経済的に困窮世帯に対する公平な制度にするため、住宅審議会の答申を踏まえて、世帯の総収入を家賃負担に適正に反映させるなどの制度を見直したところで、あくまで適正かつ公平なきちんとした制度に見直されたと認識している。

■宮田しずのり■ 兵庫県の県営住宅の家賃減免は入居世帯の33%、これは平成24年度の資料であるが、33%が受けている。今までの説明では、他府県と比べても手厚いというふうに言われている訳だけれども、本来、減免制度の対象になる世帯で、生活保護を除いた数字が2万7,365世帯あるが、そのうちに1万5,528世帯、つまり資格があるのに実際に減免を受けている世帯は、その57%、半分ちょっとしか減免を受けていないのが実情である。県が十分な丁寧な説明をせずに、こういう結果、57%しか減免を受けられていないというのは、やはり制度の内容を十分入居者に周知徹底できていないという結果ではないかと思う。
 そこで、今現在、家賃の減免制度の受付だとか、あるいは判定業務を指定管理者である事業者が行っている訳だけれども、この減免制度の周知について指定管理者に徹底すべきではないのかということ、また、県自身も県営住宅の減免制度を十分に知らせる努力をすべきではないかと、必要な方が十分にこの制度を活用できるようにすべきではないかということだが、どうか。

■住宅管理課長(飯塚功一)■ 家賃減免の対象になる方は、政令月収が8万円以下である、それに加えて家賃支払いが困難な方を対象にしている。そういった中で、従来の制度については、当然、入居者のしおり、また、毎年の収入申告時の手引き、さらには滞納された方に対しては、申請指導などにより周知を図っている。十分に必要な方については周知されていると認識している。

園田西武庫線について

■宮田しずのり■ そもそも住宅は福祉というふうにいわれる。県行革の方針の中で、県営住宅の建て替え戸数の削減とか、駐車場の設置、近傍同種の駐車料金の導入、それに承継制度を厳しくしたり、あるいは集約化の加速、借り上げ住宅の返還など、入居者や県民のためのサービスを充実するというよりも、むしろ今、経費の削減、事業縮小の方向にばかり偏っているというふうに言わざるを得ない。これはもう本当に根本的な問題であるが、公営住宅の本来の役割の発揮こそ今求められていうことを強く指摘をして、次の質問にいきたいと思う。
 次に、県道整備の問題についてお尋ねしたいと思う。
 一つは、園田西武庫線、尼崎の都市計画道路として進められている県道園田西武庫線、この街路事業で、三菱電機伊丹製作所の真ん中を通る道路、ここが御園工区といわれる部分だけれども、ここについてお尋ねをしたいと思う。
 この道路の用地補償交渉が行われて、平成23年2月14日付の阪神南県民局長名で、土地公に出した先行取得依頼では、用地取得1.7ヘクタール、それから区分地条件用地0.18ヘクタール、合わせて1.9ヘクタールとなっている。そして20本の土地売買契約書、それから18本の物件移転補償契約書を交わしている。三菱との契約書は、平成23年3月3日付である。菱彩テクニカとは、平成23年6月2日付である。この用地補償の金額は、最終的にどうなったのか、お答えをいただきたいと思う。

■用地課長(村上武雄)■ 三菱電機との契約内容については、公開することにより、当該法人の権利、競争上の地位、その他正当な利益を害するおそれがあるため、県情報公開条例第6条第2号の規定に抵触する法人情報であると判断し、非公開としている。
 なお、情報開示については、個人、法人、金額の多少にかかわらず、同様の取り扱いである。

■宮田しずのり■ この事業の事業評価では、御園工区の用地補償費は、174億円のうち104億円が三菱だと書かれている。今はその内容は公表できないということだけれども、実際にその補償費は幾らになったか、県が取得依頼をしている土地開発公社の決算の関連資料を見ると、園田西武庫線の用地取得を見てみると、土地公の取得、これは23年度から始まっているが、その年に1万8,652平方メートルで79億1,300万円余り、以後24年、25年、26年と、この22年から26年までの4年間に、合計で約1.9ヘクタール88億円が支出をされたという決算になっている。これはその後も支出が予定されているところだが、この面積は、県が土地開発公社に先行取得依頼をした面積とほぼ同程度である。三菱電機の関係企業に支払う用地補償は最終的にこの事業評価と同程度、私は104億円程度というふうなことになると思うが、この点について、もう一度答えていただきたい。

■用地課長(村上武雄)■ 三菱電機に係る補償の関係だが、先ほど申し上げたとおりだが、御園工区については、三菱電機以外の地権者の方もいるので、全体としてその程度の金額になろうかと思っている。

■宮田しずのり■ 全体として約104億円程度にという答弁だと思うが、ほかの地権者といっても、それは何人かおられるけれども、非常に全体の比率から見たら、ごくわずかである。ほとんどが三菱電機に補償費として支払われる。170億円余りの事業費の中で100億円が三菱電機の補償費だということである。
 以前の県議会の私の質問で、また我が党の質問で、都市計画決定をしていたのに、その計画地の上に建物を建設した子会社である菱彩テクニカの問題を以前取り上げた。そして、その菱彩テクニカが道路敷にあるので、それを三菱電機の中に移転をすると、その際に、その菱彩テクニカが移転する先の三菱電機敷地内に建設をされている研究所を移転するとか、あるいは、その次の建物を移転する。最後には総合研究所も建て替えるというように、私ももう相当前になるけれども、6ヵ所も建物を工場の中を次々玉突き移転するというようなことも指摘したことがあるが、こういう玉突き移転をするための補償を事業費の中から支払う。こういう例は余りないのではないかと思うけれども、こういうことはほかの事業の中にあったのか、あれば教えていただきたいと思う。

■用地課長(村上武雄)■ 残地内に建物を再築するような場合、同様の考え方で、関連移転を行った事例があるが、最近は、このような大規模な関連移転の事例はない。

■宮田しずのり■ 最近は、そういう例はないということである。以前の答弁でも、経済的、合理的な補償方法をということをこれまで述べてきたが、県民にとって、経済的、合理的ではなくて、私は三菱電機にとって、本当に経済的に有利で合理的な補償になっているのではないかと思う。そうでないというのであれば、やはり交渉の物件だとか、あるいは交渉の内容、やりとりなどについて、当然その企業の公開できない部分もあると思うが、最大限県民に対してオープンにすべきであり、三菱電機にも県から強く要望して、最大限の公開を求めたいと思うが、もう一回答弁願いたい。

■用地課長(村上武雄)■ 情報開示については、先ほど答弁を申し上げた理由に加えて、情報が公開されることになれば、実施機関が被補償者との間で築き上げてきた信頼関係が損なわれ、今後、用地交渉自体を拒む被補償者が出るなど、用地交渉に係る事務の適正な執行に支障を及ぼすおそれがあることから、非公開としている。

■宮田しずのり■ れは異例の玉突き移転補償だと思う。本当にこれが合理的な補償方法かどうか、我々にとっては、もう判断する材料も示されないということで、県民にとって本当にこれが必要な事業かどうかということも考えざるを得ない内容である。今後とも情報公開と事業の見直しを求めて、もう1点、この別の問題で質問する。
 この園田西武庫線の道路建設は、今述べた三菱電機工場内の御園工区と、それからもう一つ、大阪側の藻川を渡る架橋工事、これは藻川工事と言われているが、ここが進められている。
 もう1点、藻川工区の問題について聞く。
 かかった橋を渡って東側は東園田地域で、非常に閑静な住宅街である。橋の建設に伴って道路の拡幅が必要となり、道路沿いの住宅三十数軒が用地賠償の対象になる。それらの住宅は、もう本当に私もいつ行くが、立派な樹木が植わった庭が、何メートルも道路のために削られたり、あるいは住宅の壁のもう数十センチのところまで道路側が来るということで、そういうところが買収にかかる訳だが、いろいろ強い反対や心配の声がたくさん出ている。そこで、私の聞いたところでは、買収交渉は、まだ6割から7割ぐらいの世帯しか合意ができていないということであるが、そこで、この東園田地域の道路拡張に伴う買収の交渉で、まだ合意に至ってない世帯がどのぐらいの割合なのか、答えをいただきたいと思う。よろしくお願いする。

■道路街路課街路担当参事(小谷和弘)■ 用地交渉において理解をされてない方が幾らという話だが、私ども把握しているところでは、32件の用地補償があり、今のところ12件について用地について整っている。それ以外については、鋭意今交渉中である。

■宮田しずのり■ 6〜7割の方はまだ合意に至っていないとのことである。ところが、この用地買収が合意できていないのにもうこの間は測量に来ている訳である。住民の方が抗議する中で、測量したりという話も聞いているが、これはやるべきてはない。十分話し合いをして、そして買収交渉が成立してから測量等もやるべきだと思うが、この点、もう一回答えていただきたい。

■道路街路課街路担当参事(小谷和弘)■ 藻川工区については平成22年度から事業に着手し、平成22年度は、今後の事業の進め方や測量、それから土質調査の実施内容についての説明会を東園田地区、それから食満地区で各2回ずつ開催している。また、平成23年度は、用地買収の進め方や事業認可に伴う建築制限の説明会を同じく東園田地区、食満地区で各2回ずつ開催している。さらに平成24年度には、道路計画内容や完成後の沿道環境に与える影響等についての説明会を東園田地区、食満地区で各2回ずつ開催している。その際に地元の方々から、意見いただいて、1軒ずつ入れというご意見いただいて、それに従って、各地権者個別に説明を行ってきているところである。いずれにしても、今後も事業の進捗のステージに応じて、丁寧に地元説明会を開催して、地域の理解と協力を得て、早期に全線供用できるように事業進捗に努めたいと考えている。

■副委員長(石井健一郎■ 宮田委員に申し上げます。
 申し合わせによる時間が経過しておりますので、発言は簡明に願います。
 宮田委員。

■宮田しずのり■ 今まで何回か説明をしたということであるが、その上に立って、私が今申し上げたように、まだ用地買収は6〜7割の方が合意できてない。あるいは、橋の今度は西側の方の食満の地域、ここの人たちも合意をされたというふうに言われるけれども、環境の問題がどうなのか、騒音がどうなのか、子どもたちにとって危険な状態にならないのかと、いろいろな心配があって、もっと説明してほしいということを強く私も要望受けているので、今も、これからも十分説明をするということなので、これはもうきっちり説明をして、そして住民合意なしでこれを進めるということは絶対ないように、そのことは強く私は指摘しておきたいと思う。
 以上で終わる。

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