このサイトは旧サイトです。最新情報などはこちらをご覧ください。
メニューをスキップする TOPページへ 本会議へ 予算決算特別委員会へ ニュースへ 政策見解へ 県会報告へ リンクへ スケジュールへ
2012年(平成24年)度 決算特別委員会 病院局審査 宮田しずのり
2013年10月18日

県立塚口病院の跡地問題について

■宮田しずのり■ では、早速質問に入る。
 第1点目は、現在の塚口、尼崎両病院の跡地利用問題について伺う。
 今、二つの病院を統合した新しい尼崎総合医療センターの建設中である。一方、現在の県立尼崎病院と塚口病院の跡地利用については、医療施設か福祉施設の 誘致に努めるという基本計画に基づき、地元の代表者を含む検討委員会を年内に立ち上げ、公募条件などの検討を行い、年度内には方向性を出すと聞いている。
 また、尼崎市内の民間病院などから、跡地利用について病院局にも問い合わせがあることや、特に、塚口病院の跡地については、売却だけではなく借地方式を 含めて柔軟に検討するというような話も聞いている。現在の検討委員会の設置や公募条件の検討など、跡地利用に係る検討状況や、また今後の見通しについてまず伺う。

■企画課長(齊藤芳樹)■ 平成27年5月に予定している県立尼崎総合医療センター開院後の尼崎病院、塚口病院の跡地についてであるが、尼崎病院について は、既存の施設を活用するということ、また塚口病院については、施設の解体、撤去を行った上で売却することを基本にしており、民間事業者から広く事業提案 を求めるため、公募を実施することとしている。
 公募に当たっては、外部の有識者や地元関係者等で構成する跡地処分検討委員会において、売却条件等を検討することとしており、現在、委員会の立ち上げに向け準備を進めているところである。

■宮田しずのり■ 今、委員会での検討に向けて、検討委員会の準備を進めているということであるが、私がいつも述べているとおり、尼崎市の北部と 伊丹市の一部を含め、北部地域の地域医療の空白を生まないためにも、また新しい総合医療センターは急性期の病院であるため、そこを早期に退院する患者さん がたくさん出てくる。そのような患者さんが在宅に戻れるまで、その前の回復期に入院できる病院が必要だということで、今、尼崎市を初め住民の皆さんからも 強い要望が出ており、特に塚口病院の跡地に、そうした病院を誘致してほしいという強い要望がある。そのことをぜひ踏まえていただき、今後とも取り組みをし ていただきたいということを申し上げておきたい。
 2点目は、県立こども病院のポートアイランド、人工島への移転についてである。
 改めてお聞きをするが、県立こども病院の移転について、現在こども病院を利用されている患者さんに対する説明や、あるいは患者や家族の意見をどのように、またどの程度これまで聞いてきたのか、伺う。

■企画課長(齊藤芳樹)■ 県立こども病院における患者家族への説明会であるが、これまで平成24年8月と平成25年2月の2回実施し、それぞれ37名と11名の参加があった。
 説明会では、新病院における診療機能の拡充を初め、神戸中央市民病院との連携、神戸大橋や港島トンネルの補強などの災害対策、また現病院跡地の活用方策などに関する意見、また質問が出された。

■宮田しずのり■ 今、答弁があったように、説明会の参加は、2回で合計48人である。こども病院の外来患者数は、2012年度で約8,000人 と聞いているが、これに比べて非常に少な過ぎる人数だと思う。現在、こども病院に通っている患者さんには、先天性疾患を抱えたお子さんや、あるいは通院途 中にもたんの吸引をしないと呼吸が困難になるため、路肩に車を止めて吸引しながら通院するといったような方もいる。このように通院にとても苦労されている 状況で、今度はポートアイランドに移るということになると、車で通うにしても、また電車など公共交通で通うにしても、患者や家族の皆さんの負担はさらに大 きくなると言える。
 日本共産党県議会議員団として、同じ移転問題を抱える埼玉県の小児医療センターについて現地視察に行ったが、多くの患者、家族から、通院について不安の 声が寄せられたそうである。埼玉県は、患者説明会に加え、患者アンケートを第1次、2次、3次と3回にわたって行い、2,000人を超える患者の声を聞 き、その中で、通院時間が長くなることに伴う患者家族の負担、不安が非常に大きいこと、また、事実上、通院が困難になる患者がいることも分かったため、埼 玉県の知事は、現地に一部の機能を存続させるということの検討を表明をされたところである。
 先ほども言ったように、本県のこども病院についても、患者や家族は通院などにもさまざまな困難を抱えておられる。この患者、家族の皆さんに対応するため にも、今からでも埼玉県と同様に、説明会だけではなく、アンケートなど広く十分に意見を聞くべきだと考えるが、この点についてはいかがか。

■企画課長(齊藤芳樹)■ 小児医療に関する全県の拠点病院である県立こども病院の移転に関しては、県のホームページのさわやか 提案箱や、こども病院に設置しているご意見箱ハートメッセージを初め、その他福祉関係団体や神戸市の市政懇談会からの意見、あるいは要望など、さまざまな 手段や機会を通じて広く意見を聞いているところであり、今後もそのように取り組んでまいりたいと思っている。

県立こども病院のポーアイ移転問題、「総合病院との連携」について

■宮田しずのり■ ぜひ、患者、家族の皆さんの意見はこれからも十分に聞き、さまざまな問題に対応していただくよう要望しておきたいと思う。
 次に、こども病院と成人型総合病院との連携についてお聞きする。
 県病院局やこども病院の前院長は「全国的に小児専門病院と成人型総合病院との連携が進んでいる。独立型病院の限界」などと神戸中央市民病院の隣接地への移転の理由について説明をしてきた。
 そこでお聞きするが、その全国の連携事例の中で、今回の県立と市立のように運営主体が異なる病院での連携の事例があるのか。あったらお答えいただきたい。

■企画課長(齊藤芳樹)■ 他府県において運営主体の異なる小児専門病院と総合病院が連携する例として把握しているのは、先ほどお話があった、埼玉県立小 児医療センターとさいたま赤十字病院の併設があるが、平成27年度の竣工をめざし、現在工事の着手前と聞いており、連携の状況については把握はしていない。
 なお、茨城県立こども病院と済生会水戸総合病院が併設されている例もあるが、こども病院の設置者は茨城県であるが、総合病院を運営する社会福祉法人恩賜財団済生会支部の茨城県済生会が指定管理者に指定されており、実質、両病院を一体的に運営しているところである。

■宮田しずのり■ 今の答弁の中で、まず、茨城県立こども病院は、設立当初から済生会病院がその場所にあるということで併設してつくられた病院で あり、これは独立型とはもともと呼べないもので、管理運営も済生会にずっと委託や指定管理をしてきた病院である。したがって、本県の参考にはならない。ま た、小児専門と成人型総合病院の連携事例の中で、もう一つ埼玉県の例が出たが、これが実質的に初めてだと思う。埼玉県の担当者からも、全国的に初めてのこ とと説明があった。しかし、これについても、今お話があったように、病院建設はこれからである。県病院局が説明するように、連携が全国で進んでいるという 訳ではない。運営主体が異なる病院での連携は、小児専門と総合型ではまだ全国的にも例がないということである。したがって、この連携のメリットというもの は、まだ十分立証された訳ではないということである。
 そこでお聞きするが、県立こども病院と神戸市立中央市民病院との連携に向けた協議は始まったばかりであり、これから協議する段階で、隣接地への移転がメリットになるかどうか、全く未知数ではないかと思うが、この点についてお答えをいただきたい。

■委員長(長岡壯壽)■ この際、当局に申し上げます。答弁は簡明にお願いいたします。
 それでは、齊藤企画課長。

■企画課長(齊藤芳樹)■ 既に副院長をトップとして、各診療科ごとの連携と方策を協議している。当然、こども病院も今後整備していく訳であるが、この際 にいろいろな機器や施設の関係も明らかになってくると思われる。現時点でできる、できないかということではなく、私どもとしても、きっちり連携してやって いかなければならないと考えている。何のために移転するのか分からないような話になってくるので、そこはきっちり神戸市と県が一体となって連携することに より、患者さんによりよい医療を提供していくという思いは一緒であるので、最優先の課題として取り組んでいきたいと考えている。

■委員長(長岡壯壽)■ 宮田委員に申し上げます。申し合わせ時間が経過しております。

■宮田しずのり■ 時間が来たので質問を終わるが、最後に一言だけコメントさせていただきたい。
 キャリーオーバー患者等については、神戸中央市民病院が受け皿になるという保証はないということは、これまでの議論でも明らかになっており、ハイリスク 患者に対する対応についてもまだこれからである。むしろ、両病院が隣接することで、これまで指摘してきたように、南海トラフ大地震のような災害時におい て、基幹病院、災害拠点病院となるべき二つの病院が、機能を果たせなくなるという心配がある。また、患者からも十分に意見を聞かず、神戸中央市民病院との 連携によるメリットも十分明らかになっていない中で、移転ありきで進めることは、今後に大きな禍根を残す可能性が大きいということを指摘をし、私の質問を終わる。

前のページへ戻る このページの上へ
Copyright(c)2001-2018 日本共産党兵庫県会議員団