住宅リフォーム助成制度の実現について
■ねりき恵子■ 初めに、住宅リフォーム助成制度の実現についてである。
県は、昨年12月に住生活基本計画を発表された。その内容を見ると、住宅政策で今後重視する視点として、ストックを重視する施策展開を掲げ、これまでの住宅を造って壊す社会から、良いものを造り、長く手入れして使う社会への移行が重要であるとしている。
その重点プログラムでは、安心してリフォームできる環境を総合的に整備するとして、四つの支援策を掲げて既存住宅のリフォームを重要視されている。
私たちは、これまでもさまざまな角度から住宅リフォームを促進するための助成制度の創設を求めてきたところであるが、改めて県の住宅政策を進めていく上からも、この住宅リフォーム助成制度が必要だと考えている。
これまでも、県は、私有財産に助成することはできないとか、新築住宅建設との均衡からできない等の理由を挙げてこられたが、やはり県がこういった基本計画を作られたということを考えると、思い切って制度実現に踏み切るべきではないかと考える。
さらに、県下及び全国でも、この住宅リフォーム助成制度は広がっており、県内でも以前から、明石市、福崎町、稲美町が行っていたが、それに加えて、西宮市、篠山市、赤穂市、相生市、養父市、宍粟市が新たに始めることとなっている。また、空き家活用リフォームの朝来市、エコリフォーム促進の西脇市など、制度が大きく広がっているところである。
県議会においても、昨年12月、地元建設職人の技術活用と住環境の整備、地域経済の活性化を図る制度創設を求める請願が、全会一致で採択された。
その趣旨は、住宅リフォームを喚起すれば、地域で多岐にわたる産業へ経済効果が波及することや、建設技能者の技術向上と後継者育成にも期待ができ、さらに、災害時に建設職人がすぐれた力を発揮し、住民の安全と安心を守ることにつながるということである。
そこで改めて、住宅リフォーム助成制度は、地元建設会社関係者を初め県民の声であり、この制度の創設を求めるが、いかがか。
■住宅政策課長(菅原康雄)■ 12月県議会で採択された請願の趣旨は、地域経済の活性化と地元建設職人の技術を生かせる場を作り、後継者育成を促進させることと認識している。
住宅の一般的なリフォームに対する助成については、新築住宅の場合との均衡から見て困難である。
特定の政策目的に対応した制度としては、耐震化に対する「わが家の耐震改修促進事業」、バリアフリー化に対する「人生80年いきいき住宅助成事業」、耐震改修工事に併せて行う住宅リフォーム工事に対する「住宅耐震改修利子補給事業」を実施している。
平成24年度には、「人生80年いきいき住宅助成事業」の特別型における所得要件の緩和、要介護認定者等に対する増改築型の必須工事要件の撤廃を行うほか、「わが家の耐震改修促進事業」においても、市町の上乗せ補助の実施を働きかけた結果、4市増加し、19市町で実施される見込みとなるなど、住宅リフォーム支援の拡充に努めている。
今後も、市町や関係団体と連携しながら、住宅改修業者の登録や情報提供、相談窓口の設置や安全・安心リフォームアドバイザーの派遣など、県民が安心して住宅リフォームに取り組める環境整備に努めていくとともに、地域経済の活性化に寄与する住宅リフォームの促進に取り組んでいく。
UR借上災害復興県営住宅について
■ねりき恵子■ 今までと同じ、繰り返しのご答弁だったわけであるが、やはり請願の趣旨も、経済効果と技術の向上、継承ということ、それが安全・安心にもつながるということではないか。そして、経済効果が非常に大きいということに鑑み、県下各地でこの制度が広がっているというふうに思うので、やはり今までの制度に加えて、住宅リフォーム助成に対するご検討をいただきたいということを重ねて申し上げ、次の質問に移る。
次は、借上災害復興県営住宅についてである。
3月11日から、ちょうど1年が過ぎる。多くの被災者の方々が、仮設住宅を初め、避難生活を余儀なくされ、1日も早く落ちついた生活をと願っていらっしゃる。
17年前、阪神・淡路大震災で住宅を失った被災者の方々も、同じ思いで生活再建に必死に取り組んでこられた。仮設住宅にさえ入れず、災害公営住宅に何回申し込んでも、なかなか当たらない。やっと、UR借上災害復興県営住宅に入居できた。けれども、その被災者の方々が、今、借り上げの期限が迫っているからと、住み替えを迫られている。
県は、住み替えへの誘導策をとっているが、被災者の多くは高齢で、これ以上引っ越しができない、安心して住み続けたいと、切実な声を上げられている。
また、県は、今後の借上復興住宅への対応として、検討協議会を設置して方針を決めるとし、知事も記者会見で、第三者委員会において、個別の事情にも配慮すると言われた。
ところが、この検討協議会は、メンバーを含め審議内容も全くの非公開である。入居者の今後の人生を左右する重要な内容を審議するのだから、公開にすべきである。
また、入居者の不安を解消するためにも、バラ借りの住宅も含め、全ての住宅で入居者への説明会を開くべきである。
当事者である入居者が、検討委員会のメンバーに入ることや、審議内容を傍聴できることは当たり前のことではないか。個別の事情にも配慮するというのであれば、入居者の声、要望に耳を傾けるべきではないか。
県が進める住み替えで、これまで築いてきたコミュニティが壊されれば、精神的にも入居者にとって大きな負担である。
一旦は知事も、契約延長、買い上げも含めて検討すると発言したのだから、具体的に、買い取りも含めた検討をすべきだと考える。
今までも、県はいろいろと言われているが、結局は行革プランに縛られて、県営住宅の管理戸数を削減していくことが買い取らない理由となっているのではないかとも考える。
改めて、被災者が安心して住み続けられるよう、買い取りも含めた対策を求めるが、いかがか。
■住宅管理課長(中山裕規)■ UR借上県営住宅については、契約期限までに都市再生機構に返還することを基本とし、入居者には円滑に住み替えていただくことを原則としている。
しかしながら、入居者への意向確認調査の結果などから、高齢や障害などにより、住み替えに配慮を要する方々がおられるということは承知しており、その対応方法について検討するため、県や福祉関係団体などで構成する協議会を設置し、医師、弁護士等の専門家からもご意見をいただいている。
検討協議会の公開については、この会議での率直な意見交換が可能となるように、メンバー全員の一致した意見として、協議会での意見の取りまとめができるまでは内容等は非公開ということで決定している。
また、入居者の意見、要望などの反映についてであるが、意向確認調査の結果、団地入居者からの要望、また、県議会での議論等について、検討協議会の場に提供するとともに、入居者からの要請に基づき、団地ごとの説明会も実施しているところである。
今後は、検討協議会の報告なども踏まえ、他の入居者との公平性、また、県営住宅の建替計画との整合、及び、県の財政負担を十分に考慮しながら、再契約や、一棟買い取り等について、来年度中を目途に、県としての方針の取りまとめを行いたいと思う。
■ねりき恵子■ 今、再契約や買い取りも含めた協議をしていきたいということであるので、被災者の立場に立った今後の検討を求めて、質問を終わる。よろしくお願いしたいと思う。
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