加古川医療センターの3次救急、救命救急医療センターの運営・体制について
■星原さちよ■ 午前中に続き、救急医療体制についてお聞きする。
加古川の医療センターが、東播磨だけではなく、北播磨をもにらんだ3次救急病院として、11月の開院に向けて工事が進んでいる。東播磨だけでなく、北播
磨をも圏域とした救急病院となるわけであるが、17の診療所のほかに、救急の専門医10名と、専攻医5名を募集しているということであるが、救急医はどこでも不足しているのが現状である。
鳥取大学附属病院では、この3月に4人全員退職ということになっているが、尼崎の関西労災病院でも、救急部門が縮小された。兵庫県下に専門医が何人いるかわからない、そういう状態の中で、果たして11月開院に向けて間に合うのかどうか、非常に心配している。現在の応募状況と見通しをお聞かせいただきた
い。
■佐藤病院局管理課長■ 仮称加古川医療センターにおける救命救急センターの整備に当たり、その運営を行う医師の確保は、救命救急センターが担うべき
医療を適切に提供していく上で、最も重要であると認識しているところである。
救命救急センターに配置する医師については、正規医師及び専攻医を含めて必要な人員を確保したいと考えており、早期より系列大学である神戸大学等との関係強化を図りつつ、派遣要請を行うとともに、ホームページを活用した公募や現病院医師の人脈による確保に努めている。
特に、救命救急センターの運営に当たって、その中心的な役割を担う人材について、早期に確保する必要があることから、昨年2月に救急医療に関する豊富な知識と経験を有する専門医を採用して、災害医療センターに配置しているところである。
現在、救急医の確保は、おおむね順調に進んでいるが、今後とも加古川医療センターの供用開始に向け、運営に必要となる医師の適切な確保に努め、救命救急センターに対する県民の期待にこたえていきたいと思っている。
■星原さちよ■ 大丈夫だと、安心していいかなと思うが、その体制ができたとしても、その体制を維持していかなければならないと思う。そのためには、救急の当番制とか勤務時間の配慮とか、それからフォローアップの体制など、十分な対策を立てていかなくてはならないと思う。
加古川医療センターの運営費の一般会計からの繰入金を見ると、5ヵ月分で1億5,700万円となっている。どこでも救急病院の採算は難しいと言われているが、この金額でいいのかという、ちょっとした懸念も持っている。
小児、周産期を担う加古川市民病院との連携について
■星原さちよ■ もう時間がないので、次に行かせていただく。
この加古川医療センターには、産科と小児科がない。これは非常に心配するところであるが、これについては加古川市民病院が担うということになっている。しかし、東京でもあったように、重い合併症を伴ったとき、市民病院では対応しにくい場合がある。そのような場合にどうするか、こういうこともしっかりと想
定されているのか。
■中島企画課長■ 近年、小児科医、あるいは産婦人科医の確保が極めて難しいという中、限られた医療資源を有効活用するという観点から、小児医療、あるいは周産期医療については、既に加古川市民病院が東播磨圏域においては、地域の小児医療センター、あるいは地域の周産期母子医療センターとして、その中
心的な役割を担っていただいているところである。
加古川市民病院において、仮に対応が困難となった小児あるいは周産期の患者さんについては、基本的には、最終的な受け入れ機関である県立こども病院が、
これをバックアップすることになるが、例えば小児であっても、外傷等により心肺停止状態になった患者さん、あるいは重症な内科的疾患を併発した妊婦さんな
どについては、加古川医療センターで対応した方が、より適切な場合も想定をされるところである。
こうしたことから、加古川市民病院と、新たな加古川医療センターとの医師が常に緊密な連携を保ち、小児や周産期の患者であっても、その症状に応じて、加
古川市民病院から加古川医療センターへの搬送を行うなど、両病院の密接な連携により、適切な医療の提供に努めてまいりたいと考えている。
尼崎病院・塚口病院の統合再編問題について
■星原さちよ■ その加古川市民病院であるが、今、お二人の方がやめられるということで、これが町内会のお便りということで回ってきた。市民病
院、どうなっているのだと言う。もう地域で、町中で非常に大きな問題、不安材料となっている。内科のほころびが、こういう小児、周産期の方にも及ばなけれ
ばいいんだがという、こういう懸念もある。
それは、県立の塚口病院の場合を見ても、非常に心配なところがあるわけであるが、その県立尼崎、塚口病院の再編統合については、現在、検討委員会で議論
されているところであるが、その設置要項の第2条の1には、小児医療、周産期医療の充実ということが書かれている。だから統合するのだというのが、県当局
の言い分なのだろうとは思うが、では、平成24年の統合再編予定まで、小児の2.5次病院と、地域周産期センターが常勤の麻酔医がいないというような、こ
ういう不十分なままでいいのか。助けられる命が助けられないという状況はつくるべきではない。これは、まさに県と病院局の明確な責任問題であろうと思う。
今、統合再編を検討中と、そういう状況であるにしても、このまま不十分なまま放置すべきではなく、尼崎病院などとの連携で、緊急手術の対応などが可能と
なるような、当面の対策を強化すべきと思うが、いかがか。
■中島企画課長■ 塚口病院は、平成17年2月に策定をした県立病院の基本的方向に基づき、成育医療を中心とした病院へ診療機能を充実することとし
て、地域周産期母子医療センターの指定、あるいは小児救急輪番日の拡充、さらには阪神圏域の小児科の2次救急の後方支援など、小児、周産期医療等の充実を
図ってきたところである。
しかしながら、委員ご指摘のとおり、麻酔科を初めとした医師の不足等もあり、現在、尼崎病院と塚口病院の統合再編を検討しているという状況である。委員
会での検討結果を踏まえた新たな体制が整うまでは、できるだけ現在の診療体制を維持することに努めてまいりたいと考えている。
いずれにしても、現状のままでは県立病院としてその機能を維持することが困難なため、両病院の統合再編に向け、平成21年度前半までを目途に、小児医
療、周産期医療の充実を図るために、必要な機能等についても十分な検討を行い、その結果を踏まえて速やかに充実に向けた取り組みを行うこと、これが必要だ
と考えているところである。
■星原さちよ■ その県立尼崎、塚口病院の、今、検討委員会が行われていると申し上げたが、この中で公開の原則というか、市民に検討委員会を公
開する、それから住民の参加をもっと進めていく、そういうことを一応最後に求めておきたいと思う。
私は、ある場所で、公立の病院の院長さんと話をしたことがある。その院長先生に、私、尋ねた。「公立病院、どこでも、どうしてああいう状況になるの
か」、こう言った。その先生は、「いいえ、公立病院でも採算とれる」と、こう言われた。「どうしたらいいか」、「不採算部門を切り捨てたらいい」、こう言
われた。
ということは、切り捨てろと言われているのではない。念のため、その先生の名誉のため言うが、そういうふうに勧められているわけじゃない。これを裏返し
て言うと、不採算部門を担うのは、これは公立の病院ではないかということであるわけである。ということは、赤字が出ても守らなければならない、そういう責
任が、行政、県にしても市町にしてもあるのではないか。そういうところをしっかり見きわめていかなければならないという、そういうお言葉であっただろうと
私は推測している。そういう公立病院としての本当の責任というものを、これをやっぱりこの場合考えていかなければならないということを申し上げ、私の質問
とする。ありがとうございました。 |