県立塚口病院・尼崎病院の統合・再編について
■星原さちよ■ 私は、塚口病院と尼崎病院の統合についてお聞きしたいと思う。
先程の谷井委員に対するご答弁にあったが、建設場所は10月をめどにと言っていたが、11月にずれ込んだというご答弁があった。
その場所であるが、西の方か東の方か大体の地域、そういうことは教えていただけないか。
■病院局次長兼企画課長(岡本周治)■ 本年2月に策定した「尼崎病院と塚口病院の統合再編基本構想」において、新病院の整備用地は診療機能の充実を図る
上で十分な面積を有すること、それから公共交通機関等によるアクセスや療養環境に優れているといった条件に適合する箇所を確保することとしている。
このため、先程谷井委員の方からのご質問に対してご答弁申し上げたように、今現在、地元尼崎市の協力を得ながら、これらの条件に適合すると考えられる候
補地の選定を進めているが、新病院の用地として活用するに当たり幾つかの解決すべき課題が残っていることから、それらの課題の解決に向けて、引き続き検討
を進めている。
尼崎市の方からは、内々、まだ正式の提示ということにはなっていないが、複数の候補というものはお聞きしており、それらについて先程説明申し上げたように、課題の解決、調整をしているというところである。
そういった状況にあるので、この具体の整備用地については、基本計画の中で明らかにするということにしているので、現時点においては具体の提示というのは控えさせていただきたいと思う。ご理解をよろしくお願いする。
■星原さちよ■ 場所がどこになるかというのは、通院・入院ともにどうなるかということで、住民の方にとって非常に重要な問題である。できるだけ早く公表され、住民の意見も十分に聞く時間も必要だと思う。よろしくお願いする。
それから、新病院についてであるが、これに対しては地元の方々、期待と不安が入り混じっているというふうな状況だと思う。
2008年に19の医療機関で断られて救急搬送中に死亡した例というのが姫路であった。4回以上断られる事例というのは、兵庫県は全国で4番目に多い、その中でも尼崎は最悪になっているということから、地域の住民の方たちの不安というのが大きいと思う。
先程のこれもご答弁にあった総合診療科を設けて24時間365日対応するんだとうご答弁があったし、周産期医療でもこれをしっかりと体制をつくっていく
というご答弁があった。質問しようと思ったが、重ねて、その点もよろしくお願いしたいと思う。住民の方たちの願いを裏切らないような形でお願いしたいと思
う。
次に、その跡地の問題だが、これもご答弁にあったが、売却という言葉が耳についている。特に塚口病院の跡地について、もう少し詳しく説明を願いできないだろうか。
■企画課参事(齋藤芳樹)■ 塚口病院の跡地については、新病院の整備費用の財源に充てるため売却する方向で検討しているが、売却することとした場合に
は、病院移転に伴う地域医療への影響等について考慮し、何らかの形で医療機能を残すことについて検討が必要であると考えている。
また、その方針決定に当たっては、跡地の購入希望者に対して、土地利用計画について、公募によって事業提案を受けるなど、民間のノウハウが発揮されるような手法の採用といったことについて検討したいと考えている。
なお、跡地利用については、いずれにしても、現時点においては、いまだ具体的な活用方策は持ち合わせていないので、今後、敷地の一部を所有している尼崎市とも協調しながら、地元の意見を十分に踏まえた上で検討していきたいと考えている。
跡地に有床の医療機関を
■星原さちよ■ これまで、塚口病院は通院・入院合計で年間26万人、救急は1,000件以上受け入れてきた。小児科と周産期医療など不採算部門を受け持つそういう地域医療の中核として、尼崎北部ではなくてはならない病院であった。
名神以北には、医療機関が数ヵ所しかないということで、この塚口病院が廃止されると、その地域が空白地域になってしまうという不安がある。県は、先程の
ご答弁にもあったように、医療機関か福祉施設か、この後の具体的なことはまだ考えていないが、結局、売却というふうなことになるようなご答弁があったが、
一昨年、塚口病院の存続と充実を求めた8万人の署名に現れているように、今でも住民の方たちは非常に不安感を持っておられる。有床の病院を塚口病院跡地に
つくるという、これは選択肢には一切ないのだろうか、お聞きする。
■病院局次長兼企画課長(岡本周治)■ 今現在の考え方としては、基本構想の中に記載していたように、新しい用地で新しい病院を建てると、今その方向で検討しているところである。
新病院建設までの医師の確保対策
■星原さちよ■ ちょっと難しいというふうなご答弁だったと思う。
住民の方たちの不安というのは、本当に大きなものがある。それを一掃するためにも住民の方の意見は十分にお聞きいただいて、誠意を持って臨んでいただきたいと思う。
この新しい病院建設までには3年か5年かかるんじゃないかということを聞いているが、その間、塚口病院の小児科、周産期科は大丈夫なのか、これも地域の方たちの大きな不安となっている。新病院が完成するまで、現在の塚口病院で十分な医療ができるように、必要な施設整備、麻酔・産婦人科医など人員の確保を
すべきと考えるが、いかがか。
■病院局管理課長(佐藤二郎)■ 現在、尼崎病院、塚口病院の統合再編に向け、これまでから両院が協力しながら臨床研修医の確保であるとか、あるいは臨床
研修修了者の専攻医の定着など着実に取り組んできている。さらに、両病院間での医師の相互応援を積極的に行うなど、新病院のオープンに備えて、医師の体制
全般の充実に努めているところである。
お話しのあった塚口病院の麻酔科については、常勤医不在といった状況が続いているが、非常勤医師の活用等により、手術対応に支障がないよう努めているところである。
また、年度中途の退職の影響により、産科医師の不足ということも今あるが、西宮病院、がんセンターからの外来診療応援、さらにこども病院からの手術応援
など県立病院での応援診療、さらに関連大学からの外来診療応援ということで、夜間の常勤医師のオンコール対応などにより、周産期医療センターの機能維持に
ついては守っているところである。なお、関連大学へ産科医師の派遣要請を行っており、来年4月、産科医師の確保については一定目途が立っているところであ
る。
今後、新病院のオープンに向けて、さらなる機能充実を図るため、両病院の機能連携をさらに図りながら、引き続き、必要な医師の確保に向けて努力していきたいと考えている。
■星原さちよ■ 私も経験があるが、応援の先生が来られるというふうなことは、患者にとってはすごく不安である。いざというときに間に合わないじゃないかという不安もあるので、ぜひともこの体制を作っていただきたいと思う。
一昨年の、先程も申し上げたように8万筆の署名に込められた思いというのは、地域の人たちの心に今も残っている。この地域で医療空白を作ってはならないということを強く申し上げて、私の質問を終わらせていただく。 |