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2007年度予算特別委員会企画管理部審査 筒井もとじ
2007年3月1日

ヤマサクラ51(日米共同方面隊指揮所演習)について

■筒井もとじ■ 県の平和施策について、先ほど、今西委員から質問があった。姫路港や港湾のことを言われた。私は、同じような問題であるが、空の問題を空港の問題から皆さんにお尋ねをしたいと思う。
 ヤマサクラ51、これは初めて聞く方もいらっしゃるかもわからないが、在日米軍の部隊章がフジヤマで、陸上自衛隊のシンボルがサクラ、これを合わせてヤマサクラと言うのだそうであるが、2月4日から16日にかけて、陸上自衛隊の伊丹駐屯地において自衛隊と米軍による日米共同方面隊指揮所演習、通称ヤマサクラ51が行われた。県の災害対策課にも案内が来て参加されているようであるが、どのような目的で、何人参加されたのか、お尋ねする。

■上り口防災計画課参事■ 日米共同方面隊指揮所演習は、陸上自衛隊及び米陸上部隊がそれぞれの指揮系統に従い、共同して作戦を実施する場合における指揮活動について、コンピューターなどを使って図上訓練を実施し、その能力の維持・向上を図ることを目的に、先ほど、委員言われたように伊丹駐屯地で実施されたものである。3人が防災2局から見学に行かせていただいている。
 見学の目的であるが、まず、災害対策や国民保護措置、これを実施するに当たっては図上訓練の実施方法、関係機関と連携した共同指揮所の設置や指揮系統のあり方などについて参考にしたいと、こう考えたこと、また、日ごろから自衛隊との密接な連携が重要であることなどから、今回の演習を見学したものである。

■筒井もとじ■ この案内を見ると、参考事項に本演習内容に国民保護法関連の想定はなく、自治体にかかわる場面設定も特段にないと、こういうことが書かれている。だから、これは国民保護法の関係でもなければ、自治体にかかわるそういうものでもない。それなのになぜ行かれたのか、ちょっとよく理解ができない。単なる見学をなさったのか、どういうことなのかということであるが、もちろん、公務として行かれたのだろうと思う。国民保護法関連のそういう想定もないのに行かれたのだが、ヤマサクラに向けた準備として、米軍の輸送機が大阪空港を使用、阪神間の市、特に伊丹、川西、宝塚の市長は、これに文書で抗議をしている。市民が、近くの空港が軍事利用されるという不安があるからである。
 今年9月までに改定される予定の朝鮮半島有事を想定した日米共同作戦計画で、アメリカ側は使用したい30ヵ所前後の空港、港湾を伝えてきていると報じられているが、その中に大阪空港や米軍艦が再三入港している姫路港も入っている可能性は極めて高いと思われる。県議会として、以前に、大阪空港における軍用機の発着禁止の決議を上げている。これはまだ生きていると思う。県としても、米軍の大阪空港の使用に抗議すべきではなかったのか、また、抗議なさったのか、お尋ねする。

■西明企画管理部総務課長■ 軍用機の我が国空港利用については、外交に責任を有する国がその是非を判断すべきものであり、中でも、米軍機の空港利用については、日米地位協定により認められていると、こういうことである。
 ご指摘の軍用機の大阪国際空港利用に係る県の対応については、空港対策を所管する県土整備部からは「大阪国際空港周辺地域は長年にわたり、航空機騒音被害を受けてきた歴史的背景があることから、米軍機の大阪国際空港使用について、過去に米国領事に自粛の申し入れを行い、便数を最低限にするように努力する旨の回答を得ている。県としては、この状況を見守っているところである」と、こういうふうに聞いている。

■筒井もとじ■ 周辺の市長が反対、抗議の意思を表明しておられるのに、見守っているというのは、兵庫県の態度はおかしいのではないかということを指摘して、次に移りたいと思う。
 この演習は、自衛隊の中部方面隊から約3,400名、米軍側の陸軍第1軍団と第3海兵師団など約1,400名が参加するものである。敵を想定し、規模と能力を決めて、敵と味方の消耗率や死者の数も飛び交うリアルな軍事演習と言われている。そのような軍事演習だと見学なさって認識されているのかどうか。見学ではよくわからなかったのか。

■足立災害対策課長■ 私の方も当日、参加したので、私から回答させていただきたいと思う。
 上り口参事からもご説明したとおり、今回の演習の内容については、詳細については国の方、防衛施設庁であるが、詳細についてはこちらに報告はない。ただ、コンピューターを駆使して、コンピューターの中での想定した演習をやったということしか聞いていない。

■筒井もとじ■ 交戦権を禁じている憲法9条に違反しているのは、私は、明白だと思う。憲法違反のこういった軍事演習に、憲法を遵守すべき公務員が参加することに矛盾はないのかということを考えてみたいと思っている。これを質問しても、答えは同じようになるだろうと思うので、これ以上は答えを求めないが、憲法に違反したこの日米の軍事訓練に、国民保護計画など、自治体関係者が招待されていることに、国民保護計画の危険な本質、中身があらわれているのではないか。
 県下の平和団体なども、このヤマサクラの中止と自治体からの参加をやめるように求めている。有事法制、国民保護計画などは、やはり、戦争をする国づくりへの一環であって、今回のヤマサクラへの自治体関係者の招待も、こういう軍事演習を認知させる、そういうことにしかならないというふうに思われるが、今でも参加したことに何の疑問も感じられないのか、もう1回だけ、お聞きしておきたいと思う。

■上り口防災計画課参事■ 見学に行ったことについては、今回の演習、これについては自衛隊と米軍が共同して作戦を実施する場合の訓練であり、災害対策や国民保護措置に直接関連しない面はある。また、その中身も、一部しか見られなかったということはある。しかしながら、共同指揮所の設置や図上訓練のあり方、これらをイメージする上で、これを見ておくだけでも参考になった。こういうふうに考えている。

戦争を準備する有事法制や国民保護計画

■筒井もとじ■ 自衛隊が、いわゆる対象国はないと、こういうふうに言っているのは、外交上の配慮であって、実際は仮想敵を想定した演習になっている。ヤマサクラのシナリオは、米軍と自衛隊の年度ごとの作戦計画に沿ってつくられている。前回の演習では、九州と山口に敵国が上陸することを想定した計画が明らかになった。また、自衛隊の海上幕僚幹部が作成する防衛警備計画はそのシナリオのもととなるもので、軍事機密として公開はされていないが、2005年9月26日の朝日新聞にスクープされたことがある。
 それによると、北朝鮮、中国、ロシアを脅威対象国と認定し、日本攻撃の可能性について、北朝鮮はある、中国は小さい、ロシアは極めて小さいとし、アルカイダなど国家でないテロ組織による不法行為は可能性は小さいとされている。中国や北朝鮮からの攻撃を想定して、在日米軍との共同対処する方針も書かれていると報道されている。
 このようなシナリオに基づいて日米が作戦の訓練をするのがヤマサクラである。今、北朝鮮を含めた六ヵ国協議で国際社会が一致して北朝鮮に無法なことをやめさせること、外交的・平和的な解決の方向を求め、忍耐強い交渉を通じて共同文書が採択された。この共同声明では、核兵器問題の解決を入り口に北東アジアの平和をめざす方向、協議の仕組みがつくられ、拉致問題を初め日本と北朝鮮の問題を解決し、国交を正常化するための措置も盛り込まれている。日本は合意を全面的に実行する、北朝鮮との間の問題の解決に真剣に努力をする責任がある。そのような方向と、日米の北東アジアの諸国を仮想敵を設定した軍事訓練は明確に逆行するものにならざるを得ない。憲法9条を遵守し、六ヵ国協議の共同声明の方向で努力することを求められている。大きな国家的な問題であるが、ヤマサクラへの参加、見学に、このような問題とも関連した問題として私どもは考えたわけである。
 私どもは、戦争を準備する有事法制や国民保護計画に従来から反対したが、やはり、日本国憲法と相入れないし、推進すべきでない。今年度予算で、国民保護計画に基づく訓練をする予算を組まれている。全部国庫10分の10で、1,200万円ということであるが、防災訓練でない、このような訓練はすべきでないと思うが、どのようにお考えであるのか。

■上り口防災計画課参事■ 国民保護訓練については、今年度に各市町の国民保護計画が作成されることになっているが、これを踏まえて、県及び市町の計画の内容、これを実効性あるものにするために、国、県、市町、関係機関、これらが参画をして実施したいと、こういうふうに考えている。
 やはり、国民保護措置というのは、国、県、市町、関係機関、とりわけ県と市町との連携が重要であるというふうなこともある。そういったこともあって、国費を活用して訓練を実施したいと、こういうふうに考えている。

■筒井もとじ■ 科学技術というものは、科学は幾らでも上積みが効く。次から次へと研究し、その上に立って前進できる。ところが、人間は過去の経験や教訓、こういうものを受け継いで親から生まれてくるわけではない。全くさらで生まれてくる。昭和初期の人間の遺言と言ったらおかしいが、後に残す言葉として、それこそ公文書の中にもこういうことを記録しておきたいと思うが、私は、戦前に配属将校によって軍事教練でしごかれた。戦後はアメリカ占領軍、駐留軍と言っていたが、占領軍の朝鮮戦争前後の準戦時体制がしかれている中で、今の神戸大学であるが、六甲台キャンパスで学生に、憲法を守って、日本は戦争に巻き込まれるべきではない、協力すべきではないということを訴え、そしてビラをまいたということで、首謀者としてGHQに連れていかれて、星条旗を背景に軍事裁判にかかった。重労働5年である。軍事裁判というのは上告も何もない。銃殺と言ったら銃殺である。こういう占領下の状況、私どもは、若い人にぜひ知っていただきたいと思う。軍隊というものはどういうものかということを私は身にしみて感じている。消防や警察、こういうものと違って、軍隊は国民を守らないのである。これは過去においても、過去の日本軍のことを見てもわかるし、今のイラクの状況や、そういうものを見てもわかる。軍隊は敵をやっつけるために全力を尽くす組織である。

 私は知事に、防災と違うということを言った。私は両方を経験している。震災も経験している。あなたは経験をなさっているかということを聞いた。自民党の議員さんの中には、私と逆の立場から、違うと言われた方もいた。これは自衛隊を経験された方である。こういう問題では本当に国民を守るということはどういうことか、国民保護法制は、戦争に邪魔になる人間を追っ払う。戦闘場面から排除する。おれば一緒に敵も味方もない、一緒に攻撃する。だから、そういう意味での国民保護法制であるということ、それから、武力は、他国を支配することも、その国の問題を解決することもできないということである。これは、今のベトナムやイラクやそういう状況を見ても、アルカイダの問題一つ見ても、おわかりになると思う。アルカイダはああいうアメリカを攻撃した。真珠湾攻撃と同じだ。真珠湾攻撃のときに「キル、ジャップ、キル、ジャップ」と言ってアメリカ国民が立ち上がった。あれと同じようなことをアルカイダに向けてやって、今はイラクまで広げている。

 こういう状況を見ると、問題は平和的な解決を、外交による平和的な解決以外にこの地上の問題を解決する道はない。私はそのことを強く考えるわけである。どうか国民保護法制も災害の問題での取り組みなら、私どもは何も反対することはない。しかし、そこに軍隊が入ってくるということに対しては、私どもは断固として反対を続けるということを申し上げて、えらい勝手なことを最後に申し上げたが、ひとつ参考にしていただきたいと思う。ありがとうございました。

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