2007年度予算組み替え提案への賛成討論
私は、「2007年度予算案に対する日本共産党の予算組み替え提案」に賛成する立場で意見表明いたします。
県民のくらしはいっそうきびしく、格差と貧困が広がっています。定率減税の全廃による個人県民税増税など191億円もの県民負担増に対し、知事提案予算には、軽減や格差是正のための対策はほとんどありません。その一方、「厳しい財政状況」を強調しながら、松下プラズマディスプレイ尼崎工場には18億円を超える大企業応援の補助を行なっています。大型公共事業を優先する姿勢も変わっていません。「元気な兵庫」をうたいながら、庶民の「元気」でなく大企業の「元気」だけをささえる逆立ちした内容です。
日本共産党の組み替え提案は、7回目となり、これまで少人数学級はじめ、予算を示しての提案が、県政を現実に動かし、前進させてきました。今回の組み替え提案も、県民の願いにこたえる現実的な提案だと考えます。
一つに、税制改悪と国保料、介護保険料の値上げなど「雪だるま式負担増」や、障害者に対する「応益負担」が、県民の健康をおびやかし、いのちにまで格差がつけられています。保険料の引き下げなどをおこなって負担軽減をはかることは県としてあまりにも当然のことです。
二つに、こどもの発達と成長を保障し、子育てを支援していることです。なかでも、こどもの医療費を、義務教育終了まで完全無料化していることは、若い世代の強い願いにこたえたものです。組み替え提案は、昨年12月に日本共産党がおこなった条例提案に対する、「財源がなく無責任」との議論が当たらないことを示していると考えます。すべてのこどもが大切にされる教育をめざす立場から、少人数学級を中学1年生に導入するとしていること、県立高校の授業料値上げの中止や、夜間定時制高校の給食費補助が盛り込まれていることも当然です。
三つに、正規雇用拡大と中小企業・地域経済を応援する内容であることです。青年が不安定な働きかたと低い収入で、インターネットカフェに寝泊りなど、ぎりぎりのくらしを強いられている状態は放置できません。京都府では、雇用創出のための企業立地・育成条例が改正され、正規雇用の促進に重点をおく独自の制度が作られました。自治体が不安定雇用の増大に歯止めをかけるためのしごとをやれるのです。また、「勝ち組」企業への手厚い支援でなく、組み替え提案のように中小企業を直接支援してこそ、ほんとうの景気回復がはかれます。
最後に、税金の使いみちをきびしくチェックし、むだな事業、不急の事業を省いていることです。多くはのべませんが、例えば、伊丹市が「空港との共存」を宣言したもと、需要予測をはるかに下回ることが明らかになっている関西国際空港や神戸空港への出資は県民の理解をえられません。当初から赤字補填の予算が組まれている但馬空港の羽田便などなにをかいわんやです。
税金の使途に厳しい目がそそがれています。議員海外渡航費を、友好都市訪問の公式行事のみとし、簡素化することは時宜をえたものです。
以上のべてきましたように、議会の改選を迎える新年度の予算では、今の投資事業・大企業優遇の県政を続けるのか、それとも県民のくらしをなにより優先し格差を是正する県政にするのかが問われています。委員各位のご賛同をお願いし、私の討論を終わります。
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