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2006年度予算特別委員会歳入審査 新町みちよ
2005年3月7日

地方切り捨ての「三位一体改革」

■新町みちよ■ 日本共産党の新町みちよでございます。質問に入らせていただきます。
  「三位一体改革」が新年度までで一応の決着となります。私たちは、国の「三位一体改革」は地方への財政支出の削減が狙いであり、憲法に基づく住民の権利を保障するための国に責任を後退させるものだとして、議会の場でこれまでもくり返し指摘をしてまいりました。
  われわれのこの指摘の正しさが、今回の「三位一体改革」の一応の決着の中で証明をされたのではないかと思っております。国庫補助負担金の削減は、2003年の芽出しの分も含めますと、総額5兆2000億円に上る一方、税源移譲や交付金かで地方に回された分は3.8兆円に過ぎず、差し引き1.3兆円の地方財源が削減をされたことになります。
ごく単純化して言えば、地方交付税は税収が伸びればそれに見合って減る仕組みになってますから、3年間で地方交付税は5兆円以上が削減をされました。しかし、地方税の増収は当初予算ベースで2兆7000億円つまり税収に見合った地方交付税が支出をされていないということになります。
兵庫県で見ましても2004年度は517億円、当初予算ですが、地方交付税のマイナスになりました。予算編成に大きな影響を与えたと思います。昨年の政府与党の合意のあと、県はこの「三位一体改革」を3兆円の税源移譲が確実なものになったということで評価をされておられます。この地方への影響額を見てもまだ三位一体改革評価をされるのかどうかお尋ねをいたします。

■中塚政策担当課長■ 三位一体改革の今年度の決着につきましては、ご指摘の通りスリム化と称し、国庫補助負担金の廃止縮減について、何故廃止したのか何故それを税源移譲しないのかということについて説明もなくなされたというふうに思います。この点については国の財政再建を優先した結果となっており、今後に大きな問題を残しておるということについては認識しております。併せて、そもそも地方が提案した改革案が、中央省庁の抵抗によって金額ベースで12%程度しか採用されなかった。しかも地方の提案しなかった児童扶養手当とか児童手当の国庫負担率が切り下げられたなど単なる数字あわせに過ぎない要素もある。これも問題であると認識しております。しかしながら、やはり戦後の税制、地方税制始まって以来3兆円もの規模の税源移譲が実現したこと、それから建設国債が財源であるということを理由にかなり抵抗にあいました施設整備費にかかる補助負担金が廃止され、なおかつ一定の税源移譲の対象にされ、さらに加えますと国と地方の協議の場というものが恒常的に開かれるといったことなど、改革の方向を大きく示されたとともに、その道筋をつけられたという点ではやはり県としては評価をしていきたい。

■新町みちよ■ 一方的にですね、地方分権とこう言われながら削られるということがあってはならないというふうに思います。地方自治体としても自由裁量といいますかね、こういうものが高まったということにもならないと思います。
  先ほど言われた児童手当・児童扶養手当、これは昨年の政府の与党合意で突如として国庫補助金の削減がされたわけです。自治体にとってもこれらの支出額というのは法令で決まっているわけで、削減されるわけではない。新年度で言えば義務教育費国庫負担などで裁量の拡大と言えるのはほんとにわずかだと思います。収入の名目が変わって一般財源として入ってきましても、同水準で住民サービスを提供するためには、額はかわらないし、減っても困るものだというふうに思います。こうした憲法上の住民の権利を全国同じように保障するナショナルミニマムに必要な財源は、やはり国が責任を持って持続をしてだすということが求められるし、要求の全てだというふうに思います。
  こういう述べました立場から住民のくらし、教育に直接かかわる国庫補助負担金の廃止削減には反対ですが、これまで廃止や一般財源化された国庫補助負担金を見てみますと、住民の暮らし教育に直接関わるものが多くあると思います。
  これがきちんと手当をされていればいいわけなんですけれども、そこでお尋ねをしたいのですが、定時制の高校の給食実施費補助金これを見ていただきたいんですね、04年度には1322万8000円の国庫補助金がついていまして、県もお金を出している。これが2005年度から国の補助金がなくなっております。夜間の定時制の高校生の給食の実施費ですね。この間の推移はどのようになっているかお答え下さい。

■柏教育委員会財務課長■ 県立定時制高等学校夜食費補助にかかる歳出予算額でございますが、平成16年度は2402万6000円、平成17年度は2302万8000円、平成18年度は1121万1000円となっております。

■新町みちよ■ 一般財源化された直後は手当がされておりますが、県の支出を増やしても補助金は出ているということですが、2006年度は一般財源化された国の分にもみたないという額になっております。これまでの県単部分はまるまる削除した額しか出ていないと言うことなんですね。
  学校現場からは、ほんとうに縮小しないでほしいという声があがっております。夜遅くまで勉強や部活にがんばる生徒にとっては、給食というのは、心と体を休める貴重な時間になります。補助金がなくなってこの給食制度そのものがなくなるのではないかと、こういう不安も現場では呼んでおります。
  基本的な考え方としてお尋ねをしたいのですが、このような必要なサービスは削られてはならないというふうに思いますし、これを自由度とか地方の裁量とかいうふうに言われてはならないというふうに思いますがいかがでしょうか。

■柏財務課長■ 今回の定時制高等高校の夜食費補助の見直しでございますが、定時制高校に通う有職生徒、職のある生徒でございますね、の就業形態とか食事環境の変化、他府県の動向等を踏まえて行うことにしました。
  今必要なサービス提供は確保すべきだというのは当然のことでございまして、私どもも見直しにあたりましては、各定時制高校の給食形態とか施設設備、生徒さんの就学形態ですね、おのおのの学校で実状が異なっておりますことから、そういう課題がございますので、定時制夜間高校の給食のありかた等の検討を行いまして、夜間定時制高校生を取り巻く教育環境を十分配慮した上でサービスを行っていきたいと思っております。
  一点ご質問の中でございました税源移譲されたものを取り込んでやっているということですが、実際一千数百万、16年度に国庫補助ございましたが、国庫補助のスリム化等によりましてその額は約28%の税源移譲となっております。

義務教育国庫負担制度の堅持を

■新町みちよ■ これからの問題としてさらに最も心配なのは義務教育の国庫負担金なんですが。昨年の政府与党の合意で国庫負担制度を堅持するとこういうふうに明記をしながらまた引き続き検討というふうにも言われております。
  県は義務教育費の国庫負担金もすべて税源移譲を要求されておられますけれども、昨年の決算特別委員会で義務教育制度本来の主旨を維持するために必要な財源は税源移譲で確保するとこのように答弁されておりますが、先ほどの定時制高校の給食費の問題を見ましても一般財源化というのが教育の水準の切り下げにつながるものではあってはならないというふうに思います。財政の厳しい市町にこの義務教育費のお金がおりていったときに、それぞれの市町間で教育水準に差が出るということもあってはならないというふうに思います。
  教育の機会均等をうたった教育基本法第三条の立場からしても、義務教育国庫負担金は削減しないよう国に求めていただきたいと思いますがいかがでしょうか。

■中塚政策担当課長■ 義務教育制度をめぐる社会情勢は大きく変化をしておりまして戦後の混乱期とか急激な教育ニーズが必要な高度成長期とは異なりまして現在におきましては、まず地方財政制度において義務教育に要する経費は保障されております。あわせて義務教育に関する事務は地方の事務として定着をしております。また社会が成熟化するにつれまして個々の児童生徒の個性や特性に応じた教育を自主的主体的に地方が創意工夫して実施する。そういうようなことで教育の中身を実施すると言うことがますます求められていると認識をいたしております。このために、今後は教育現場である地方に権限だけではなくて財源も拡充いたしまして、さきほども言いましたような教育内容の充実やその活性化をはかっていかなければならないと考えております。
  このような観点から言うと義務教育費国庫負担制度につきましても一昨年の地方6団体の改革案に基づきまして三位一体の第二期改革においてそれを全額廃止し税源移譲を行うというふうに考えております。

■新町みちよ■ 全額税源移譲されるということになりますと、今の場合は二分の一から三分の一というふうに国の補助金減っておりますが、法令できちっと裏付けをされてそして義務教育費その目的のために使われると言うことになりますけれども、全て税源移譲となりますとそういう法令での裏付けがなくなります。ですからお金には色がついていないわけですから、本当にきちっと目的通り使われるのかどうか、こういう保障がいるというふうに思います。
  憲法・教育基本法を遵守をするという立場で、この教育費についてはきちっと国が財源も保障するということを求めていただきたいと思います。
  その税源移譲についてお聞きをしたいと思います。地方6団体、昨年7月に国庫補助負担金等に関する改革案の中で、「来年度以降もこの三位一体改革の第二期改革を行うべきだ」というふうにしまして、地方分権を一層推進するために消費税を含めた基幹税により税源移譲を積極的に進める必要があると述べております。県もこの考え、お立場で国に要望されるのか。

■中塚政策担当課長■ 一昨年8月に地方6団体がとりまとめました国庫補助負担金等に関する改革案では、地方の自主的主体的な財政運営を実施するために国から地方への税源移譲を進める中で、やはり二期改革につきましては、現行の消費税5パーセントの内の現在1パーセント分が地方にまわっておりますけれども、それを2.5倍、2.5%に引き上げようとそういうことでもって3.5兆円を税源移譲をすすめようというふうにうたっております。県としても今後第二期改革における税源移譲につきましては、まずその前に、先ほど申しました残された課題を解決すべく第二期の改革そのものをまずやることですけれども、それとあわせて交付税を確保していくということをやっていくべきですけれども、税源移譲の方法としてはそういう地方6団体の案進めてまいります。

消費税増税の口実をあたえるな

■新町みちよ■ 消費税の引き上げにつながるのではないかと、地方が財源を確保したいということで国の方に消費税増税の口実を与えかねないというのを心配するわけですけれども、すでに政府税制調査会の石会長は1月27日の総会後の記者会見で9月にもまとめる予定の中期答申で消費税税率が二桁にならざるをえないという大きな方向性を出したけれども、そういうような議論の仕方になるというふうに強調されておられます。
ご存じのように消費税というのは所得がなくても物を買えば払わなくてはならない。所得が低いほど負担が大きい逆進性のある税制であるということ、このことは税調も認めているところですが、今、消費税増税すれば97年の税率の引き上げの際にやっと回復をしかけていた景気が一気に冷え込んだ、こういう道にまた戻るのではないのか。消費税の増税を地方が後押しをするということはあってはならないと思いますけれども、この点はいかがですか。

■宗野税務課長■ まず消費課税の特徴としましては、勤労世帯に過度の負担を求めずに世代間の公平に資すること、経済活動に対して中立的であること等が掲げられ、政府税制調査会においてもあらゆる世代が広く公平に負担を分かち合い、安定的な歳入構造を構築する上で重要な税であるというふうにされておるところでございます。
  また、消費税額を課税標準とします地方消費税は、都道府県間で精算を行うことによりまして、税収の偏在性が少なく安定的な地方の基幹税目の一つとして定着し、地方財政に大きな役割を果たしておるところでございます。地方消費税のあり方につきましては、消費課税全体を含めまして所得、消費、資産の各税のバランスが全体としてとれた体系になることが必要であり、国、地方通じた税配分のあり方も含めて検討されるべきものと考えますが、先ほどの答弁にございましたように地方の基幹税目でございます地方消費税のあり方にもこの消費税は大きな影響を及ぼすものでありますことから、県としても政府税制調査会等の議論に注視しつつ、地方消費税が充実されるように全国知事会とも歩調を合わせながら取り組んでまいりたいと考えております。
  そして、平成9年に消費税率を3%から5%に上げたことについての景気等に与える影響云々についてでございますが、これは、消費税のみについて景気に与える影響ということを分析することは非常に困難でございます。色々な複合的な要因があって景気低迷等もあったとは思いますが、ただそれ以降の年度におきましても、法人課税を中心に県税でも増収となっておる年がありますので、そうした面からも消費税の増収のみをもって景気回復との関係を因果づけるのは困難であろうと思っております。

■新町みちよ■ 公平な負担だというふうに言われましたけれども、ぜひ、県としては県民のくらしを思いやるという立場で、こういうような評価を消費税に持ってほしくないと思います。先ほどもいいましたように、所得がなくても物を買えば消費税は払わなければいけないわけですから、最低限のくらし、今貯金ゼロの世帯も増えておりますから、生活保護の水準以下の世帯も増えております。とりわけ若い世代はフリーターまたアルバイト、不安定雇用、こういうのが広がって200万以下の収入の人達がたくさんいるわけです。こういう人からももちろん税金をとるということですから、消費税の増税がどれだけ庶民のくらしを脅かしているかと。これが今5%ですけれども、二桁にまた引き上げられるということになると、本当にくらしは大変です。ですから、ぜひそういう消費税の評価を県民の庶民の立場に立ってしっかりと見ていただいて、地方が後押しをするということがないようにしていただきたいと思います。

地方交付税制度の機能堅持を

■新町みちよ■ 次に、地方交付税で少しお尋ねをしたいと思います。「三位一体改革」では、国庫補助金と税源移譲の差が地方交付税で措置をされるというたてまえになっています。また、税源移譲、力の強い自治体とそうでない自治体で税源移譲にとっても差がでてくると思いますけれども、地方交付税の財源保障と財政の調整の機能、二つの基本的な機能、これは、一応地方交付税でカバーをされているということです。
  したがって、地方交付税がきちんと維持されるのかどうかが、地方の財政にとってきわめて重要だと思います。しかし国は、地方交付税にもおおなたを振るおうとしております。経済財政諮問会議では、地方交付税の総額抑制がくり返し言われるとともに、財政保障機能の見直しの観点から地方歳出の思い切った抑制ということが言われております。井戸知事は、経済財政諮問会議提出の資料への意見で総額の確保これは不可欠だと言われておりますが、総額の確保とともに、地方交付税の財源保障機能また財政調整機能、この二つの機能の堅持を求めることが必要だと思いますが、いかがですか。

■中塚政策担当課長■ 地方公共団体は学校教育から社会福祉、社会資本の整備、消防、警察等基本的な行政サービスを担っておりますが、地方交付税はそのようなサービスを全国適宜提供できるように地方間の税源偏在を調整して財源を保障するご指摘の通り二つの機能を担っている地方固有の不可欠な財源だと認識しております。
  従いまして、一昨年のように地方交付税が一方的に削減されるようなことは今後あってはならない。総額を確保することが二つの機能を維持することであるというふうに認識しております。このため井戸知事が委員長を務めております全国知事会の地方交付税問題小委員会では、来年度平成19年度においても地方財政の安定的な運営に必要な一般財源総額確保を目指して地方交付税が一方的に削減されることがないよう地方としての意見をとりまとめるべく、現在議論をすすめているところです。今後6月に予定されております骨太の方針2006に向けまして、いわゆる竹中懇談会であるとか経済財政諮問会議の議論を見定めながら、地方6団体でも設置しました新地方分権構想検討委員会とも連携しながら精力的に検討をすすめてまいりまして、4月の末あたりには中間報告をとりまとめ国に対して強く積極的に働きかけていきたいと考えています。

■新町みちよ■ 「三位一体改革」のところで国の財政再建を優先しているというような話がありました。今小さな政府というのが言われておりまして国から地方へ、地方から住民へということでこの犠牲を転嫁をするということがあってはならないと思います。改めて地方交付税の財源保障機能、財源調整機能この二つの機能の堅持を求めたいと思います。

国の税制改悪により大幅な県民負担増

■新町みちよ■ 次に、個人県民税についてお尋ねをいたします。個人県民税は1102億7900万円とこういう見込みなっておりまして173億円の増収見込みとなっておりますが、これについては景気の回復で企業部門の好調さが家計部門にも波及をしてきたということで指摘をされております。いわば家計も潤っているということですが、その根拠をお示しいただきたいと思います。

■宗野税務課長■ まず平成18年度の個人県民税におけます増収要因以外の税制改正等の影響額でございますが、これにつきましては、131億5000万円を見込んでおりまして、17年度の35億円に比べまして96億5000万円の税制改正等の影響があるところでございます。この内訳としましては、影響増額に税制改正分は79憶5000万円となっておりますが、主な内容としましては配偶者の特別控除の上乗せ分の廃止なり16年度の改正による老年者控除の廃止等々でございます。
  そして、個人県民税が増収になることによる個人所得の増加の分析云々の関係でございますが、景気回復そのものについては、いろいろ客観的な指標もあるところでございますが、前年調停額ベースで見まして18年度の当初予算における個人県民税につきましては、先ほど申し上げました税制改正と株式等譲渡所得割配当割を除いたベースで見ましても、対前年度当初比5.6%、52億円あまりの増ということで、前年度決算で見ましても、前年度比2.6%、25億円の増収と見込んでおりまして、こうした背景には個人所得の増加等が背景としてあるというふうに理解をしておるところでございます。

■新町みちよ■ 働いている人の所得ですね、これがどうなっているかという毎月の勤労統計調査で見ても、昨年の11月の県の現金給与総額28万4151円前年同月比で0.5%減になっています。他の月を見ても下回っているところが多いですね。給与所得というのは増えていない。厚生労働省が3日に発表しました1月の有効求人倍率の調査でも、新規の求人数に占める正社員の構成比を見ますと兵庫県は43.2%しかない。前年度と見ても2.2%減っている。有効求人倍率というのは全国的にも少し改善をしたということになっていますけれども、兵庫県は横這いで改善されたとはとても言えない。ということなんですね。それで173億円の増収となっているんですけれども、先ほど一つお話がありましたように平成15年度から17年度、たくさんの控除の廃止それから非課税措置の廃止、定率減税の半減が行われました。税収の伸びも173億円の内、さきほどお話ありましたように税制改革による影響が多いんですけれども、18年度2006年度の税制改悪による影響ですね。17年度と比較をしていただいて実質どういうふうになっているのかお答えいただきますか。

■宗野税務課長■ 改めて申し上げます。平成18年度におきます税制改正等の影響額につきましては、131億5000万円を見込んでおり17年度の35億円に比べ96億5000万円の増となっておるところでございます。
その内訳としまして増額となっておりますのは税制改正分につきましては79億5000万円となっておりますが、主な内容としましては15年度税制改正による配偶者特別控除による上乗せ分の廃止4億3100万円、16年度改正による老年者控除の廃止が18億100万円、そして公的年金等の控除の上乗せ措置の廃止が5億6200万円、17年度の改正による定率減税の縮減分が48億1700万円となっております。また、これらの税制改正による影響額に加えまして18年度からあらたに導入いたします県民緑税分として17億円を見込んでおるところでございます。

■新町みちよ■ 結局、およそ80億円が税制改悪による税収増と、それからいまおっしゃったように17億円の県民緑税これを加えて97億円が増だということなんですけれども、これは家計が温まったから税収が増えたということにはならないと思いますがいかがですか。

■宗野税務課長■ 18年度の個人県民税の税収見込みについては先ほど申し上げた通りでございまして、私どもとしては、常用雇用指数なり名目賃金指数などの資料等も参考としながら過去の税収と指標との乖離も参考として算定をしておるところでございます。そして、先ほどもお話がございましたが、厚生労働省の発表しております毎月勤労統計によりましても17年度の労働者の平均の月給総額は5年ぶりに増加になっておる。常用雇用者は2年ぶりの増加ということで、そういう指標等も出ておるところでございます。そして、鉱工業生産指数の伸びなり、民間の最終消費支出の伸び等から18年度の税収の見込みを積算しておるところでございます。それと、もう一点としましては、17年度の決算見込額が個人県民税につきましては、税制改正等の影響を除いたベースで962億円と見ておるわけでございますが、これが16年度の決算と比べましても、平成9年以来約8年ぶりに前年度を上回る増収となっておるということで率としてはわずかでございますが、17年度の決算においても前年度を上回るような状況がでてきておると。こうしたことから企業業績の回復の中で個人の所得の方についても18年度はさらに期待ができるというふうに考えておるところでございます。

■新町みちよ■ 質問の意味は、97億円ですね、税制改悪によって97億円の県民負担が増えたと。これで税収が伸びたという部分なんですけれども、これは家計が暖まった、県民のふところが暖かくなったということではないと思うがいかがかという質問なんですけれども。これはそういうふうにはとても言えないと思うんですね。残りの76億円なんですけれども、確かに株式等の譲渡所得割が前年比で279%と増えておりますね。33億5500万円の増、これは株価の上昇で一部の投資家が儲けをあげているということだと思います。一般の個人投資家といわれている方は、例えば今回のライブドアの株を買ってですね大損をしたという方も沢山いらっしゃるわけですけれども、これは機関投資家とは区別をすべきだと思いますけれども、これも一般の家計への波及とはいえないと思うんですね。個人県民税の内75%というのは、結局家計が潤ったという要素ではない。しかもこれらの税制改悪というのは税金だけではなくて、介護保険料や国保料や例えば県営住宅の家賃が2倍に上がったというような、今まで非課税だった人が課税者になるということで様々に影響が拡大をしている。例えば新たに課税をされる人数を見ましたら、全県的にみましたら生計同一の妻に対する均等割の非課税措置が廃止で37万人、65歳以上の者について前年の合計所得額が125万円以下に対する非課税措置の廃止では4万3000人合計で41万3000人が新たな課税者ということになると推計をされているというわけですね。私の明石市でも2万3000人も増えるということになります。こういったあらたな課税者こういう人も含めて今回から一人当たり年間800円の県民緑税が徴収をされるわけです。とても県民のふところが暖まったということは言えないと思いますけれどもいかがですか。

■宗野税務課長■ 県民のふところがあたたまったとは言えないということでございますが、先ほど申し上げましたように一つは税制改正を除いた部分につきましても個人の所得については着実に回復をしてきておるという状況にございます。おっしゃられる各種の税制改正の影響でございますが、これは、18年度の政府税制調査会の答申においても記述されておりますように、高齢化の進展に伴い公的サービスの費用が急速に拡大しているなかで、租税を含む我が国の国民負担が他の先進諸国に比較しても低い水準になっておると、こうした中で一定国民全体で広く公平に負担を分かち合う必要があるという中でこの間の制度改正がなされてきたということでございます。そういう主旨を県民の方にご理解をいただければそれでよかろうかと、ご理解をいただく必要があろうかと考えております。

県民合意のない「県民緑税」

■新町みちよ■ 本当に理解合意があってこういうふうに改悪をされるというふうにはなっていないと思います。例えば県民緑税です。昨年の予算議会で徴収するということが先に決められました。そしてそれ以降に県民に周知徹底をするとされましたけれども、様々な媒体を通じて県民にはお知らせをされている。それは先ほどのご答弁のなかでされました。しかし、県民の方が、これから通知がいくと思うんですけれども、どういうふうにご通知をされるのかも併せてお聞きをしたいのですが、今どれだけ県民の方がこの緑税を徴収されるということをご存じなのかどうかは本当に疑問です。納税者の合意が得られていないこの県民緑税の導入は改めてやめるように求めますけれども、いかがですか。

■高井企画調整局長■ 繰り返しになって恐縮ですけれども、県民緑税は緑の保全再生を社会全体で支え、県民総参加で取り組むための仕組みということで導入するものであります。緑がひとたび失われますとその再生には大きな力、労力が必要ですので防災面を中心に県土の安全安心な環境を創出するということで議会でのご議決をいただいてこの県民緑税を利用して早期計画的にこの緑の再生をはかろうというものであります。これはPRが不足だからこれを中止するというものではなくて、PRが不足しているのであればPRをこそ充実すべき、それはわれわれの責務であろうと思っています。そこで、みどり税の周知につきましてはこれまでパンフレットやポスターによる広報はもとより全世帯配布し、県民だよりひょうごの度重なる広報に加えまして、昨年の9月10月にはのべ6紙で新聞広告を掲載しました。ラジオ等でもPRを行いましたし、先ほどの質問にもありましたように全ての市町での広報紙への掲載、様々な形での広報をいただいております。それを受けて市町広報で公報された場合、県民からの電話でのお問い合わせなどもあるということで。それなりに浸透はしつつあるものとわれわれは考えております。6月からの個人分の納税の開始に向けまして改めて今月県民だよりひょうご、それからラジオ、テレビなどの県広報媒体、それと今度は5紙ですけれども約200万部になります新聞広告等によって一層の周知に努めましてさらにパンフレット等も再度作成して県民、全法人に向け周知徹底をはかりたいと思います。

庶民増税の一方で、大企業等への優遇税制そのまま

■新町みちよ■ 県民のみなさんに実際に住民税が行きまして、この額が上がっているということに対してその時に初めて県民緑税の徴収を認識されるということで、県民のみなさんから抗議や問い合わせの連絡がかなり出てくるのではないかと思います。やっぱり県民のみなさんの充分な合意を得るために高知県などは2年間をかけて周知をして合意の中で実施したということを聞いておりますので、たとえ良いことであっても住民のみなさんの合意が最低必要だというふうに思います。
  小泉内閣のもとで昨年までに実行されました国民負担増これは医療や介護、年金などすでに負担増がされている部分が6兆7400億円ございます。今年から実行予定の定率減税の廃止を含め、介護保険の引き上げ、さらなる医療改悪をあわせますと合計で13兆5800億円の国民負担となります。サラリーマンの平均世帯年収500万円で見ますと20万円近い負担増です。たばこやお酒を飲む方はもっと増税になります。高齢者で見ますと大変ひどい状況でして、神戸市にお住まいの年金のくらしをされているご夫婦で見まして240万円の世帯ここで見ますと、税、保険料が2005年度で15万7000円の負担、2006年度では23万8000円、2007年度では、26万4000円、2008年度では32万3000円へと毎年毎年連続をして増え続けるという大変な負担になります。消費の6割を占めるといわれる個人消費、ここが増えてこそ、景気の回復があるというふうに思います。今の景気回復といわれているのも輸出だのみ、安定はしているとはなかなか言いにくい状況だと思いますけれども、こういった個人のふところをあたためる、これに逆行するというような税制の改悪や負担増これは国に止めるように県としても国にはっきりと主張すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。

■宗野税務課長■ 定率減税等の廃止についての中止を国に対して申し入れるということのご質問の関係でございますが、政府税制調査会では先ほどから引用しておりますように、18年度の税制改正に関する答申の中で個人所得課税のあるべき負担構造について議論がなされ、定率減税につきましては導入当時に比べ景気対策としての緊急避難的な必要性が減少しておること、また見合いの財源がないことから将来世代の負担増とつながることを鑑み、今後の経済情勢を見極めつつ廃止すべきであるとされたところでございます。これを受けまして、平成18年度与党税制改正大綱では、所得税については18年分、個人住民税については平成18年度分をもって廃止をすることとされたことでございますが、大綱では今後の景気動向を注視し、必要があればその見直しも含め、その時々の経済状況に機動的弾力的に対応することとされておりまして、そうした取り扱いが一定の配慮とされながらもそうした取り扱いがなされるものと考えておるところでございます。

■新町みちよ■ サラリーマンだけではありませんが、定率減税の廃止の方を言われましたけれども、99年にはやはり景気対策として庶民の定率減税も大金持ちも企業もですね、減税をされました。しかし今回廃止をされるのがさきほど言いましたようにふところの暖まっていない定率減税ですね。そういうサラリーマンのところにだけこの減税が廃止をされるということなんですね。法人税を見てみたいと思うんですが、17年度と比べて対前年比で120%・266億円と伸びております。業種別で上位3位を見ましたら、製造業では鉄鋼が255%、非鉄金属で188%、化学で148%、非製造業で見ましても証券で233%、金融機関で190%、サービス業で174%となっています。
大企業はバブル期より以前の史上空前の利益を上げていると言われております。新年度の大企業の減税分、本県の影響額はいくらでしょうか。

■宗野税務課長■ 法人関係税につきましては、平成10年度および11年度に減税措置が行われましたがこれは税率を国際的な水準に引き下げ経済活動に対する税の中立性を高めることにより企業活力と国際競争力を維持する観点から行われたものでありまして、その効果は企業規模に関係なく一律に享受をされておるところであります。その影響額ということでありますが、平成10年度から18年度の当初予算までの累計で見ますと、2740億円、内訳としましては法人県民税400億円、法人事業税2340億円となっております。なお、18年度の単年度の影響額は476億円と見込んでおるところでございます。

■新町みちよ■ 儲かっているんですね、本当に。だから儲かっているんだから、減税をするのではなくて応分の負担を求めるべきだと思います。研究開発費減税などまだ優遇措置もあるわけです。
  先ほども言いましたように庶民の定率減税を廃止をして、大儲けをしている大企業の減税は続けると。なんとも納得のいかない話なんです。大企業の減税をやめて応分の負担を求める、このように国に是非要求をしていただきたいと思いますけれども、いかがですか。

■宗野税務課長■ 法人所得課税の負担水準につきましては、政府税制調査会等におきまして少子高齢化、経済のグローバル化が進む中で、経済社会の活力を維持していくために、競争力の強化、産業構造の改革をすすめていく必要があり、今後の法人課税については国際的に整合性がとれ、企業活動に中立的な税制となることを基本としつつ、必要な対応を行っていくべきであるとされています。また税率につきましては、既に他の先進諸国並となっており引き下げる状況にはなく、また国際競争力維持の観点も踏まえれば、当面の現在の水準を維持することが適当であるとされておるところでございます。今後このような観点から検討されるものと考えておるところでございます。それと研究開発税制の関係でございますが、これは17年度に期限を迎えます研究開発税制なりIT投資促進税制そのものについては3年間の時限措置が導入された経緯も踏まえまして、一定の廃止がされておるところでございます。

消費税の免税点をもとに戻せ

■新町みちよ■ 企業の社会的責任ということがよく言われますけれども、ぜひ財政面でも責任を果たしていただきたいと思います。
  業者の方ですね。今シャッター通りというふうに言われますが、商売も本当に大変になってきています。地方消費税についてもお尋ねをしたいのですが、地方消費税が1004億円、昨年と比べて95億円増えております。そのうち輸入などによる貨物割、主に大企業に関わる儲けの影響というふうに思われます。その他の譲渡割の主なもの、零細な業者等で消費税の免税点が3000万円から1000万円に引き下げられる。これに関わるものだと思います。全国では新たに150万人が課税者になるということになります。消費税が転嫁できないという零細業者にとって大きな負担となります。税金を払うためにさらに借金をしなければいけない、商売も続けられないかもしれないと今全国で怒りや悲鳴が上がっているわけです。この免税点は元に戻すべきであるし、先ほどから言っていますように、この分も消費が拡大をしたと、庶民が潤ったというものではないと思われますがいかがですか。

■宗野税務課長■ 消費税の関係につきましては、先ほど申し上げましたように、少子高齢化の中で所得、消費、資産の各税負担のバランスがとれた税体系の一貫として勤労世代に過度の負担を求めない税制として非常に重要な税という位置づけになっておるところであります。先ほどご質問にございました免税点の改正等ということにつきましても、適正な課税の執行という意味から、16年4月から免税点の引き下げなり簡易課税制度等の廃止がされたところでございますので、ご主旨をご理解をいただきたいと思います。

■新町みちよ■ 県税収入の面から見ましても、今言われている格差社会、それから勝ち組、負け組というのが本当に現れていると思います。税金のありかた、今改めて問われていると思います。社会的な税の再配分というこういう機能をぜひ今求めていきたいというふうに思います。

東播磨ボートパークの料金値上げをするな

■新町みちよ■ 次に、利用料金制についてお尋ねをしたいと思います。この4月1日から指定管理者制度へ移行する施設が45の施設の内に利用料金制が導入されまして、今までありました使用料手数料から省かれることになります。その内の一つである東播磨小型船舶施設、尾上、二見、西二見、播磨地区で984隻が係留できるこのボートパークでございますけれども、指定管理者制度の導入によって利用料金制に変更されます。募集要項によれば利用者が支払う利用料金は、知事の承認が必要ですけれども、現行を基準として0.5倍から1.5倍の範囲内で指定管理者が定めるというふうになっています。これは料金の値上げにつながらないかお尋ねをします。

■小林県土整備部総務課長■ 指定管理者制度につきましては民間のノウハウを生かしまして利用者のサービス向上と経費の節減等をはかることを目的といたしまして導入されましたものでございまして、整備が完了いたしました東播磨港小型船舶係留施設について平成18年度から管理運営を指定管理者に行わせるとしたところでございます。
  当該施設では小型船舶の種類、規模など様々でございまして、それに応じまして求められるサービスの程度内容につきましても差異がございます。利用者のニーズも多様でございます。このような利用者のニーズを勘案しながらコスト縮減をはかり、コストパフォーマンスの高い運営を行います中で、よりきめ細かな料金が可能となりますように現行料金のプラスマイナス50%の範囲内で柔軟に料金を設定できる利用料金制を導入したところでございます。
  また、この利用料金の設定にあたりましては、放置艇対策を目的といたします公の施設でございますので、それに応じた合理的案ものであるということそれから利用者ニーズそれとサービス内容に見合うものでありまして、利用者の理解が得られるものであるといったこと等を判断の基準といたしまして、県が精査いたしまして、その上で妥当なものにつきましてご指摘ございましたように承認をするというふうなことにしております。従いまして、委員がご懸念されておりますような料金値上げになるようなことがないように判断をしてまいりたいというふうに考えております。

■新町みちよ■ 具体的にお尋ねしたいと思いますが、県に指定管理者が提出をする「様式4」で、管理運営にかかる収支予算書では、使用料の収入は、18年度7272万円、19年度では、8726万4000円、20年度では9050万4000円と年々上がるというふうになっております。収入は上がるんですね。しかし県への還付金は最低限度額とされております5379万6000円これで一定をしております。これは、料金値上げになると。指定管理者に入るお金が増えるということになるのではないですか。

■小林県土整備総務課長■ その申請書におきまして、その収支予算書もそうでございますが、この中にも料金を値上げするようなことは書いてあります。ただしこの値上げにつきましては、申請書の中身読ませていただきますと、現状の利用料金は当面現状維持とし、適切なサービスの提供により施設の利用促進をはかっていきたいと。従いまして現状料金が原則であるとうたった上で利用者の要望を聞いて行く中で、新たな施設の整備を県と協議の上進めたいというふうにいたしました。その際には値上げも想定しているというふうなことを記載しているところでございます。私どもといたしましてもこの申請書に記載しているあるいは提案があったといったことで直ちに値上げにつながるといったものとは考えておりません。
  指定管理者から具体的な施設の修繕とか施設の整備とかいうふうな具体的な提案、値上げされる場合でも程度とかいった提案がありました段階で、利用者ニーズを確認し、その付加施設の必要性について検討しました上で、利用料金の設定につきまして、先ほど申し上げましたように、放置艇対策を目的として施設として合理的なものであること。それから利用者ニーズ、サービス内容に見合うものであり、利用者の理解の得られるものであるといったことを基準に精査いたしまして安易な値上げにならないように、私どもといたしましてきちっとした対応をさせていただきたいというふうに考えております。

■新町みちよ■ 「様式7」ですけれども、利用料金の考え方および設定案を記載した書類これはボートパークが放置艇の公共施設、収容する施設であることから利用料金が民間マリーナと比べて大きな格差があるとして新たな付加価値をつけ県と協議の上進めていきたいというふうに書いてある。
具体的には2年目を目安に改定額は2割程度と明記をしてある。これは今から考えると言うことよりも、知事の承認云々がありますが、募集の段階から県が値上げを承認していることと同じではありませんか。

■小林県土整備部総務課長■ その「様式7」につきまして、先ほどご説明させていただいた通り、この書いてございますことは、基本は、現状の利用料金を堅持をいたしますと。そして場合によっては、これは2年目と書いてありますが、2年目で付加施設の整備をしたりとそれに伴って使用料の改定を考えておりますというふうに書いてございますが、私どもの方としましては、ここに書いてあるからといってすぐそれが値上げにつながるといったものではなくって、それに応じました必要性からその妥当性等を判断をいたしましてきっちりとした対応をさせていただきたい。従いましてここに書いてあるからといって、料金値上げをわれわれは認めたものではないということでございます。

■新町みちよ■ 元々この施設は放置艇をなくすというのが目的です。公共の施設です。既に2度値上げがされておりますので、この目的にきちっと合うように、これは議会にもかからない利用者の意見も反映しないというような制度となっております。私どもこの指定管理者制度の利用料金制というのは公共性、公平性の否定につながりかねないということで是非やめるよう求めて質問を終わらせていただきます。

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