台風被災者への住宅応急修理の促進を
■毛利委員■ 私は日本共産党県議団を代表して総括質問をいたします。
漢字一文字で今年を表すと災害の「災」、わざわいとのことです。昨日発表されました。兵庫県にとっても自然災害で連続した台風の上陸で大きな被害を受け、今なお住居、生活の再建に被災者はご苦労しておられます。
そこでまず台風問題について、はじめに住宅応急修理の問題でお聞きをします。朝日新聞の記事に「無料知らず家修理」と大きく報道されました。その中では自宅が半壊し、台所の修理を終えたばかりの主婦の「もう少し早く知っていれば」という豊岡の被災者の声や「制度のことは最近まで知らなかった」という洲本の高齢の女性の声を紹介しています。このような声がいま広がっているのです。7日の健康生活部の部局審査で私が質問した、新潟では工事代金精算前なら対象にしているので兵庫でもと要望いたしました。その後、国から回答が来て9日付けで市町に通知されています。豊岡では、15日の市広報で全世帯配布されています。そこでは、新たな取り扱いが広報されているのです。そこで確認をしたいと思いますが、精算前はもちろん対象になり、さらに11月16日以降であれば精算後でも申請できるということですね。
■下野健康生活部長■ 部局審査の際にお答えをいたしましたけれども、災害救助法によります応急修理については現物支給ということが前提になっておりまして、お答えをいたしましたように厚生労働省に確認をいたしたところでありますが、お尋ねのすでに修理が完了している場合であっても精算前である場合については、修理は完了し精算が済んでいても11月16日以降の支払いである場合は、対象とする旨、11月9日付で市町に通知をいたしたところであります。
■毛利委員■ 国と協議をされてより柔軟な対応となったことは被災者にとって本当に大きな朗報だったと思います。ところが市の相談窓口の担当者にお聞きしますと、相談に来られたんだけれども断った人もいる。もっと早く知っていたらと言われました。そこで、現状の豊岡と洲本市それぞれの応急修理の受付件数はどのくらいでしょうかお答え下さい。
■下野健康生活部長■ この弾力的運用の実施状況につきまして12月12日現在で相談件数が191件でありまして、申込件数は132件であります。現在適宜審査中でございますが、審査の終わった24件については本人に通知済みでございます。
■毛利委員■ 132件と非常に少ないなという印象をみなさんもお持ちだろうと思います。11月19日のわが党の申し入れで「応急修理は大丈夫、ちゃんとできます」(井戸知事)このように太鼓判を押されました。補正ではところが2000世帯分を想定して予算を組まれているんですがこの状況。今のお聞きした状況では本当に少ない。こういう感想を抱きました。私はこのような状況になったことには、県としての責任が大きいと考えます。それは災害救助法の事務を市町に委任している元で、被災者や業者への通知、特に被災者ですが、それが市町まかせになってきわめて不十分になっていることです。それは兵庫県の実施要領でも手続きの流れの中でも、業者への通知、被災者への周知を市町の責任としていることにも表れています。
11月2日先に弾力運用を決めた新潟県では、9日と11日に連続して市町説明を実施し、その実施要領でも、被災者と業者への周知は県の責任として、パンフレットや「QアンドA」などを作って説明会や周知をしています。
県自身が国と協議をして実現した弾力的運用ですから、是非県として市町と協力してしっかりとイニシアチブをとり被災者に周知することを求めたいと思います。その際肝心なことは、部局審査でも質問しその後確認された工事代金精算前で条件が合えば申請が可能であることなど、国との協議確認されたことや新潟で確認されたケースなども含めパンフレット、インターネットなどで早急に被災者や業者などに周知することを求めますがいかがですか。
■下野健康生活部長■ 応急修理につきましては私ども市町が行うべき義務というふうに認識をいたしております。市町におきましては、広報媒体あるいは有線放送等、それぞれの市町におきます広報媒体を活用して周知をはかっている状況でありますし、先ほど申し上げましたように、弾力的運用につきましても、その後通知をいたし私どもとしては適切な運用をこれからも指導してまいりたいと考えております。
「申請もれ」がでないよう期間延長を
■毛利委員■ 災害救助法は県の責任ですよ。それと、市町にその今までも一貫してそうなんですが、市町がやることと言っていままでがあるわけです。その件数も少ない。こういう事態があるわけです。例えば、災害救助法を認めなさいと言った赤穂市の問題なんかもそうなんですよ。市町に対してもっと丁寧に県が対応しなきゃならない。それも、これも部局審査で言いましたけど、大震災を経験した兵庫県ですから、市町がいつでも何でも知っているというふうに見てしまうというのは、これはやはり丁寧さがない。親切さがないということで、改めてこの周知徹底という意味では、是非、他の県でもやっているような広報媒体を使って充分に分かるようにしてあげていただきたい。このことを強く求めておきたいと思います。そのことはもちろんなんですけれども、その努力を尽くした上で、年末の工事完了が原則ですから、事業の進捗を見て、対象になるべき被災者の多くが残されている状況であれば、厚生労働省に再度期間の延長の申し入れ、協議を行うべきではないでしょうか。いかがでしょうか。
■下野健康生活部長■ 私ども現在申請受付審査中でありますけれども、内容によりまして厚生労働省と引き続き協議する余地があるものにつきましては協議してまいりたいと考えております。いずれにしましても、私どもも精一杯被災者の支援のためにやっているわけですけれども、応急修理という先ほど申し上げました現物支給という原則がありますものですから、なかなか壁が厚い中でわれわれなりに対応してきたということでありますのでその点ご理解をいただきたい。
■毛利委員■ 今のお話の中で、是非実態をみながら協議を進める延長も要望もするということでお願いをしたいわけですが、協議をする余地のあるものといったものはどういった内容になるんでしょうか。
■下野健康生活部長■ 先ほど申し上げましたように、11月16日以降の支払いまたは工事着手という前提でありますし、所得要件等前提がありますので、そういったことについても充分踏まえた中で、応急修理としてふさわしいものであれば延長の要請があるものについては協議をしていきたいという意味であります。
■毛利委員■ 特にこの応急修理については最高51万9000円まで緊急な時に特に生活する上で、水回りであるとか、本当に生活をまずやっていかなきゃならないところの修理についての問題ですから、今の言葉の中で本当に応急修理というその内容、まさにその内容に当てはまるものは充分に今後実績も見ていただきながら国との協議すすめていただき、本当に実態に応じた、実態をしっかり見ていただきながら、実態に応じたもので今後国に対しても意見、要望を上げていただきたい。そのように思います。
せめて京都府なみの住宅再建支援を
■毛利委員■ 次に移ります。次に台風問題の二つ目なんですが、住宅再建等支援金についてお聞きをします。県はこの支援金を国の制度を基準に全壊100万円の上限を定めたと説明されました。つまり国の制度の枠組みを優先した結果、先行した他府県よりも金額の少ない支援金となったということです。
被災者は再建の必要な費用をすべてを見てほしいと言っているのではありません。同じような被害を受けているのに先行した他府県より少ない公的支援というのは納得できないというのが多くの意見です。国制度の枠にとどまるのではなく、せめて京都府程度の支援金に増額してほしいという願いは当然ではないでしょうか。被災者の立場にたって支援金の京都府なみの増額を求めますが知事いかがでしょうか。
■井戸知事■ 被災者に対する住宅再建支援につきましては、やはり被害の程度だとか、被災者の負担能力などを勘案しながら要件を定めるべきものだと考えます。私どもが100万円の上積みを決めさせていただきましたのは、現在の居住安定支援制度が国の負担が100万円、都道府県が共同して基金を作っておりますが、その基金の負担が100万ということとされておりますので、それとの関連で100万円を全壊の方に支給するということにさせていただいたということでございます。非常に合理的な判断だと私は考えております。
■毛利委員■ その根拠が何度も同じ事をいわれるんですけれども、納得のできるような中身ではないんです。
やはり今言いましたような国のところでの問題を抱えながら考えていらっしゃるなということを、これは常に答弁で、今回はもっと期待をしていたんですが。そういう意味では、私は知事の言われていること、そういった公的支援の概念だとか範囲も被害の実態や住民の要望で日々変わってきているというふうに思います。全国の公的支援の拡大の流れの中で、大震災被災地の兵庫県が遅れているということは、これは許されないことです。
関連してもう一点伺います。半壊50万円の損害割合の二分の一として床上浸水25万円を決めた。つまり被害に応じた比例した支援として決めたとの説明です。しかし、床上10%未満は被害をうけているのに被害に応じた支援が受けられていません。例えば、5%の人は半壊20%の損壊割合の四分の一の被害ですから、12万5000円の支援を受けられてこそ「被害に応じた支援」になるのが当然であり、床上浸水10%未満を対象にしないのは明らかに制度の考え方からして矛盾をしていると思いますがいかがですか。
■井戸知事■ 被害の程度に応じた対応をはかるべきだと私は考えております。ただ、その被害の程度に応じた対応が比例級数的に対応しなければならないということではないと思います。現に居住安定支援制度は全壊と大規模半壊以上の方々にしか対応がされません。ただ私どもは、今回は床上浸水が1万軒を越えるような実状を考えて見ました時に、その中で床上の方でありましても半壊の二分の一程度以上の被害、つまり10%程度の被害を受けられたような方々には、全壊あるいは大規模半壊壊の方々に対する措置とのバランスを考えて四分の一程度25万円の措置が適当ではないだろうか。それ以外の軽微の被害の方々については、それなりに無利子融資制度も用意いたしましたのでそれの活用でがんばっていただきたい。このような意味で措置を講じたものでありますのでご理解をいただきたいと考えております。
■毛利委員■ 制度を作られた時の主旨を読んでみますと、ちゃんと「被害の程度に応じて」と書いてあるんです。京都と比べて財政規模は兵庫の方がうんとあるわけですよ。
それと軽微、軽微とおっしゃいますけれども、床上浸水は例えば20畳の畳だと20万かかるわけですよ。床上浸水になればもうそこの部分はもうダメになっているわけですから。軽微、軽微っておっしゃいますけれども、その大変なところの実態を見た上で床上浸水をすべて10%で切らないで同じように扱うべきだというふうに思います。これは要望です。すべての人にね。時間の関係もありますから。知事もおっしゃりたいとは思いますけれども。
被災者むけ融資で、銀行の「貸し渋り」が6割も
■毛利委員■ いまおっしゃられた県の貸付制度についても申し上げたいと思うんですね。これ確かに県が創設して無利子でということで非常にがんばったんだということでしょうけれども、300万円の使いやすい無利子貸付制度ということで貸付を活用してほしいと今も言われたわけなんですけれども、現実にはその貸付を希望しても金融機関が貸さない事例が増えているんです。
支援法適用の8市14町にお聞きをしました。そうしますと1681件が貸付を申請しています。しかし、部局審査の担当課長の答弁で600件しか金融機関から借りられていない。つまり1000人以上64%もの人が貸付を金融機関に断られ貸し渋りにあっているのです。せっかくの被災者のために作った貸付制度がこのような状況にあります。いくら金融機関の独自の審査と言っても制度の主旨を全く無視をしているといえるほど不当な貸し渋りが行われていることに、知事として当然金融機関に是正を求めるべきだと思いますがいかがでしょうか。
■東田防災監■ 被災者生活復興貸付制度は、被災世帯が一刻も早く通常の生活に戻れるようにとの主旨から創設したものでございまして、家屋以外のみならず自家用自動車も対象としてものでございます。貸付に当たっては原則として無担保とさせていただきました。所得基準についても年間総所得金額を世帯人員に関わらず一律730万円以下とするなど、高収入の世帯を除いたおおむね全世帯の三分の二に相当する多くの世帯が利用できるものとしたところでございます。加えて制度概要を要約しましたリーフレットも作成をしたり、市町及び取り扱い金融機関にも配布をして市町への相談窓口を設置をさせていただきました。一方、金融機関に対しては90%の損失補償を行うとともに金融機関に対しては制度の円滑な運営のための協力を求めて、制度実施に向けての説明会も数回開催いたしました。受付開始後も相互に連絡を保ちながら様々な申し込み案件に対して柔軟かつ弾力的な貸付依頼をいたしておるところでございます。今後とも被災者にこの制度を積極的に活用していただけるように周知には努めたいと思っております。ただ、当該制度はあくまで貸付制度でございますので借り受け者の返済能力に見合った適切な貸付が行われるよう取り扱い金融機関に徹底をはかってまいりたいと考えております。私どもも今1800件で600件というふうにおっしゃられましたが私ども現時点で金融機関からお聞きをしておりますのは申込件数が約9百数十件でそのうちに600件を越える貸付件数があるところでございます。
■毛利委員■ 最後のところだけで良かったんですけれども。結局最後のところでもおっしゃられたけれども結局返済能力を問うんですね。そうなりますと先に説明された県が90%損失補填しているわけでしょう。もっとイニシア持つべきですよ。貸し渋りをね、これは何のためにつくったのかが問題なんですよ。被災者を救うためなんです。だから、これは常に入れ違ってますが、ぜひ知事これは強力に金融機関に言ってください。県の指導力を充分発揮していただきたい。発揮していただくというのであるならば、今の被災者が苦しんでいるということとは実態かけ離れた答弁ですけれども、次に移りたいと思います。
治水対策の根本的反省を
■毛利委員■ 水害被害原因と対策についてです。県下各地で大きな水害被害が発生をしました。堤防がなかったところや上流にダムが出来ていても河川改修が進まず洪水が起きたところなどこれまでも治水対策の根本的反省が求められています。その点で武庫川のリバーサイド、武田尾地域の水害被害は部局審査でも指摘しましたがダム建設を理由に行うべきだった治水対策を放置してきた責任は重大です。
県はリバーサイドについて「後回しにしたのではない。下流から河川改修工事をしてきたのだ」と説明をされます。それが危険なところを後回しにしたというところなんです。私たちは下流から順番にするのではなくリバーサイド独自の治水対策を行う。これを幾度も要求をしてまいりました。武田尾地域でも数年前に住宅街の前のパラペットが作られました。それ以降の治水対策は全くなかったことが明らかになりました。また、たびたび洪水被害を受ける低い護岸はそのままです。結局武庫川ダムができればダムにつかる地域だとして放置してきたのではないでしょうか。お答え下さい。
■陰山県土整備部長■ 武庫川の武田尾地区とリバーサイドにつきましてですが、このたび大きな、両地区におきまして被災したわけでございます。その被災原因がなにもしなかったがためにこういう災害が起こったのではないかということでございますが、そういう指摘はあたらないと考えております。私たちは、すぐにまずリバーサイドでございます。武庫川の改修計画を持ちまして、もちろん当初はダムの計画もあったわけでございますが、そのダムにつきましては、委員会を作りまして議論をしていただくということにいたしまして、河道のほうの改修をやっていこうということで昭和62年以来下流から改修を進めてまいりました。下流からやっていくから最後にそれこそリバーサイドおざなりにして残してしまったんだということではなく、下流から進めつつリバーサイドにつきましても暫定対策としてパラペットを整備してきておるところでございます。その高さにつきましては、地元のみなさん方とお話をさせていただきまして、58年に起こった災害、そういう出水に耐えられるだけの高さにしていこうということでやってきたわけでございます。いよいよ河道の改修が進んでまいりまして、もう間もなくこの最上流にございますリバーサイドに到達するリバーサイドの整備を進めていこうという矢先にこの度の不幸な出水があったわけでございます。これに対しましては、今回出しましたように充分いろんな検討を進めまして、いろんな対策を行っていく改修を行っていく考えでございます。武田尾につきましても58年に被災いたしまして、それに対応した災害対策をとってきました。今度は思わぬ大きな出水がございまして被災をいたしました。これに対して適切な対応をとっていくという考えでございます。
■毛利委員■ リバーサイドのことについてやっときたと。早くからやっていればよかったのにと。私も現地に幾度か行きましたけれども、あの場所を今回のような洪水が起きる可能性だって放置していたら、パラペットの話しがでましたけれども、それはもうずいぶん以前の話でしょう。今現実にはそういう洪水が起きる可能性だってあるのにもかかわらず、結局は放置していたわけです。それは、ダム建設、今のお話では委員会作って考慮中だという言い方でしたけれども、これまではですねダム先にありきの、そういう結論の中で放置をされていたと。それは武田尾の地域でも同じ事がいえます。ダムが造られたと仮にしていても、旅館のうちの二つは残るんですよ。だから今回不幸なことになったと。対応考えていきたいとおっしゃるんですけれども、これについてもやはりダムありき、どうせダムができたら結局は済むのではないかということで2戸の旅館が残るにもかかわらず放置してきたことの責任というのは、やはり重大だと思います。指摘をさせていただきたいと思います。
「越流含めた堤防補強」の検討を県当局が約束
■毛利委員■ 今のダム中心の治水対策が今すぐしなければならない治水対策に力を入れないと言う問題を起こしていると言うことを強調いたしました。こういうありかたの抜本的な見直しが必要です。その点で部局審査でも指摘しましたが、堤防の補強に全力を尽くすことが今本当に求められています。県の今の取組は武庫川の場合も堤防の検討も高水位までしか検討をしていません。
しかし、今は今回の台風でもわかったように、予想を超える雨にどう対応するかが様々な点から問題になっているのです。実際円山川では、堤防を越えた洪水が堤防をくぐりえぐって決壊をさせたのではないかと言われています。先日の報道では既設堤防の補強が補助事業の対象になるような話が出ていますが、堤防補強の必要性がいよいよ緊急の大きな課題となってきたということです。県は国の基準が高水位までしか対象にしていないという旧態依然の発想にあわせるのではなく、県が先進を切って、「越流」も含めて堤防の補強を全面的に検討をし、対策を実施したという状況を作るべきではないでしょうか。お答え下さい。
■陰山県土整備部長■ 堤防補強でございますが、兵庫県におきましては、この堤防補強の重要性にかんがみまして、本当に跳河工事に対してもこの堤防の重要性ということをずっと認識をしてまいりました。国でこのたびの被災を受けまして通達が来たり通知がきたりいたしましたが、それ以前から私たちは特に武庫川につきましては、堤防の安全性の強化が必要であるということで、調査を進めてきておるようなそのような認識で河川行政のことについては取り組んできているところご理解をいただきたいと思います。堤防補強につきまして、国の基準では、ハイウオーターまでをともかくハイウオーターには絶対発展しないようなそのような強化策を採るべきだとまず一義的にいっておるわけでございます。
私としましては、兵庫県としましてはこの度の被災状況も考えまして、どこもかもすべて全部鎧をかぶったような堤防補強をするというのは、これは財政的にも困難でございますが、資産が非常に蓄積されまた沢山の方が住んでおられるところ、また河川の状況によりまして水床部の破堤のおそれが強いところ、そういうようなところにつきましては当然超か工事に対しても耐えられるような堤防補強であるべきであると考えております。そのような観点で今後その重要度を勘案しながらハイウオーター越えたところまでの洪水に対しても考えていくべきだというふうに考えておりまして、今後そのような姿勢で計画、工法、現地の点検から計画までやっていきたいとこのように考えております。
■毛利委員■ 高水位までしか対象になっていないということも、それもハイウオーター、それも考え直すということもいただきました。
台風の教訓から本当に人命に関わる問題ですから、安全な堤防こそ求められていると思いますので一点要望をしておきます。国土研の専門家が調べたところ円山川の決壊したところの堤防の土は越流を受けると簡単に崩れる材料とのこと。越流に対して大丈夫なのか。武庫川堤防はどうなのか。きちんと調べるべきだと思いますので調査をぜひよろしくお願いしたいと思います。
福祉医療の患者負担増の撤回を
■毛利委員■ 次は、福祉医療助成制度についてです。先のわが党代表質問でも取り上げたところですが、県下56町で組織されている兵庫県町村会が要望が提出されるなど現行内容での助成の継続を求める声がさらに広がっていることを指摘しました。その上に立って重ねてお聞きいたします。ここに去る9月14日第21回神戸市医師会での会長あいさつの文書があります。ここには、県の福祉医療助成削減反対の署名が神戸市だけで77,216人集まったことが報告され、続いてこういうことが書かれています。「神戸市としては福祉政策を後退させることはできないという意見を持って、市長・県知事の二人に会っていただきました。県知事は神戸市の意向もよく分かりました。しかし、神戸市からの要望だけではなかなか議会の了解は得られない。他の市町村から同じような要望が上がれば、福祉医療費助成の削減は強行できないので、その場合は削減実施を見送るという形をとりたいと思う」という話になったということが書かれてあります。ご挨拶の中に、この文書は神戸市医師会の各会員宛に送付されているものなんです。そして、その後、先のわが党の代表質問で指摘したように県下56町で組織されている兵庫県町村会から要望が出されたわけですから、現行内容での助成継続要望は多数の市町の上っており各方面の理解も得られると思います。そこで知事、おたずねをしたいと思います。福祉医療助成の現行内容での継続を決断していただきたいと思いますがいかがですか。
■井戸知事■ まず、医師会長のどんなあいさつなのか知りませんが、私がそんなことを言った覚えもありませんし言うはずもありません。この間も行財政構造改革特別委員会で議を経ていただいて定められた内容を私が単独でかえられるはずがありません。従いましてそのような意味で非常に私は心外でありますということを申し上げておきたいと思います。私が従来から言っておりますのは、老人医療費につきましては、県単制度の本質をぜひ維持していきたい。それは県単制度の対象となるカバー率を50%以上なんとか維持しながら、しかし、70歳以上の方が老人医療で一割負担、65歳未満の方が今回二割から三割自己負担が上がって、三割になっているという実態の中で、負担限度額は従来と同様に据え置きながら二割負担にしていただこうとするものでありますし、障害者等の医療費につきましては、その本体医療であります育成医療ですとか療育医療費の自己負担額が2200円となっておりますので、1医療機関当たり一日500円月2回までの負担としようとするものでありますし、これらは厳しい社会経済情勢の変化の中で制度を維持するための見直し手直しとしてはやむを得ない措置ではないか。私はこのように考えております。また、町村会の要望をよくよく見ますと制度の継続をはかられたいと書かれておりますけれども、そのまま継続しろと書かれてはおりません。私はそのような意味で制度の根幹を維持するために今のような現実的な対応をさせていただこうと提案しているつもりでございます。ただ、県議会の行財政構造改革調査特別委員会のご報告でも触れられております課題もありますし、市町とも意見交換を実施時期を中心にしているわけであります。それらも踏まえながら県としては福祉医療制度の見直しはぜひ実施したいと考えております。
■毛利委員■ 今の答弁でまず一つはね、これは別の問題ですけれども、医師会のごあいさつに意見があると。そんなことは言った覚えがないとおっしゃるんであれば、それは抗議する中身なのかなと感想としては持ちました。けれども、今おっしゃったように、市長とお会いになられていろいろ、るる説明もされておられて、現実にはそれは制度の継続というかたちで言っているとはいうものの神戸市にしてもまた医師会にしてもそういう要求はされているわけですわれわれにとって、今のご説明では今まで通りのようなことを言われましたけれども。今市町との協議だって長いですよ。この間のね。市町と協議すると言ってから随分長い。結局はそれだけまとまってないと思うんです。だからこそこれはやはり継続をこのまま延長して、(制度を)今のままで継続をするべきだと強くこれは要望にとどめておきたいと思います。ぜひ、それは今私が申し上げた中身も含めてもう一度継続を強く決断していただきたいなと思います。
35人学級を小学校1、2年に拡充せよ
■毛利委員■ 次ですが、教育問題です。教育問題の1点目は、小学校1年生の35人学級の継続と2年生の拡充実施について質問いたします。わが党の代表質問に対し教育長は、小学校1年生では基本的な生活や学習習慣を身につけることが重要であるから、35人学級編成を認めたとしながら来年度の実施は検討中であると答弁されました。小学校1年生に基本的な生活習慣や学習習慣が必要とされるのであれば来年春入学の新1年生についても引き続き実施するのは当然である。何も改めて検討する余地もないと思います。また、小学校2年生以上への拡充について教育長は、課題も多く少人数学級ではなく少人数指導や教科担任制で進めるといわれましたが、1年生と2年生で子どもたちの発達にそれほど大きな違いがあるのではないと思います。私は今年35人以下学級を実施した県下174校の1年生について調べてみました。そのうち約160校が2年生になるとクラスが減ってしまうことになります。その中には、1クラス20人以下であったのが一挙に40人近くになってしまう学校が26校もあります。また現在、24・5人からせいぜい30人までのクラスが36、7人、いえ40人近くになるクラスがあるわけで、小学校が全体の四分の三以上を占めることになります。そこで、今年度の成果を踏まえて来年度は小学校1、2年生での35人学級の実施を強く求めます。学校現場では父母や教師、子どもたちも2年生にもぜひ35人学級を広げてほしいというのが圧倒的な声です。現場の声も踏まえて教育行政をすすめる立場から、また同時に全国の少人数学級をみても低学年から高学年に広げていく、これが常套になっています。教育長のご答弁を願います。
■武田教育長■ 本会議でもご答弁申し上げました。質問がほぼ同じでございますが、答弁を省略するわけにはいきませんので改めて答弁をさせていただきたいと思います。本会議でも答弁いたしました時にも申し上げましたように、35人学級1年生の少人数学級がいいことづくめだというふうに申し上げたつもりはございません。一部課題があるものの、我々が当初予定をしておりました就学前、小学校教育入学期とのスムーズな接続をするという意味で、1年生の子どもたちがわれわれが予定いたしておりました基本的な生活習慣あるいは学習習慣を身につけさせるという点では効果がありました。しかし、一部課題があったということでこの内容を申し上げますと、学習面では大勢の前では自分が出せない児童がいる。話し合い活動では意見が偏ってしまい多様な意見がでにくい。あるいは生活面ではクラスとして活気がややとぼしい、競争心が弱くなる面があるといった課題も報告されておりまして、我々としてはこれらを慎重に検討しながら来年度のことについては検討したい。それから改めまして今国で教育改革という財源の問題としても基本的に議論がされております。研究指定校方式でやっておりますので研究指定校方式の枠が次年度以降どうなるのか、あるいは全体の義務教育費の負担区分がどうなるのか、あるいは来年度は暫定的にどうなるとしても恒久的な制度がどうなるのかこれが今我々としては説明を受けておりません、文部科学省から。従いまして、効果についての検討、それから先行きの教育改革の状況も見守りながら検討したいと申し上げたつもりでございますのでご理解をいただきたいと思います。
■毛利委員■ 同じ事を言うということはそれだけ要望が強いんですよ。それとその今の言い方ですと大変失礼ですよ。改めて今決算で取り上げているわけですからね。その姿勢は私は間違いではないと思っていただきたいと思います。
それと同時に、今課題の面が言われました。成果の面は随分あります。おっしゃられた以上にね。要望もうんと強い。世界の流れ国の流れがそういった少人数学級に向いていると。だからぜひ、検討されておられるということですけれども決断をしていただきたいというふうに思います。
理由にならない鈴蘭台と鈴蘭台西高校の統合
■毛利委員■ 教育問題の2点目質問したいと思います。これは「高校改革」、高校統廃合の問題でお聞きをしたいと思います。県教育委員会は3月24日に県立高校第1次実施計画における後期分に関わる推進計画対象校について発表されました。その中に統廃合校として神戸第2学区では県立鈴蘭台高校と鈴蘭台西高校を2007年度に統合するということが言われています。その理由の中にこう書いているんです。「少子化により学区全体の学校小規模化が懸念される神戸第2学区にあって直線距離で約2.5キロメートルと近接する2校を統合して学校規模を大きくすることによって活性化をはかる」それと同時に特色ある普通科ということが書かれてありました。
さて、県教委は距離を統廃合を理由に学校が近接しているからといいますが理由にはなりません。同じ学区内には県立兵庫高校と県立夢野台高校がありますが、この2校は直線距離で400メートルしか離れていません。また神戸市立神港高校も400メートルの距離にあります。また教育委員会審査でもありましたが普通科高校の開門率は全県平均で51.9%と、普通科への進学が狭められていますが、第2学区はもっと低いのです。35.7%しか進学できません。だから父母や卒業生の方々等が11月24日2000名近い署名を集めて県教委に統廃合の計画を白紙に戻してくださいと要求されました。そこでは、地元や父母、卒業生は統廃合のことをほとんど知らされていないことから、12月11日に県教委に説明をする会を求めたのに対し、これも拒否をされる。兵庫県が、参画と協同といわれながらなんという態度でしょうか。説明もできない統廃合はまず撤回をし、学んでいる生徒や第2学区内の中学生から本当に子どもたちの立場に立って要望を聞くべきではないでしょうか。お答え下さい。
■武田教育長■ 今発展的統合の問題とこれらを進める上での説明の話がございましたけれども、少子化の問題、子どもたちを取り巻きます教育環境の変化、こういったものを前提といたしまして、平成10年に実はご案内の通り全日制高等学校の長期構想検討委員会が立ち上がりまして、これらの社会情勢の変化の中で、これからの兵庫の教育はどうしていくかという、将来の10年にわたる長期的な計画づくりあるいは考え方の整理をされた訳でありまして、その当時すでにそれぞれの学校の適正な規模、あまりにも生徒数が減っていく中で、学校の規模があるいはクラス数がどれくらい維持すれば効率的なあるいは魅力ある学校が運営できるか。そういった中で発展的な統合ということが打ち出されたところでありまして、この報告を受けて作られたのが兵庫の県立高等学校教育改革第1次実施計画であります。その計画に基づいてすでに但馬でも尼崎地区でも計画が進んでおりまして、これはさきほど申し上げましたように児童生徒数の変化あるいはそれぞれの学校がどのような特色を出そうとしているか、そしてその特色を出そうとしておるけれども2校が一緒になった場合相乗効果でいっそう特色が出る。もっと子どもたちにふさわしい選択肢が選はれるような学校づくりができる。そのようなことをトータルで話をしておりまして、その判断の一つに必ずしも遠距離の学校をわざと統合するよりもむしろ近い方が良いだろうと。しかし、その距離は単に地図上の距離だけではなしに、交通機関の距離もあれば心理的な社会的な歴史的な距離もこれはトータルで判断するわけでありまして、単純に地図上の距離でもってここよりも短いところがあるというふうなかたちで我々は選択したつもりはありません。トータルでいろんな学習環境をトータルで判断したことはご理解いただきたいと思います。
それから説明会の問題につきましても、われわれは昨年度に統廃合する学校名も淡路地区それから神戸地区で発表させていただきましてこれについてはそれぞれの学校毎にすでに説明もさせていただいてますし、どのような学校にしていくかというような検討委員会も立ち上がっておるわけでありまして、われわれ説明を何もしていないということではなしに、それぞれのところで説明を順次適宜適切に実行しおると考えているところでございます。
■毛利委員■ その該当の方々が説明を受けられていないと言っているんですからね。
それは今説明したとおっしゃるけれども、例えば地域フォーラムなんかでも随分前の話ですよ。少子化の話もありました。けれどもご承知のように神戸の北区というところは、この学校のあるところ、ここは見ていただいたら分かるように子どもの数そんなに減ってないんですよ。その少子化の問題だってあたっていません。今のトータルで考えるとおっしゃるけれども、それを学校の同窓生や子どもたちや父母や地域の方にそのままそっくり説明して下さい。きっと分からないというと思います。今の説明ではとうてい分からない。だからこそ本当の意味での説明会をやってあげて下さいよ。参画と協同というならば。それを避けて通るのはこの地域の統廃合をしないでと言っている方々の声に背くことになりますから、これは強くこれも要望しておきたいと思います。
県警の文書ねつ造の背景にある検挙ノルマ
■毛利委員■ 次は県警察本部に対して質問したいと思います。昨日も部局審査で質問いたしましたけれども、いわゆる自動車警ら隊による文書ねつ造問題というのは、このねつ造事件の件数増加が職務質問強化月間が背景にあるとノルマと文書ねつ造との関係を認めながら、通常の検挙件数も多いのでノルマ主義の結果ではないと答弁をされました。
全く矛盾した答弁となっています。現実の数字で表れているように、ノルマのきついときにねつ造が多発しているのは明らかです。文書ねつ造とノルマとの因果関係がある、文書ねつ造の背景には検挙ノルマがあるとはっきり認めるべきだと思いますがいかがですか。
■巽警察本部長■ このたびの事案におきましては、本来県民の安全を守るべき警察が県民のための警察活動を行うべきところを、上司も隊員も隊内部の努力目標の達成というものにあまりにも拘泥して隊員達が不正な報告を行うなどして、安易に目標数字を確保しようとしたものでありまして、また幹部がそういったものを管理が不十分なために見破ることができなかった。こういうことでチェックができなかったということでございます。
先ほどそのノルマが高い時期に増えたというご意見ございましたけれども、私どもとしては努力目標を立てて仕事をするということは必要なことだと考えているところでございまして、ただ要は県民のための警察活動という観点から目標を正しく設定する。そしてその目標に向けた遂行状況を確実に管理指導するということが重要なことであろうというふうに考えているところでございます。
■毛利委員■ 答弁は同じようなことがくり返されているわけですけれども、そのような姿勢では、不透明な幕引きといわれても仕方がないなというふうに思うんです。
そこで具体的にお聞きしたいんです。これに関連しているんではないかというご相談が私のところへ届けられました。それは、自転車を盗まれて困っていた川西にお住まいの方からこんな相談なんです。
それは、警察から電話があってあなたの自転車を見つけたと。自転車盗まれて困っていた方なんですけれどもね。あなたの自転車を見つけた。もう新しい自転車を買われましたかと聞かれたところ、買ってないと言いますと、話が続いたわけです。その自転車に乗ろうとした人に尋問しますとその女性は実は知り合いから5000円で買ったと言っている。だから、5000円を出して返してもらえないかと。これは警察側の話なんです。長いやりとりのあとその相談をして来られた方は元公務員の経験を持っておられた方なんで行政がそんなことを間に入って5000円を払わないかんということはおかしいんじゃないかということで、その人に会わせてほしいと言うとあわててもう自転車はいいですから取りに来てください。こういうふうに言われた。で12月1日に午前8時50分頃に受け取りに言った。そうしますと全くここでおかしい話は、受取書もなんにもいらないんです。さあ持って帰ってくださいと倉庫から持ってきたのを渡したと。
私はこの話を聞いて今回の自動車警ら隊の話を想起したわけです。文書ねつ造は盗難自転車の解決を装ったケースが多くその自転車を持ち主に返して解決されたことになって行方不明となっていたり、同僚に譲られた例もあります。今回私がお聞きした例もこの事件と関連があるのではないかと思ったわけです。
つまり可能性として二つのことが考えられます。今も文書ねつ造が行われ処分に困った自転車がこのように扱われているというような可能性。もう一つは自ら隊以外にもこのような例が行われている可能性です。
いずれにしても関連する問題として調査すべきであることははっきりしています。どうでしょうか。経過も含めて調査をお願いしたいと思いますがお答え下さい。
■巽警察本部長■ ただいま委員がご指摘になりました点につきましては私どもも全く承知をしておりませんでした。さっそく事実関係について調査したいと思います。
■毛利委員■ ぜひ調査していただいて結果をご報告していただきたいと思います。相談した方も私ちゃんとお話ができますのでよろしくお願いいたします。
三田の巨大公園の土地買収にかかわる問題
■毛利委員■ それでは最後になりますが、有馬富士公園2期計画の用地先行取得問題について質問します。私のこの問題について今年6月の本会議で取り上げました。
その後8月3日「毎日放送」でこの問題が取り上げられました。テレビの放送では「366億円の巨大公園の謎」として100億円でも巨大な公園と専門家が指摘をし、山林が相場の10倍で売買されたとして、私たちの指摘した2期事業の加茂の共有林についても報道されました。加茂の共有林は正確に申しますと脇谷山林組合の共有林のことですが、県土地公社に共有林を売却して組合員一人当たり2000万円を均等配分されたそうです。組合でその決議をした「平成13年度通常総会議案書」がテレビに映し出されました。
私はこの議案書を独自に手に入れ、読ませていただきました。議案書の9ページには土地売買契約書に関する決議書として議案が出され、同意書として50人の組合員氏名が並んでいます。その中に塔下真次氏の名前が書かれています。
県にお聞きすると土地契約に添付された50人の地権者の名簿があると言われました。そこでおたずねします。地権者の一人に塔下元北摂整備局長であり元三田市長の存在を確認されておられますか。
■陰山県土整備部長■ 2期有馬富士公園でございますが、2期事業区域の三田市の共有林につきまして、地権者から申し入れがございまして、県として検討いたしました結果先行して取得したものでございます。この契約につきましては契約の相手方につきまして組合の規約上当該5人の名義人になっておりますので当該名義人と契約をいたしました。この組合でございますが、法人格を持たない山林組合でございます。この土地を第3者に売却する場合には、組合員全員の同意が必要でございますので、組合長等の3役を通じて全員の同意を確認しております。従って担当部局でこの名簿等を見ているわけでございます。しかし、この組合につきましては法人格を有しない任意団体でございます。団体構成員の氏名などの情報は法人格を有する法人構成員の情報と異なりまして、誰でも閲覧できる情報ではないために情報公開条例第6条第1号に該当します個人に関する情報ということで非公開情報となると考えております。従いましてここで確認いたしますことはこの条例に違反するおそれがございますので確認はできません。
■毛利委員■ 私は単に個人をどうこうしようとかそういうことを言っているわけではないですよ。この土地が売られているのは、県民の税金が16億5600万円も使われているわけでしょう。大きな金額ですよ。公にあった人です。そういう意味では県民の税金がどんなふうに使われているかということが今問われている時期に確認できないというのはおかしいですね。
ご本人はその話になったら、「帰ってくれ」インタビュー受けた記者を追い返すという状況がありました。もう否定のできない事態です。
そういう中で明白な事実を突きつけられても否定せざるを得ないのは、塔下氏はこの公園の発案者であって、県立公園として貝原前知事に実現を強く迫った経緯があるからです。1990年3月31日に市長時代に貝原前知事と覚え書きを交わした本人です。自分名義の土地が含まれていることが明らかになれば大問題となったはずです。しかも6月9日私が代表質問をした翌日、地元の市会議員に塔下元三田市長から直接電話がありました。本人がもらったことを「共有林だからしゃあない」とわざわざ言ってきたんです。知事は6月議会の再答弁で根拠が明らかでないとこういうふうに言われました。また私に対しても公式の場所でこの発言として適当なのかとご心配までいただきました。今どうお考えでしょうか。それと同時にこれはひどい内容だと思いますがいかがですか。知事お答え下さい。
■井戸知事■ 私が根拠があるのかないのかと申し上げましたのは、ご質問の中で不正が行われたというふうな断じ方をなさった点について申し上げたつもりでございます。私はこの土地取得をめぐってご指摘の塔下前市長は、そのような不正にかかわるようなことをなさったかどうか私自身承知しておりませんが、そのような根拠を明示せずに断じられるということについていかがなのかということを申し上げたつもりでございます。現時点におきましても私は発言者から毛利議員から具体的に不正に当たるような事実の適示を受けた覚えがありませんし今も聞かせていただいてない。このように思っています。
■毛利委員■ 別に今不正だとか何とか言ってないですよ。不正は誰が評価するのか。不正かどうかはね。結局事実に基づいて聞いているんですよ。今のこの事態でいいんですか。私の代表質問の後、あのようにテレビでも映されたし、現に私が手元に持っている、名簿も確認している。この議案書を県当局も持ってらっしゃるわけですよ。知事だって見てらっしゃる。それについてどう評価するかということを聞いているわけでね。それでもなおかつこの塔下氏がこの事実があったかなかったか根拠を明らかにした訳ですから。私は今そのことを問うたわけです。それと併せて聞いておきたいと思うんですけれども。塔下氏は、この共有林以外の土地を持っていないとも言われているんです。独自に私調査いたしました。すると2期公園計画内には、加茂字上山之内497番地を含め4筆あることを登記簿を取り寄せて確認しました。県は、2期計画はまだ事業計画を決定していません。有馬富士公園は今後見直すともいわれていますが、このような事実がはっきりしたもとで漫然と見直すどころの話ではありません。はっきりと2期は中止と明言をしていただきたいと思いますが、先のことと併せてお答え願います。
■井戸知事■ そもそもこの加茂の共有林の取得にあたっての経過については私自身もつまびらかでありませんけれども、今までの承知している限りにおきましては、公有地の拡大法に基づき地権者から申し出があり、有馬富士公園の2期を進めるのあたって不可欠な一団のまとまりのある土地であるということ等を考慮して県として購入した経過がある。このように承知は致しております。しかしながら、有馬富士公園の2期計画については、ただいま毛利議員ご指摘のように拡張の有無については現時点で県として決断をいたしておりません。しかし、もし2期工事を実施しようとした場合には不可欠であったという当時の判断で購入されたのであろうと考えております。そういう意味で今の現時点で必要だったかという判断をするかしないかではなくて、購入した時点において必要だったかどうかの判断をしてその時点における判断はやむを得なかったのではないかということが今の時点で評価できる。そういうことなのではないかと思います。
■毛利委員■ 今の答弁では、まだまだつまびらかになっていないとおっしゃるけれども、知事が一番よく知ってらっしゃると思います。この中身について。そこで、先のテレビの話ですけれども、井戸知事もその中で「レジャーブームのころの計画はろくな計画はないよ」とおっしゃっておられる。だから、今検討しているということではなく本当に2期計画は中止すべきですよ。そういう意味ではね。
それを強く要望するんですけれども、現在もこの問題は貝原前知事時代のいわば「負の遺産」です。使い道のない「塩づけ」の先行取得用地が県下に3000ヘクタール以上もあります。その取得には様々な経緯や利権がからんでいることは大いにありえます。その点では兵庫県の土地問題は根が深い問題でありこれで終わりにはできない問題です。このようなことを踏まえて先行取得用地の問題にメスを入れる必要があることを強く指摘しておきたいと思います。
台風被害対策から福祉医療、教育、土地問題まで県政のさまざまな問題を取り上げてまいりましたが、いずれも県民の立場に立った県政転換が切実に求められる問題であり今後も追及していくことを表明をして私の質問を終わります。 |