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2002年度予算特別委員会産業労働部審査 宮田しずのり
2002年3月14日

高卒未就職者への支援策の強化・充実を

■質問■宮田委員
 私は最初に新規学卒者、とりわけ高卒者の就職支援について質問します。
 高卒者の就職問題は、もちろん全国的な問題で、厚生労働省と文部科学省は共同で研究会を設置し、高校生活から職業生活への移行に関する研究報告が発表されたが、若年期に適切なキャリアを蓄積し産業界で活躍できる環境を整備していくことが大きな課題となっているということで対応が始まっています。この問題は、私、昨年11月の定例県議会の代表質問で取り上げ、その後、知事名で県下の企業にたいし高卒者の雇用拡大が訴えられて一定の前進がありました。しかし、去る3月1日卒業式を迎え、県下全体で約7000人の就職を希望していた生徒のうち、兵庫県高等学校教職員組合の集計によると、残念ながら1割前後、約700人前後、就職の意欲がありながら就職先が決まらずに卒業したという結果が出ています。これらの高卒者は、このままいくと、いわゆるフリーターという状況になったり、就職できなかったことを自分や家庭の責任ということで、引きこもりの状態になるという場合もあると言われています。
 この高卒者の未就職問題は、新規学卒者を採用する企業の割合が、89年以来最低の記録になっているという、ここに原因があると思うが、いろいろ困難な問題もあります。6月まで学卒者扱いということですが、卒業すると、学校との、先生との関係も急速に薄れていく。それから家庭内で孤立した状況になってくるということで就職活動がますます困難になってくるわけです。ですから、卒業後の未就職者にたいして引き続いて就職支援を実施することが非常に重要な課題だと思うが、この点についてはどういう対応されていくのか答弁を願います。

▼答弁▼田窪しごと対策課長
 新規高校卒業者の就職支援については、各種、県として、非常に厳しい状況にあるということで、支援策を次々しています。そういったことを受け、対前年では、内定率の下がり具合はだんだん少なくなってきておる状況ですが、まだ厳しいということで、例年就職面接会も年3回しかやっていませんでしたが、6回に増やすなど、対応してきています。当然、県としても、内定状況を注視しながら兵庫労働局、具体的には県下各地のハローワークということになるかと思いますが、各種機関と連係をもとに適切に対応を図っていく必要があると考えます。6月までが新規学卒扱いということで従来からやってきていますが、昨年度から、高校を卒業して未就職のままであるという方については、就職希望される場合は、ハローワークに基本的に全員登録いただいて、ハローワークの方で各種講習会とか訓練を受けていただく。もしくは各種面接を受けていただくという形をとっています。また県としても、未就職のまま学校を卒業することになった場合には、職場体験の機会を提供する高卒未就職者向けのプログラムを、来年、新たに実施したいと考えておりますし、国の試行就業を通じて常用雇用を推進する若年者トライアル雇用事業といったものも始まっています。そういったものも積極的に活用しながら各方面と連係を取りながら円滑な就職に向けて最大限の努力をしたい。

■質問■宮田委員
 答弁された新規施策の高卒未就職支援プログラム、これは、定員がわずか50名です。それから国の若年層トライアル雇用事業、実績見ると12年の1月から14年の1月までの実施件数はわずか5件だということです。今県が、県立の職業訓練校、いわゆる能力開発施策を実施をしているが、これも全部4月入校ということで募集が終わっている。3月に卒業して就職が決まっていないこの人達を対象にした、いろんな訓練施設なり、県がやっているあるいは国がやっている施策というのは非常に限られた内容になっている。ですから仮に700人決まらずに卒業した人があるすると、その人達の1割前後しか対象になっていないのが実態だと思う。
 ですから私は、こうした実態をしっかり踏まえて、当面は未就職者全員を対象にした相談体制、それから企業にたいする働きかけ、集団面接会といったものを引き続いて実施をする必要があると思うので、この点についてどう対応されるか答弁いただきたい。
 それから、もう1つは、就職のためには何らかの技術なり技能を身につけることが非常に重要だと言われています。この点では、既存の職業訓練校だけでなく、高卒者あるいは若年者を対象にした、もっと幅広く参加できる新たな職業能力開発事業が必要だ。職業訓練校みたいなものが必要だと思うので、ぜひ今後検討していただきたいので、この点併せて答弁いただきたい。

▼答弁▼田窪課長
 高卒未就職者の対応で実績の部分で指摘ありましたが、未就職のまま卒業して就職したいという方については、県下のハローワークに登録していただくということで、昨年の春、卒業された生徒で未就職であった方が、昨年の12月末ですが、登録された方が787名、そのうち就職された方が、いろんな事業にやっておりますが、その就職事業で268名が就職された。就職を諦めた方もおられるでしょうが、12月末現在で99人がまだ就職活動やっているということで、国の方で、未就職のまま卒業してまだ就職したいという方については全員支援対象としてやっていく対応がされているということを理解いただきたい。
 また、未就職で卒業した方にたいする特別の訓練として、これも国の事業ですが、民間教育訓練機関に委託して実施する訓練を別枠として設けています。残念ながら用意した募集定員よりも少ない応募人員となっている部分も一方であり、実績として13年度実施分としては29名が受けられたという状況もあります。国とも幅広く連係をしながら、高校卒業して未就職となった方についてもできるかぎり早く就職に結び付けるよう積極的な対応を図っていきたい。

▼答弁▼玉井能力開発課長
 高卒未就職者就職支援プログラムについて、定員が50名と少ないのではないかという指摘あったが、この定員を当初設定するにあたって、現在大学・短大卒の方に向けてユースワークプログラムをやっていますが、その定数と本年1月の未就職者の状況を勘案して、本来35名でしたが50名に増加しています。それから高卒者にたいして国がおこなっている未就職者能力開発支援事業も活用して、今後県の能力開発施設の見直しにあたって6カ月訓練の増強も考えて対応してまいりたい。


雪印食品解散にともなう解雇者へ再就職支援を

■質問■宮田委員
 卒業すると国の責任ということが強調されるが、全国的にはもう今はフリーターが200万人、5人に1人がそういう状況にあるということで、日本の将来にとっても、また企業の今後にとっても非常に重要な問題ですし、県政の課題としても本当に重要な課題だと思うので、引き続いて検討して強めていただくように要望してつぎにいきたい。
 雇用問題の2つめは、宝塚の雪印食品の会社解散に伴う雇用問題についてです。異常な売り上げ第一とコストダウン政策を取り続けてきたなれの果てに、輸入牛肉を国産牛に偽装する詐欺事件まで起こして、ついに企業解散に至りました。本当に言語道断といわなければなりません。消費者への裏切りということは言うに及ばず、まじめに働いてきた大多数の労働者は、3月10日に嘱託・アルバイト・パート労働者が、そして3月末には社員も解雇となり、悲惨な状況に追い込まれています。
 われわれのところにもいろんな声が寄せられているが、ある50代の女性は「パートタイマーとして26年間勤務をしてきた。夫の会社も3月末で閉鎖になって、夫婦2人とも失業になって、家のローンも残っているのにもうショックで新しい職場に挑戦する勇気も湧きません」と話しています。また40代の3年間勤続してきたアルバイトの女性は「高校、中学、小学生の3人の子どもがいて、学資が一番多く必要な時に大打撃を受けている」という訴えもありました。この問題については、これまで西宮のハローワークとか、宝塚市、また阪神北県民局も一定の対応をされてきています。しかし、会社幹部の不正によって、突然の解雇という特殊な状況のもとで、心の問題、健康の相談それから再就職の支援等がいっそう求められています。県として、いっそうの対応を強めていただきたいが、この点の対応を。

▼答弁▼田窪課長
 雪印食品の不祥事の結果、同社の宝塚工場のパート・アルバイトが3月10日付けで解雇という事態になりましたし、業者自体も4月末に解散となり、それに伴って正社員の方の雇用の問題も懸念されています。同工場を離職する方にたいする、県の再就職支援は、阪神北県民局が中心となって、2月7日にはキャリアカウンセリングや相談会、融資等といったものの資料提供を会社の方におこない、会社を通じて離職される方に利用を呼び掛けた他、2月28日には、西宮のハローワークと連係して、再就職のための面接の受け方を説明するとともに、雇用保険の関係の手続きの説明をおこなう緊急合同相談会を開催したところです。さらに県民局に設置している地域労働相談しごと情報広場において、再就職に向けて仕事に関する情報の提供とか相談、さらにはキャリアカウンセリングを実施するほか、労働相談にも対応することにしています。県としては、産業労働部また県民局が一体となって、同社の離職者の支援に取組んできていますが、さらに兵庫労働局、公共職業安定所とも密接な連係のもと、情報収集や支援策の実施に努めており、今後とも関係機関との連係を含め、同社の従業員の離職者の再就職支援に最大限努めたい。


衛生研究所と公害研究所の機能縮小やめ、研究試験の発展・充実をはかれ

■質問■宮田委員
 いっそう強めていただきたい。
 つぎに、行財政構造改革推進方策に基づく衛生研究所と公害研究所の再編統合に関連しておたずねします。
 この再編の基本的な考え方として「両研究所の技術、経験、マンパワー、機器等を総合的に活用し、調査研究を一体的に実施をする」としています。提案されている組織改正案は見ているが、この施設や人的体制はどう機能的あるいは一体的なものに配置をされるのかうかがいます。

▼答弁▼大裏科学技術政策課長
 本年4月から設置される健康環境科学技術センターについては、人の健康とそれを取り巻く水・大気・有害物質などの環境を一体的に取り扱い高度な試験分析機能なり調査研究機能の強化を目ざしていくものです。今回の統合に伴って、内部組織の再編に伴う部の再配置についても、現行のそれぞれの庁舎に分野毎に一体的に配置していく、あるいはそういうことを基本としながら、組織の体制についても従来では別の組織で困難であった問題、指摘のような機関の技術とか経験、マンパワーの問題、あるいはその他健康被害に対応する一体的な危機管理対応の体制、あるいは企画情報部門を新たにつくることで情報提供機能を強化していく。このようなことによって科学、保健衛生と環境行政を一体的・科学的に支えていく行政サービス機関としての機能の充実を図っていくということで進めたい。

■質問■宮田委員
 しかし実際には、兵庫区に衛生研究所があります。須磨区に公害研究所があります。それぞれ、建物も人もほとんど今まで通りの配置といわれます。両研究所のマンパワーですとか、機器等を一体的に使うと言っても、須磨区と兵庫区をしょっちゅう行ったり来たりするというのは事実上できないと思う。今、現場では「結局行財政改革としてこのまま縮小されるんではないか」という心配もされている。
 そこで、本当に機能強化をするというのであれば、各部ごとにあるいは部屋を一つにまとめるとか、分析機器等も拡充して、もっと日常的に試験研究が一体的にできるように拡充すべきである。
 それから研究費ですが、1年間の研究員1人当りの自由な研究のための費用は、わずか10数万円しかないということも聞いているが、予算面ももっと拡充して、本当に試験研究が前進できる拡充をすべきだと思いますがどうでしょうか。

▼答弁▼大裏課長
 建物の一体化については、今回の調査は、それぞれそのままで同じ職員が使うということではなく、組織の再配置に伴って現在須磨区にいる方が兵庫区に移るという異動もおこない、できるだけ同一分野の方々はいっしょに仕事をしていただく、機器も共用していただく。そのようにすすめることで研究面でも統合の効果をあげていくことを基本に考えています。もちろん昨年度の中期事業計画の策定に向けての科学技術会議の議論の中でも「今後は建物を一体化させることで統合の効果をよりさせることは望ましい」という意見をいただいてる。今後の課題としてはそのような問題も幅広く検討すべだと考えます。
 また、研究費については、行財政構造改革がすすめられる中で、研究費を着実に確保することは、指摘の通りの課題です。そのためにも、純増は難しくても、効率的な業務の執行、あるいは研究課題の重点化に取組むことで、より実効ある研究の推進をはかりたい。

■質問■宮田委員
 ぜひ充実してほしい。
 もう1つ、試験研究機関、特に研究職の採用の問題について聞きたい。県の各研究機関の研究職員の年令構成を見ると、完全な逆ピラミッド型になっている。今後の研究職の採用計画はどうなっているかまずお聞きしたい。

▼答弁▼大裏課長
 採用計画というものは、長期的に何年何人というものではなく、毎年度それぞれの研究機関の業務の状況を見直す中で、人員また研究機関だけではなくて全庁的な行政職や他の職種も含めた職員の人員配置の中で人員配置が定められ、その中で必要な部分については新規採用等の人員補充という配慮をしておこなうことになっています。

■質問■宮田委員
 今、答弁あったように長期的な計画がない。これが、一番の問題だと思う。年令構成を各研究所ごとに見ると、全研究職の人数にたいする50才以上の年令の割合が、県立衛生研究所は61%、県立公害研究所は71%、県立中央農業技術センターが39%、県立水産試験場が31%ということで、この衛生研究所、公害研究所は50才以上が6割、7割を占めている。この数年間にも、大量に退職をすることになっているし、農業試験所あるいは水産試験所にしても、3割、4割の人がそういう状態にある。
 ベテランの能力とかすばらしいから、もちろん大事ですが、このベテランあるいは幹部も心配しているのは、せっかくこれまで研究して蓄積された兵庫県の試験研究の成果が、系統的に継承されない、断絶される。ここが心配なんだ。だから年令構成を、平均がとれるような、継承できるような構成にしてほしいというのが1つです。
 それから、たとえばO-157の問題が起こったら集中してやらなければいかんという場合、そういう時には徹夜も続くということもあるから、若い人達が必要だとか。あるいは根気のいる分析作業も若い人でないといかんということで、若い人のエネルギーとベテランの蓄積や判断力、こういうものが一体となって研究が進むということも聞きました。ですからその年その年で、一般の職員と同じように採用するのではなく、本当に長期的にこの兵庫県の試験研究の成果をどう発展させていくのか、それをまた県民の生活にどう活かしていくのかという視点から計画的にやっていただきたい。もう一度答弁願います。

▼答弁▼大裏課長
 確かに委員指摘のように研究職全員で見た場合でも、50才以上が42.9%占めている状況です。このような人員構成というのは、1つには研究職の方は高学歴、特に大学院卒の方が多いということも一部聞いています。特異な状況もあるが、結果として高年齢の方にシフトしているのは、組織あるいは業務の活性化という観点から見ると、必ずしも好ましいことではないと認識しています。しかし、採用については、全体的な行財政構造改革の取組みの中で必要に応じて、そのようなものにも今後意を用いていきたい。

■質問■宮田委員
 ぜひよろしくお願して終わります。

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