県民医療切り捨て、県立病院の民間移譲は中止を
■質問■宮田委員
今、県民は県立病院にたいする関心が非常に高まっています。私は県立病院の今後のあり方についての基本方針、とりわけ一般医療について、県民の声やこれまでの県民生活常任員会での議論も踏まえて質問します。
基本方針では、県立病院の運営形態の選択として地方公営企業法を全部適用した後「県も含めその医療を提供するにふさわしい運営形態を選択する」と書かれています。そこで「一般医療についてそれを提供するにふさわしい主体が担う」というこの「主体」とはどことどこを指すのか、これまでの常任委員会では県、市町、それに民間の3つの主体をあげていますが、改めて答弁をお願いします。
▼答弁▼青木経営課長
近年疾病構造の変化、あるいは県民の医療事情の高度化多様化に加えて民間医療機関を中心に、県下の医療提供体制が充実しているなかで、県民にたいする効率的・効果的な医療提供体制が求められていることから、県立病院においても、他の医療機関との適切な役割分担をおこない、広域自治体立の病院が担うことがふさわしい医療を明確にして、その確保充実を目指すということが必要であると考えます。そのため、今回の基本方針において、県は、高度専門特殊医療及びその他の政策医療を担うこととし、一般医療については保健医療計画や医療ニーズ、他の医療機関の状況等を総合的に勘案し、それを提供するにふさわしい主体が担うとしました。
ふさわしい主体というのは、民間医療機関あるいは日赤等の公的団体さらには市町などさまざまな主体が想定されるわけです。県としても、県民にたいして良質かつ適切な医療を効率的に提供する責務があり、地域の医療事情等によって、県が引き続き一般医療を担うケースもあると考えます。
■質問■宮田委員
いろいろ答弁いただきましたが、「民間移譲もありうる」「民間移譲も含んでいる」ということで理解していいですね。もう一度確認したい。
▼答弁▼青木課長
一般医療を提供する主体としては民間も1つの選択肢であるということです。
■質問■宮田委員
民間移譲も含んでいるということです。
つぎに、その「医療を提供するにふさわしい主体」を選択する際「各病院の収支の状況と県域の医療事情と総合的に勘案し」と書かれているが、収支の状況というのはどんな経営状態になった時のことを言うのか。また県域の医療事情というのはどんな条件が整っていることを指すのか。この点についてもお答えいただきたい。
▼答弁▼青木課長
ふさわしい選択をおこなう前に、まず今回策定した基本方針に基づいて、県立病院では、まず地方公営企業法の全部適用をおこないます。そして良質かつ適切な医療を効率的に提供する病院体制のもとで、公的負担の明確化と独立採算の確保をはかるとともに、診療機能や診療科目の見直し、さらに患者サービスの向上、地域の医療機関との連係強化等を通じて良質な医療を提供するとともに、安心してかかれる県立病院の実現をはかること、としているところです。こうした取組みを踏まえて、各病院が担うべき医療を明確にした上で、医療水準の確保に留意しつつ、収支の状況その他の運営状況さらには県域の医療事情等を総合的に勘案して運営形態を選択というかたちになっているわけですが、収支の状況というと、その病院の経営の状況がどういう状況か、あるいは県域の医療事情というのも、たとえば圏域での他の医療機関がどういう状況なのか、どういう診療科目があるのかといったことについて、総合的にいろんな状況が考えられるわけですから、いろんな要素を総合的に勘案して病院別計画、運営形態を含めた病院別計画を策定したいと考えています。
■質問■宮田委員
今言われたその中身を私は聞いているんです。つきつめて言うと、私が理解するに、今後独立採算で収支が取れる状況ができた段階、黒字になった段階と思いますが、それと比較的、医療機関が多い都市部の圏域で民間も含めた主体の選択をすると理解しているんですが、そのような理解でよろしいか。
▼答弁▼青木課長
収支の状況というと、ただ単に黒字だからどうだというわけではないわけで、状態が赤字の場合でも、この運営形態というのは県が運営していいのかどうか、民間がやった方がより効率的な場合がありますし、赤字であっても県がやらざるを得ない、地域としてはやらざるを得ない、やるために結果として赤字になる。いろんなケースがあるわけですから、ただ単なる黒字、赤字だから、それでもって民間移譲する考え方でありません。そんな状況も含めての選択ということですから、その地域の医療事情というのも、やはりその地域がどういうような医療提供体制か、県立病院もその地域においてどういう医療をしていくのかということも含めての総合的な勘案ですから、こうなったらこうだということでなく、いろいろなことも総合的に勘案して検討したい。
■質問■宮田委員
今私が述べたのは、1月18日の県民生活常任委員会での後藤理事の答弁を読み、その中には「あり方の基本的スタンスとして県立病院の基本方針の一番肝心なところは、一般医療は民間でもできるのであれば、そういうことも含めてとにかく経営をまずよくして、つぎに主体を決めましょうということである」それともう1つは「さりとて地域場所によってはそれが出来ない所があるのでそれは県として守る」と述べている。私はこの答弁を読んで先ほど言ったように理解をしたんですが、今の話でいくと、いろんな状況を踏まえてということですので、都市部の圏域だけでなく、郡部の病院も含めて、つまり一般医療をおこなっている県立の尼崎病院、塚口、西宮、加古川、柏原、淡路の病院も含めて民間移譲も含めた検討をおこなうということで、改めてそういうことでよろしいか。
▼答弁▼青木課長
病院事業、2つの観点があります。経営原則の中にあるように、企業の経済性を発揮するとともに、公共の福祉を増進するということです。当然、公営企業ですので、経済性の発揮の中で、ムダなことをやってないかという観点での経済性は十分にする必要はありますし、公共の福祉という観点で、県民の医療の充実という観点からどうしていくのかというようなかたちです。ですから委員が指摘されているような民間移譲、民間移譲とおっしゃいますが、その中にはそういう言葉は1つもありません。やはりふさわしい形態の中でどういう選択をしていくのかということですから、そういうのを今後いろんな状況を判断しながら、検討していきたいと考えており理解いただきますようお願いします。
■質問■宮田委員
私はあえて民間移譲ということをたずねたんですけれども、「ふさわしい形態」という言葉で、またどこがふさわしいか、「主体」という言葉で書かれているんですが、今、県民のみなさんが一番知りたがっているのはその「主体」の中身です。ですから最初に確認したように、県と市町そして民間とおっしゃった。これは民間に移譲するわけでしょう。言葉として民間移譲ということが書いてなくても、これは民間移譲だということははっきりしているわけですよ。ですからその点は、はっきり確認しておきたいと思います。
その上で、民間移譲の問題について質問したいと思います。当局は「県立病院のあり方検討の必要性について」ということで「県下の医療供給体制が充実をしている中で、他の医療機関との役割分担をおこない、県は高度専門特殊医療を担う」としておられます。しかし一般医療においても、いくら民間の医療供給体制が充実したと言っても、なお県立でなければできない大きな役割があります。
尼崎の例でいいますと、開業医が733あります。民間病院が25あります。これらと連係をしながら3つの公的病院が中核病院として役割を発揮しています。それを示す一つの例ですが、ある民間病院の医師が、最近、つぎのように語っておられます。「民間の大変さを日々感じながらやっています。患者さんの為にこういう機械を入れたいと思っても予算がなく1年延ばし2年延ばしになり、また全般的な医療をやろうと思ってもマンパワーを含めて民間では無理です。そこで特化した部分、この分野はがんばろう、この分野はできない。取捨選択をしながらやっています。民間がやっていくためにはいざという時にお願いできる公的医療機関があるかどうか、非常に大きなことなんです。尼崎の中で県立病院がなければ民間医療機関の医療も成り立たないと思うんです」こういうふうに言われています。
私はこの医師の発言にあるように、いくら民間の医療機関が発達しても、現在の医療制度の中では限界があり、一般医療においても県立病院の役割は絶大なものがあると思うんですが、この役割についてどういう認識をお持ちでしょうか。
▼答弁▼青木課長
県立病院は時代の変遷に応じて、県民に良質な医療を提供してきました。近年疾病構造や医療環境が変化するなど、県立病院を取り巻く状況が大きく変化している状況です。こうした中、県立病院が果たすべき役割となると、採算が確保できず民間病院の取組みが困難であったり、あるいは一般の市町が独自に実施することが困難、あるいは著しく非効率な医療という、こういったものを提供するとともに、やはり他の医療機関との連係を強化して、県民にたいして効率的効果的な医療を提供するというのが、要は重要な要素だと考えています。このため、県立病院においては、広域自治体立の病院が提供するにふさわしい医療を提供するという観点から、高度専門医療、特殊医療その他の政策医療こういったものを充実するとともに、具体的にはガンあるいは脳血管疾患あるいは小児、周産期母子にたいする医療、さらには特殊医療としての精神医療、災害救急医療等の特殊医療を充実していく必要があると考えます。
■質問■宮田委員
県立病院のあり方検討の目的のところに「患者の立場や選択を尊重した医療サービスのいっそうの向上を目指す」と書かれています。しかし、民間に移譲した場合、現在、県立病院が果たしている役割を後退させないで向上がはかれるのか、極めて困難だと言わざるを得ない。われわれもすべて県立が水準が高くて民間が低いということを考えているわけではありません。民間が果たしている役割も非常に大きいという認識も持っています。しかし、現在の医療機関をとりまく情勢、とりわけ診療報酬だけで経営をしていかなければならない民間の医療機関にとっては、今回の診療報酬の引き下げで、事業収益が2割から3割減少するだろうと言われています。必要な医療機器の更新も先送りをせざるを得なくなるとか、あるいは人員を削減するとか、入院患者の早期退院でベッドの回転率を高めるということを余儀なくされる。ひいては患者サービスの後退につながるのではないかと危惧されています。こうした中で、地域医療を守り、向上させるためには、一般医療においても、県立病院として医療機器を始め施設設備体制をいっそう充実をして県民の願いに応えることこそ、県が取るべき立場ではないかと思います。今回の公営企業法の全部適用については意見が別れるところもあります。しかし県立病院の民間移譲については、大多数の県民が反対です。
私は、県が本当に患者の立場や選択を尊重した医療サービスの向上を目指すということであれば、この「ふさわしい主体」の中から民間という内容をはずすべきだと思いますが、この点について明確に、理事ぜひ答弁いただきたい。
▼答弁▼青木課長
ふさわしい運営形態ということですが、やはり医療の全体の状況、民間医療機関の量あるいは質の充実という観点、そのような充実の中で、県立病院というものがどういうような医療をしていくべきか、民間病院と同様のことをしても結果的にはいっしょなわけですから、県立病院は広域自治体病院としてやはり良い医療、レベルの高い医療をしていく必要がある。そういった意味からの役割分担という考え方で、基本的に一般医療についてはふさわしい形態を考えていますから、そういう中での役割分担を踏まえながら、また地域のいろんな事情もあるので、一概に民間がこられないあるいは移譲できないということもあり、県ということも考えている。いろんな幅広い選択の中でより県民に良質な医療提供するための体制としてどういうものがいいのかということは、今後十分検討しながら、それを選択していきたい。
県立病院改革に県民の声を反映させる努力を
■質問■宮田委員
大多数の県民は、民間移譲については反対だと重ねて強調して、この問題については引き続いてこれからも議論していきたい。
つぎに、今後のあり方を検討する場合、県民の意志・要望は最も尊重されなければならないと思います。念のため聞いておきたいが、一昨年の秋以来、尼崎市民の間で塚口病院の民間移譲の話が広がり、県立病院として存続を求める声が高まりました。私達もいろいろな形で、撤回をして県立病院として充実するように要望しました。その後、県当局からは一旦は白紙にするとの見解も示されたが、これについてはどのようにお考えでしょうか。
▼答弁▼後藤理事
県立病院の今後については本会議でもお答えしたように、先に定められた基本方針をもとに、来年度さらに検討を深めて肉付けもおこなってマスタープランとでも呼ぶべきものを策定して、その後おおむね3年を目途に、塚口病院も含めて県立病院個別の基本計画を定めることにしています。この基本計画の策定の中で、塚口病院も担うべき医療が明確にされるとともに、医療を提供するにふさわしい主体、運営形態も明らかになっていくものと考え、現在のところ民間移譲については白紙の状態です。しかし地域における塚口病院の民間移譲の話が出ているとすれば、県としては民意にそった県政を推進する立場から、早期にその適否、移譲条件、処方等について検討を始める必要もあると考えますが、現在のところ民間医療機関等からの申し出等、具体的な話は聞いていない状況です。
なお、民間医療機関の運営に関しては、公営企業法では、行政の枠の中で運営ということである意味厳しいところもあるが、自由競争がしやすいといった評価すべき面もあり、運営形態として一概に問題があるとはいいがたいわけですし、現に兵庫県においては、県民の健康を考えた場合、民間医療機関の果たしている役割はきわめて大きく高く評価されるべきだということを付け加えさせていただきたい。
■質問■宮田委員
いろいろ答弁されたが、阪神間は、非常に医療機関は発達している面はあると思います。しかし、そういう中でも県立病院の果たす役割が非常に大きいということを、私は強調したんですが、そういう点をぜひ踏まえてほしいということと、私が重ねて聞いたのは、尼崎の市民のみなさん、阪神間のみなさん、県立病院を利用されているみなさん、みんな県立病院として存続してほしい。これがみんなの願いです。ここのところきちっと踏まえてやっていただきたいということですので、重ねて強調しておきたい。
つぎに、基本方針の県立病院が目指すべき方向の中で、常に良質な医療を提供するために、定期的に機能や診療科目を評価し見直しをおこなうということがあります。この診療科目の見直しは、今後どんな段取りですすめるのかお答えいただきたい。
▼答弁▼青木課長
疾病構造の変化や医療ニーズが高度化多様化している中で、県立病院が今後とも良質かつ適切な医療を提供するためには、診療機能を評価し、診療科目の見直しをおこなう必要があると考えていまです。診療機能の評価というと、県立病院において提供している医療が、人的あるいは設備的また質的量的な視点で、良質かつ適切な医療を提供しているかどうか、そういうことを検討するわけですが、今後今回の基本方針を具体的に推進するために、病院局に学識経験者や病院経営に精通した専門家を構成員とする県立病院ありかた検討会議、これ自体は仮称ですが、こういうものを設置して、そのもとに外部識者を入れた検討委員会を設置して、こうした委員会の中で県民の医療ニーズ、あるいは他の医療機関の状況等を踏まえながら、診療機能の評価・診療科目の見直しについて検討をおこないたい。
■質問■宮田委員
今後検討していくということですが、私はごく最近、県立西宮病院で救急医をなくし救急患者はそれぞれの診療科が対応するといった内容が提起をされて問題になっているという話を聞いたが、県当局はそういう内容の検討を指示されているのかどうか、うかがいます。
▼答弁▼青木課長
診療機能の評価という点で、県立西宮病院が現在、救命救急センターを持っているが、基本的にそのあり方については、先ほど言った形の中で検討するということだが、そういうような、充実するという観点でそういうものが検討されているのではないか。
■質問■宮田委員
県として、その検討を指示したのかどうかと聞いたんですが、もう一度お願いします。
▼答弁▼青木課長
指示したおぼえはありません。
■質問■宮田委員
「指示したおぼえはない」と言われるが、西宮病院の救急医はドクターが7人おられ、まわりの関係職員もみんなこのことは知っている。2月の25日に病院長から、救急のドクター全員に「県より救急医の撤廃を再三言われている。この問題を話し合ってほしい」という提起がされて、話し合いをされ、その後も2回話し合いがされ「急性期医療については、救急部門のことが多いので、撤廃はできない」という意見で、今「全員がオーケーしていないということで保留の状態になっている」と言われるんです。これは、関係者がみんな知っていることです、それから県からそういう指示を受けて、そんな検討をしているということを言われている。本当にやっていないんですか。もう一度答えてください。
▼答弁▼瓦上管理課長
各病院とも毎年毎年、診療機能あるいは診療体制を充実していくために、各病院でそれぞれ来年度はどういった体制、もっと充実していくような体制ができるのかどうかについて、各病院で個別で検討されている。西宮病院も救命救急の部分に関して患者数、年間六百数十人と言ったような非常に医師の数あるいは医療技術職の数から言って患者数が少ないということ、あるいは現在対応している救急の範囲がかなり狭いということもあって、なんとか効率的にできないかという観点も踏まえて、病院でより効率的な体制がとれないか検討されていると聞いています。
■質問■宮田委員
こんな大事な問題を病院で検討されるはずがない。私は何回も確認しました。県からそういう指示があって議論されていると聞いています。話はさらに具体的で、今言われたように、患者の件数、これは確かに淡路病院と比べても少ない。他の病院と比べても少ないけれども、しかし急性期の患者というのは非常に救急部門が多いとかいろいろあって、この部門はどうしても外せないという議論になっている。特に淡路病院では、救急の専門部はなく各診療科が対応している。そして西宮では救急部門では採算がとれないからこれを撤廃しようと言われている。こういう話です。こんな話を病院長が独断でするとか、関係部分が独断で話せるということは、できないと思う。
もう一つ聞きたい。西宮病院の救急をどう位置付けているかということです。今年1月18日に県民生活常任委員会に提出された県立病院の運営と整備についての資料を見ると、西宮病院の特色として「救急医療センターの設置による救命救急医療の充実の実施」と書かれている。西宮病院の救急医療というのは、西宮病院の目玉だと思うんです。一番の特色だと。ここを廃止すると言うのは本当に考えられないが、西宮病院の救急医療をどう位置付けておられるのかお聞きします。
▼答弁▼瓦上課長
西宮病院が救急を撤廃するという発言ですが、私ども西宮病院の救急医療センターを廃止するということは一切病院の方にも話をしていませんし、病院でも廃止するという検討はされていないと理解しています。ただ、西宮病院では救急で対応できる範囲が非常に狭い、あるいは近隣の兵庫医大が救急をやっている、あるいは平成15年度以降災害医療救急センターもできる中で、西宮病院の救急医療をどのようにしていくのかを、そういったことも踏まえて今後検討していく必要があると考えます。
■質問■宮田委員
撤廃という話が出たが、今言われているのは、救急にあたっている7人の体制を解除して、各診療科で患者をみるということまで提起をされているということです。これは具体的な問題で「聞いている」ということでなく、私は県から指示がされ検討されていると思いました。このような病院の一番の特色となるような部門を撤廃することは、県は不採算部門は引き受けてお金も出すということを言われました。先ほどもそういう答弁があったと思いますが、実際にはそう言いながら、切り捨てていく、そういうことに既に着手をしていると私は受け止めています。条例や予算を審議している最中に、内部ではどんどん具体化がすすめられている。しかも昨日から情報公開の問題、情報を共有しそれから共に考えるということを再三にわたって議論され強調されているが、こういった大事な問題が、県民には全く知らされないで、どんどん内部では議論してそれが積み重ねられていく、そして結論がでてくる。これは本当に「協働と参画」ということが口先だけだと言わざるを得ない。
私はこの西宮病院の救急部門廃止の検討については、直ちに県から中止するように指導して、もし検討するのであれば、同時に情報を公開して、県民の意見を聞いたり県民参加を保障する形でやっていただきたいと思いますが、どうでしょうか。
▼答弁▼後藤理事
先ほどのおたずねのところで答弁漏れもあろうかと思うので、先に補足させていただくが、西宮病院の救急医療の位置付けは2次救急医療病院です。阪神間、南阪神の3次救命救急センターは兵庫医大となっています。ただドクターカー等持っていますので、かなりそれを補完する機能も併せ持っていると言うところです。それから、その救急部門の廃止等については、いっさい私も理事も関知していません。ただ、先ほどらい議論があったように、県立病院の今後を考える中で診療科目の見直しとか、そういうことをやっていこうということが書かれており、委員長は救急医療の専門家で、その中でまさに他の診療科目との釣り合いといった中で、より良い救急医療がどうできるのかを元に検討していると私自身思っています。
これから公営企業法の全部適用になると、病院もちろん企業管理者等の権限も非常に大きくなるが、現場の院長の自主性も非常に期待されるところで、検討の状況については私も子細に存じませんが、確認するとしても、病院においてよりよい医療目指して、そういう動きがあることは、非常に歓迎すべきだと考えますので、ご理解を賜わりたい。
■質問■宮田委員
「歓迎すべきこと」とおっしゃいますが、病院の関係者も、これだけは受けられないという話になっていると聞いていますし、ましてや市民のみなさんは西宮の救急については非常に大きな期待が込められていると思いますので、私はその言葉をぜひ撤回をしていただきたい。
以上の議論を通じて、今回の基本方針とそれに基づく全部適用は、病院経営の経済的な側面から不採算部門を切り捨てる、そして県民サービスを後退させる。ひいては、一般医療の民間移譲ということを目ざすものだということが、明らかになったと思います。これではとうてい県民の理解は得られないと思います。そういった意味でわが党が代表質問でも強調したように「基本方針」は一度撤回して、そして検討しなおすということを改めて強調して質問を終わります。 |