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2001年度決算特別委員会総括質疑 ねりき恵子
2002年12月16日

■質問■ねりき委員:今、県民のくらしは長引く不況の中、医療費や介護保険の値上げ、年金・雇用保険等社会保障の改悪で、ますます厳しさを増しています。先の知事就任1周年の新聞社のアンケートでも、県民の要望の第1は「経済雇用対策」で「52.7%」。また「経済雇用対策が不満」という声も同時に「20%」もありました。
 これは県に対する期待やもっとがんばってほしいという県民の率直な気持ちのあらわれではないかと思っています。
 そのような県民の気持ちを受け止めて以下質問をさせていただきたいと思います。

中小企業と地域経済を守る地域金融の育成を

■質問■ねりき委員:まずはじめに、地域経済を守ることについてです。
 県下の中小企業の倒産はこの10月までに631件にのぼり、年末を控えさらに倒産件数が増えることが予想され、過去最悪の更新が懸念されているところです。
 そんな中、三井住友銀行が、中小企業に対し、勝手な格付けをして、「金利を10%に引き上げる。応じなければ融資は打ち切る」という、中小企業への金利引き上げ、資金回収、つまり「貸しはがし」が報道されています。
 もともと三井住友銀行には国から公的資金が注入され、「中小企業貸し出し計画」が義務づけられていますが、実績は7000億円も下回っており、さらにこのような「貸しはがし」が広がれば、中小企業は苦境においこまれるのは必至です。
 兵庫県の指定金融機関によって、「中小企業つぶし」がすすめられているにもかかわらず、「国が中小企業への資金供給の円滑化やセーフティネットの拡充を考えている」だとか、「金融機関の評価は市場が行う」(県当局の本会議答弁)などと他人事のような態度でよろしいのでしょうか。
 今やるべきことは、地域中小企業向けの金融機関を立て直し、地域経済と中小企業に責任を負う、まともな金融の再生をはかることです。そのためにも地方自治体が地域金融を守るための行動を積極的におこすべき時ではありませんか。
 そこで私たちが先の代表質問で提案しました、金融機関の地域の活性化への貢献度を評価する条例化について、真剣に受けとめていただきたいと考えています。
 全国には、中小企業向けに「貸し渋り」や「貸しはがし」の相談窓口を設置している府県もできてきています。
 条例化の真剣な検討をすること、そして相談窓口を設置すべきと考えますが知事ご答弁下さい。

▼答弁▼井戸知事:地域金融が厳しさを増しているそのために、企業が運営に窮している事例も増えてきているのではないかというご指摘です。
 私は現下の厳しい経済状況の中で、そのような事例もあるのではないか、そのような懸念も持ちますし、併せて先日、民間機関が発表した倒産件数、近畿でしたけれども前年を件数としては下回っているという状況でありましたけれども、その機関自体の解説も、「厳しい状況に、あえて企業ががんばっている」から、まあ言わば「そういう最悪の事態が延びているだけなんではないかと」いう解説もされておりました。
 私今の事態で、雇用なりを守るのに一番大切なことは、企業の運営の継続をなんとか進めていく支えていくというのが非常に重要なんではないかと思っております。あわせて新しい雇用の場をどうやって開拓していくかということだろうと思います。
 昨年の10月から始めました「特別経営資金」も、1400億を1年間で借りていただきましたが、これも大きな私は地域金融対策につながっていると思います。
 ようやく国といたしましても、中小企業の企業債務による返済負担を軽減するための「資金繰り支援保証制度」を創設するという、かなり弾力的な制度も検討しているところでありますので、そのような動きも見ながら、「特別経営資金」の運用実態等も踏まえて適切な対応をぜひしていき、セーフティネットをはっていきたい、このように考えております。
 ご提案の条例については、私は、県が一律の基準によって行うのは適当かどうか、まだ自信は全くありません。したがいまして、適当なのかどうかの判断がつくまでは、判断を留保さしていただきたいと思っております。
 いずれにしましても県内中小企業者からの金融相談には積極的に対応していきたいとこのように考えています。

■質問■ねりき委員:今知事が言われました「企業の運営の継続を支えていくことが本当に大事だ」と思うんです。
 こういう点から、今政府がすすめている不良債権の処理が進めば、企業倒産が増えてさらに失業者が増えるという内閣府の発表もありました。こういうことを考えまして是非地方自治体がどうするかが問われている時に、中小企業を守るためにあらゆる手立てをつくすことを強く求めて次の質問にうつりたいと思います。

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宝塚ファミリーランドの存続へ県の役割発揮を

■質問■ねりき委員:この不況の中、地域経済を守る観点から、私の地元宝塚ファミリーランドの廃園問題についてお伺いをいたします。
 知事は先ほどの9月議会で、私がこの問題について質問した際に、「私企業の経営には口は出せない」「市から要請はない」という答弁はされました。
 しかし、ファミリーランドが地域経済に及ぼす影響はたいへん大きく、県の「観光動態調査」によっても、入場者数は年間110万人で、姫路城・明石公園についで3番目であります。経済波及効果も96億円と地域経済の一翼を担っています。
 このファミリーランドが廃園となれば、近隣の商店街はもちろん今の深刻な不況に追い討ちをかけることになるのは必至です。
 知事は県民が不況であえいでいるのを黙って見過ごすのでしょうか。
 つい先日、阪急は「宝塚ファミリーランド跡地開発計画」を発表しました。
 内容は全国的に見ても破綻済みの再開発の手法と同様の開発計画です。商業ゾーンにどれだけのテナントが入るのか、花の道や阪急宝塚駅、南口駅とそれぞれ既存の商業施設の競合も懸念されております。
 これに対して「ファミリーランドを存続させる会」が提案している「ミュージアム構想」。現在のファミリーランドを生かして動物園や植物園、手塚治虫記念館、歌劇、宝塚映画スタジオを、映画・音楽・演劇のスタジオとして整備していく構想です。
 宝塚ファミリーランドを文化・教育の拠点の施設として、そしてまた地域経済の核を担う施設として残して欲しいと言う市民の声はますます高まっています。
 存続を求める署名は今15万筆を超えて今も増え続けています。この県民の声に応え知事として、宝塚市とも協議をし、阪急に存続を働きかけることを再度求めますがお答え下さい。

▼答弁▼岩崎産業労働部長:宝塚ファミリーランドは長年にわたりまして家族連れの方々を中心に多くの人々に親しまれ、ピーク時に比べますと減少しているものの、ご指摘のように年間100万人以上の集客力のある施設で、県としても地域にとって非常に重要な役割を果たしているものと認識しております。
 しかしながら、この施設につきましては、豊富な経営ノウハウを持つ経営主体であります阪急電鉄が、鋭意努力を重ねました結果、営業継続が困難であると判断したものでありまして、現状のかたちでの存続は非常に難しいものと考えております。
 阪急電鉄は今年4月9日に施設閉園後の姿につきまして発表いたしましたけれども、跡地利用につきましては、商業系歌劇ゾーン、商業系開発ゾーン、ガーデンゾーン、住宅系開発ゾーンによる街づくりを検討していくことを示し、また12月4日には全体開発コンセプトとガーデンゾーンの概要等について発表が行われております。
 宝塚市の顔ともいうべきファミリーランドの跡地利用につきましては地元の方々に歓迎されるものになることが望ましいと考えており、県といたしましては具体的な計画づくりにあたりましては地元の意向にも配慮していただきますよう阪急電鉄に要請してまいりたいと考えております。

■質問■ねりき委員:ぜひ地元の具体的願いを阪急電鉄に伝えるということですので存続を前提にしたこういった多くの市民の願い県民の願いがあることを強く要望していっていただきたいと思います。

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高卒、若者の就職支援の強化

■質問■ねりき委員:次の質問に移りますが、次は雇用の問題についてです。
 全国の厳しい雇用情勢の中で近畿や兵庫は特別の厳しさが続いています。その中でも若年の雇用、高校新卒者雇用問題についてうかがいます。
 内定率62%求人数5000人弱など部局審査でもその厳しさが取り上げられ、対策の強化が議論をされたところです。
 けれども私は、その議論を聞く中で気になる点がありました。
 それは、今の就職難の原因として「高校生の就職意識の希薄さ」があげられ、「心構えの教育」として、高校生の指導やセミナーなどが対策の中心になっているということです。
 私は高校生の就職意識の希薄の背景にあるものは、「求人の少なさ」「希望し、やりがいを感じるような募集がないこと」にあり、それが高校生の「あきらめ」などの気持ちにつながっていると思います。
 県として高校生が希望の持てる求人状況をつくりだす施策の強化こそが求めれらているのではないでしょうか。
 県は、今年4月から「産業集積条例」に基づき「雇用創出型産業集積促進補助制度」を作っておられます。国際経済拠点地区の外国、外資系企業が地元雇用した場合一人60万円から120万円の補助制度です。
 このような手厚い制度がある一方で、高卒者や若年者のための補助金制度は、国の「トライやる雇用」の活用だけで、県独自のものはありません。
 そこで提案ですが、県独自に若年者や高校の新規卒業生、未就職者を雇用した県内中小企業に対し補助金制度をつくってはと提案したいと思います。
 最近では、高知、滋賀県でも実施しています。その点で県の決断をお願いいたします。

▼答弁▼岩崎産業労働部長:若年者の雇用環境につきましては、失業率が他の年齢層に比べて高く、また来春新規高卒者の就職内定率は全国水準を上回っているものの前年を下回る等、厳しい状況にございまして、若年者本人のキャリア形成や地域経済社会が求める基幹的人材育成の観点から、その改善が急務であると認識しております。
 本県といたしましても、特に新規高卒者を重点的に知事から直接産業界のトップに就職促進の協力を要請したほか、緊急経済雇用対策の一貫といたしまして県下各地域において「高校生就職支援セミナーカウンセリング」を実施しているところでございます。
 今後の対策につきましては若年層の求人倍率が比較的高いにも関わらず、失業率も高いという状況にかんがみるならば、補助金を創設するというよりも、若年者自身の職業意識の醸成でありますとか、能力開発を通じた雇用のミスマッチの解消に重点をおくことが効果的であると考えております。
 このため高校在学中からインターンシップやキャリアカウンセリングを通じて計画的に職業意識の醸成をはかるとともに、学卒未就職者を含む若年失業者に対し高卒未就職者就職支援プログラムや、国の若年者雇用安定奨励金制度などを積極的に活用して実践的能力開発の機会を提供するなど対策の抜本的強化に努めております。

■質問■ねりき委員:改善が急務といわるのであれば、やはり要望だけでなく実効ある制度を創設していただきたいと思います。
 さきほど言いました、高知や滋賀県では、高知は10万円を3カ月、滋賀県では15万円を3カ月補助ということです。
 そして、短期でも常用雇用の意志があるとか、1年を超えて雇用をするこういった常用雇用につながる条件もつけています。こういった制度をぜひ創設していただきたいというふうに思います。それを要望して次の質問にうつります。

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切り捨て「行革」でなく、福祉・医療の充実を

■質問■ねりき委員:次に、福祉・医療を充実することについてです。
 この点でも地域経済を活性化するために充実が求められています。
 政府の「経済財政諮問会議」でも、「社会保障の負担増による景気へのマイナス効果」と認められていますように、医療費など3兆円にも及ぶ社会保障の負担増は、景気をますます冷え込ませるものとなっています。
 このような中、地方自治体は国の悪政の防波堤にならないといけないと思います。
 ところが県は、県「行革」でも、老人医療費、福祉などの切り捨てで総額276億円も社会保障費を削減している。これでは兵庫の経済も疲弊しています。
 いま求められているのは、医療・福祉・教育の充実ではないでしょうか。

乳幼児医療費助成制度 一部負担の撤廃し完全無料化を

 そこでまず、乳幼児医療費公費負担助成制度について、お伺いいいたします。
 安心して子どもを生み育てたいとは誰もが願っています。乳幼児医療費助成は子育て支援の大きな柱であり、就学前まで実施してほしいという県民の切実な願いが実ったことは大きな前進でした。
 しかし同時に、5000円が上限とはいえ、一部負担が導入されたことは、不況の中子育て世代にとって、大きな負担となっています。
 5000円を超える一部負担については、手続きをすれば後で戻ってくる「償還払い制度」になっていますが、この償還払い手続きの簡素化については、先の部局審査で「検討がされる」旨の答弁がありましたので、早期の実施を求めるものです。
 私どもは、そもそもこの一部負担をなくして乳幼児医療の無料化を一貫して求めてまいりました。しかし県は、「コスト意識のためにも一部負担は当然」との姿勢を示しています。少子化対策の充実が叫ばれていることから、この負担を求めるのはとんでもないと思います。
 安心して子育てをしたいという願いを真摯に受け止め、国が少子化対策で乳幼児医療費の負担を3割から2割に引き下げたことで、県の負担は約5億円近くも減るわけですから、あと5億円あまりの負担で乳幼児医療の無料化は実現できるのではないでしょうか。
 ぜひこの無料化を実施することを求めますがお答え下さい。

▼答弁▼神田県民生活部長:乳幼児医療費公費負担助成制度につきましては、少子化対策の一貫として、子どもを安心して生み育てられる環境整備をするために、平成13年7月より通院について一部負担を導入の上、対象6才未満児まで拡大をいたしますとともに、本年7月には対象を入院通院とも義務教育就学前まで拡大したところでございます。
 一部負担につきましては、老人保健法や介護保険法におきましても、例えば世代間の負担の公平性、給付と負担の公平性の確保、医療費に対するコスト意識の喚起などはかるために導入されているものでございまして、こういった観点から乳幼児医療費公費負担助成制度につきましても、通院については医療費の1割を負担することといたしました。
 乳幼児一人が同じ月に複数の医療機関にかかった場合でも月額の上限を5000円に設定をして、無理のない範囲で応分の負担となるよう配慮しているところでございますので、ご理解をいただきたいと思います。

老人医療費公費助成の対象者3万人カットの中止を

■質問■ねりき委員:本当に納得いかない。例えこの5000円でも現金が手持ちになくって子どもを医者に連れていけないという人もいるということを頭の中に入れていっていただきたいと思います。
 「コスト意識」というのはそういった少子化対策とは相容れないことを指摘して次の質問に移ります。
 高齢者の福祉・医療についてです。
 この10月1日から実施された高齢者医療の窓口負担の引き上げは、多くの高齢者の方が、多額の支払いをしなけばならないことから、全国で受診抑制や、治療の中断がおきるなど深刻な状況下におかれています。
 保険医団体連合会の調査でも昨年よりも患者数や受診回数が減少した病院が6割にも及んでいます。
 もともとこの制度は、全額無料から出発し、国によって連続改悪され、県もそれに追随してきました。高齢者の圧倒的多数は、年金者など低所得者であり、一部の高額所得者によって平均収入が上昇しているのです。
 県が削減の理由にしている「一般世帯と変らない」というのは、きわめて乱暴な議論ではないでしょうか。さらに、高齢者は年金も改悪されて収入も減り、たいへんな生活苦となっています。
 県民のくらしと医療を守るため、来年度、老人医療費公費負担制度の対象者を5割に削減することを中止し、老人医療費公費負担助成制度を「行革」前の基準に戻もどし、高齢者へのあたたかい支援をもとめますがお答え下さい。

▼答弁▼神田県民生活部長:老人医療費の公費負担助成制度につきましては、昭和48年の制度発足以来、高齢者を取り巻く状況は平均寿命の延びでありますとか、高齢化率の上昇、定年の延長、治療率のピーク時の上昇など、身体面あるいは所得面で大きく変化をいたしております。
 単に高齢者であるとの理由で、老人医療費について公費負担する必要性は低下しているところでございます。老人医療費公費負担助成事業の所得制限の見直しにつきましては、一般所帯と高齢者所帯との間の負担の均衡をはかるために、県民の理解を得た「行財政改革推進方策」の一貫として実施しているところでございます。
 なお、従来本県と同様にトップクラスでありました3都府県のうち、東京都では平成19年には制度廃止、また、大阪府におきましても所得制限の見直しによりまして、平成15年には受給者率が30%以下となると聞いておりまして、本県50%ということで見直し後におきましても、水準は全国でトップということでございます。ご理解をいただきたいと思います。

介護保険・利用料の軽減を県独自に

■質問■ねりき委員:他府県が削減するということで、「全国でもトップクラス」ということを繰り返してご答弁されています。けれども、高齢者の生活は本当にたいへんなものです。介護保険でも苦しんでいるわけです。
 私達は、介護保険の低所得者に対する保険料利用料の減免制度の創設を、再三求めてまいりましたが、県は「今の制度で低所得者への配慮は十分」、「生活福祉資金貸し付け制度もある」と拒否をされてきました。
 しかし、保険料滞納は県下で2万人をこすという状況にあります。その多くは、払いたくても払えないという状況なんです。
 さらに、新年度の保険料については全国平均で11%の値上げが見込まれていますが、県下市町でも但馬のある町では現行の1.7倍、4758円も値上げするという所も出てきています。今分っているだけでも平均18%の値上げになることが見込まれています。
 このままではさらに多くの滞納者を生み出し、県下の各市町が独自に行っている保険料や利用料の減免による負担も増えざるを得ません。
 法律によって県の支援が定めれられているわけですから、介護保険制度の高齢者負担を軽減するためにも、介護保険料利用料の減免制度を県の制度として創設し市町を支援すべきだと思いますがいかがでしょうか。

▼答弁▼神田県民生活部長:介護保険におきまして高齢者の保険料につきましては、所得段階別に5段階に設定されておりまして、さらに市町の判断によりまして所得段階別の軽減割合の変更、あるいは6段階にするなど弾力的な設定が可能となっているところでございます。
 また、低所得者に対する減免につきましても、市町の判断で実状に応じた措置が行えることとなっております。
 利用者負担につきましても、一律に1割とされるのではなく負担が高額になる場合は上限額が設定されておりまして、低所得者につきましてはこの上限額をさらに低くするというようなことで負担の軽減がはかられているところでございます。
 さらに、こうした処置に加えまして、ホームヘルプサービスにつきまして、低所得者に対する利用者負担を軽減する事業や、社会福祉法人等から訪問介護、通所介護等のサービスを受ける場合、低所得者について利用者負担の減免を受けることができる事業を行っているところでございます。
 このように低所得者に対する軽減措置が制度化されておりまして、これら低所得者対策の運用につきましては、制度の実施主体であります市町が主体的に判断して行うべきものであると考えているところでございます。

■質問■ねりき委員:市町もがんばっているけれども、それでも払えない人がいるというところで、県の役割として、ぜひ県としての利用料減免、保険料減免の制度を設けてほしいという願いなんです。ぜひそのご検討をよろしくお願いしたいと要望して次の質問に移りたいと思います。

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30人以下学級の実現を

■質問■ねりき委員:次は、30人以下学級の実現についてです。
 私達は現在の深刻な教育の問題を解決するためにも、条件整備の大きな柱の一つとして30人以下学級の実施を1日も早く実現するよう求めてまいりました。
 全国の自治体では国の「第7次改善」で30人学級を見送れらたことや、義務教育費国庫負担制度の廃止・縮小が打ち出された中でも、地方財政が厳しくとも県の大計に立って、いまでは少人数学級を実施する自治体は22道県あり、さらに拡充する自治体も生まれています。また高校でも7つの道県が少人数学級に踏み出しています。これが全国の大きな流れです。
 私たちは、県下の小中学校全学年で30人以下学級を3カ年計画で行えば1年間で約66億円あればできるということを、2002年度本年度の「予算組み替え」でも提案させていただきました。
 財源は不要・不急の大型公共事業の「見直し」などをすればできるのではありませんか。あとは知事の決断のみです。
 県独自で30人以下学級を実施するよう知事に英断を求めますが知事お答え下さい。

▼答弁▼井戸知事:私再三申しておりますけれども「標準法」では、特に必要を認める場合には学級編成の標準を下回わる数を基準として定めることができるという規定が改正されたことは承知しております。
 それは13年4月からです。私はこのような「みせかけの改正」は、本当に文部省としての国の責任を放棄するようなものではないかと思っております。
 根拠を与えるならば財源をきちっと措置をすべきです。
 義務教育の責任はどこにあるか。憲法にうたってありますとうり、都道府県にあるのではなくて国に有るんです。国にある義務教育の責任を放棄するような対応をされること事態が問題ではないか。そういう意味からすれば、まずは国がきちっとした財源措置を講じて、地方でやれるような仕掛けをつくるべきだとこのように考えております。
 地方がかってに自らそのようなことをやることは国と地方との役割分担を乱すもとになるとこのように考えています。

■質問■ねりき委員:「みせかけ」だとか、「国の責任だ」とか言いますけれど、(兵庫県の)国への「要望書」を見せていただきました。国への要望書に、しっかりと「30人以下学級を実現するような財源保障する」とかそういう言葉を明記すべきではないでしょうか。「少人数授業をすすめるための定数改善」しか書いていないんですよ。今の要望書には。
 こういったことではやはり県の責任が問われてくるというふうに思います。
 例えば愛知県犬山市では、去年から、兵庫県と同じように特定の教科で少人数授業を行ってきましたけれども、その効果をさらに生かしたいと、2004年度を目途に小中学校全学年で、県の同意を得て、30人を基本に学級編成をすすめる方針が決められました。こういったことが全国でも行われているわけです。
 兵庫県も同じように30人以下学級に踏み切るべきだと考えますけれども再度お答え下さい。

▼答弁▼武田教育長:少人数学級のあり方につきましては、従来から国だけではなしに多くの研究機関等において調査研究がなされております。
 現在のところこの30人以下学級を含みます少人数学級のありかたについてこれをナショナルポリシーとして推進することがふさわしいかどうかという、その判断をすべき決め手がないというのが現状であります。
 従いまして、国においてはきめ細かな調査研究が続けられるということでございまして、本県でもこの調査研究というのはやっております。
 しかしながら、国同様、決め手となるものが今ないという状況でございますので、今後とも国の推移をみながら、あるいは財源面での手当てもその状況をみながら対応していきたいとこういうことでございますのでご理解をいただきたいと思います。

■質問■ねりき委員:いいものを広げていくと、少人数授業の効果を認めるのであればそれをさらに広く広げていくということが普通の考え方だと思います。
 それが多くの県民の願いであるということで1日も早い財源措置も含めた実施を検討していただきたいということを要望して次の質問に移ります。

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ムダな公共事業の見なおし

■質問■ねりき委員:次に県民のくらしを守る予算に切り替えるためムダな公共事業を見直す問題についてです。
 今、国でも地方でもムダな公共事業の見直しの流れが非常に大きくなっています。
 知事も「つくる」から「つかう」。こういう言葉を言われますけれども、現状はそうなっているのでしょうか。
 ここではムダな公共事業をすすめる「二つの仕組み」を指摘したいと思います。
 まず第1に、過大な「ハコ物」をつくって、事業が終了しても毎年何億円もつけるムダです。
 その典型が「淡路夢舞台」です。部局審査でも指摘をしましたが、全体で1400億円も注ぎ込み、中でも76億円もかけた「交流の翼港」はいまや「釣り堀」と化しています。その後豪華な国際会議場には維持費や誘致のために年間3億円も県が負担を続けています。多額の予算の割に、県民や淡路の経済のために役立っていない。
 ムダなことは誰が見てもあきらかです。
 こういったことに反省もなく、さらに「播磨科学公園都市」、「神戸三田国際公園都市」に続いて「ひょうご情報公園都市」、「小野長寿の郷」、「宝塚新都市」などを建設されようとしています。
 一部で進度調整をしていますが、きっぱりと中止凍結をすべきではないでしょうか。
 その上、「阪神疏水構想」や「大阪湾横断鉄道構想」など、壮大なムダになりかねない事業も計画されているところです。
 県の借金がどんどん膨らむなかでこれらの推進は中止すべきだと考えますがいかがでしょうか。ご答弁下さい。知事。

▼答弁▼山口県土整備部長:社会基盤整備につきましては、真に豊かな県民生活を実現するため県民ニーズを踏まえながら、計画的に推進してまいりました。
 いろいろと事業名ございましたが・・・
(ねりき:全体の流れを変えると言うことでお願いします。)
 そのうち、宝塚新都市、情報公園都市などの地域整備事業につきましては、将来の県土経営にとって重要な事業でありまして、公営企業としての独立採算性のもとに全体として健全性の確保を基本としながら、中長期的視点に立ってその推進を図ろうとするものであります。
 また、大阪湾横断鉄道構想や阪神疏水構想につきましては、兵庫県の将来に大きな役割を担うものでございまして、現在まだ構想の段階でございます。まだ事業の実現性、経済性等検討すべき課題が多くあると認識しておりまして、今後とも県民の意見を十分踏まえまして幅広い検討を行いながら取組んでまいりたいと考えております。

国の直轄事業と国家プロジェクトへの無批判な税金投入

■質問■ねりき委員:いずれにしても県民にとって本当に必要かどうか。
 先の計画の見通しがない過大な事業であるというふうに思います。
 そして、ムダな公共事業の「二つ目の仕組み」である国の直轄事業についてご質問します。
 国の直轄事業は、以前から、「計画の過大さ」と「地方への重い負担」が問題となってきました。
 例えば、「六甲山グリーンベルト事業」では、県が負担している事業以外に、国直轄の分の県の負担は100億円を超えており、その中には買う必要のない「保安林」などが含まれていることは、先の部局審査でも指摘をさせていただきました。
 また、近畿圏で「紀ノ川丹生ダム」の中止に続き、淀川水系の「丹生ダム」「余野川ダム」をはじめ、5つのダムが見直される国土交通省の方針も明らかになりました。
 今後の行方が注目されますけれども、県もこの丹生ダム・余野川ダムに関わり、これまでに約39億円の負担金を国に支払っています。
 県民が知らないうちに、巨額の税金が、こういった中止されるかも知れない事業に注ぎこまれたわけです。全くの無駄金になる可能性も非常に高くなってきました。
 これら国直轄事業について、その具体の内容も、担当部局ですら十分に把握されているとは言えず、事業の仕組みそのものが、税金のムダを生み出しているのではないでしょうか。
 地方負担ということでは、国家プロジェクト事業であった「本四架橋」についても破綻が明らかになっており、負担を地方に転嫁することは許されません。
 さらに失政の上塗りになるだろうと言われている「紀淡海峡連絡道路」や「関西国際空港2期事業」、「第2名神」などへ、県税の支出は認められるものではありません。
 これら国直轄事業の見直し、地方負担金の廃止や、ムダな国家プロジェクトへの県の税金投入をやめるべきだと考えますが、決意のほどをお伺いいたします。

▼答弁▼山口県土整備部長:国事業の例示をされましたが、そのうち2、3を例に取りながらお答え申し上げます。
 丹生ダムと余野川ダムにつきましては、共に「治水」の面から県民の生命財産を守るために、他の直轄治水事業同様、必要な事業という判断で負担金の支出をしてまいったところでございます。
 また、第2名神高速道路につきましては、県土の骨格をなす交通基盤でございます。
 また、関西国際空港2期事業は、関西圏の基幹的な交流基盤として、その推進が必要な事業であると認識しております。
 また、紀淡海峡連絡道路につきましては、今後の国の取組み動向を見ながら県の対応方針を決めてまいりたいと考えております。
 これらの直轄事業や国家プロジェクトにつきましては、現下の厳しい経済情勢を踏まえまして、十分な必要性の検証や厳密な事業評価の下、国民の理解を得ながらすすめられるべきものとわれわれも考えております。
 県としても、今後とも県民ニーズにより的確に対応するため、国土交通省といっそう緊密な連係をはかりながら効果的な事業の推進につとめてまいりたいと考えております。

■質問■ねりき委員:どれも納得のいく答弁ではないわけですが、やはり失敗が明らかなムダな事業に大量の税金を注ぎ込むことはやはり許されないことです。
 私達は県民のくらしを支え、地域経済の振興のためにも、むしろ必要とされている生活密着型の公共事業への転換をはかることを強く求めて次の質問に移ります。

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震災復興計画の抜本的な見直しを今こそ

■質問■ねりき委員:次に震災対策についてお伺いいたします。
 大震災から8年が経過しようとしていますが、被災者の生活再建、住宅再建はできていません。
 阪神淡路大震災の最高責任者は知事です。その責任を果たすために、17兆円の事業を組んだ県の「震災復興計画」の成功は、被災者がひとり残らず復旧復興を成し遂げたときではないでしょうか。
 しかし、県は「後期5カ年計画」で3兆円をこえる事業費を、いつの間にか削り、一般事業に振り分けたと言って、その矛盾を指摘すれば、「この計画は裏付けのある財源を保障したものではない」と言い訳をされました。
 しかも県は、「震災復興計画最終3カ年推進プログラム」を策定し、残り3カ年で重点的な事業をまとめましたが、被災者の生活再建、住宅再建のために必要な個人への補償をするという直接的な支援の事業費は示されていません。
 これでは、震災復興は終えることはできません。削った3兆円を個人補償に回すと言う意気ごみで、計画を見直し国に強く要請すべきですが知事の英断を求めるものです。

▼答弁▼井戸知事:もともとフェニックス計画自体はこの10年間で創造的復興を成し遂げようという意味での事業プログラムと目標を掲げたものでありますが、それぞれの事業は毎年度毎年度見直しをされ、ローリングをされ積算されるべきものでありまして、17兆円の財政的フレームを提示して、その17兆円を実現するための努力を課したものではない。このように理解してやっております。
 計画というのはもともとそういうものでありまして、その目標を明確にしながらそのプログラムの実施をはかって目指していく努力をしていくというのが計画です。
 ロボットがロボットの通り動くんだったら計画でもなんでもある必要はないわけであります。
 そういう意味で、17兆円の事業費の見込みを計上いたしましたけれども、それには一般事業がたくさん入っていたと指摘をされたのは、まさしく共産党の側ではなかったでしょうか。そのようなご指摘を受けて、「後期5カ年計画」の策定にあたっては一般事業を排除して、真に創造的復興に確実に関連する事業体系として再整備をして、後期5カ年計画として提示をさせていただき、その実現を現在はかろうとしております。
 あわせまして3ヵ年経つと、10年が経過するというこのような最終段階を迎えましたので、この時点で事業の評価をするのとあわせて、具体的な課題に対して的確に対応していく必要がありますので、「最終3カ年計画」を取りまとめさせていただいて、県民のみなさんといっしょにゴールを目指して努力をしていきたい。そのように努めていこうとしているのが現在のこの計画づくりの考え方であります。

■質問■ねりき委員:17兆円の最初の復興計画、私たちはムダな事業も含まれているのではないかということを指摘しました。その指摘が「その通りであった」ということを、いま知事、認められたわけです。
 その17兆円の枠を使ってですね、被災者の生活再建が実現できていないのであれば、それにまわすというのが、被災者のあたりまえの願いではないでしょうか。
 その点についてもう一度ご答弁願います。

▼答弁▼井戸知事:なんにも財源を枠組みとして提示したのではなくて、計上されている事業の見込み額を計上したにすぎないんでありまして、毎年毎年ローリングをしてその事業内容について見直しを加えていくのは当然のことでありまして、「絵に描いた餅にしちゃいけない」「具体的な進行をはからなくちゃいけない」と。常にご指摘をされているのはみなさま方じゃなかったかと、私はそう思っております。
 だからこそ今、最終3カ年計画として、できるだけこの3ヵ年で実現をはかるべく努力を、みんなでしていこうじゃないか、というかたちでプログラムづくりをしているところでございます。

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県営住宅の被災者と一般減免の充実で、安心して住み続けられるように

■質問■ねりき委員:本当に冷たい答弁です。
 本当に被災者の生活再建をされているのかどうか、被災者の生活の実態を見て下さい。そういった意味で、計画そのものを見直すよう強く求めてこの問題の具体的な問題に移ります。
 被災者が生活再建、「道半ば」という時に、民間賃貸住宅支援や災害特別優良賃貸住宅のオーナーへの支援など、被災者が再建できないなかで制度打ち切りをされています。
 そこでもう一つ、県営住宅の減免制度についてお伺いをいたします。
 県営住宅に入居されている被災者は多くから、特別減免制度の終了後5年の移行期間の期限切れに不安の声が聞かれます。
 被災者用の減免は、県営住宅の一般減免制度よりは「減免率」が高いわけですけれども、それでも、神戸市営住宅や大阪、京都の府営住宅から見れば、たいへん不十分です。
 そこで一般減免を少なくとも近隣の府県や神戸市並に拡充すると同時に、被災者の特別対策も拡充しさらに延長することを求めますがいかがでしょうか。

▼答弁▼山口県土整備部長:一般減免につきましては、様々なご意見をいただきました。
 われわれとしても、入居者の生活実態や社会情勢等の変化にあわせまして住宅審議会のご意見を伺いながら、適切に対応してまいりたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 なお、特別減免制度につきましては、従来からお答え申し上げておりますが、一般減免に円滑に移行するための「激減緩和措置」でございます。神戸市等でも一般減免率との他の市町との適用減免率の違いから、若干の差も生じていますが、県としては各市町と相談して適切な対応をとったと考えておりますのでよろしくお願いします。

■質問■ねりき委員:ぜひこの点でも生活実態をみていただきたい。
 一般減免をもっと拡充すれば、多くの被災者が助かるんです。
 ぜひ真摯な検討をお願いしたい。そして、民間の賃貸住宅支援の延長。そして災害賃貸優良特別賃貸住宅オーナーへの支援もあわせて要望して、次の質問に移りたいと思います。

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基本方針と矛盾する「解放同盟」との「連携」をやめよ

■質問■ねりき委員:次に同和行政についてお伺いいたします。
 今回各部局審査でこの問題を取り上げさせていただきました。
 歴史的に、法の廃止後、「同和行政の終結」が課題となっています。
 しかし、兵庫県は「人権啓発・教育」の名前で、特別対策が残されて、逆流もあることが明らかになりました。
 この課題では行政の姿勢が決定的に重要です。
 逮捕者の出た、「阪神道路公団の不正入札」でも、「同和関連企業」との癒着が浮き彫りになっていますが、「同和への特別な配慮は当然」という圧力と、幹部のもめごとを起こしたくないという「事なかれ主義」が生んだ不正であるとの指摘がされています。
 今年の解放同盟の研究集会に、県の幹部が史上初めてパネリストとして出席し、「県が方針を変えた」と注目をされています。
 兵庫県は1976年に当時の坂井知事が出した「通達」が、同和問題の「基本方針」とされてきました。それは「八鹿高校」等の事件で、「行政と運動との相互関係に問題が生じ、県民の不信を招く事態がみられた」として、「運動行為そのものへの参加や、行政がすべきものを運動に依存しすぎ、理解のないまま運動側の一方的主張を受け入れる」と、「行政が主体性を失する事態があった」と認め、結論として「行政と運動との立場を区別して、それぞれの責任を明確にする」となっています。
 前貝原知事は、1987年に「方針は変っていない」ということを認められましたが、井戸知事、この基本方針を今後も遵守されるかどうか、お伺いたします。
 知事お願いします。

▼答弁▼神田県民生活部長:同和対策につきましては、これまで33年間にわたる取組みによりまして、特別法施行の根拠となった劣悪な生活環境はすべて改善され、今後すべて一般対策によって解決をはかっていくとなったところでございまして、また、残された課題であります、「心理的差別」につきましては、これまでの取組みの成果として着実に解消に向っているものの、なお「差別落書き」や「結婚」「就職」の際の、身元調査等の事象が見られる等、今だ十分な状況には至っておらず、人権意識を高めるための教育啓発活動を、引き続き推進する必要があると考えております。
 そうした中で、兵庫県としては昨年3月に策定いたしました「人権教育および啓発に関する総合推進指針」に基づきまして、対応しているところでございます。
 いずれにいたしましても、行政としての主体性を確保しながら、それぞれの立場と責任を明確にしたうえで、同和問題の解決という共通の目的に向って協力すべきことは協力していくと言う基本方針でございまして、昭和51年の基本方針と変るものではございません。

■質問■ねりき委員:最後のお言葉は「今までの基本方針を遵守される」と考えていいわけですね。遵守されると考えてよろしいですか。

▼答弁▼神田県民生活部長:昭和51年の基本方針であります「行政としての主体性を確保しながら、それぞれの立場と責任を明確にしたうえで、同和問題の解決という共通の目的に向って協力すべきは協力する」ということでございまして、この方針につきましては変わりはございません。

■質問■ねりき委員:それでは、「変らない」というのであれば、県幹部が解放同盟主催の集会等へ参加するということは、「もうしない」ということが必要だと思いますが、その点いかがでしょうか。

▼答弁▼神田県民生活部長:先日のシンポジウムにつきましても、「主体性が確保される」ということで、参加したところでございまして、そうした場面ではいずれの集会におきましても積極的な参加を目指していきたいと思います。

同和加配を改組し、真に教育上必要な配置に

■質問■ねりき委員:さきほどの「(基本方針を)遵守する」ということと相容れないということを厳しく指摘したいと思います。
 もう一つ同和問題で質問したいと思いますけれども、「人権にかかる児童生徒支援教員」についてです。
 具体的に、数字で、配置された学校が全く変っていない地域を指摘しましたが、ここで再度確認したいと思います。
 全県で加配は387人、メニューは4つあって「同和」、「児童養護施設から通う生徒の在籍」、「外国人の子ども」、「家庭社会環境の課題を抱える生徒」となっています。このうち児童養護施設の分は10人ですけれども、外国人、家庭社会環境の要員から配置されている教員はそれぞれ何人なのでしょうか。お答え下さい。

▼答弁▼武田教育長:今、手元に資料を持っておりませんので、数字は申し上げられません。

■質問■ねりき委員:全県で昨年度から新しく配置された人数は、約11人です。
 結局ほとんどが(前年の)「同和加配」と全く配置が変っていないんです。
 さらに、この国の児童生徒支援加配を受けている人数・356人、これは全国でもトップの数字です。
 やはり、いじめ不登校学力の問題等、学校の困難な状況は当局自身も認められているわけですから、実質的に「同和加配」とは変っていない、この「人権課題にかかわる児童生徒支援」については、本当に困難を抱えている学校への加配に改組することを求めますけれども、お答え下さい。

▼答弁▼武田教育長:御案内の通り特別措置法が失効いたしました。これに伴いまして国の方でいわゆる「同和加配」を平成13年度末に廃止をいたしまして、新たに「児童生徒支援加配」をスタートさせたところでございます。
 本県は国の配置主旨を踏まえまして、不登校いじめなどの問題行動は、児童生徒の人権課題であるとともに、これらの背景には、同和問題あるいは子どもや外国人の問題等さまざなな人権課題があると捉えまして、特別の学習指導、生徒指導等を必要とする学校に教員を加配することということで対応をスタートさせたところでございまして、従前の同和加配は、旧対象地域限定の加配措置でありましたけれども、これが13年度末をもって廃止をされました。
 従いまして、今新たに取組んでおります措置は、対象地域があるから配置をしているからではなく、あくまで児童生徒や学校の状況に即して配置しているものでございまして、今後とも各学校の児童生徒の課題等十分に把握の上、より支援を必要としている学校に配置できるよう努めてまいりたいと考えているところでございます。

■質問■ねりき委員:結局、人権と言う名前に隠れて、同和問題が特別対策として続けられているという点を厳しく指摘して、この解消に向けて努力していただきたいことを求めて次の質問に移ります。

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合併推進偏重の県支援でなく、合併しない自治体を守ることを明確に

■質問■ねりき委員:次に、市町合併の問題です。
 全国町村大会が開かれてそこで「緊急決議」があげられました。
 合併押しつけ、特に「小規模自治体への権限縮小」の、いわゆる「西尾私案」に対し、町村無視との大きな怒りが表明されています。
 知事はこの「西尾私案」に対し、「合併強制はいかがと存じます」と言いつつ、18日の記者発表で、県の新しい合併推進策を提案されています。
 これは「合併後の旧市町の自立運営の保障システム」として、「合併すると役場が遠くなる、住民の声が届きにくくなるなど、合併によるデメリットの懸念を払拭する」。つまり、「心おきなく、合併を推進して下さい」という中身の提案となっています。
 県が「(市町の)自主性」の言葉をどんなに繰り返しても、このような合併する市町へ支援を強める一方では、「市町の自主的な判断」の保障や土台をどんどん掘り崩していくことにつながるのではありませんか。
 逆に、高知の橋本知事、鳥取の片山知事は、「西尾私案」に明確に反対し、合併しない自治体を支え支援することを表明をされています。
 本当に市町の自主性というのなら、こうった高知や鳥取のように、知事が合併しない市町への支援を明確にすることを、合併問題の本部長である知事に求めますが、いかがでしょうか。

▼答弁▼吉本企画管理部長:合併するかしないか、その如何にかかわらず、規模の小さい団体をはじめ、県内市町の振興のために支援することにつきましては、市町を包括します広域的団体でございます県の責務であるそれは当然のことと考えてございます。
 なお、市町合併につきましては、かねてから申し上げております通り、県や国が押し付けるものではなく、成熟社会におけます住民本位の行政をすすめていくにあたり、適正な市町の規模や町づくりの方向など、その「市町のあり方」について、住民レベルで十分に議論を展開をし、自主的・主体的な意見交換により、自ら方向づけをしていただくことを基本とすべきであると考えてございまして、県はそのスタンスで支援を行っているところでございます。

■質問■ねりき委員:合併をしようと検討をしようとしているところでも、「将来の財政運営がたいへん不安である」と。ここに問題があると思うんですね。
 そういった意味で、地方自治体の本来の仕事が果たせるような市町支援を、県の立場として、「合併をしなくても(支援)する」という立場に立っていただきたいということを求めて最後の質問に移りたいと思います。

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「防災」「震災の教訓」でごまかす、軍事貢献すすめる拠点形成やめよ

■質問■ねりき委員:「国際防災・人道支援」についてです。
 今年の対政府要求で、県は「国際平和協力支援に関するセンターの整備」を要望しています。この「国際平和協力懇談会」の「報告書(案)」が報道されていますが、この中身を見ると、「PKO参加の5原則の見直し」や「多国籍軍への後方支援の新しい法律を盛り込む」など、日本のさらなる軍事化を目指すもので、いわゆる平和憲法に背くものではないかと考えています。
 有事法制が議論され、アメリカのイラク攻撃の危険が言われている時に、日本の軍事的な行動を拡大するための、人材養成のセンターを兵庫に誘致することはとんでもないことだと思っています。
 それに加えて、誘致しようとしている場所は、県民に「防災・震災の教訓」をアピールしているところです。
 特に、「人と防災未来センター」の「2期」の建物に、来年度、「国連人道調整事務所」をはじめとする4団体が、引っ越し、「国際防災・人道支援拠点」をすすめられようとされています。
 震災記念のための事業と、このような「きな臭い」ものをいっしょにすることは、県民は絶対に賛成をしません。
 このような「センター誘致」は中止し、真に震災の教訓を明らかにする、自然災害に限った事業にすることを求めますがお答え下さい。

▼答弁▼青戸防災監:「国際平和協力支援センター」は、今も委員ご質問の中で取り上げられました、「国際平和協力懇談会」、この設置を受けまして、私ども兵庫県がむしろ「人材の教育研究訓練を行うセンター」として必要だということを国に提案したものでございまして、自然災害、紛争災害もろもろの災害に対する、そこから復旧復興のためにそういう人材を要請すべきだと提案しているものでございます。
 もとより県では、アジア防災センターをはじめといたしまして、国際的な防災・人道支援関係の機関が集積します神戸市東部新都心のメリットを生かして、情報や事業実施面で有機的な連係をはかることによりまして、阪神淡路大震災を経験しました兵庫県の特性を踏まえた国際貢献を果たすために、「国際防災・人道支援拠点」の形成を推進しているところでございまして、このような本県の取り組みを、さらに推進するためにも「国際平和協力支援センターの誘致」を行うものでございます。
 決して、「県民の安全を脅かす」「戦争の支援につながる」ものではないと。このように考えてございます。

■質問■ねりき委員:「自然災害」と、そういった「紛争」をいっしょにするということ。
 そしてやはり、今の「戦争協力法」こういったことへの体制にくみしないということを強く要望します。
 今回のこの質問を通して、県の公共投資の流れを変えて、地域経済の発展とくらし、福祉、教育の充実をめざして、本当に「県民が主人公の県政」になることを強く要望して、私の質問を終わります。

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