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2001年度決算特別委員会産業労働部審査 森田たき子
2002年12月10日

中小業者むけ「借換融資制度」の効果を疑問視する姿勢を変えよ

■質問■森田委員:私は中小企業や中小業者向けの借換融資制度の創設について質問をさせていただきます。年末また年度末を控えまして中小企業や業者は資金繰りで大変苦労をされております。我が党は今議会の代表質問でもこうした資金需要に応えるための一つの重要な方策として借換融資制度の創設を求めてまいりました。これに対して当局は「新たな貸付契約の諸費用がかさむ、また償還条件変更と本質的な効果は変らない」と答弁をされておられました。
 そこで具体的にお聞きをしますが、どういう諸費用がどの程度かさんでいくのか、またどういう点が本質的な効果として変らないのかお伺いをいたします。

▼答弁▼井上経営支援課参事:まず諸費用のことでございますけれども、基本的に借換融資という新たな融資の実行ということになりますと金銭消費貸借契約書を締結する必要がございまして、この際の印紙代が、融資が1000万円以内の場合が1万円、5000万円以内の場合に2万円必要となります。またこの借換融資に伴いまして不動産担保等必要になる場合にはそれに関します登記費用等かかってまいりますし、それから新たに信用保証で融資を受けるということになりますと新たにその信用保証料がかかってくる場合もございます。それと2点目の効果の面でございますけど、基本的に借換えを希望される方といわれるのは今後の返済の月々の返済額が借換融資で返済期間が長くなることによって軽減されるとそういう効果が一番大きかろうと思うんですが、そういった場合につきましては従前より保証協会でやっております条件変更によりまして当面の間同じように返済条件の緩和というかたちで負担の軽減をはかれると、そういう主旨でございます。

■質問■森田委員:新たにその契約を結ぶ際の費用はまあこれは精々2、3万円程度で1回あたりでこれは大した問題ではないと思うわけですけれども、また「本質的な効果が変らない」と言われるわけですけれども、結局、これは毎月の返済額が下がるということで効果は下がらないという意味でしょうか。再度ご答弁お願いします。

▼答弁▼井上課参事:諸費用の関係につきましては、例えば条件変更で最終の返済期限を変えない場合には新たな保証料の負担もかかりませんが、仮に5年程度借換の融資を受けるとその際に2年間保証付きの融資の期間が残っておればさしひき3年間分の余分の諸費用もかかってくるとこういう主旨でございます。それから効果としましては、先程申し上げましたように、大きな意味で返済者の返済条件の緩和につながる、そういう意味では同様ではないかとこういうことでございます。

■質問■森田委員:実際の効果というものは私全く違うと思います。
 現在行われております償還条件の変更についてですけれども、業者の方々にお聞きをしますと毎月の返済額は軽減をされても返済の期限は変えてもらえないために途中の返済額を減らしても最終的にはまとめて返済をしなければならないのです。この最終月にまとめて返済をする額を準備をしていくのが並み大抵のことではなく、なかなか条件変更が難しいあるいは条件変更も応じてもらえないというのが実態です。
 これで本当に中小企業や業者の方々の要望に応えていると考えられているのでしょうか。

▼答弁▼井上課参事:保証協会におきましては、例えば平成13年度で申し上げますと、年間の保証承諾の件数の半分以上の約2万4000件の実際に条件変更に応じて柔軟対応を図ってきたところでございます。ただし委員ご指摘の、基本的にはですね、融資を受けられた際の契約をお互いに守っていくという中でお互いに返済期間を守っていく努力をお互いにしていくとその中で一時的に状況がかんばしくないであるとか取引先の倒産に関連して急に資金繰りが支障をきたすとそういう場合に柔軟な条件変更しておりますし、すべてがそういう意味で最終期限を変えないというわけではございませんでして、最終期限を先延ばしした条件変更につきましても保証協会では対応しておるこのように聞いております。

■質問■森田委員:柔軟な条件変更と今おっしゃっられたわけですけれどもその中にはですね、その償還期間の延長も認められているのでしょうか。

▼答弁▼井上課参事:これにつきましては保証協会の方で柔軟に認めた対応をしておる、このように考えております。

■質問■森田委員:その一定の期限以外のそれを超えた償還の期限をそれを認めているということなんですか。再度お答え下さい。

▼答弁▼井上課参事:基本的に締結いたしました契約をお互いに誠実に守っていくとそういう努力をした上でケースバイケースでその事業者の方の困窮度それから今後の資金繰りそれから事業の見通し、そういったものを特に判断いたしまして金融機関等申し込みの中小企業者の方、保証協会でご相談されてその結果最終の償還期間を伸ばすということも十分そういった面も含めた対応をしておるとこのように感じております。

ハードルの高い「融資条件変更」でなく、「借換融資制度」の創設こそ

■質問■森田委員:私現行のこの償還条件の変更をしたくて信用保証協会へ相談にいっても様々な条件がつけられて結局条件変更できずに苦しんでいらっしゃる例をいくつかお聞きをしております。例えばその一つを申し上げますとある飲食店の女性経営者の方なんですけれども融資の残高が約500万円あって月々12、3万円を返済をされておられるんですけれども月々の返済額をなんとか軽くしてもらえないだろうかというご相談を信用保証協会さんの方にされたそうです。ところが連帯保証人が妻と息子でその息子が行方知らずになっているということで新たに連帯保証人の追加を求められております。今償還条件の変更をしなければならないという状況の元で連帯保証人のこういった追加をするということはとうていできないというお話こういったことはあちらこちらでお聞きをします。やむなくこの女性経営者は毎月しんどい思いをしながらやっとの思いで返済をして経営をしておられます。借換融資制度と変らない程条件変更で効果を上げているというふうに言われるのあれば今のこのような例の場合等も条件変更に応じて支援をすべきだと思うんですけれど応じてもらえるんでしょうか。

▼答弁▼井上参事:条件変更にあたりましては先程申し上げましたように個々の中小企業者の方のご事情とか今後の見通しも含めてケースバイケースで判断をさせていただいております。それと、もし借換え制度というものが存在したとしましても借換融資自体は新たな新規の融資というかたちをとりますことからある意味では一番最初に融資を受ける時の条件というのが条件変更を受けるよりも逆に金融機関の審査であるとか保証協会の審査であるとかそういった部分で今以上にシビアなものになる可能性もないことはないと、そのように考えております。

■質問■森田委員:「ある以上シビアなものになるかもしれない」と言われました。いろいろ言われましたけれども、この償還条件の変更にあたっては保証人付きの場合保証人の了解が必要になるわけですけれども、今のこの状況の元ですから保証人の了解が必ず得られるとは限りません。途中で保証人を替えることもできないんです。さらに条件変更した場合に不良債権扱いをされる危険性もありますので、保証協会も条件変更に対して積極的に応じているというようなわけでもないんです。
 このように、今当局が言われるように、「条件変更いろいろ柔軟に対応している」といわれますけれども、そういうふうにスムーズに行われているというような状況ではなく、非常に難しいと言うのが現実です。
 そこでやはり返済期間を延ばして毎月の返済額を少なくして営業がさらに続けていかれるようにする「借換融資制度」がどうしても必要だと思います。
 もう一度この制度の創設についてご検討していただきたいと思いますけれどもいかがでしょうか。

▼答弁▼井上参事:私どもとしましては、ご指摘の借換え融資というものが真に返済困難になられた中小企業者への負担軽減策として適当かどう、か私どもとしましては一度予審されたものを単に置き換えるだけという債務の置き換えだけに終わると言うことになれば、制度融資といった公的金融対策の上から適当なのかどうか、事務方としては疑問に感ずるところでございますが、他の都道府県で先行制度もあるということで、その実態と効果それからそれの及ぼすメリット・デメリット、この辺について十分検討した上でその対応を考えていきたいとこのように考えております。

■質問■森田委員:今中小企業をめぐる金融情勢たいへん厳しくなってきております。その中で中小企業向けの資金の円滑な提供を行うというように私ども今要請もしているんですけれども、知事もですね今回の本会議の中でですねこうおっしゃっておらます。「中小企業の金融円滑化を図ります対応につきましては、借換制度を入れて作って行くことも一つの提案だと承知をしています」と、「実態も十分踏まえた上で検討する必要がある」とこういうふうに述べられました。
 実際に他府県では埼玉県また京都などでもこういったことを実施をされているわけですから、今課長もいわれましたように、是非ともこういった実態よく検討していただいてこの「借換融資制度の創設」に努めていただきたいと思うわけです。これ非常に重要だと思いますので、この年末からでもやれるように是非検討していただきたいと思うわけですが重ねてご答弁お願いいたします。

▼答弁▼井上参事:先ほども申し上げましたように先行しております他府県の制度そのメリット・デメリットも含めまして、十分慎重かつ真剣な検討が必要な事項ではないかなと考えております。
 また、国の方におきましては改革加速のためのいわゆる「総合デフレ対策」の中でも、中小企業に対します「セーフティネット保証対策」その辺について非常に今後取組みを強めるという方針も出ております。
 県として、特に取り引き企業の倒産であるとか、金融機関の破綻であるとかそういった部分で影響を受けて苦しまれる中小企業の方へのセーフティネット対策、資金繰り対策このへんにつきまして、いかに県内でもそういった国の対策でも浸透をはかれるように、県としましても保証協会ともども、今後どういう面で努力していけるのか真剣に検討してまいりたいこのように考えております。

■質問■森田委員:私、京都府の内容を調べてみたんですけれども実際申し込みにですね、経営改善計画書の提出が必要で、不況の長期化で売上が減少していてもまた経営能力を十分に有して将来的にも安定的な経営が見込まれるという中小企業対象にして、「借換融資制度」が積極的に今認められているわけです。
 もう他府県ではおこっているという状況ですから、こういった被災地を含んだ兵庫県、ぜひともまあ年末からでもこれを実行へ移していただくように、再度強くお願いをいたしまして次の質問に移っていきたいと思います。

失業者対策に逆行する、県の職業能力開発施設の縮小やめよ

■質問■森田委員:次に失業者のセーフティネットとして重要な一つであります県の職業能力開発について質問をさせていただきます。
 今日の雇用情勢を見ますと近畿の失業率7%台が続いておりまして一方有効求人倍率は、9月で0.43倍とたいへん厳しい状況で失業期間がますます長くなってきており、失業者の生活が深刻になってきています。
 そこで、失業者の再就職を支援する取組み、とりわけ「職業能力開発事業」が必要になってきています。ところが県は県行革の一貫として県職業能力開発施設の訓練内容の縮小をすすめておられます。
 神戸高等技術専門学校と介護技術専門学校を統合されることになっていますが、両校あわせますと平成13年度募集が260人に対し平成15年度は220人で40人も募集人数を減らすことになっています。また、姫路技術専門学校も同じく195人から175人へと20人減らされる予定です。併せて60人も募集人員を減らそうとしております。
 しかし減らされる予定になっている科目の過去の募集状況を見てみますとどれも2倍以上です。セーフティネットの強化が求められている中で、県が行っていることはこれに逆行しているのではないでしょうか。お答え下さい。

▼答弁▼玉井能力開発課長:ただいま職業能力開発施設の縮小というふうなご指摘がございましたけれども、現在行っております職業能力開発施設の科目再編につきましては平成12年度の県職業能力開発審議会の審議を踏まえました科目再編ということでございまして、その基本的な考え方につきましては、必要とされる職業能力が高度化をしており、また変化も激しくなっておるということのなかで、その一方で民間専修学校が質量ともに充実をしてきておるということから、民間部門の人材要請機能を十分に活用していく。県の施設ですべて高度な訓練に作用できるというわけでもございませんので、公共民間あいまって能力開発をすすめていく、そういうかたちで民間で実施が難しい分野として社会的経済的に弱い立場にある障害者離職者の方々を対象とするもの、あるいは民間では採算があわなくニーズが高い、かつ社会的に必要と考えられる分野、あるいは民間の専修学校等ではアクセスが不便な地域を対象とするもの、あるいは需要の増大は見込まれますけれども民間での取組みがまだ行われていない先駆的なものについては、公共分野で担っていこうというそういう基本方針に基づいているわけでございまして、先程、「応募倍率が高いのにそういうものが他の科目に替わっていくのではないか」というご指摘でございますけれども、例えば介護福祉高等技術専門学院の介護福祉士科等につきましては民間の介護福祉士養成施設につきましてはすでに設置当時から比べまして養成数は当時600人程度でありましたものが今1600人程度とかなりの民間で養成をされておりますし、あるいは、自動車整備等につきましては民間でそういう施設がございますので、そういうものは民間で行っていただきまして、それに替えまして福祉器機等に関する開発技術を持つ人材を要請する福祉器機コース等福祉器機工学科等民間で対応しにくいものにシフトをいたしまして、全体で職業能力開発施設を増大強化して離職者あるいは求職者の方々に対する能力開発ニーズに応えようとするものでございます。

■質問■森田委員:今ご答弁いただきましたが、今県は「民間と競合するから」としきりに言われていたわけですけれども、民間の場合費用等が高い等という問題があって、失業中の入校希望者の方々にとってはたいへんな困難が伴います。
 例えば、自動車整備科で見ますと、神戸高等技術専門学校の募集が昨年から停止をされましたが、その分高い授業料等を払って近くにある豊岡の自動車整備学校に行っているとのことです。
 県の募集停止は、民間企業を支援し、結局県の費用を削減をして、その分を負担増を受講者だけに押し付け、まさに県民への「しわ寄せ」となっているのではないでしょうか。本当に今の失業者の深刻な生活実態を真正面から受け止めて、そしてセーフティネットの充実を考えているというのであれば、神戸高等技術専門学校、また介護技術専門学校や姫路技術専門学校は施設も、技術的な体制ももうすでにあるわけですから、訓練科目はちゃんとニーズに応じて検討するとしても全体として募集人員を増やし、そして失業者の再就職支援に全力をあげるべきだと思うんですが、この点、再度御検討いただきたいと思いますが、ご答弁お願いいたします。

▼答弁▼玉井能力開発課長:離職者の方々に対します公共職業能力開発につきましては、無料ということで対応させていただいておりまして、ただ学卒者の方々につきましては現在県の公共職業能力開発施設の一部授業料を徴収しておりますけれども特に多くの入校者の方々が経済的に困窮しておるというわけでもないというふうに承知をしております。また、そういう入校者の方々で経済的に困窮者につきましては技能者育成資金の貸付あるいは授業料の減免なども行っておりますけれども、民間の専修学校等におきましても各種の奨学金あるいは貸付金の制度も整備をされておりまして、職業能力の習得につきましては支援がなされておるところでございまして、こうした制度の活用によりまして公共民間あいまって円滑な能力開発の促進に努めてまいりたいというふうに思っております。
 なお先程姫路高等技術専門学院の募集数については減るのではないかというふうなご指摘でございましたけれども、現在連携方式でやっております機械加工科機械製図科につきましては、離転職者コースに変更することによりまして姫路高等技術専門学院全体としたしましては募集定数は、平成13年度の195人から235人、総定数は310人で変更はございません。

■質問■森田委員:やはり負担に対する実態というのはねきちっとつかんでいただきたいと思います。時間もなくなってきましたが、これについては今後とも引き続き再検討されるように強く要望して私からの質問終わります。

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