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2017年11月10日
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2018年度予算編成に対する申入書《 健康福祉部 》
国民健康保険について
県事業化にあたっては、現行制度のもとで高すぎる保険料が払えず医療にかかれない県民が多数出ていることを直視し、制度開始による保険料上昇を当然視せず、国民健康保険制度を社会保障として充実するよう以下のことを求める。
市町による一般会計繰入れ、独自減免等、保険料の抑制措置軽減措置を妨げないこと。
国庫負担の大幅増額を国に求めるとともに、保険料引き下げのため「激変緩和措置」にとどまらない県の財政措置を講じること。
県調整交付金の配分に収納率や保険者努力制度の実施状況による格差をつけないこと。
県調整交付金(2号)の、市町による一部負担金減免措置への補てんは維持・充実すること。
福祉医療実施に伴う国庫負担減額措置の廃止を引き続き国に求めるとともに、県国保事業費補助を継続・充実すること。
滞納を理由にした保険証の取り上げや財産差し押さえが、悪質滞納者だけでなく支払い能力のない低所得者にも及んでいることから、資格証明書や短期保険証の発行や財産差し押さえはしないよう、市町・後期高齢者医療広域連合に求めること。また、窓口留め置きによる事実上の保険証未交付はただちに解消すること。
後期高齢者医療制度について
次期保険料(H30・31年度)について抑制をはかるための県独自の財政支援を行うこと。
口座引き落としになっていない低所得の高齢者をはじめ支払い能力のない加入者への財産差押や短期被保険者証発行はやめるよう、広域連合に求めること。
保険料軽減特例見直しによる元被扶養者などの負担増の軽減をはかること。
生活保護について
申請書さえわたさないなど人権を無視する窓口対応や調査を改め、懇切丁寧な対応が行われるように、あらためて市町に徹底すること。
2013年度からの生活保護基準の引き下げや、2015年度からの住宅扶助、冬季加算減額などの影響を調査し、引き下げ中止を国に求めること。また、就学援助や基準額引き下げに連動した各種減免制度の実態を調査し、是正すること。現在検討中の母子加算の見直しなど、さらなる基準引き下げに反対すること。
廃止された老齢加算は、「正当な理由のない保護基準の不利益変更にあたり違法」との判決もでており、復活するよう国に求めること。
介護保険について
第7期老人福祉計画の作成にあたって、「入院患者からの新たな需要」を見込んでいるが、行き先を失う高齢者が生まれないよう、現状でも待機者が多数出ている施設サービス等の必要な整備目標をたてること。
特別養護老人ホームの待機者解消のため、整備費補助の単価を抜本的にひきあげること。また、地域のケアの核となる高齢者の入所・通所・在宅支援の小規模多機能施設を各地域に建設すること。
利用料2割負担導入の影響を調査し、3割負担導入は中止を国に求めること。県として利用料軽減制度を創設すること。
財政基盤安定化基金の取り崩しを国に求めるなど、第7期保険料の抑制をはかること。県独自の保険料減免制度をつくること。
第6期介護報酬の大幅な引き下げによる事業所の廃・休止、サービスの中止などの影響を調査し、介護保険における国庫負担割合の引き上げと介護報酬の引き上げを国に求めること。
介護・福祉労働者の処遇改善のための補助制度を復活し、人材養成事業を拡充すること。
補足給付における資産要件は廃止を国に求めること。資産調査不能の場合も入所申込を受けつけるよう、市町、事業者等に求めること。
高齢者福祉について
介護予防・日常生活支援総合事業について
ア.少なくとも必要な高齢者が「現行相当サービス」を受けられるよう、報酬に対する県の支援を行うこと。
イ.事業所の参入状況や、サービスの提供内容に市町間格差が生じていることから実態調査を行うこと。
認知症高齢者の行方不明・身元不明の早期発見につながる「見守りSOSネットワーク事業」など、地域の見守りの仕組みを強化すること。また、高齢者の認知症予防のため、早期受診を促進すること。
未届けの有料老人ホーム等の高齢者施設について、実態把握を行い、指導を強化すること。
高齢者向けの24時間LSA配置の実施をすすめること。
医療について
「地域医療構想」は、地域医療のニーズや在宅医療の現場の実態とはかけ離れて必要な病床削減につながりかねないものとなっていることから見直すこと。「病床機能転換」を押しつけないこと。
次期県「保健医療計画」案は、新たに2万7千人の入院患者からの介護等需要を見込んでいるが、特養等の施設が不足し在宅医療・介護の提供体制も十分でない中、病床からの「追い出し」だけが進む可能性がある。実態にみあった計画とすること。
二次医療圏の統合は行わないこと。
療養病床の介護医療院への転換を押しつけないこと。
医師数の抜本増を国に求めるとともに、特に県内で不足している産科、小児科、麻酔科等の医師養成をはかること。へき地への県養成医師の派遣研修先の決定については、研修医の同意に基づき派遣先を決定すること。
看護師不足への対策の強化について
ア.民間・公立の学校を問わず、看護師養成数を増やすこと。
イ.看護師養成の観点から看護師奨学金制度の創設を行うこと。
ウ.看護職員復職支援研修助成事業を拡充すること。
救急医療体制の充実のため、二次輪番病院への補助制度を創設するなど支援を充実し、引き続き、県の責任で三次救急の機能確立を図ること。
1次・2次医療を一元的に受け入れることのできる小児救急医療体制の整備を急ぐこと。また、ほとんど常時満床で出生数に照らしても不足しているNICUをさらに増床し、「兵庫県周産期医療体制整備計画」に基づき、総合周産期母子医療センターを地域バランスも考慮して、県下で5か所以上整備するなど、周産期医療を拡充すること。
無料低額診療事業を実施する医療機関への財政支援を行い、県立病院でも実施をめざすこと。また、保険薬局も無料低額診療事業の対象になるよう国に働きかけるとともに、実現するまでの間、自己負担に対する県独自の助成制度を設ける
肺炎球菌ワクチンに対しての支援強化を国に求めること。
福祉医療について
重度障害者、乳幼児、こどもの福祉医療費助成の所得制限の世帯合算方式はやめ、助成内容、対象を拡充すること。
乳幼児・子ども医療費助成は、通院・入院とも義務教育終了まで所得制限を撤廃し、完全無料化をはかること。
精神障害者保健福祉手帳2級所持者を重度障害者医療費助成事業の対象とすること。
内部障害については障害者認定2級がないため、障害者認定3級まで重度障害者医療費助成事業の対象とすること。
福祉医療費助成制度において、院内処方の医療機関にかかる場合と院外処方の医療機関にかかる場合に、自己負担に差が生じないよう、保険薬局での自己負担はないようにすること。
保育について
認可保育所の増設を基本に保育の質を確保しつつ、早期に待機児童解消をはかること。潜在的な待機児童も考慮した目標と計画に見直すこと。
保育士配置基準の改善を急ぐよう、国に働きかけるとともに、県として加配等への支援を行うこと。
保育士配置基準の上乗せや看護師の配置、乳児室の面積基準、こども家庭センターとの連携、障害児への対応などの規定を条例に追加すること。
保育士の処遇改善のための財源確保を国に求めるとともに、県としても、民間福祉施設運営支援事業の充実など、財政支援を行うこと。県内での保育士養成を強め、研修制度や再就職支援などを充実すること。
新制度における地域型保育などで、保育士資格者の配置が充実できるよう市町を支援すること。
保育料の第3子軽減制度は、所得制限を撤廃すること。また、第2子の保育料減免制度についても充実すること。
認定こども園「わんずまざー保育園」のような事件が二度と起こらないよう無認可保育所のまま「認定こども園」として認定できるしくみを見直すこと。幼保連携型以外の認定こども園についても、認定前の事前チェックを強化すること。類型を問わず年1回以上の監査を行えるよう、人的体制を強化すること。
認定こども園の緊急調査で明らかになった施設基準違反について早期に是正すること。
学童保育について
ア.運営費について、国に財源確保を求めるとともに、県の補助を充実すること。
イ.定員や職員配置、開設日数・時間など、運営基準に極端な市町間格差が生まれることのないように市町を支援すること。
ウ.放課後児童指導員の処遇改善事業が市町で予算化されるよう支援を強めること。
安心して子どもを産み、育てることのできる兵庫県へ
特定不妊治療費助成について、所得制限をなくすこと。
妊婦健診は全額公費となるよう市町へ補助を行うこと。また、出産費用を補助する制度を創設すること。
ヒブワクチン、小児用肺炎球菌ワクチンに対しての財政支援強化と、ワクチンのいっそうの安全性の確保、向上を国に求めること。風疹ワクチンへの国の補助を求めること。
産科・小児科医不足の対策強化について
ア.抜本的に医師数を確保するために、国に医学部の定員増を求めるとともに、産科医・小児科医の確保につとめること。
イ.正常なお産は、助産師が扱えるよう、院内助産所のとりくみや助産師の研修、施設設備整備費の補助を強化し、院内助産所・助産師外来の開設を促進すること。
障害者施策の充実について
障害者差別解消条例制定を検討し、県内の行政機関はもとより事業者に対しても合理的配慮の提供について徹底すること。
「障害者総合支援法」にもとづく応益負担の完全廃止、介護保険優先原則の廃止を国に求めること。
65才以上の高齢者及び特定疾病者が、画一的に介護保険利用を強要されることなく障害サービスを必要に応じて利用できるよう、国の通知に基づき、一律の基準を設けている市町に是正を求めること。
相談支援事業、障害サービス提供の事業者参入がすすむよう、報酬引き上げを国に求めるとともに、県の支援を強化すること。
地域生活支援事業について
ア.市町間でのサービス内容や利用料負担の格差をなくすよう指導を強め、兵庫県として財政支援を行うとともに、国の予算を増やすよう求めること。
イ.盲ろう者の社会参加には、通訳・介助員が不可欠である。利用制限は、自立・社会参加を阻害するものである。通訳・介助員の派遣事業を抜本的に拡充し、必要な場所、時に派遣できるようにすること。
ウ.通勤・通学時、入院時、緊急時にもホームヘルパー・ガイドヘルパーが利用できるようにすること。
遅れているグループホーム整備を急ぎ、整備費補助を引き上げること。
法内施設に移行できない小規模作業所への県独自補助をひきつづき行うこと。就労支援施設の運営実態について調査を行い、支援を強化すること。利用料の無料化をはかること。
ジョブコーチ制度や職業訓練や資格取得の支援を拡充し、企業等における雇用率の引き上げをはかること。障害者手帳を持たない難病患者等の就労を支援すること。
医療ケアが必要な重症心身障害児のショートステイなどの一時預かりについて、老人保健施設、特別養護老人ホームなどで受け入れるのではなく、安心して預けることのできる施設整備を行うこと。
自立支援医療における低所得者の患者負担を障害サービス等と同様に無料とすること。
手話を言語として位置付ける「手話言語条例」の制定をすすめること。
聴覚障害者の自立と社会参加をすすめる上で、手話通訳を養成するなど支援体制を整備すること。聴覚障害者情報支援センターは、手話通訳者の派遣や養成、相談など聴覚障害者の自立と社会参加を支える重要な役割を担っており、運営費の増額とともに体制強化をはかること。
精神障害者相談員制度を法制化し、家族に対する支援策を講じるよう国に求めること。県としても保健師などによる相談体制を強化すること。
すべての透析患者が障害等級1級に認定されるよう、引き続き国に求めるとともに、県独自でも透析基準が1級に認定されるよう社会福祉審議会に積極的に諮問すること。
障害サービスを担う職員の処遇改善のための県の財政支援を行うこと。
難病患者への支援強化について
「難病患者に関する医療等に関する法律」による医療受給者証の経過措置が終了することから、県独自に負担軽減をはかること。低所得の人工呼吸器装着者の負担を無料化すること。
医療費の支給にかかる患者・家族の手続きを簡素化し、負担を軽減すること。
療養生活環境整備事業を患者の要望にそって、拡充すること。
障害者総合支援法により新たに支援の対象となった難病患者に制度の周知を徹底するとともに、支援を必要としながら障害者支援にも難病対策にもあてはまらない患者の救済をはかること。
兵庫県受動喫煙防止条例は、禁煙・分煙が求められる施設の面積要件を厳格化して、実効性を高めること。
年金制度の拡充について
物価スライドによる年金支給額の切り下げを中止し、低年金・無年金者をなくすよう国に求めること。
年金の受給資格期間が10年に短縮されたことについて、国と連携しながら漏れのないよう県民に周知徹底すること。
疾病対策の強化について
がん・肝硬変治療も含めて、すべてのB型・C型肝炎患者に医療費と補償金が支払われる改正を国に求めること。また県として肝炎治療費補助などの支援を行うこと。
腎臓病および糖尿病性腎症の予防対策と、腎不全・透析治療に至らないための啓発、予防活動をすすめること。また、県立病院での透析治療について、日本透析医学会の認定医など、専門医を配置し、スタッフの確保をはじめ、体制整備をすること。
結核対策を充実させるため、福祉施設等の結核罹患者の報告を徹底させ、利用者および職員の検診・治療等が迅速かつ適切に行われるよう、体制とシステムを整えること。
脳脊髄液減少症について
ア.交通事故後の後遺症で苦しむ患者、外傷による脳脊髄液漏れ患者の実態調査を実施するとともに、患者に対する相談、援助の体制を拡充すること。
イ.脳脊髄液減少症についてさらに研究を推進するとともに、ブラッドパッチ療法を含め、「むち打ち症」の治療法の早期確立を国に求めること。
がんで死亡する人が3割になっている。早期発見、早期治療ができるよう、がん健診の受診の対策を強化すること。
石綿(アスベスト)被害対策について
認定基準を緩和するなど、すべての被害者、家族に、より充実した補償と救済を行うよう国に要望すること。今後被害のピークを迎えると予測されることから、健康福祉事務所をはじめ相談体制を強化し、関係機関と連携して、早期診断、治療、被害補償につなげるようにすること。
(株)クボタ旧神崎工場の所在地である尼崎市小田地域は、国の疫学調査でも石綿疾患患者が突出して多く発生している地域であるにも関わらず、(株)クボタは因果関係を認めていない。クボタと国が責任を認めることとともに、すべての被害者が完全救済されるよう国に要望すること。
石綿健康診断については、石綿取り扱い作業等を行っていた事業者に対し、全退職者を対象とした周知徹底・実施を行うよう厚労省に指導強化を求めること。
ホームレス支援にについて
失業などで住居を失った人への総合支援窓口をつくること。
一時保護施設等の確保・拡充へ支援を行うこと。
支援団体等を通じて、無料低額診療制度を周知すること。
宿泊所において、生活保護費をピンハネするなど、悪質な「貧困ビジネス」の実態を調査し、対策を行うこと。
災害援護資金貸付金について、災害援護資金貸付金については、国が自治体の判断で返済免除できるとしたことを受け、少額返済者など生活困窮者はすべて免除対象者とするなど、被災者の実態に見合った返済免除がすすむよう、国に強く求めるとともに県として市町を支援すること。
被爆者対策について
原爆認定訴訟の判決の結果に則し、国に新認定基準をさらに見直し、原爆認定されていない被爆者の認定を行うよう求めるとともに、県として支援事業を実施すること。
県が行う「被爆者健康手帳」申請受付は、認定がスムーズに行えるように、ただちに改善を図ること。
引き続き相談活動の充実、療養施設の拡充と利用割引制度の充実をすること。
被爆者への謝罪、国家補償の明記、遺族弔慰金の支給、全被爆者への年金支給など被爆者援護法の抜本改正を国に要求すること。
相談窓口の体制を強化すること。
被爆者二世健康診断について、健診項目の拡充をはかること。
児童虐待防止のために
県の子ども家庭センターの児童福祉司・児童心理司など専門職の増員を行い、市町への支援、連携を強めること。
中核市へのセンター移行に伴い、専門職員の確保などを支援すること。
一時保護所について、各地のこどもセンターに一時保護所を設置できるよう拡充すること。こどもの居場所にふさわしい基準を県としてつくること。
児童養護施設の未就学児の施設入所原則停止を機械的に行わないこと。
民間の児童養護施設への支援を強化すること。
DV対策の強化について
被害者の立場にたった実効性のあるものにするため、専門職員を増やし、支援者や支援団体の意見をよく聞き、対策強化を図ること。
女性相談センターの機能強化、施設の拡充を行ない、被害者と子どもに対する心理ケアと自立支援施策を推進すること。
民間シェルターへの財政支援を抜本的に強めること。
二次被害防止のためにも、「DVは暴力であり、暴力を許さない」という社会的意識を醸成するために、県職員や関係職員への研修、また、県民への啓発事業をいっそう拡充すること。
婦人相談所、一時保護所における待遇改善をはかるとともに、同伴児童への学習権を保障すること。
自殺対策の強化のために、部局横断的に総合的な対策を講じ、県の相談体制の拡充を図るとともに、患者・家族団体との連携を強め、より有効な防止策を構築すること。
食品の安全性を確保するために
放射能汚染に対する不安に応えるため県内産だけでなく流通しているものもできるだけ多く検査し、結果を公表し、県民の不安を取り除く努力をすること。
製造日表示の復活や、すべての加工食品の栄養成分・原材料の産地国表示など、食品衛生法の改正を国に求めること。
遺伝子組み換え食品の表示の徹底を図るよう国に求めること。
機能性表示食品は、届け出受理で販売可能となる。安全性を保証できるよう国に求めること。
食品衛生監視員の専任化と増員をはかり、企業まかせにせず、HACCPへの指導、監視にもあたること。
人権啓発施策について
「兵庫県人権教育及び啓発に関する総合推進指針」は、不公正な同和事業を温存せず、憲法の「基本的人権」と「人間の尊厳」を、県民の自主性を尊重しつつ学んでいく真の「人権教育・啓発」に改めること。
「部落差別の解消法」にもとづく、新たな差別を生むことになる実態調査は行わないこと。
性的マイノリテイを県の人権基本計画に位置づけ、人権問題として庁内はじめ、職場、学校、地域のあらゆるところで理解が進むよう啓発を行うこと。
また、性的マイノリティの方が当事者団体、支援団体につながることができるよう相談窓口をつくり周知徹底を図ること。
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