2018年度予算編成にあたっての重要政策提言(3)
第3.原発からの撤退、再生可能エネルギー導入、公害防止と環境保全のために
持続可能な社会・経済の実現は、地方自治体にとっても重要課題である。大事故が起これば地域と住民生活をまるごと壊しうる原発に固執せず、安全で持続可能なエネルギー政策への抜本的転換を県として率先して行うことを求める。 - 避難計画の実効性に疑問が出され安全性が問題視されている高浜原発の運転停止をはじめ、原発の再稼働を中止するよう、国と関西電力に求めること。とりわけ危険性の高い老朽化原発の再稼働は断念するよう求めること。
- 兵庫県として、原発を「ベースロード電源」と位置づけるのをやめ、脱原発の立場を明確にすること。県のエネルギー長期展望について、原発ゼロ、脱化石燃料を柱にして、電力に占める再生可能エネルギーの割合の2030年目標を40%に引き上げること。
- 新たに施行された「太陽光発電施設等と地域環境との調和に関する条例」なども活用し、自然エネルギーと地域環境との調和を図ること。
- 安倍政権の温室効果ガス削減目標は、2030年までに「2013年比で26%削減」となっている。県は国を上回る2030年までに「2013年比で26.5%削減」目標を掲げている。しかし、これを国際的な基準である1990年比に直すと、わずか18%削減に留まる。政府が閣議決定した「地球温暖化対策計画」では、「長期的目標として2050年までに80%の温室効果ガスの排出削減を目指す」と明記しており、国・県の2030年削減目標のスピードでは到底、達成できない。2030年目標を大幅に引き上げ、2050年目標を確実に実現すること。
- 温室効果ガス排出量の半分を占めている、条例対象事業所をはじめ大規模事業所に温室効果ガスの排出総量削減を義務付ける制度を導入し、特定物質排出状況と削減計画の公表は、事業者単位でなく事業所ごととすること。
- 温暖化対策に逆行する、神戸製鋼所などによる石炭火力発電所の新設は中止を求めること。
- 大気汚染対策について、PM2.5の成分分析と発生源の推定を進め、情報公開と、地域に応じて工場への指導強化や自動車排ガス規制の強化など、適切な対策を講じること。
- 神鋼加古川工場や、新日鉄住金広畑製鉄所などで、降下煤塵の発生が自主管理目標値を上回るなど、飛散が続き、住民生活に影響を及ぼしていることから、改善の指導を強化すること。
- 石綿(アスベスト)被害対策について
- 認定基準を緩和するなど、すべての被害者、家族に、より充実した補償と救済を行うよう国に要望すること。今後被害のピークを迎えると予測されることから、健康福祉事務所をはじめ相談体制を強化し、関係機関と連携して、早期診断、治療、被害補償につなげるようにすること。
- 解体現場、搬送、最終処分場における埋め立てにおいて、違法行為が後をたたないことから、監視・立ち入り検査を強化すること。
- 民間建築物にかかるアスベスト除去費用に対する補助制度を県としてつくること。
- PCBの処理は、使用者が行うことになっているため、中小企業では処理費用が大きな負担となっていることから、中小企業へ費用助成をするなど安全な処理を行う対策をとること。保管状況の監視・指導を強化すること。
- 産業廃棄物の不適正処理については、国の「行政処分指針」を基本に、行政処分・刑事告発を厳然と行い、悪質な事業者を排除し、不法投棄の未然防止に努める産廃行政に転換すること。
- 姫路、赤穂市など県内各地で産廃最終処分場計画が進められているが、いずれも浄水場、漁場周辺などで計画されており、専門家から「最終処分場計画地として不適格であることは明確」と指摘されている。不適格な計画地での産廃最終処分場建設を認めないこと。
- 豊能郡環境施設組合のダイオキシンコンクリートについては、住民の不安の声に応え、大阪府などを通じて適法・適正に処理されるよう働きかけること。
- 六甲山でのイノシシの被害について、生態や頭数の把握をするとともに、防護柵の設置、捕獲・餌付け対策をすすめるために十分な人員配置と予算措置を行い、対策を強化すること。
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