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2017年04月19日

川崎重工業神戸工場商船建造撤退についての申し入れ

クリックで大きな写真を表示 川崎重工業は3月31日、「船舶海洋事業の構造改革」として、商船建造の軸足を国内から中国へシフトすること、商船国内建造は香川県坂出市に集約、神戸工場は潜水艦建造を中心にすることを発表した。
 神戸工場は、小型水素運搬船や高速船の建造設備は残すというものの、これまで手がけてきたバルクキャリア(バラ積み船)、LPG(液化石油ガス)運搬船、タンカーの建造をやめ、実質、商船建造からの撤退である。
 商船建造は、川崎重工業の祖業であり、好不況の波を受けながらも、神戸の地で120年間、地域や関連産業とともに成長・発展してきた。造船はあらゆる業種と技術力の労働集約型産業であり、特に商船建造は関連企業のすそ野が広いことから、そこからの撤退は労働者、地域経済に大きな打撃を与えるものである。ものづくりの技術の継承という点でも重大である。
 また、現在の日本の貿易輸送の99%以上が船舶であり、川崎重工業の村山会長自ら「中長期的には、世界経済の成長による海上稼働量の増加…市況も好転」すると述べているように成長産業である。商船建造を続けながら、建造コストを理由にした中国への拠点シフトは、大企業としての社会的責任の放棄である。
 さらに、神戸開港150年の記念すべき年に、神戸の造船の灯を消すような事態は回避すべきである
 よって、以下要望する。


  1. 県は、地域経済と労働者の雇用を守り、ものづくりの灯を絶やさない立場で、神戸工場での商船建造継続を川崎重工業に要請すること
  2. 関連中小企業とともに、請負、派遣など含め労働者からの相談を受ける窓口を設け、雇用・労働の実態を把握すること

以上

兵庫県知事 井戸敏三 様

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