2017年度予算編成にあたっての重要政策提言(2)
第2.国の改憲への暴走を許さず、憲法を活かし、住民が主人公、恒久平和の実現に寄与する県政を
安倍自公政権は、2013年の特定秘密保護法強行、2014年の集団的自衛権行使容認の「閣議決定」につづき、国民の6割が反対、8割が説明不足、今国会では成立させるべきではないとの声を聞かず、安保関連法=戦争法を押し通した。この法律は、憲法9条のもとで戦争をしてこなかった日本の平和主義をこわし、日本を「海外で戦争する国」にするものであり、立憲主義を根底から否定するものである。また、「海外での武力行使は認められない」という従来の政府見解を180度転換したものである。さらに、安倍首相は、参議院選挙中に憲法問題について一言も触れなかったが、選挙後、改憲勢力3分の2の議席を背景に、今秋にも憲法審査会で憲法条文改正の議論を進めることを明らかにしている。 安倍自公政権の暴走政治に対し、これまでにない広範な人々が抗議の声を上げ、立ち上がり、それはますます大きくなっている。地方自治体は、住民の命と財産を守るために、国の暴走政治に歯止めをかけ、憲法を守り活かす立場が求められている。 - 安保関連法=戦争法の廃止、集団的自衛権行使容認閣議決定撤回、平和憲法の遵守、紛争を外交で解決することを徹底するよう、国に求めること。
- 特定秘密保護法の廃止を国に求めること。
- 自衛隊の県内での大規模演習や日米共同訓練等に反対し、県施設の提供を行わないこと。自衛隊の個人情報収集・勧誘活動への協力や、自衛隊を「トライやるウィーク」での実習先とすることはやめること。
- 県民を危険にさらしている米軍機の低空飛行訓練は、直ちに中止するよう米軍と国に求めること。防災に名を借りたオスプレイ等の米軍機の配備・訓練拡大を行わないよう国に求めるとともに、県としての協力要請は行わないこと。
- 県として「非核平和宣言」を行うとともに、県管理のすべての港湾に非核「神戸方式」を導入すること。県内の被爆者支援を充実するとともに、被爆の実相を伝える事業を県として行うこと。昨年のNPT再検討会議の成果の上に立ち、国連総会で作業部会が設置され、核兵器禁止条約が本格的に議論され、核兵器禁止条約の交渉を開始することを、今年の国連総会に提案するという前進が生まれているもと核兵器廃絶を国に強く求めること。
- 北東アジア地域自治体連合参加自治体として、過去の侵略戦争と植民地支配の反省にたった交流・発展の共同をすすめること。12月28日、旧日本軍「従軍慰安婦」問題について日韓合意がされたが、日本の公式謝罪と法的賠償が含まれていないなど、被害当事者や支援者から受け入れられないとの批判も強い。国の責任を明確にした解決を働きかけること。歴史教科書等への内容・選択に行政が介入しないこと。
- 憲法の平和・人権・民主主義の原則を国政の各分野に活かすことを国に求めるとともに、憲法を根幹にした県政を推進すること。
- 「部落差別の解消の推進に関する法律案」は、今日的な部落問題の解決に逆行し、「解消」どころか「固定化」させるものであり、廃案を求めること。
- 生存権をおびやかす、国の社会保障給付抑制路線に反対し、消費税でない必要な財源確保を国に求めること。
- 男女平等の実現に向け、男女共同参画社会づくり条例に基づき施策を強化すること。男女がともに安心して子育てしながら働き続けられる条件整備、女性の貧困をなくすためのひとり親家庭支援、DV対策等を強化すること。2020年までに指導的地位に占める女性の割合を少なくとも30%にするという政府目標の達成にむけ、県職員の管理職への女性の登用率目標を引き上げること。
- 障害者差別解消基本条例の制定を検討すること。
- 性暴力のない社会をつくるために、「性暴力被害者支援センター・ひょうご」について、佐賀県や京都府のように行政が責任を持つ必要がある。少なくとも県として助成金などを含めた支援・サポートをすること。
- 在日外国人らに対するヘイト・スピーチ(差別煽動表現)を規制する法に基づき、きちんと対処すること。検定教科書不使用を理由にした朝鮮学校など外国人学校への補助金削減を撤回しもとに戻すこと。
- 性的マイノリティの人権を守る施策を強化すること。支援団体と連携した相談窓口の設置、学校への啓発パンフレットの配布などを県として行うこと。
- マイナンバーやそれにともなうセキュリティクラウドは、一元管理や情報流出の懸念があり、実施の中止を国に求めるとともに県は中止すること。
- 県内で働く人の収入が増え、県民の家計があたためられてこそ、税収確保もできるという立場で対策を行うこと。消費税率の10%引き上げ延期ではなく、中止するよう国に求めること。
- 「世界で一番企業が活躍しやすい国」になるために、「規制緩和」をおこない、くらしや地域経済を守るルールを破壊することにつながる国家戦略特区に反対すること。とりわけ、「関西圏区域会議」において、大企業優遇策、地域独自の法人税の引き下げ、労働時間の規制緩和などに反対すること。
- 関西広域連合は、国の出先機関を廃止し、丸ごと移管を強く求め、その「受け皿」となることをすすめているが、憲法で掲げた国民の権利を保障する国の責任を後退させ、小規模自治体の防災などにも大きく影響を与える危険がある。
関西広域連合における国の出先機関「丸ごと移管」の受け皿づくりをやめて、国出先機関の原則廃止・「丸ごと移管」に反対すること。
- 市町への権限移譲について、県が責任をもつべきものを押し付けることはやめること。
- 住民サービスの担い手である県職員の定数削減を中止し、削減された給与を回復すること。非正規職員の処遇を改善するとともに、正規職員化をすすめること。「公契約条例」制定で官製ワーキングプアをなくすこと。また、住民の福祉・くらし・教育にかかわる分野の公務の民間委託はやめること。
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