救急医療体制の充実を求める緊急要望書
6日、姫路在住市の男性が17病院に救急搬送の受入を拒否され、死亡するという痛ましい問題が起きた。 奈良の妊産婦死亡につづく衝撃的な事件であるが、こうした事態は、「兵庫でもありえる。対策が必要」と県議会でも指摘してきた矢先の出来事であり、本当に残念である。 医療法では、地方公共団体は、「良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制が確立するように努めなければならない」と定められている。今回の事件から、様々な教訓を導き出し、今後の救急医療体制をはじめとする医療の充実に取り組むことは、兵庫県の責務であると考える。 「姫路の二次輪番病院は半減している」(市医師会)と言われているように、二次救急を担う公立・民間病院が減少し、十分な体制になっておらず、同時に「最後の砦」の三次救急も、診療科目の特化や医師不足などによって、十分に機能していないことが浮き彫りになった。そして、これは播磨圏域だけではなく、県下のすべての圏域で起こりうる重大な問題である。 兵庫県は10日、今後の対応を発表されたが、三次救急搬送の判断要件緩和について、地元では「実効性に疑問」という声が聞かれ、県立姫路循環器病センターの体制強化を求めている。また、医療情報システムの改善についても、今年8月の「兵庫県下消防長会」の県あての要望書等で、かねてから指摘されていたものであり、県の対策の遅れは明らかである。 よって、真に問題を解決し、救急医療体制の充実をするための下記の事項について、早急な対策をとることを要望する。 記 - 三次救急医療機関の体制を、県民が安心できるよう強化すること。
特に、県立姫路循環器病センターは、現状では循環器科と脳外科しか対応できないため、重篤患者を受け入れる救急救命センターとしての役割が十分はたせていない。診療体制の拡充など三次救急病院にふさわしい体制に強化すること。 - 二次救急体制を確保するため、県による人員確保支援、財政支援を強めること。
- 医師不足対策のため、県下の病院の実態や市町の取り組みをつかみ、国に医師数抑制の政策転換を強く迫ること。
- 国の医療改悪による、診療報酬の引き下げ、病院の集約化・重点化等に反対し、県としても医療費適正化計画、療養病床転換計画、「公立病院改革」など、医療の崩壊をまねくような計画の推進をやめること。
以上 兵庫県知事 井戸敏三 様 日本共産党兵庫県委員会県自治体部長 瀬戸 恵子 同 県福祉・医療対策委員長 金田みねお 日本共産党兵庫県会議員団団長 つづき研二 日本共産党姫路市会議員団団長 大脇 和代 *写真は知事に要望書を手渡すねりき恵子県議 |