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2005年07月08日

アスベストによる健康被害問題に関する申し入れ

兵庫県知事 井戸敏三 様

日本共産党兵庫県会議員団
団長 中村 まさひろ

アスベストによる健康被害問題に関する申し入れ

 アスベスト(石綿)が原因の中皮腫、肺ガンなどによる死者は、7月7日までに判明しただけでも全国で14社306人に達したと報道され、今後更に被害の拡大が懸念されている。兵庫県下では、大手機械メーカー「クボタ」の旧神崎工場(尼崎市)で従業員79人が死亡、現在なお18人が通院療養中、また、近隣住民も5人が発症、うち2人が死亡するなど、石綿被害の重大性、恐ろしさを露呈している。
 全国で相次ぎ死者が発表されるなか、クボタの旧神崎工場の退職者を含む従業員はもとよりその家族、当該工場に出入りしていた関連業者、近隣工場で働いていた労働者、近隣の住民など多くの県民が健康被害の不安を抱いている。
こうした状況の下で、いち早く開設した尼崎市の電話窓口には相談が相次いでいるが、県としても企業に必要な情報を全面的に開示させるとともに、健康被害に関する相談、健康診断、治療等に対する対応、今後の被害拡大防止のため石綿関連製品の納入先、石綿製品を使用した建物や水道管などの実態把握と情報公開、石綿製品を使用した建物や施設、設備等の解体、更新時の対策などに万全を期す事が求められている。
 しかも、県下では、クボタにとどまらず各地の多くの工場で石綿被害が明らかとなり、労災認定も3年連続の最多となっているなど全県的な緊急の対応が求められている。
ここまで被害を拡大した原因は、ILOによって石綿の危険性が1970年代から指摘されていたにもかかわらず、わが国では昨(04)年10月ようやく使用が禁止されるなど国の規制が甘く、自治体の対応も極めて不十分であり、工場等での安全対策がとられなかったことによることはすでに各方面から指摘されているとおりである。
 こうしたことも踏まえ、県として以下の事を直ちに取り組まれるよう申し入れるものである。


  1. 健康被害対策について
    (1)、石綿製品製造工場の従業員のみならず、近隣で生活及び勤務していた人など、健康被害が広範囲にわたることから、県の相談窓口を直ちに設置するとともに、県立病院や保健所での健康診断等の態勢をとること。
    (2)、(株)クボタをはじめ石綿製品の製造および使用した企業・事業主体に対し、作業従事者や周辺住民等の健康被害について誠意をもって対応するよう指導すること。
  2. 今後の被害拡大防止対策について
    (1)、(株)クボタなどの石綿製品の納入先、石綿製品を使用した建物、施設、設備等の実態を調査・把握し公表すること。
    (2)、石綿使用の建物、施設、設備等の解体、更新時の健康被害防止の対策を講ずること。
  3. (株)クボタ以外で、現在も石綿製品を製造している工場および製造を中止した事業所を含め製品の内容、販売先、その製品が使用されている建物、施設、設備等の実態を公表し、必要な対策を講じること。
  4. 過去に石綿製品を使用した建物等の撤去、廃棄作業に関わった労働者や、港湾などで石綿の輸入品の取扱に従事した労働者やその家族、近隣の住民についても健康被害調査を行うとともに相談体制をつくること。
  5. その他、石綿被害に関する県民の不安を取り除く為に必要なあらゆる対策を講ずること。

    以上

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