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2005年06月04日

県政検証(4)「高校改革」

対談者
○つづき研二(県会議員)
○新町みちよ(県会議員)
○小川嘉憲さん(西宮の総合選抜制を活かす会事務局次長)
○井上喜博さん(輝け明石っ子!発展させよう明石総選!明石市民ネットワーク代表呼びかけ人)

(6月5日付け「兵庫民報」より)

≪大学進学率も高い明石総選≫

(井上)明石学区では、現在、学力均等方式の総合選抜制入学者選抜がおこなわれ、高校間の格差はありません。一部ですが、自宅から遠い学校へ進学する「まわし」という問題もありますが、@公立高校普通科への進学率が県下では北播に次いで高いA中途退学者が少ないB不本意入学が少ないC十八歳人口比での大学進学率が高い――という四つの大きなよいところがあります。
 しかし、明石市は「学力均等方式の見直し」をすすめようとしています。県教委も明石南高校への総合学科導入を一方的に発表。これらの動きは総合選抜制をゆるがすものです。
 「競争がなくては学力がつかない」という議論もあります。しかし、大学進学率を見ても単独選抜の学区に劣りません。明石では、高校入学時にビリだった生徒が卒業時にはトップの成績に成長する例も少なくありません。これは単独選抜制など高校間にランク付けのある学区では考えられないことです。このように総合選抜制を守ろうという私たちの運動の側に道理があると思っています。
 いま、私たちは、総合選抜制の堅持を問う住民投票を提案しています。六月議会に向けて一万筆の署名を集めようとがんばっています。

≪地域で育まれた西宮総選≫

(小川)西宮学区の総合選抜は、居住地優先方式です。これには市内の高校がもともと地域住民の要求に基づいてつくられてきたという背景があり、地域の人々にはそれぞれの高校に「地域の学校」という愛着を感じています。
 北部や中央部に学校がないという高校の偏在という問題はありますが、各地域の子どもたちはそろってその地域の高校に進学できます。こうした見通しがありますから、中学校でも受験学力よりも「わかる学習」に重点を置いて指導できますし、中学校三年生という思春期の大事な時期にふさわしい学校行事にもとりくむことができます。
 しかし、〇三年末から今津高校を総合学科へ改編しようという動きがでてきました。総合学科は半数が全県募集ですから、今津地域で普通科を志望する子どもはよその地域の高校へ進学しなければならなくなります。
 今津高校の教師たちの呼びかけに、地域の小中学校の保護者や今津高校卒業生、地域の人々がこたえ、今津高校を守れ、という運動が起こりました。
 さらに、いままで格差のなかった西宮の公立高校の中に、総合学科という新しい格差が生じること、普通科の開門率が下がることなど、西宮の総合選抜制全体の問題ではないかと運動が全市に広がってきました。

≪県民不在の兵庫の教育≫

(つづき)いまお話のあった明石、西宮での問題の他にも、神戸市北区の鈴蘭台高校・鈴蘭台西高校の統廃合など、各地で住民や子どもたちの意思を置き去りにした「高校改革」が進められていますが、その背景のひとつに、教育長に教育行政の権限が大きく集中しているという兵庫県の異常さがあります。
 現在、推進されている「高校改革」の計画は教育委員会で決定済みのものですが、総合学科の導入、統廃合など具体的な校名については、教育長が決裁し、教育委員会の会議では事後「報告」されるだけです。

(井上)教育基本法改悪については、第十条の問題が重要です。現行では「教育は、不当な支配に服することなく」というように権力が教育を支配することを防いでいるのですが、これを「教育行政は」と改定しよういうのです。国民・県民が教育行政を批判するのを許さないという、まったく逆のものになります。

(新町)知事は県民の「参画と協働」をかかげながら、実際には県民不在の教育行政をまかり通らせているのは許せません。
 明石では「中高校生にも住民投票の選挙権を」と主張していますし、西宮でも集会で発言するなど、子どもたちを主人公に運動が進んでいます。
 「人格の完成をめざし、平和的な国家及び社会の形成者として……自主的精神に充ちた心身ともに健康な国民の育成」を目的に掲げる「教育基本法」や「国連子どもの権利条約」の理念をいかす教育行政にするため、「県民が主人公の会」の金田峰生さんとともに日本共産党県議団も、みなさんと力をあわせて、がんばりたいと思います。

≪「県民が主人公の会」の“7つの提案”から≫

 子どもたちを守り豊かに育てる教育環境をつくります。
○少人数学級を全学年に拡大します。
○生徒や住民無視の「高校改革」は撤回し、みなさんとともに高校教育を豊かにします。
○安心して学べる学校に環境改善をすすめます。

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