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行革調査特別委員会 意見表明
杉本ちさと
公共事業のツケを県民や職員にまわし、財政再建すすめる「県行革」
日本共産党の意見表明を行います。 原油・穀物高騰による影響があらゆる分野に及び、県民生活は非情事態ともいうべき危機に直面しています。「材料も経費も、みんな、毎月値上がりしている。上がっていないのは、売り上げだけ。赤字続きでもう限界です。」商店主の声です。 県民の暮らしは、政府の社会保障費削減や増税などによる負担増のうえに、物価の高騰、景気悪化で2重の苦しみにみまわれています。県民の生活を守る県の役割を果たす時です。ところが、県は新行革プランを策定し、県民にいっそうの負担と犠牲を負わせる計画をすすめています。これによって県民は3重の苦しみを負わされのです。 「新行革プラン」のねらいの第一は、知事も3つの観点の第一を「人件費」といわれているように、県職員の人件費の削減です。すべての事務祖や試験研究機関で一律3割カットを基準にしてすすめています。県職員数については、私は、昨年の特別委員会でも指摘しましたが、兵庫県は全国最低水準で、特に福祉関係職員が少ないのが実態です。 2006年の財政状況は、兵庫県は、類似団体、埼玉、千葉、神奈川、愛知、京都、大阪などと比べて、人件費が99%に対し、公共事業が、国庫補助事業で156%、単独事業で178%と肥大化し、これが公債費を膨らませてきたことは明らかです。この肥大化した公共事業のツケを県民や職員にまわして、財政再建をしようとしているのが今回の「新行革プラン」です。知事は、「給与水準の見直しは、本来最後の手段」と言われていますが、計画の最初から職員の3割カットと給与の引き下げが前提ですすめられています。財政悪化の原因と責任を県民に明確にし、県民犠牲でなく、県民生活を支援する財政改革に抜本的に見直すことを求め、新行革プラン第2次案についての意見表明を行います。
県民から頼りにされる保健師、農業普及員などの削減、地域事務所の再編反対 まず、地方機関についてです。 県税事務所、健康福祉事務所、農林水産事務所、農業改良普及センター、土地改良事務所、土木事務所など地方事務所を1圏域1事務所にするとして、111の事務所を71に削減する計画は、人員3割削減ありきの再編であり、数人の事務所は3割削減できないので、統合した事務所で3割削減するというような、現場の実態も意見も聞かない「机上の人減らし計画」です。これによって県民サービスは大きく低下することになります。また、大幅な再編統合による事務所の所在地や名称の変更は、印刷物や看板の付け替え、地図の変更等、膨大な費用と労力が必要となり、逆にムダづかいじゃないのかと指摘する声もでています。このような地方事務所の統合再編計画は中止すべきです。
以下、いくつか具体的に指摘をします。 健康福祉事務所は、精神保健、難病対策、母子保健、各種保健指導等地域住民の健康と保健、衛生を守る大切な役割を担っており、きめ細やかな対応は住民にとってたよりになる存在です。難病などは、保健師さんが「支える会」などと連携して、講師や支援など継続して行い、大変喜ばれています。また、精神保健でも、年々増加傾向にありますが、精神保健福祉士が相談に応じて、適切な助言や指導、対処するなど、心のよりどころとなっています。また、鳥インフルエンザなど新型感染症などの緊急時の対応でも、日常的な地域に密着した保健所が重要な役割を果たしました。保健支援センターを設置して市町といっしょにケアをするということですが、人員の削減により、市町にしわ寄せがいくことになり、住民サービスが低下することは明らかです。健康福祉事務所は存続し、人員の削減計画は見直すべきです。
県税事務所は障害者の自動車税等の減免申請窓口であり、事務所が地域になくなれば遠くの事務所まで行かねばなりません。障害者にとって、窓口が遠くなることは大きな負担になります。弱者にしわ寄せする県税事務所の統廃合計画は見直しすべきです。
農業改良普及センターは、地域の農業の指導拠点として営農や耕作指導、相談などを行い、農業者の頼りとなる存在です。行革案では、23の事務所を13の事務所に半減する再編統合の計画ですが、廃止する地域では、JA営農指導員と連携した県民サービスを確保するとしているが、JAの営農指導は本来、事業の利益に結びついたものであり、県の普及員の仕事とは本質的に異なるものです。ますます農業が衰退してしまいます。穀物高騰や地球環境問題から、食料自給率を上げることを喫緊の課題といわれるなか、農業改良普及センターを廃止統合するのでなく、事務所を継続し、農業改良普及員などをはじめとする専門職の増員こそが求めらています。
土木事務所を効率的な業務執行を図るためとして、地域事務所を約半減にする統合再編計画案となっているが、統合され道路パトロール事務所に再編される地域では、地球温暖化の影響といわれる気象の変化による災害が急増する昨今、とりわけ、災害時などの迅速な判断と対応が求められる場合に、住民の安全が守れるのかと不安や心配の声があがっています。また、地域で解決していた日常的な道路補修や河川整備、砂防工事などができなくなり、住民の声や要望が届きにくくなります。地域土木事務所の廃止・人員削減計画を見直し、地域住民の安全を守るために、事務所は継続し必要な人員を配置すべきです。
市町に公園などを押し付けるな 次に、明石西公園や西武庫公園など公的施設を、市町への委譲、移管を協議し、「協議が整わない場合は原則して廃止」するといって計画をすすめていますが、明石西公園などは、県立大学、がんセンター、こどもセンターと3つの県立施設に周囲をかこまれた公園です。これを「市に押し付け」それができないのなら「廃止」するというのは、きわめて無責任な対応です。 市からは、「公園の費用負担ができない」との意見がでており、強制的に市町におしつけるようなやり方は改め、県立公園として存続すべきです。
公的な試験研究機関を民間移管や廃止・縮小 次に、試験研究機関ですが、これまでの「行革」によって、研究者の数はが少なくなっています。蓄積された研究を継承し、県民の健康や福祉を守り、ものづくり、農林水産の振興などをさらに発展させる重要な役割を担っています。その研究職も含めて、「職員総数を3割削減」する計画は、やめるべきです。 私たちは従来から、工業技術センターをはじめ試験研究機関については公的な責任を果たすため、行革」の対象とせず、研究者・職員の削減を行わないことや基礎的な研究を重視することなどを求めてきました。効率性や実用性ばかりを重視した廃止・統合や人員削減の計画は止めるべきです。 特に、健康環境科学研究センターの環境部門を、(財)ひょうご環境創造協会に移管する計画は、大きな問題が含まれています。 もともと公害研究所だった部門ですが、高度成長時代の企業公害を公的に点検、検査するためにできた研究所で、水質・土質・空気など調査において、工場の立ち入り調査などを行い、その報告書もまとめています。この機関を環境創造協会の一部門に入れるという計画ですが、環境創造協会には、大気データ捏造の問題をおこした神戸製鋼が役員に入っています。環境問題で調査の対象になるクリエイトセンターもあり、チェックされる側とチェックする側が同じ職場にいることは、中立性、公平性を保つ保障がまったくありません。 県民の命と健康にかかわる重大な問題であり、県が公的に責任をもった調査をするべきです。(財)ひょうご環境創造協会への移管は行わないことを強く求めます。 次に、三木市にある機械金属工業技術支援センターを本庁に統合する案は、地元の地場産業を担う中小業者にとって気軽に相談できる窓口がなくなり、地域産業の育成に大きな支障をきたすもので反対です。「充実する」ということですが、須磨の本庁には、金属系に従事されている研究者はほとんどいません。充実にはなりません。 生活科学総合センターも職員削減の対象になっていますが、寄せられる消費生活相談は年間約9,000件もあり、「専任の相談員」は週4日勤務の非常勤職員の2名だけです。専門の職員として、正規の職員にし、体制を強化して、県民の消費生活を守る県の役割をはたすことこそ重要です。
教育について 県民の教育を受ける権利を保障し、教育条件を整えることは、県の義務です。教育においては、財政上の都合や教育予算の削減が優先されることがあってはなりません。したがって、行革の一環として、教育機関の再編や、施設費・事務費や定数削減等を進めることは、やめるべきです。
県立高等学校については、今日、高校教育を受けていなければ就職も困難で、低学歴がそのまま貧困につながる状況があるもとで、県立高校を充実し、希望者全員に高校教育を保障することこそ必要です。また、学校の存在は、地域の存続に深くかかわりがあり、高校等のあり方は、住民合意を最大限尊重すべきです。 ところが、すでに、淡路市で淡路高校一宮分校、洲本実業高校東浦分校の突然の「募集停止」、つまり分校つぶしが一方的に発表され、生徒・保護者・卒業生・住民の大きな怒りを呼んでいます。募集停止は白紙撤回し、地域住民と充分協議すべきです。 さらに、今後「県立高校の望ましい規模と配置」として検討されている学校統廃合、学区の統合・拡大、入試制度の変更、定時制・通信制高校の募集停止などは、一方的に行うべきではありません。すでに具体化されている宝塚、神戸第一・芦屋、神戸第二学区への複数志願制導入や学区統合は中止すべきです。
県立大学の運営については、大学の自治、自由な教育・学問・研究活動が充分に保障されるべきです。県は、研究内容に介入するのでなく、運営費の充実や、学生の学費減免など、条件整備に力をいれるべきです。 5年前に3大学を統合して新県立大学が発足し、神戸駅前に大学本部が設置された際に、わが党は、自治を重視した大学運営という観点から危惧を表明しましたが、新行革プランで早くも本部機能の移転がされようとしています。行政の都合優先でなく、当事者の声を尊重すべきです。また、法人化は学問の自由という大学の性格から、行うべきではありません。
企業庁の大型開発の見直しを 次に、公営企業についてです。 まず、企業庁の地域整備事業について今回の案では、「すでに開発を行った団地の分譲推進に取り組む」とありますが、これまでも繰り返し指摘してきましたが、これ以上の事業拡大を行わないことを原則にすべきです。 とくに、「進度調整」となっている播磨科学公園都市2・3工区、三木の情報公園都市2−4区などは、きっぱりと凍結・中止することを求めます。 また、事業見通しが不透明な宝塚新都市は、第3クラスターが企業庁所管となっていますが、計画を中止し、県民の意見を聞き今後の土地利用の検討を行うことが必要です。 そして、会計について、県民誰もが理解できるように、現在「地域ごと」になっている収益収支の公表について、「各プロジェクトごと」の収益収支状況の公表を行うことをあらためて求めます。そして、その上で、県民参加で事業評価する仕組も必要であると思います。 企業庁の先行取得用地は、今回、土地開発公社のような「環境林」対策には入っていませんが、播磨科学公園都市の2・3工区だけで、1164ヘクタールと膨大なものです。企業庁が関わっている未利用地や売れ残り用地は、全部で2000ヘクタールを越える規模ですが、その時価・含み損も含めて県民に明らかにするとともに、今後の土地利用計画について県民参加のもとで見直すことが必要です。 企業庁の県営水道用水、工業用水水道事業について は、75万トンという過大な水がめがあり、市町に半分ほどしか給水していない現状のなかで、市町からは、「高い県水を安い自己水源などに切り替えたい」という当然の要望があります。しかし逆に、受水量のすくない市町ほど料金のあがる水道料金にして、ペナルティーを課しています。ただでさえ、全国有数の高い値段の県営水道です。受水市町と住民の負担を軽減するために、企業庁だけでなく、国や県の対策も含めて検討すべきと考えます。 一方、安すぎる工業用水は、適正な値上げすべきです。 明石海峡の導水の負担による水道料金の値上げになっている淡路水道事業団への具体的な支援策も必要です。 また、企業庁事業全体において、「経費削減効果」として、工事の繰り延べなどで、5年間に165億円をあげていますが、事業そのものの必要性に疑問のあるものもあります。たとえば、大川瀬導水路事業は必要ないという意見もでているように、本当に今後とも必要なのか、ほかに、不要・不急の事業がないのか、総点検をする必要があります。
歳出削減優先の県立病院「改革」、塚口病院の存続・充実を 次に、病院局についてです。 20日の行革特別委員会の質疑で、わたしは、「国の医療費抑制政策、医療構造改革の流れにそって、すさまじい医療崩壊が各地で起こっている」なか、「県民の医療を守る県立病院がその役割を果たすことが求められているが、今回の二次案は、逆の方向にいっている」と指摘しました。 これまでも「行革」によって、繰入金の削減や診療科目の再編などが行われてきましたが、今回のプランは、国の「公立病院改革ガイドライン」に沿って、どうやったら医療にかける税金を削減できるかをめざしたものであり、これまでのものとは、格段に悪い方向にいっています。 なかでも、県立塚口病院を廃止し、尼崎病院に統合する案は、白紙撤回にすべきと強調したいと思います。
2005年の「県立病院の基本的方向」によって、塚口病院から、神経内科、呼吸器、脳神経外科が尼崎病院へ。尼崎病院から産科、小児科を塚口病院へ移動しました。その診療科の再編と麻酔医の不足などが重なって、塚口病院の病床利用率が急激に下がっています。県みずからの計画にもとづく再編によって、診療機能の低下がおこっているのです。「診療機能を高めるため」と言う統合の理由は、あまりに勝手な理屈であると思います。 そして、「統合して小児中核病院として充実する」といいますが、充実するというのであれば、「常に満床」で、搬送依頼を断るケースもでている、数の不足が全国でも兵庫でも問題となっている新生児集中治療室(NICU)をどう数を増やのか、強化するのかが問題となります。しかし県は、「増床も検討する」という答弁だけで、明確な拡充方針がありません。 重大な問題は、県が統合後の病床を700床にしようとしていることです。「外部委員会で検討」と言われますが、二次プランのなかの「平成30年度の病床利用率」の目標数字の前提は、病床数を700で計算しています。 現在、塚口は許可病床400、稼動病床300で、尼崎病院は500ですから、尼崎病院に統合して病床を維持するとすると、塚口病院の許可病床400を半分の200にまで大幅に減らす計画ではありませんか。 これでどうして、「充実する」と言えるのですか。充実するより、むしろ地域医療にとっては後退です。重症な患者を受け入れる際に頼りになる公立病院の病床削減は、現在でもぎりぎりの状態で維持している医療機関のバランスが壊れていまうことになると懸念されます。 尼崎市では、元老人会長や医師などが呼びかけて、存続を求める会が設立され、運動が取り組まれています。そこでは、「1歳と3歳の子どもが喘息やアレルギーで塚口病院に通院している。夜中の突然の発作も急患で助けてもらった。なくなるなんて考えられない」というお母さんの声や、「尼崎病院に統合されたら、遠くて通えない」という高齢者の声、「患者の紹介をほとんど塚口にしている。麻酔医がいないのは国の責任。安心して患者を送ることのできる病院として、存続・充実を」という開業医さんなどの声がたくさん寄せられています。このような市民の声を無視して、廃止することは許されません。 「跡地利用や、診療機能などについて検討する外部委員会」を設置しますが、統合するのが前提のものになっています。しかし、住民の意見きかずにすすめているのは問題です。廃止・統合を前提とせず、住民に開かれた幅広い県民、市民の意見を聞くことこそ求められています。
県立西宮病院と市立西宮中央病院、市立芦屋病院の「役割分担の検討」「相互の連携を強化」する方向も、診療科目の縮小・再編や、独立行政法人化での一体運営など、県民、市民からみて、サービスの後退になることが懸念されます。 「重点化・集約化」が、医師不足対策の根本的な解決策になるどころか、地域の医療バランスを崩し、医療崩壊を加速させることは、但馬地域の公立病院の再編が直面している困難さからも明らかであり、医師不足が特に困難な産科においても「集約化は、医師にも、妊産婦にも、母乳育児にも逆風」と、加古川市民病院の産科部長が、8月28日付けの「朝日新聞」で語っています。 また、医療技術職員や外来部門の看護師の定員を削減し、病院の正規職員を300人削減する計画ですが、医療の現場で、頼りになる正規職員が減って、派遣職員などを増やすことは、慎重にすべきです。 「病院構造改革推進方策の改定」や「県立病院の改革プランの策定」をすすめるとしていますが、国のガイドラインの方向でなく、地域医療をどう支えるのか、県民の命をまもるために県立病院がどのような役割を果たすべきかということを中心に議論するべきです。「行革」とセットですすめる今回の「県立病院改革」は、歳出削減に役立つことが優先されざるをえず、まちがった方向であると考えます。
住宅供給公社について 次に、住宅供給公社についてですが、「管理業務の縮小」として、「指定管理者の公募をしても民間の参入が見込めない地域を除き、県営住宅の指定管理者の公募対象を順次拡大する」としています。 これまで、明舞の17団地が民間(ジークレフ)の指定管理者により、管理されており、県営住宅の公共性や、低所得や高齢者の多い入居者への福祉的な対応が弱まる懸念から、わたしたちは指定管理者の条例案に反対しましたが、そのことが、より懸念される状況です。 今回の案のように、民間がどんどん管理できるような方針には、入居者の生活基盤を大切にする観点から後退することになり反対です。 公社賃貸住宅については、新規建設も建替えもせず、管理戸数を削減していく方針ですが、事業を縮小していく上で、入居者のサービス低下や追い出しにならないようにすべきです。
県立の障害者施設の県費ゼロ案の見直しを 次に、社会福祉事業団についてです。 赤穂精華園などの15の障害者施設の管理運営費にたいして、今年度県が支援した費用、3億1900万円を来年度からゼロにする計画となっていますが、「増収になる」との説明ですが、その増収のなかには、人件費の抑制、職員の給与削減が含まれています。 民間の社会福祉施設は、給与が低いので、人材難が非常に問題となっており、県立を事業団立化して、県費もゼロにすることによって、今後、この15の施設で、いまでも半分が非正規職員なのに、さらに非正規が増えるなどが予想されます。ひいては施設利用者の障害者にしわ寄せすることにつながりかねません。いちばん支援が必要な障害者に、しわ寄せするような計画、事業団立化や県費継ぎ足しゼロは見直すべきです。
ホテル経営の夢舞台 次に、株式会社「夢舞台」についてです。 この問題も、特別委員会の質疑のなかで、見直しを求めましたが、 多額の累積損失をかかえたホテル、年間3億円近くの税金をつぎ込んでいる国際会議場などの関連施設について、今回のプランでも、ある程度の経営効率化はするが、事業をつづけていこうという方針です。 「財政が大変だ」というなかで、県が関連する第3セクターの企業が、なぜホテル経営をしなければならないのか。必要性に疑問のある、「過大なハコモノ」であるという批判は当然だと思います。 「淡路地域のためになっている」と言いますが、夢舞台関連で、年間7億円以上も税金を今後も毎年つぎこんでいくのなら、原油高騰などで苦しんでいる淡路の漁業や産業への支援、水道料金の軽減など、淡路島民のためにすべきことは、ほかにもっとあるはずです。 また、夢舞台にかかわる「天下りポスト」の問題を指摘しましたが、県職員のなかでも、とくに幹部OBが退職後、公社等の外郭団体の理事長や社長になって、その後、ゼネコンも含めた民間会社の役員になる、という天下りルートが問題であると思います。このような問題を改善しないで、一般職員の給与や人員削減をすることは、許されないと思います。
ひょうご震災記念21世紀機構 「ひょうご震災記念21世紀機構」は、阪神淡路大震災復興基金から償還された出資金のうち、50億円の基金が財源として使われています。学術的調査・研究のシンクタンク的役割を一概に否定するものではありませんが、被災者支援を直接行うものでない「研究や学術交流」に、復興基金だったお金が利用されているのは、被災者からみて疑問が残ります。機構の研究事業のあり方など、見直すべきです。 「ひと未来館」の廃止についても、日本共産党は、当初の人防2期事業・「ヘルスケアパーク構想」の時代から、反対してきました。計画が縮小されて「ひと未来館」となりましたが、「廃止」というのは、当初の計画から、問題があった事業であると考えます。
法人県民税の超過課税を上限いっぱいまで引き上げを 自主財源の確保については、法人県民税の超過課税について、わたしたちは、従来から使途の拡大を求めてきましたが、子育て支援の施策などにも広がりました。そこで、税率についても、現行の5.8%を、6%の上限に引き上げ、県民の福祉増進のために使うことを求めます。
3000ヘクタールの未利用地対策 次に、未利用地、先行取得用地の問題ですが、今回の第二次案では、 2941ヘクタール、約3000ヘクタールの対策として、「環境林」として、特別会計で管理し、県債などで買い戻す案となっています。 このような膨大な未利用地を取得した経過は、90年代のバブル期とその後始末対策によってです。 1987年にリゾート法ができ、1988年に県は、淡路島リゾート開発計画」や、「山陽自動車道周辺地域、近畿自動車道周辺地域及び淡路地域の特定用地の先行取得要綱」をつくって、県が土地公や住公に県下各地の取得依頼をして、取得がはじまりました。 直後にバブルが崩壊し、公有地拡大法の改正などもあり、バブル崩壊後の土地の下落をおさえるために、自治体が土地を買いやすくするよう国が誘導する政策をすすめ、県は、90年代にこれだけの先行取得をつづけたのです。2000年に国が土地公社の健全化対策を打ち出すようになる直前まで、買収をストップしませんでした。 つまり、バブル崩壊後の対策にあわせて、急速に下落する土地を高い値段で購入し、買いささえを行って、「不良債権の吹き溜まり」とでもいうような山林。広大な未利用地をかかえるようになのです。その購入理由となったのは、宝塚新都市や但馬空港周辺の拠点都市づくりなど、将来見通しのあいまいな県自身の大規模開発計画でした。 特別委員会の質疑のなかでは、銀行への借金利息だけで、324億円も簿価に上乗せされていることが明らかになり、土地の時価評価をすれば、より莫大な「含み損」が明らかになるでしょう。 これだけの損害を県民にツケとして負わせている未利用地の問題で、いまだに「乱開発の抑制に寄与できた」とか、「(環境林で)地域整備構想を中止・断念したわけではない」という答弁を繰り返されるのは、県民からみて、納得できる説明ではありません。 「環境林」という名目で、県民の税金が、全く何の利用もしていない土地のために、どんどん投入されるのです。その取得も、この先、何十年かかるかわからないものです。 このような取得経緯の総括と反省を行い、開発計画を見直して、中止し県民への説明責任を果たすことが、この問題の大前提だと思います。 県の認識をあらためることを強く求めます。
最後に、「行革の取組みの推進」についてですが、 この「新行革プラン」全体を県議会で議決し、フォローアップをしていくとされています。現在、県民や市町に「県財政がきびしいから」と県事業の削減を押し付けていますが、これに加えて、「県議会で議決された計画だから」と、県民にほとんど知られていない「新行革プラン」を県民にさらに強制することが懸念されます。 以上、新行革プラン第2次案について、日本共産党の意見表明を終わります。 |
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