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行革調査特別委員会 討論
杉本ちさと
未利用地3000ヘクタール、県は誤りを認めて説明責任を果たせ ■杉本ちさと■ 今回の二次案では2,941ヘクタール、約3,000ヘクタールですけども、これの対策として環境林として特別会計で管理し、県債などで買い戻す案となっています。 まず、「改革の基本方向」ということで、「乱開発の抑制に寄与してきた先行取得用地」と書かれています。この問題は前の「行革、後期5ヵ年計画の取り組み」のときの特別委員会などでもしっかりと議論をしてきた問題ですけれども、認識を改めて質しておきたいと思います。 前の行革特別委員会で指摘しましたのは、今回も先行取得用地に挙げられています宝塚新都市用地などを例にして、県は「乱開発防止のために買った」と説明していますが、実際は県自身の開発新都市計画のために買った土地であるということを私たちは指摘しました。 そのとき県は「開発が前提だ」ということを認められ、「県が秩序ある開発をためだ」と答弁をされています。県は先行取得用地の未利用地の説明に「乱開発の防止に役立ったんだ」と、先ほども「保有は、有効だったんだ」というようなことを、さも良い事のように言われていますけれども、実際は県の開発計画の失敗、頓挫のために「未利用地」になったものが大半であることは明確だと思いますがいかがですか。
■太田財政課長■ 先ほどもご答弁いたしましたが先行取得用地これも何度も議論させていただいたところですが、高速道路周辺地域における民間の大開発ゴルフ場開発の抑制を図り良好な地域環境を保全するということで取得したと、これらの土地におきましては、乱開発を抑制するためにも公共指導による地域整備構想これを検討してきた、こういったとりくみ全体が先ほど申し上げたような良好な地域環境こういう取り組みの一環として有効に働いてきたという風に考えているところです。
■杉本ちさと■ そのような認識ではやっぱり違うと思うんですね、これは以前の「行革」の時にもうちの宮田議員がその当時議論をしましたけども、議事録も残っております。当時の貝原知事の名前で用地取得の依頼状を示して、「第2名神の開発インパクトを受けた宝塚新都市として地域整備を進めていくために用地を取得したい」とそういう依頼状もお示しして議論をしております。 開発目的であったということは明確なわけですね、財政困難の大きな原因がこのような県自らが開発事業、大方開発事業を進めてきたということをしっかりと認識すべきだということを明らかに改めてしたいと思います。でないと県民は本当に納得が得られないというふうに思います。 次に、この土地はほとんど今山のまま何の利用もしないで土地公社などが所有し続けて来ました。この間にも先ほど利息の問題がありましたが、借金の利息は膨らんでいます。県が買い戻す価格、簿価というのは上昇し続けてるわけですが、どの程度上昇したのかということは先ほどの議論の中では300〜400億円だという答弁がありました。これは初めて県が提示したというわけではなくて、前回の行革特別委員会のときも後期5ヵ年計画のとき未利用地対策を行いましたが平成14年度末の価格が提示されています。その時点からどのようにいくら上がっているかということは計算されているでしょうか。
■太田財政課長■ すみませんその14年度末の価格というのが今手持ちにないのでちょっと状況がわかりません。
■杉本ちさと■ 私たちはこの前の資料を元に計算をしてみました。土地公社と先行取得特会分だけですが、独自に計算してみたんですが、三木の新都市は面積が大きく変わっていますので除いています。取得価格は約1,550億円、それが平成14年末には1,856億円で、19年度末には1,892億円になっています。つまりこの5年間だけでも36億円上昇しているということがはっきりとしております。管理費などもありますけれども、ほとんどが金利の上昇分です。 県民にしたら、使ってもいない土地の金利のためにですねこれだけ大きな県民の税金を投入するということになりますので、本当に県民に対してきちっと説明することが求められていると思うのですがその点についてはどうですか。
■太田財政課長■ いろいろ数字をおっしゃいましたが手持ちに資料がないのでちょっと精度がよくわかりません。14年度末とおっしゃったんですが、そういう状況も踏まえて、前回行財政構造改革後期5ヵ年の取り組みにおいて、まず将来の開発、取得価格の抑制ですとか、利活用の促進等の総合的な対策を講じた一部の土地について、県が買い戻し、あるいは土地の買い戻し価格の抑制を図ったところでございます。 今回は県有環境林特別会計の設置ということで先行取得用地、社会経済情勢の変化の中でなかなか利活用が見込めないところがございますので引き続き長期的な視点に立って利活用を検討いたしますが、一方で森林の持つ公益的な機能に着目して、県が計画的に土地を取得した上で環境林として適切に管理する、こういう事でそういう対象となる土地、これを一覧で情報開示いたしますとともに、今後の対応の基本方針を明確にさせていただいて行革の取り組みの中でそういうことを明確にさせていただいたというのが今回のとりくみでございます。
■杉本ちさと■ 精度がわからないとおっしゃいますけれども私たちは一応きちんと14年度末の価格を基本にして計算したわけです。 いずれにしましても、県民のみなさんの生活、本当に厳しい状況ですが全く何の利用もなく遊ばせている土地のために県民の税金がどんどん投入されているんだということについては本当にきちっとした説明がなければ到底納得してもらえないということを改めて思います。 そして先ほどもおっしゃいましたように、今回の案で用地の計画的な取得をするということで、新たな借金、県債を発行して購入するとあります。先ほどの議論の中でも県債を発行して買うんだとおっしゃいましたけれどもどのような借金、県債になるのですか。どういう予定なんでしょうか。
■太田財政課長■ 取得財源、長期的なものですけども県債になると考えてます。その際にはできるだけ交付税措置のある起債というのを活用したいと考えてまして、ひとつのメニューとして、地域環境の保全のために森林を取得する場合のメニューとして「地域活性化事業債」という起債がございます。その他一般事業債、一般的な事業化をするための起債なんかも活用したいと考えております。
■杉本ちさと■ この地域活性化事業債ですけども総務省に申請して許可を得るわけですけれども、年間の予算枠が今年度で870億円、兵庫県は第一次分で10億円ぐらいだと聞いております。 未利用地・先行取得用地のために今後年間でいくらぐらい借金できる見込みになるんでしょうか。
■太田財政課長■ 先ほど別のところでもご答弁申し上げましたが交付税措置のある起債の活用を検討しますが、今おっしゃられたように全国的に制約もあります。すべての取得に活用することは当然困難かと思います。ですからこういうことも活用しながら長期的に取得をしていくということで今後具体的な計画を検討するということです。
■杉本ちさと■ 年間それはいくらぐらいかということはお答えできますか。
■太田財政課長■ 土地の取得という意味であればそれは今後具体的に検討していきますが、基本的には行革のフレームの中の財政運営の基本方針を守るということを大前提にしてその中で計画的に長期的に取得していく、先ほどもご答弁申し上げましたように、その結果として取得は10年以上かかるということも念頭にして、かなり長期的に財政状況を勘案しながら、指標も充分慎重に見極めながら、取得していくということになろうかと思います。
■杉本ちさと■ その辺りが非常に不明朗というかよくわからない部分があると思うんですね、全体の県債で買う土地は約2,000億円です。10億円が第一次分ではあるということになっています。10億円を毎年借金しても200年かかりますよね、それから20億円だったら100年ですね、先ほど10年以上はかかりますとおっしゃいましたが、10年とすれば(毎年)200億円の借金が新たに増えるということで、これはどう考えても行革のフレームとすれば考えられない数字じゃないかなと思うんです。 そういう点から見ても、本当にこの「環境林」で計画的に取得やってどうのこうのとなっていますけれども、現実性が非常に乏しい。 この土地の問題というのは「重し」になっているということを改めて主張したいと思うんです。長期間、県民にとって本当に重しになってくると思います。改めて重大な問題だということを認識するべきだということを思います。 そして私たちは企画部案が出たときに共産党県議団として申し入れも行いましたけれどもこの問題では取得の経過や利活用計画がどうだったのか、なぜ計画が進まなかったのかなど、県民への説明責任を果たす必要があると強調しました。未利用地にかかる計画は実現が困難な計画がほとんどです。 見込みがないことをこれまでも指摘しましたが宝塚新都市や小野長寿の里など、本当に県民のための計画になっているのかどうか、このような計画こそ、きちっと白紙にして見直すべきだと思うのですが、どうでしょうか。
■太田課長■ 先行取得用地は一定の成果をはたしてきた。これまでの経緯につきましても、それぞれの地域整備構想の検討のなかで、これまでそれぞれ説明をしてきたつもり。今後もそういうかたちでの説明責任を果たしていく。ただ、将来的にこういう地域整備構想については、今回の環境林の設置をもって、構想を中止・断念したわけではなくって、ひきつづき、長期的な利活用への方策は検討していく。あわせて、当面利活用が見込めない土地について、環境林として取得していく。
■杉本ちさと■ これまでと同じようなかたちで、土地問題、ずるずるとしていくことは、許されない。県の責任を認めて、改めて県民に説明をするべきだということを申し上げておきたい。
夢舞台への「天下りポスト」の改善を ■杉本ちさと■ もう一点、夢舞台について伺います。 ずっと、「累積損失の解消」とか、「経営改善を推進」と言われて、県も莫大な支援をつづけているが、本当にそんな支援が必要だったのか、疑問に思う。 そこでお聞きしたい。夢舞台の社長と会長は、これまで、どなたがなっているのでしょうか。
■大村参事■ 現在の社長は、前公営企業管理者の江木社長。会長は今年度から廃止になっております。
■杉本ちさと■ これまでの
■大村参事■ 昨年度は、社長は江木、会長は、足立、元公営企業管理者です。
■杉本ちさと■ 調べてみると、社長になっておられる方は、これまで、公営企業管理者がなっておられる。江木社長もそう。 県の幹部のOBで、企業庁や公営企業管理者を勤められた方が、社長になったり、会長になったり。「天下り先のポスト」として見られても仕方がないと思うが、その点は、どのように考えているのか。
■藤田管理局長■ 昨年まで夢舞台で専務をしておりましたので、わたしのほうからお答えをさせていただきます。 歴代公営企業管理者が、社長、会長をつとめております。夢舞台というのは、収益性の高いホテル、レストランと、国際会議場、温室等、公的な施設、あわせもって、一体的な形態をもっております。したがいまして、公共との連絡調整、連携、相乗効果をはかるためにも、太いパイプを持った方。かつ、公営企業のノウハウを持った方、民間の発想をもっている方がトップに立つことが非常に重要。能力を持った方が社長になっていただくのがベストであることから、従来から、公営企業管理者が社長ないし会長をつとめてこられた。 現在の江木社長は、本当に民間のノウハウ、資質をもった方だと、いっしょに1年間働いて、そういう認識をもっております。
■杉本ちさと■ 県民からみて「天下りポスト」に見える。また、給与もかなり高額だということも聞いているので、県民から「天下り」で甘い汁と見られかねないのではないか、改善をすべき。 |
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