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行革特別委員会 質疑
杉本ちさと
破格の大企業立地の補助金の見直しを ■質問■杉本委員:事務事業の残りのことでお尋ねしたいと思います。大企業向けの補助金の見直しについてですが、これは見直すべき事業だということでお尋ねをいたします。 新事業雇用創出型産業集積促進補助金、企業立地のための補助金ですが、私達はこれまでも尼崎の松下プラズマディスプレイの違法な偽装請負を始め問題点を指摘してきました。松下PDPは今年度第5工場を2800億円で建設しています。県はこれまでの分も合わせて合計175億円を補助します。 一方で老人や重度障害者など福祉医療費の削減で年間33億円を減らして新たに77万人に負担を押し付けるという「新行革プラン」です。本当に逆立ちしていると思います。 本年度の補助する予定企業では、新日鐵広畑やダイセル化学など姫路の臨海部工場新設に補助が予定されていますがそれぞれの補助予定の金額はいくらですか。
▼答弁▼岡田局長:申し訳ございませんが資料が今手元にございません。
■質問■杉本委員:設備資金の3%ということでお尋ねをしております。新日鐵が3億円あまりダイセルが2億円あまりということなんですけれども。 そこで新日鐵広畑の新しい工場は、産業集積条例の「産業活力再生地区」という指定で、新たに土地を取得しなくても自社の土地に新たな工場を増設するものにも補助金を出しましょうという制度でこの制度が初めての補助と聞いています。 企業流出の防止策ということで補助金を出すと言うことですが、今回の場合、新日鐵広畑自身の土地でありますし、専用岸壁とかやすい工業用水などこれまでの自社のインフラがあります。主に関西から中国地方のメーカーの納品する予定だということが書かれております。立地やインフラを考えれば、ここに立地されるのが普通ではないかと思うわけですが、どこか他の地域と誘致争いなんかがあったんでしょうか。
▼答弁▼▼岡田局長:新日鐵広畑の今回自動車用鋼板の製造ということで、かなり技術的にも高度なことをやっていこうということで、新日鐵広畑としても確か20年ぶりぐらいの新規投資であったということで、地域あげてですね新日鐵さんの事業が再び活性化するということで大いに期待をしているところでございます。 ただ、委員のご質問のどこか他の場所と争ってどうだったのかということについては、把握をしておりません。
■質問■杉本委員:企業流出防止というそういう名目の補助金ですけれども、流出しようのない大企業が対象になっているのではないかと指摘をしておきたいと思います。 この県の制度については、全国でも例のない「上限なし」の企業立地のための補助制度です。新聞でも「破格の補助金制度維持」と書かれていますが、「行革」の中では県民に負担を押し付けるが、企業には破格の補助金を継続するというのは本当に納得できません。他府県と補助金争いをして、結局儲かっているのは大企業だけで、自治体や地域経済はあまり恩恵を受けていないのではないかと思うのですが、その点ではどうですか。
▼答弁▼斉藤副知事:企業誘致に大変な力を入れておるという理由につきましては、それぞれの誘致をいたしました地域の産業振興に多大の実績が上がると言うことはもちろんでありますし、労働力の確保についても確実な実績が期待できるということでございます。 例えば松下の誘致いたしました第5工場では、5万円のパネルを年間600万枚製造する。それだけで3000億円の製造品出荷額を1年間で期待できるわけであります。尼崎の製造品出荷額の年間トータルは2兆1千億円でありますから、その中においても3000億を占める割合というのは地域経済に期待できるメリットというのは非常に強いものがあるというふうに確信をいたしておりまして、私どもとしましては地域振興のためには、引き続き企業誘致を積極的に進めてまいりたい。かように考えておるところでございます。
■質問■杉本委員:日銀神戸支店の調査では、「近隣からの移転が多くて大手メーカーが工場を建設しても現地にある企業を新たに取り引きするケースは少ない、そして地域経済への波及効果は限定的だ」と評価をされています。労働者もほとんどが派遣とか請負の不安定雇用であるということも、私達はこれまで指摘をしてきました。 大企業は今空前の利益を上げております。立地してもらうのはいいけれども企業の責任でしてもらったらいいのではないかと思います。全国でも破格の補助金が必要なのか、たいへん疑問です。増税などで苦しむ県民には福祉医療で受益者負担などと自己責任を問いながら、大きな利益を上げている企業には、国も減税していますが、県が手厚い補助金を継続するということは見直すべきだということを主張して、次の質問をさせていただきます。
企業庁による開発事業の抜本的見直しを ■質問■杉本委員:次は、地域整備事業についてです。地域整備事業は今売れていない土地や進度調整として事業を凍結している播磨科学公園都市2・3工区、情報公園都市2・3工区など塩漬け土地などの負債を沢山かかえています。この事業も一般会計の公共事業と同じように起債をおこして借金をして事業を行っていますが、それだけではなくて一般会計から100億円の借金、それから県債管理基金からも320億円の借金をしています。起債残高の企業債残高の1173億円と合わせますと合計1593億円の負債を抱えていることになります。 起債償還金は18年度決算では153億円の償還で、一方新たに127億円を起債しています。差し引き、起債減は26億円ですけれども、年によっては起債の方が多い時も多くあります。実際この10年間の償還額の合計を見てみますと、償還額は594億円、一方で起債発行の合計では1058億円となり、差し引き454億円も起債発行が上回っているというのが実態です。 これでは土地の売却など一生懸命やっても借金返しが追いつかないのではないかと思うのですが、どうでしょうか。
▼答弁▼谷口企業庁管理局長:地域整備事業でございます。先ほど借金が増えておるということでございます。この10年見ますと、確かに兵庫情報公園都市、これは知事部局から引き継ぎましたものと、平成13年には北摂ニュータウン、神戸三田国際公園都市これが知事部局から引き継ぎました時に、先ほどの320億円とおっしゃいましたがこの借入金の引継でございます。さきほどの100億円でございますが、播磨科学公園都市でスプリング8これを誘致しますときに用地費の半額を一般会計として公共的意味合いがあるということで、一般会計の方からとりあえずお借りをしているものであります。 確かに借金はこの10年では増えているのではありますが、われわれ長期収支というものを見つめておりまして、最終的に会計を締めます時には、それらの借入金を(土地の)分譲収入で完済できるとそういう見込みを持って、現在仕事にあたっております。
■質問■杉本委員:完済できるという見込みがあるとおっしゃいますけれども、100億円の播磨科学公園都市の返済時は、1工区の終了時の約束になっています。それから320億の基金の方は、北摂ニュータウンの事業が完成したときとなっているわけです。本当にうまくいくのかという点で、質問を続けたいと思います。 起債残高は10年前と比べて2.4倍になっています。平成9年は498億円、そして平成18年は1173億円。これは帳簿上の数字ですけれども、借金がどんどん増えているということが今の答弁にもありました。 企業庁が、用地分譲のために、定期借地権方式とか、長期支払いの分譲方式とか、大幅なバーゲンセールなどを行っていますが、色々と工夫されていますが、土地の売値が下がることや売っても全額すぐには収入にはならない。長期の資金の回収になります。また用地の試算についても、簿価での資産計上ですので、用地分譲は民間へ時価の処分となっています。土地価格もこれまでと比べて下がり続けている、あるいは横這いということですから、収入の目途については大変厳しいものがあるのではないか。 事業縮小とか整備事業の中止など思い切った改善策が必要ではないか。このまま事業継続すれば赤字がさらに借金が増えていくばかりではないかと思うんですが。どうでしょうか。
▼答弁▼▼谷口局長:地価につきましては、幸いと申しますか反転の兆しもありまして、阪神間では若干地価が前年より上がるという傾向も見えております。 そういったこともありまして、今後売ってまいります土地につきましては、可能な限り付加価値を付けて、採算性に充分な配慮をしながら努力をしてまいりたいと思っております。
■質問■杉本委員:具体的に播磨科学公園都市についてお聞きをします。 1工区の事業を進めて20年になります。この間に播磨科学公園都市は1700億円以上が投じられたと報道されています。 用地の分譲済みは産業用地の民間への分譲が33.3ヘクタール、住宅用地は11.8ヘクタールです。1工区全体が960ヘクタールですが、分譲可能が617.7ヘクタール、ゴルフ場とかスプリング8を除きますと、その内の産業用地の民間への分譲が33.3で住宅用地は11.8こういうことになります。 粒子線医療センターとか西播磨特別支援学校、リハビリセンターなど学校用地、公共施設などが合計合わせて76.2ヘクタールもあるんですね。この割合を見て見ますと土地の分譲では、民間では産業・住宅を合わせても3割強しかありません。一方、学校用地など公共公的施設が6割以上を占めている。こういう状況です。公的な施設をここへもってきてそして莫大な税金を投入して都市づくりを行っているというのが実態ではないでしょうか。また、人口が1600人と、計画通りには全くなっていません。病院の誘致も家賃減免などを条件にして内科と外科だけということで、住民の不安は本当に増しています。住民は買い物するのにもたいへん不便ですし、ガソリンスタンドまでが企業庁が公設民営で作らなければならないという、本当に企業庁や県が力をいれても安心して住める都市にはなっていないと思います。 1工区でもこんな状態ですので2・3工区の1000ヘクタールを越える広大な土地、これはもちろん事業化の見通し全くありません。今、税金の無駄づかいあるいは採算が合わないのでははいかという問題だけではなくて、人口減少社会にも突入しています。そして地球温暖化の問題、環境問題なども正面に見据えて、これ以上開発を目的にした地域整備事業、新都市建設というものは凍結中止するなど、抜本的な対策が必要なのではないかと改めて思うのですが、どうでしょうか。
▼答弁▼谷口局長:元々播磨科学公園都市と申しますのは100年の大計にたった事業でございます。今年丁度まちびらき10周年ということで、まだ10年経ったばかりでございますので、今後さらに努力をしてまいりたいと思います。
■質問■杉本委員:あらためて地域整備事業抜本的に見直すことを求めて質問を終わります。 |
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