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2007年12月20日

行革特別委員会 質疑

杉本ちさと

たった7%しか対象にしない老人医療制度の改悪


■質問■杉本委員:まずはじめに、福祉医療についてお聞きをいたします。
 老人医療費の助成事業については、低所得者に重点化させる案となっておりますが、65才から69才の対象者のカバー率が、午前中の答弁では49%から7%に大きく縮小、大きく縮小というよりも、これは制度そのものが廃止されたに等しいという印象になると思いますが、本当に今高齢者のくらしはたいへんです。
 増税や後期高齢者医療制度など負担増や医療給付の削減などで、「老人いじめ」とも言える国の政治のひどい改悪が続いている中で、今回の県の案は、国の負担増に対して県民を守るという立場ではなくて、逆に追い打ちをかけるような案になっていると、そのように思います。
 県民には耐え難いものだと思いますが、この点についてとりわけ老人医療費の助成事業は大きなウエイトを占めています。ぜひともこれは削減ではなくて、現状を維持して欲しいという要望がたくさんありますが、これについてお答え下さい。

▼答弁▼原課長:私共、この制度は基本的に維持をしていきたいというふうに考えております。維持をするにあたりまして、どういう形がいいのかということをお示ししております。
 また、低所得者、確かに高齢者の方の所得かなり格差があること、これ事実でございます。従いまして、特に所得の少ない方、収入の少ない方、まあ年金収入でいいますと今現在低所得者の基準は65万でございますが、これを80万に引き上げます。要は、基礎年金の満額が79万でございまから、そういう方々も対象にしまして、引き続きこの制度維持したいというのが基本的な考え方でございます。

障害者・子どもの医療費助成の改悪をやめよ


■質問■杉本委員:たったの7%に減らしてしまうのは、やはりこの制度そのものがなくなってしまうということを意味しているというふうに思えてなりません。
 次に、重度障害者医療費助成についてお伺いします。これも同様に以前は無料だった県制度が有料化となって、今回、国が自立支援医療で所得制限や一時負担金の改悪させたのに合わせていると。「整合性を持たせる」ということで改悪しています。今後さらに老人医療費のように低所得者のみに改悪されてしまうのではないかと、そういう危惧が大変されるわけですが、それについてはどうでしょうか。

▼答弁▼原課長:自立支援の基準、これ所得制限が自立支援で設けられました。これかなり高い水準になってございます。したがいまして、わたしどもこれ以上今の段階で下げるというようなことは毛頭考えておりません。制度間の整合を図るために自立支援に準拠したいということでございます。

■質問■杉本委員:お年寄りや障害者など社会的な弱者に政治の光を当てなければならない。これは午前中からも議論の中にでています。しかし、こういう人達を切り捨てるという案になっていることは到底認めることはできないというふうに思います。
 次に、こどもたちの医療費の助成制度、乳幼児医療費助成制度ですが、所得制限などを変えています。ここでは「重度障害者に準拠した」「均衡をはかる」ということで、所得制限厳しくしていますが、この重度障害者に準拠したふうに調整するということは、一体どういう意味があるのでしょうか。

▼答弁▼原課長:福祉医療制度は医療保険の一部、自己負担の一部を助成する制度でございます。自立支援医療は、本来疾病、要は重い、例えば心臓バイパスの手術でございますとか、重い疾病を対象としまして自己負担の一部を軽減する制度。要はいずれも医療費の助成をする制度という意味では共通の目的を持っております。
 したがいまして、双方の制度のバランスを取りたい。重度障害者の方の方が、今は所得制限が低いわけですね。反対に言いますと、乳幼児でありますとか重度障害者医療、福祉医療の方、高い所得の方が福祉医療の対象になっておるという現状がございます。
 したがいまして、自立支援と少なくともそこはそろえたい。共通の目的でございますから。それと乳幼児につきましても重度障害と合わせたい。福祉医療間のバランスをとりたい。それで制度の整合性を図りたいというのが、今回の所得制限の見直しの基本的な考え方でございます。

■質問■杉本委員:この点については、神戸市からも、ぜひ乳幼児医療費の助成制度は子育て支援の観点からも継続すべきだという意見がでていますが、「根拠がないような見直し」の部分ですね、その点について強く批判が上がっていると思います。ただいまの説明でも財源カット、低い方に合わせるというのが、当初から「行革ありき」の部分でそういう設定がなされているのではないかと、改めて批判したいと思います。
 次に、福祉医療制度については、私の地元の姫路市も含め、多くの市町から現行制度の維持、それから今回の案の撤回などを求める意見があがっています。
 第一次案では「実施時期の延期を検討する」という内容等が追加されていますけれども、根本的なところを変えるというふうにはなっていないというふうに思えるのですが、これでは市町との共同事業であって、県の一方的なやりかたを押し通すということは許されないと思うのですが、この点についてはどうでしょうか。

▼答弁▼原課長:一方的にということは毛頭考えてございません。ここの今後の検討課題等にも記載しておりますけれども、事業主体である市町等と充分な協議を行い、周知期間等の確保を検討するというふうに記載してございます。以上でございます。

■質問■杉本委員:一方的ではなくとしてもですね、周知期間の延期と言うことであるだけで、制度そのものに、「現行制度を維持して欲しい」とか、「削減しないでほしい」という意見も強く出ているわけですが、その点についてはどうなんですか。

▼答弁▼原課長:いろんな意見があることは承知をしてございます。もちろん色んな意見があってしかるべきだと思います。
 ただ私どもこの制度の制度設計を考えるにあたりまして、やはりこの制度を維持していただいておりますのは多くの県民の方の税でございます。19年度当初予算で県費で150億、市町合わせますと約300億の税を、全てこの事業に毎年度執行してございます。この制度を支えておられる県民のことも、我々はやはり念頭に置いて制度設計をしていかなければならない。
 そのためにこういう今の自立支援、先ほど申し上げましたような制度間のバランス、そいうことも考えまして今の案をご提案さしていただいているところでございます。

■質問■杉本委員:現行制度の維持、それから今回の案の削減を撤回してほしいという声は、今のところなかなか受け入れてもらえないという印象がありますが、県民はやっぱり市町も含めて、この制度の現状維持、そして削減を本当に認めていない。大変困るという声が圧倒的であるということをつけ添えて、改めて検討しなおして欲しいと言うことを要望しておきたいと思います。

小規模作業所の支援の継続を


■質問■杉本委員:次に障害者の小規模作業所についてお聞きをします。
 障害者の小規模作業所の県補助についてですが、今回の案では、「平成25年以降廃止」と書き込まれています。午前中からの審議にもありますが、「今後の検討で、実態に即した適切な対応」となっていますが、議会答弁でも「廃止を決めたわけではない、その時点で判断する」と言われています。つまり現時点では続けるということは確約していないというふうに思うんです。
 しかし、この問題については、知事の本会議の答弁で、わたしたちの会派の一般質問で2005年12月ですが、「小規模作業所は大切にして県単独助成を継続する」とはっきりとおっしゃいました。この約束は本当に多くの障害者の施設、作業所の方達がたいへん喜ばれて、私も身近に何件か直接作業所の方からもお聞きをしました。「これで作業所が続けられるという希望が出てきた」というふうに喜ばれていたんです。今回の案はこの知事の約束からすると後退している。約束違反になるのではないかと大変心配しているんですがその点はどうでしょうか。

▼答弁▼小西障害者支援課長:国は平成18年度小規模作業所の地方交付税の措置を県の部分を廃止をし、市町に一元化いたしました。
 全国的に見ますと、この市町への交付税一元化を受けまして、18年度中に22府県が補助を廃止をし、19年度以降廃止を決めておりますのが12府県、これを含めますと全国で43の府県が補助事業を廃止をしていくということになってございます。
 こうした状況の中で本県におきましては、直ちに補助を廃止するのではなくて20年度以降の5年間の継続ということで企画部案が示されたところでございます。
 また委員お話のように25年度以降の取り扱いについて、適切な対応を検討していくということでございますので、その時点でいろいろ検討し継続についても議論がなされていくものと考えております。

■質問■杉本委員:知事は2006年9月の記者会見でも、「この小規模作業所への補助、県単独の補助は、いつまでか?」という問いに対して、記者会見で、「法制度に乗り移れないような状況に置かれているのだとすると、当然支援は続けていく」とはっきりと発言されています。今、国でも年金問題など、約束違反ということがよく話題になっているんですけれども、是非ともこの知事の約束というのは、県民に対して約束をされている、大変重い重大なことだというふうに私達は思っておりますので、是非とも考え直すとか打ち切ってしますとかいうのではなくて、この約束を守っていただきたいということを申し述べて、次の質問に移ります。
 民間社会福祉施設運営交付金の件です。民間福祉施設に働く職員の処遇改善費を、旧の「県行革」で施設交付金として削減してきた経緯があります。これと合わせて「すくすく相談事業」とか「わくわく保育所改善事業」を統合して、予算を削減することになっています。
 福祉人材確保という視点ではたいへん今困難になっているというところでは共通した認識だと思うのですが、養成というのであれば福祉施設で働く環境が一番の問題だと思います。
 今福祉に携わる人が本当に続かなくって、給料が低かったり、働く環境が悪いために生活ができなくて別の仕事に移らざるを得ないと辞めていってしまうという状況が本当に広がっています。安定した福祉の職場環境にする必要があるわけですが、施設の側で直ぐに改善できない場合があります。それでサービスを受ける人に影響が出るので、マンパワーを継続的に維持するために、施設の自助努力対応だけではやっていけないのが実情ではないかと思うのですが、その点ではどうでしょうか。

▼答弁▼小野山福祉法人課長:県の役割でございますけれども、国の方で今年8月に示されました国の人材確保指針によりまして、県は「従事者の受給状況や収入状況を把握をして、それから研修体制の整備、それから経営者や関係団体とのネットワークの構築等、広域的な視点での人材の取組を行うように」というふうに示されているところでございます。
 県としましては、国に対しまして、適切な報酬の確立でありますとか、職員廃止基準の見直しを要求を従来からしてきておりますけれども、県自体としましては人材確保に向けた調査研究の推進、それから団塊世代など多様な人材参入等の、関係団体とも連携をしまして人材確保に引き続き努めてまいりたい。こういうふうに考えてございます。

私学の授業料の軽減補助の拡充こそ


■質問■杉本委員:人件費的支援も県は行うべきだということを主張して、次の質問に行きます。
 私学の授業料の補助についてです。さきほどからも何回も出ていますが、
 授業料の軽減補助について、対象者を低所得、生活保護受給世帯に絞り込むというのが今回の案になっています。調べてみますと、それ以外の所得階層は補助金が減っているんですね。対象外になったりするわけですが、さきほどのお話でも、カバー率が減少しています。
 担当の方にもお聞きしたんですが、この「改革案で、影響するのがどうなっているのか」と言いますと、6380人が最高で2万円の補助金が減額されます。2640人が全く対象外になる。
 ということは、現在の対象者全体が1万4364人ですから、その内9千人、まあ6割に影響が出てくるというふうに思います。2640人というのは対象外になるわけですが、18%の比率になってしまいます。
 こういう人達は、そしたら支援が必要でないのかというと、とんでもない、そうではないと思います。
 実際、兵庫県でも、公立と私立の学費の負担というのは大きな差がありまして、先ほどからでていますように、授業料だけでも公立は12万円、私立は30万円、18万円の差があります。初年度ではその他に入学金が30万円、施設費等で27万円の差があります。父母負担が公立の7倍以上というのが実際なんですが、全国私学教職員組合の調査によりますと、授業料を3ヶ月以上滞納している生徒は、兵庫県は1校あたりで24.7人、全国で三番目に多いとでています。
 父母の経済的負担のたいへんさをあらわしていると思いますが、負担の軽減のために低所得者にシフトをするということに対しては否定はしませんが、授業料軽減をはじめこの削減、これまで受けられていた人が受けられないというふうな影響も、緩和していく必要もあるのではないか。削減をするのではなくてこの分については増額をしてくべきではないかというふうに思いますがどうでしょうか。

▼答弁▼藤原教育課長:今回の授業料軽減の改革の主旨は、ご理解いただけているものと理解しまして繰り返しはいたしません。
 委員ご指摘の、外れる方がいらっしゃるというご指摘ではございますが、今回私どもが上限設定の考え方でございますけれども、全勤労世帯の「五分位」説というのがございます。
 一番下の所得階層から全体5つに均等に20%ずつ区分していきます。今回上限を設定させていただきましたのはその下から2番目、第2五分位というラインなんですね。それが金額にいたしますと課税総所得ベースで、今資料にありますように220万、これを分かりやすく総収入、収入ベースで見ますと577万4千円というレベルです。
 現行の319万5千円というのは収入ベースに直しますと700万の所得のあるかたということになります。先ほどの「五分位」説によりますと、中間からちょっと上の方の層かなりカバー率が高いことになります。
 今回は行革の中での議論です。ただこの行革の中での議論でありますが、私ども授業料軽減は、行革ではないと額は減らさないと。その中で必要なところにより緊急度の高いところに配慮した制度に組み替えていこうという主旨でございますので、その主旨は充分ご理解をいただいていると思いますので、そういうことからして今軽減単価が下がるとおっしゃった層というのは、大体が120万を越える層というのはちょっと我慢していただいて、そこから低所得者層にシフトするという軽減単価の設定を見直したものですから、そういう結果にはなってございますが、第2五分位というのは今も申し上げたように一般の家計でいいますと約40%本来なら40%をカバーするレベルの所得水準であるということはご理解をいただきたいと思います。
 私学に入っている生徒の中だけで見たら28%というカバー率になってしまうんですけれども、兵庫県全体の家計から見ましたら、第2五分位というのは40%レベルの所得水準だと言うことをご理解いただきたいと思います。

スクールアシスタントの継続を


■質問■杉本委員:スクールアシスタントの事業はLDだとかADHD等の特別な支援の必要な子どもたちのために、昨年度から兵庫県がはじめた事業です。
 「国の交付税が市町につくから」と、「廃止して市町事業に」という理由ですから、国の措置は各小中学校に一人の措置分しかなくて、その単価も84万円という非常に低いもの、軽度の発達障害児は6%と言われております。各クラスに最低1から2人はいるということになると思うんですが、その国の措置はその五分の一のほどの対策分にしかならない計算になります。
 市町にしたら、県の分も含めて対応が不充分なのだというのが実態だと思います。国で措置がされたからというので廃止するのは、国の基準の低さや現場の状況を全く考慮していないのではないか。
 姫路市では県が廃止すると影響額は25人分で2250万円出てくると試算しています。交付税の削減の中で、市町にすると国基準以上に配置するのは難しい。県の支援は廃止ではなくて拡充こそ求められていると思います。
 市町まかせで本当に学校現場で対応できると思っておられるのでしょうか。その点だけお聞きをします。

▼答弁▼田中課長:委員ご指摘の点ですけれども、これからはその交付税措置の分がありますので、そういう要望があるというのはよく存じ上げておりますが、地方財政措置の活用を充分に市町に対して周知し、国への財源措置の拡充を要望をしていくとともに、学校生活支援教員、通級指導なんですけれどもこういった先生の定数の確保をしながら特別支援教育の一層の充実を図りたいと思っております。

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