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2007年09月27日

行革特別委員会 質疑

つづき研二

全国ですすむ公共事業の改革と削減


■質問■つづき委員:「600億円の見込み違いがでた」という説明ですが、その点もふくめて考えると、「どの身を削るのが大切か」という問題を考えるのが大切。
 その点で、投資的経費の問題で、平成6年に比べて全国47都道府県の平均値が現在、平成17年の段階では53.7%と半減をする。このような取り組みを全国でしている。そのなかで兵庫県は、震災のいわゆる「創造的復興」のぞいても、95.3%という水準で、平成6年と同じ旧態依然の状況だということを指摘した。全国水準と比べて、どのような位置にあるのか、47都道府県の位置をみていく必要がある。平成元年から平成17年までの全国の削減率、投資的経費・普通建設費がどういう推移をしてきたか。たとえば削減率の高い方や低く悪い方から兵庫県は何番目か、こうゆうデータは当然お持ちだと思うが、どうでしょうか。

▼答弁▼小谷財政課長:各都道府県、それぞれ面積も違えば、地理的条件にあるかもちがいますので、すぐには資料がありません。非常に都市と地方部があり、面積も人口もある。兵庫県の特性があり、単純に全都道府県のなかで順位という考え方よりも、われわれは、同じく政令市をもっておるような、ある程度の面積がある、都市部と地方部があるような都道府県を参考に比較している。その関係の資料はあるが、47都道府県は今もっておりません。作る場合はしばらくお時間をいただきたい。

兵庫県、削減率ワースト3位


■質問■つづき委員:普通建設事業は、平成元年と平成17年の統計資料を比べればあると思う。全国47都道府県で、削減率の高い、ようけ減らしてきている都道府県をずらーとならべますと、兵庫県は45番目、下から3番目、という状況になっている。では類似府県と比べたらどうか、福岡が一番悪い。兵庫県は2番目に悪い。こういう状況だ。類似府県では、最高48%削減をしている。福岡県をのぞいて相当がんばっている。みんな削減してきている。兵庫県は、類似府県と比べても、震災をのぞいても、非常に異常な建設費の状況になっている。
 以前、長野県が知事が変わり、公共事業が大問題になって、すでに平成元年と比べれば55.7%まで削減をしている。半減させている。決意をもってあたれば、公共事業を半分近くまで減らすことができる、ということを全国の例、長野県の例は示している。遅きに失しているという感はあるが、やはり決断をすべきときではないか。その点はどうか。

▼答弁▼小谷財政課長:投資的経費が単純に半分になるかどうかの議論は、まったく意味をなさないと思っている。どのような事業が必要かは個々の事情による。単純に半分にできるかどうかの議論は適当でない。必要なものはやっていく。我慢できるところはどの程度できるか、議論していく必要がある。

投資事業の確保のため、無理を重ねた財政運営


■質問■つづき委員:それでは、県税収入のこの5年間の推移は?

▼答弁▼西上税務課長:5年間は、平成15年から4948億、16年度は5284億、17年度は5694億、18年度は6252億、19年度は、当初予算ベースでは7509億。

■質問■つづき委員:県税収入の見込みと、今朝の見込み違いの関わりの問題で聞きたいが、今回出されている収支見通しでも、県幹部が「普通は“入るにあわせて出を制す”というが、歳入・歳出の見積もりでは、“歳出にあわせて歳入を考えた”」ということを言われている状況。昨日の「(経済成長の)弾力値」もそうだが、公共事業を半減させた長野県では弾力値などというあいまいなものは見込んでいない。
 その点で、投資事業を維持するために、無理に無理を重ねてきて、歳入見積もりにまで無理をする。今後の見込みでも、歳出の標準規模にあわせて、その分の歳入の標準規模を考える。このような組み方で収支見積もりをする。こういうやり方は根本から改めなければならない。どうですか。

▼答弁▼小谷財政課長:財政の運営で、「入るを図りて、出を制す」というのがありますが、一方で、それだけではなく、必要な事業等が見込まれるとき、年度間で事業を執行していく中長期的な視点でみるというのも、財政にとって重要なこと。
 阪神・淡路大震災という被害からどのように立ち直っていくかということで、すごい議論をいただいて、復旧・復興に取り組んで、とりあえず期間内は単年度の収支ではやっていけないので、そこから建て直して、これからの競争に勝っていかねきゃあかん。そういう中で、中長期的なフレーム、短期的には少々無理をしてでも、ちゃんと復旧・復興を成し遂げていこうということでやってまいりました。完全に復旧・復興がなったかどうか、というのはありますが、12年を一区切りに次のステージにすすむということでやってきております。
 「歳出をみて歳入を」という話は、当然、歳入をみてからスタートします。歳入の見積もりで、今回若干見積もりがずれたところがございますが、歳入をみて、歳出を単純にただ歳入にあわせるのではなく、必要性を吟味して、必要と考えた歳出をみて、さらにそこの収支の不足があった場合には、たしかに、収支不足を埋めるための財源対策を講じてきている。現在の行革計画のなかでも、財源対策を一定とるということで、全体の兵庫県像をお示ししている上で、議会のご理解をたまわって、取り組んでまいりました。今後とも、そういった運営をきっちりと行っていきたい。

■質問■つづき委員:今まさに「必要な歳出を見込んで、歳入を考えた」と。それが今回の、新聞報道にでたような大問題となっている。国の動きの見積もりまちがいだったかもしれないが、そういうシビアにみて対応していくことがやってきていないということにも、歳出でも見積もりでもそういう状況。そこのところを根本的に改めなければ、県が「必要な歳出だ」と決められて、こういう見込みまちがいをしたら大変なことが起きる。今後の見通しでもそうゆうやり方をしていくことは、改めるべき。

福祉関係や専門職がすくない兵庫県


■質問■つづき委員:それから、兵庫県の人件費、職員数の関係でお聞きしたい。兵庫県の47都道府県のなかで、(人口)1万人あたりの職員数で、全国の都道府県を比較すれば、兵庫県は、どれくらいの位置にあるのか。

▼答弁▼田中人事課長:一般行政部門で、兵庫県は14.8人で、全国的には第6位。

■質問■つづき委員:一般行政の福祉関係はわかりますか。

▼答弁▼田中:一般行政の福祉関係でみますと、兵庫県は人口1万人あたり、0.33人という数字になる。これよりも職員数が低いのは、ひとつの県だけ。全国のなかで、2番目に少ない。すでに相当、一般職員全体でも職員を減らしてきている。福祉関係にいたるや、全国のワースト2位。むちゃくちゃに福祉関係の職員も減らしてきている。異常な状態だ。こういう中で、さらに県の計画では「一般行政職員を3割削減する」。むちゃくちゃなやり方になっていくと思う。公務員の場合、当然人と仕事は密着している。そういう意味でも、それだけの(人と仕事が)バサッと削られていく。
 その点で、この間起きました「耐震偽装」問題、これを見抜けなかった。自治体の責任も非常に大きい。この問題をどのように考えておられるのか。

▼答弁▼五百蔵副知事:耐震偽装、蓋然性で見ていない状況で、見抜くような組織・体制を配置するのは、よう整えていなかったのが状況。知事指定の構造計算の指定機関を設ける全国的な取り組みを兵庫県としてもしてきた。問題が起こる前に見抜けるような取り組みはできていなかった。

■質問■つづき委員:耐震偽装問題が起こって、県が対応を変えられて、技術的なチェックができるような県の体制をつくられた。なぜそういうことになったのか、ということでは、そういう体制が県にも市にも全くなくて、ちょっと難しい書類がでてきたら「ぜんぜんわからない」という技術水準に、自治体が落ちて行った。なぜか?建築確認行政をこれまで公的におこなっていたのが、民間にまわすということがさせられて、そういうことが見抜ける、判断できる専門家が、自治体からどんどんいなくなっていった。これが一番大きな原因。むこうが隠そうとしたからわからなかった、という問題ではない。
 それで、県と市町の間で、「新しい関係を構築する会議」というものが、県と市町の財務や企画関係の当局責任者のかたがあつまって、7月から会議を行われております。そこでも会議の議論のなかで、どういうことが議論されているかというと、県が市町に業務を移譲しようと提案されているが、その場合に、市町から、「どれくらいの財源手当てがあるのですか?」の質問があるが、県の方から何も返事をしていない状況。結局、国から地方への権限移譲と言っても、地方の財政は、増えるどころか、減らされている。これと同じことが、県から市町への権限移譲という形をとりながら、権限と責任は押し付けるが、ぜんぜん財源手当てがない。同じ問題が起きようとしている。
 その会議のなかでも、「専門家を育てられない」「維持できない」という声があがっているのですが、耐震偽装のような問題が、どんどん、別の形で起きてきかねない。
 「県と市町のあたらしい関係構築」、権限を財源なしに市町に移譲してしまう。このようなやり方は、根本的な再検討がいるのではないか。事務事業の見直しで市町に押し付けるやり方はよくない。

▼答弁▼栃尾市町振興課長:委員ご指摘の県と市町の会議というのは、昨年、「県と市町のあり方」、ポスト合併期、合併がすすんだということがありまして、市町の実力がついたということで、県とのあり方も根本的に変えていかなければならないということで、専門家を含めまして会議を開きました。その報告書を今年の3月にいただきました。その中では、「権限を積極的に市町にやっていただく」特に中心的に主張は、「住民に身近な事務は、基本的にはすべて市町にやっていただく」という基本的な考え方がそこで示されております。いくつか具体的な提案もあり、たとえば「福祉事務は全部市町に」というようなこと。その報告書を受けまして、今年度それを具体化するということで、現場の意見を聞きたい。県と市町の実務者会議を開かせていただいております。このなかで、委員ご指摘の、権限を移譲したら財源の問題が当然でてまいりますが、われわれとしては、押し付けにならないために、この会議を開いている。だされた意見をもとに、よりよい権限移譲を考えていきたい。

■質問■つづき委員:全体的に、人員の関係、県の収支見込みの問題、あるいは投資的事業の問題をふれましたが、もともと少ない福祉関係の一般行政職員、さらに削っていく。財源手当ては市町にはない。しかし一方、大型開発事業については、知事は「重点投資」をこれからやる。超大規模なやつはどんどん進められるということで、福祉医療、くらし、あるいは中小業者の分野が、どんどん削られていくというのでは、住民にとっては、「話がちがう」。自治体は何のためにあるのだ、ということで、県という自治体の存在意義が、なくなってしまいかねない。県税の関係でも、個人県民税にかかわるような部分は、思うように増えていない。県のいままでの施策が、県民一人ひとりのくらしを豊かにすることになっていない。公共事業をばんばんしても、そこにいっていない、ということが個人県民税などが伸びない原因でもあろうと思う。やはり「県民の暮らしと命にかかわる仕事は、どんなことがあっても守り抜く」という視点で、見直しをやってこそ、県民の理解も得られる。
 昨日の答弁では「そのために、財政基盤をつくるんんだ」とありましたが、県民のくらいや福祉や教育分野の予算をばんばん削って、それでお金つくって「県民のためだ」というのは、言い分が通らない。本末転倒だと思う。
 その意味で、大型開発事業は他府県なみに見直して、ぜひ中小業者やあるいは、福祉や医療、くらし・教育が充実するような施策に転換させるための、行政改革を、ちゃんとやっていく立場にたっていただきたい。どうでしょうか。

▼答弁▼牧企画管理部長:県税収入の見積もりは、「歳出にあわせて県税収入を見積もった」ということはありませんで、実は今回の税収減は、全国的に落ちておりまして、実は地方財政計画で、地方税の伸び率の低い伸び率でセットしたのに、さらに税収が落ち込んでいる。減収補てん債という特別の対策も国の方で手当てされる。
 それから、福祉関係職員の数ですが、国・県・市町村の役割分担の話もありました。たとえば、政令市を抱えている兵庫県、保健所だとか福祉関係をしている市が多い。その点、町村が多い都道府県に比べて、人口あたりで数がすくない。県と市町、政令市の役割分担のなかで、すべて同列に論じられない。
 市町に権限を移譲する場合、事務の移譲の場合、交付金を措置しており、また国と地方の役割分担のなかで、地方交付税の措置もされている。国の方の財源保障もありますので、事業だけ渡して、措置は全くしないことはありません。

■質問■つづき委員:福祉関係職員は、たしかに政令市の問題はありますが、兵庫県よりも大きな政令市があるところでも、兵庫県よりも多い。全国2位の数字。政令市をかかえている類似府県のなかでも、兵庫県は2番目に削っている。
 何を削るのか、県民の福祉や医療、教育にかかわるものを削る、というやり方は根本から見直して、やはり削るべきは、他府県と比べて異常な大型建設事業、普通建設事業を、全面的に見直す検討をすべき。

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