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2010年12月06日

行財政構造改革特別委員会 質疑

新町みちよ

基本方針・視点、財政フレームについて


■質問■ 今回の第二次「新行革プラン」で、財源不足が1145億円積み増し、1645億円になると試算されているが、この要因として、一つは、内閣府の成長率の「慎重シナリオ」、それから二つは、国の「中期財政フレーム」によって、地方交付税の据え置き方針という国の方針があるとの説明がされている。
 もともと、「新行革プラン」のはじめのときを思い出せば、当局の方は、それまで「兵庫県は行革先進県だから大丈夫」などと言っておられました。3月末からわかっていた国の地方債発行抑制の影響について、9月になってから突然「620億円の歳入欠陥」と騒いで、そして、人員も事業も3割カット方針でつくったのが、現在の「新行革プラン」。
 今回の改定(第二次案)でも、結局は国の方針に大きく左右されている。
 わたくしたちは、成長率そのもので言っても、政府の「成長戦略」が問われていると考えます。主要先進国のなかで、日本経済だけが長期低迷をしている。長期低迷から抜け出すためには、輸出型大企業への依存、外需依存でなく、内需や中小企業を大切にした経済運営への転換こそが必要だと考えます。
 国民、県民の暮らしの基盤をいまこそしっかりとさせることがなければ、GDPの6割を占める個人消費、家計をあたためなければ景気の回復はないと考えます。
「財政フレーム」で言えば、地方財政をどう豊かにしていくのかが問われていると思います。いまの政府の方針では、兵庫県の財政再建は大変むづかしいということではないか。どう認識しているのか?

▼答弁▼西上企画財政局長:これまで行革をすすめてまいりました時点で、当然いろんな情勢がございます。もともと10年間の計画ですので、国の景気動向、政策動向に影響を受けざるをえない。そのような中、地方分権がすすんだといいながら、税制面でも地方交付税でも一定国の予算編成の影響を受けているのは確かです。地方、兵庫県としてどのような運営をしていけるか。この範囲は小さいものです。そういう小さい中ですが、兵庫県としての独自性をもちながら、いかに国の制度改正、景気動向に対応していくか、これが現在の行革でどう考えていくかの大事なこと。したがって、一方で自らの見直しを図りながら、他方で国の方に制度改正を求めていく。税制面では、税制の安定が図れるような地方消費税を中心とした税制の抜本改革ですとか、地方交付税を地方の財政運営ができるように充実してほしい、こういう要望をしながら、自らの見直しをしていく、これが兵庫県の行革の姿勢。

■質問■ 国民・県民の懐をあたためなければいけないと話しましたが、いま消費税の増税をすすめるということは、それと大きく逆行すると思います。
 それから、国に地方財政をせまっていくのは重要ですが、その際、どのような立場、立脚点をもって、迫るのかが問われていると思います。
 井戸知事は、「地方交付税の復元など、知事会を通じて要望している」と言われます。全国知事会の「地方交付税問題小委員会」の責任者でもございます。
 その小委員会の国への要望文書を見てみますと、「地方交付税の復元」の根拠として「地方の課題に対応するための歳出の適切な積み上げ」ということで、「地方公共団体において広範に実施されている、乳幼児医療、障害者等への医療費助成等は、全都道府県で実施している標準的なサービスである」として地方財政計画に盛り込むことを求めている。
 これは本当に当然のことだと思うんです。それなら、「行革」で根拠となっている医療費助成のサービスを、県の方では改悪しながら、地方財源の充実を求めているのは、矛盾ではないか。
 事業費1割カット、福祉医療の所得制限の強化、公的施設の市町移譲など、県が行革で市町負担や県民の負担増をすすめながら、一方で、国には県民サービスために地方財源を求めるのでは、県下の市町や県民からの信頼も、本当に得られるのか。
 県民サービスを充実するための県の役割をきっちりと果たしていく。堅持する立場でこそ、地方財政を豊かにする立脚点になると思うが、いかがか?

▼答弁▼西上局長:限られた財源のなかで、県民のみなさまの要請にいかに応えていくか。これは毎年度予算で決めていますが、この姿勢については、変っておりません。一定人件費の見直しですとか、投資の縮減ですとか、事務事業の見直しであるとか、それぞれの分野で少しずつですが、分かち合っていくかたちはとらざるをえない。どこかの分野に偏らして見直しをするというのは結果としては、県民全体のご理解を得られないのではないか。今回の福祉医療につきましても、制度的に一定医療制度のなかに認められている範囲内で、ご理解をいただきたいということで、つくった案。所得の世帯合算についても、医療制度のなかで現在ありますので、その制度のなかで、本県として若干の見直しをさせていただこうということです。
 また県民の懐ということでは、今回国のほうで、補正予算がはかられ、国が自ら策定されております財政の運営戦略を達成されようとすることに対して、補正予算が編成されようとされています。本県もただちに補正予算を編成していくことがその動きが的確に応えられて、結果として本県の経済が早期に回復するのではないか。期待を込めて、予算を編成させていただいている。
 その時々の需要に応じて、的確に対応はしていだきながら、行革についてもすすめていくという姿勢です。

組織・定員・給与について


■質問■ 福祉医療については、事務事業のところで議論させていただきます。
 県の職員は3割削減で、すでに前期3年でその半分程度減らされているが、「削減先にありき」で組織が見直され、県民に身近な県事務所、111箇所から71に統廃合され、今度「二次」では、さらに土地改良事務所を農林水産振興事務所に統合することにより63箇所に削減されようとしている。
 改革の基本方向で、「業務の専門性・機動性の向上、効果的・効率的な県民サービスを提供する観点から、事務所の見直しを行う」というふうにうたわれているが、すでに行われた県民に身近なところでの事務所削減は、県民のサービスの低下にとどまらず、これまでも指摘をさせていただいていますが、土木事務所削減では、佐用町水害のところで機動性は発揮できなかった。実際に佐用町に到達したのは、大変遅い時間で、その場所に土木事務所があったなら、ほんとうに人命まで脅かされる事態がなかったのではないか、と言われるくらいです。また、新型インフルエンザで、健康福祉事務所が対応不能に陥ったという事態もございます。命にかかわるところで、普段から日常的に大きな役割を果たしていただいている県事務所。役割が問われている。
 農業改良普及センターの削減でも、県の農業指導の責任が大きく後退する。JAからも、本来は県が指導すべきなど、たくさんの声があがっている。こういった県民や関係者からの声は、県の方は、真摯に聞いているのか。おたずねしたい。

▼答弁▼田中新行政課長:平成21年度の事務所の再編ですが、やはり一部の業務のみをやっていた地域事務所については、人数も少ない、限られた人員体制の有効活用を図るというなかで、効率化をしなければならない。そのなかで圏域事務所に統合することによって、確かに事務所は減りましたが、このことによって、確実にマンパワーが集約される。あるいはバラバラにいた技術職員が何人かかたまることによって、専門性・総合力は高まっているという側面はある。たしかに今まであったところがなくなる、保健支援センターとか、地域普及所、事業所・業務所を設けさせていただきました。地域普及所はJAともタイアップできるようになったという声も聞いております。いずれにしても、限られた人材を有効に使うということのなかで、効率的な組織が必要。

■質問■ 組織の定員が減らされて、そして大幅に給与がカットされている。11年間連続で職員の賃金が削減されている。これも、どこまで削減されるのか、本当に大きな不安があると思う。民間との賃金下げ競争。
 第二次案では、人件費については、「早期退職制度の導入」による30億円のカットをするということ。本当に人員削減、給与削減、職員の士気があがらないというのが現状である。「収支不足がさらに膨らむ。財政再建の目途がたたない」というのでは、生活設計も含めて、将来の展望がない。
 和歌山県の人事委員会では、昨年の10月の「報告および勧告」では、こういった職員の賃金の抑制は、職員の士気や職員の生活に及ぼす影響が懸念されるということで、こういう状況を速やかに解決するということで、「行革による抑制はしない」今年の4月には、管理職以外の職員については回復をされる。賃金抑制措置の実施は、全国的に見ましても、管理職では12、一般職員でも24になっている。
 県民への行政サービスにも大きな影響をあたえる問題として、すくなくとも「行革独自カット分」の回復をめざしていくべきと考えるが、いかがでしょうか。

▼答弁▼太田管理局長:定員の3割削減、あるいは給与の独自カット、全国的に見てもきびしい措置であることは確か。ただ一方で、まだまだ公務員の給与は高い、厚遇だというのが県民のみなさんからあるのも事実です。それがすべて正しいとは思いませんが、わたしたちはそういう声にもしっかりと応えて行革をすすめていかなければならない。そのなかで、先行き景気動向が不透明ですから、いま直ちに行革の給与カットをやめることはできないと判断しています。そのなかで、新行革プランを基本にもちながら、毎年度措置を決めていく。モチベーションを留意し、きびしい財政状況を職員相互で共有しながら、どういうことのためにこれをやっているのかを理解しながら、一丸となって取り組む必要があると考えています。

公的施設、県立都市公園について


■質問■ 最後に公的施設について質問いたします。
 明石西公園、神稜台緑地、西武庫公園、北播磨余暇村公園、笠形山自然公園センターは、「地元うけいれなくば廃止をする」というは見直していただきたい。
 明石西公園では、神戸市と明石市の市境にまたがる区域となり、例えば明石市が管理するとしても、市民の税金を神戸市さんの分にも出すというのが理解がえられるのかという市の考えです。
 笠形山自然公園センターでは、建設当初は県がコンセプトを示し、地域集落への協力依頼、研修会、懇談会や集落の承認、こういったことを繰り返して実施してきた。今回の一方的なやり方は、住民の不信感や混乱を巻き起こす。町として指定管理をおこなっているのも、地元も協力して、広域的な施設であるけれども、全体の活性化という観点で、町としてもやっているということですので、ぜひ市町の意見をしっかりと聞いていただいて、一方的には廃止というのは見直しをしていただきたいと思います。

▼答弁▼四海事務改革室長:一方的な廃止というのは考えておりません。一定の目標年次を定めて、その間に市町としっかりとご協議をさせていただいて、市町にとっても受け入れていただきやすい条件をお互いに議論して定めながら、円滑な移譲をさせていただきたい。

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