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2008年12月23日

日本共産党の「緊急経済提言』報告会開催

経済危機打開へ2つの政治悪(大企業優先・アメリカいいなり)を正そう

クリックで大きな写真を表示日本共産党兵庫県委員会は12月23日、兵庫県民会館で、「景気悪化から国民生活を守る 日本共産党緊急経済提言」報告会をひらき、約100人が参加しました。
報告にたった吉井英勝衆院議員(写真右)はまず、大局的な視点が大切と指摘し、円高・低金利政策を決めた85年のプラザ合意などアメリカいいなりの経済政策が日本経済のゆがみの根本にあること、自民党政治が、規制緩和など大企業の利益第一の政策をすすめてきた歴史から、「カジノ資本主義」の破綻、金融危機まで、日本と世界の経済を縦横に解明しました。
いま、大量解雇をやめさせ雇用を守ること、貸し渋り・貸しはがしから中小企業を守ること、福祉を拡充することが危機打開に重要だと述べ、それを妨げる、アメリカいいなり・大企業優先の二つの政治悪を正すことがいよいよ必要だと強調しました。
瀬戸恵子・金田みねお氏もこの間の経済団体との懇談を報告。フロアからも発言がありました。


「資本主義は限界」の認識まで


「緊急提言」を持って訪問すると、どこでも「大変な世の中になった」「なんとかしなくては」という話になります。
神戸市中央区のある商店街ではほとんどのシャッターが降りています。長田区の婦人服屋さんは資金がなくて銀行に借りにいったら「自己資金がない」という理由で貸し渋りにあいました。ケミカルシューズ製造の方は、10月いっぱいで注文が止まっています。
ほんとうにぎりぎりの状況に置かれています。
一方、これまで結びつきのなかったところでも共感の声が広がっています。トラック協会では「やっぱり今の経済の仕組みを変えてもらわないと」、商店連合会でも「大店舗の規制緩和で商店が大打撃を受けているが、これはアメリカの要請。自由主義で経済もへたっている。考え方を変えなくては」と言われました。
資本主義が限界に来ているのではというところまで思いが進んでいると感じました。
「提言」の方向で国の姿勢を変えさせていくため、私もみなさんといっしょに力いっぱい、頑張ります。(瀬戸恵子氏)


雇用問題でも社会保障が必要


雇用問題では、福祉も視野に入れて対策を考えなければなりません。日本の社会保障の水準が問われていると思います。
さて、私たちは「経済グローバル化対応で重要なのは国内産業の保護・育成だ」と指摘してきました。今、「その通りだった」「アメリカ・大企業ベッタリはダメだ」という点で一致するようになりました。
また、ある建設業界幹部とは、ムダな公共事業ではなく、学校耐震改修、太陽光発電などを進めるべきだという点でも一致しました。建設業者は建築許可の延滞被害ですでに緊急融資を受けており、もう枠がないので、特段の対策が必要でしょう。
漁師は「減船か出漁数減なら補助金をやる」という国に対して、「食糧自給率向上に逆行する」と反発していますが、燃油高騰の傷が深く、直接支援は今も必要です。
商店街とは、大店法改正などで共同できると思います。
以前、漁協で「海を守るために土地や川を守る農家と協力したい」という話を聞き、今回は商工会で「農家や漁師と連携して安全な食糧を届け、経済を豊かにしたい」という話が聞けました。
食糧自給率向上や環境保護、子育て支援も考えた取り組みに、一緒に汗をかく自治体と国政の必要性を一層実感しました。
緊急対策実現と将来展望の開拓、両方をしっかりとやりたいと思います。(金田みねお氏)


パナソニックの雇い止め許さず


9月から5回、パナソニックプラズマディスプレイの尼崎、茨木両工場門前で「希望するすべての期間社員を正社員に」とビラを配布。これにこたえ、2人の期間社員が労働組合に加入しました。
会社は06年に偽装請負を告発され、直接雇用に切り替えましたが、その期限が1月末で満了となります。
2人は10月から団体交渉。12月9日の厚生労働省通達も示し「たとえ期間満了でも雇い止めはできない」とたたかっています。
兵庫でも、日本共産党には、県議会での質問で知事に「正規雇用を(会社に)求める」と答弁させるなど大きな応援をもらいました。
大企業の社会的責任、政治の責任を問う労働者の運動を引きつづき強めたいと思っています。(電機ユニオン関西・西野健一委員長)


派遣先の不当労働行為許さぬ法に


この間、川崎重工、ナブテスコなど大企業の派遣労働者を仲間に迎えています。
川重では、時間外手当も支給されないなど劣悪な条件に問題意識をもち4月に労組を結成しました。すると、「派遣先から『この人は要らない』と言ってきている」と副委員長に解雇を言い渡すなどの攻撃に出てきました。団体交渉で、派遣先が個人を特定して解雇することはできないと指摘し、いったんは元の職場に戻せましたが、この12月末で「期間満了で解雇」と言ってきています。
組合を嫌悪した、派遣先の不当労働行為はなかなか明らかにできませんし、職場に残り続けることも難しいという問題に直面しています。これを許さない、派遣法の改正を検討してほしい。(JMIU兵庫地本・足田太輔副委員長)


相談に終わらず立ち上がる


現局面は、労働相談で終わらずに、たたかいに立ち上がっているのが特徴です。
たたかいに立ち上がる際、国会、地方議会内外での日本共産党のたたかいや、「しんぶん赤旗」の記事によって、確信をより深めています。
同時に、いまの危機は労働者の責任ではない、ばくち経済にあけくれた大銀行や大企業、それを後押ししてきた政府に責任があると感じています。
兵庫でも事業所の99%は中小企業。労働者の8割近くもそこで働いています。兵庫労働局も県下主要企業で調査すると発表していましたが、中小企業でふんばっている経営者、そこで働いている労働者を調査しなければ、ほんとうの雇用実態は分からないのではないでしょうか。(兵庫労連・北川伸一事務局長)


業者助ける緊急保証を


今とりくんでいる資金繰りアンケートでは「資金繰りがつかない」と答えた方が3割。「税金、国保料を分納、滞りがち、ほとんど払えない」という方も3割。滞納で自治体から差し押さえられたとの相談もあります。
「原材料価格高騰対応等緊急保証」制度は、返済条件の変更をしていたり、赤字だったり、税金が滞っていたりなどで、自治体の認定、金融機関の貸し渋り・貸しはがし、信用保証協会の保証渋りという3つの壁が非常に大きく、その役割を果たせていません。
汗を流して働いている中小業者には責任はありません。苦しさや怒りを示さなかったら要求は勝ち取れないと思いますし、そういう立場で融資獲得の大運動を取り組んでいきたいと思います。(兵商連・那須由美子氏)

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