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2007年11月05日

兵庫県「新行財政構造改革推進方策」(新行革プラン)の原案(第一次案)の問題点

 11月5日、兵庫県は、「新行財政構造改革推進方策」(新行革プラン)の原案(第一次案)を発表。これは、今年度、兵庫県が「全国有数の財政のきびしさ」「事務事業・人件費3割カット」などと、今後11年(2018年まで)にわたり「行財政全般にわたりゼロベースで見直しを行い・・・持続可能な行財政構造を確立する」として県民負担を強いるもので、今後、市町や関係団体との協議、県議会・行革特別委員会などで議論される予定です。

 福祉医療では、老人医療費助成を低所得者に限定しています。母子・父子家庭も負担増、障害者医療は、自己負担を増やし、所得制限を下げて対象者を限定する改悪案を示しました。
 少子化対策として拡充が求められている子ども医療費助成も、これまで県民の運動で、一部改善させてきましたが、自己負担を増やし、所得制限をきびしくしています。
 この改悪で助成対象からはずされる人は、老人15万人、子ども医療費4万2000人、障害者3400人となっています。
 国が公費負担の充実を通知している妊婦健診や小規模作業所の県補助を減らして、市町負担を増やす事業も。さらに、在宅老人介護手当てを廃止。障害者介護手当ての削減、福祉施設への支援も減らす計画です。

 教育では、少人数学級の拡大に逆行し県単独の教職員を3割カット、私立学校への補助も減らす案となっています。
また、本庁と県民局の再編、職員と人件費3割カットも盛り込みました。
 公共事業では、今年度の約7割、県単独事業では約6割に削減するとしていますが、「高規格道路の整備を重点的に実施」「林道は全線開通に近い路線を優先整備」などと、大阪湾岸道路や播磨臨海道路など、必要性に疑問のある公共事業を中止・見直しするのではなく、より重点的にすすめることに固執しています。一方で、県民に役立つ県営住宅建替え事業などは、戸数を削減する案となっています。

【つづき研二県議団長の談話】

 今回の「新行革プラン」でも、公共事業偏重・優先、福祉切捨ての「逆立ち自民党県政」への本質的な反省はありません。兵庫県は「震災で、借金が膨らんだ」とごまかしていますが、違います。
 震災復興事業のうち、くらしの再建と関係ない大型開発などが7割近くあり、被災者への直接支援は、たった2%ほどでした。全国で公共事業見直しがすすむなかで、兵庫県は逆に増額してきたツケが莫大な借金につながったのです。
 しかも、「お金がない」と言いながら、高速道路計画はめじろ押し。これこそ見直すべきです。
 「自公政治ノー」の参院選挙の審判、県民の声は、国に輪をかけて福祉医療を改悪し、負担増を押し付ける兵庫県にも突きつけられざるを得ません。県民各層、様々な団体、県下の市町等とともに、県民要求をかかげて、「新行革プラン」を撤回させるために全力をつくします。

【資料:兵庫県「新行革プラン」、福祉医療の改悪】
-制度(影響人数)改悪内容毎年度削減額
(合計で32.8億円)
低所得者のみに改悪高齢者(15万人)現行2割負担の15万人が、対象からはずされ3割負担に、1割負担のアップ
17.6億円
患者負担の増加子ども(42万6000人)
母子・父子(12万500人)
重度障害者・高齢重度(3万6100人)
1医療機関あたり1回100円アップ3.4億円
1億円
1.6億円
助成対象からはずす重度障害者・高齢重度(3400人)自立支援医療制度にあわせて改悪し、扶養義務者(2人)の所得593万円相当に、3400人が助成対象外に
5.4億円
助成対象からはずす子ども(4万2000人)重度障害者助成にあわせて扶養義務者(2人)の所得が540万円相当に、4万2000人が助成対象外に
3.8億円

○私立高校・私立幼稚園経常費補助を削減
○在宅老人介護手当支給を廃止
○長寿祝金支給を廃止し、100歳の記念品だけに
○民間社会福祉施設運営交付金を削減
○重度心身障害者(児)介護手当支給を住民税非課税世帯に限定
○重度心身障害児指導費交付金を削減
○2018年までの県営住宅建替えを現行計画の6050戸から4000戸に抑制。

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