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2006年04月06日

「堤防補強こそ」「ダム推進の県の姿勢は問題」
武庫川流域委員会でダム計画が激論

 つづき研二県議が傍聴席から発言

六日、兵庫県伊丹市で開かれた第三十八回武庫川流域委員会で、県はダムの四つの穴の内、上二つの穴をふさげば小規模洪水にも役立つと、武庫川ダム計画を示しました。
各委員から、ダムに反対する意見が出される一方、特定の委員からは、ダム推進に固執する意見も出されました。
 今回の委員会には、淀川流域委員会委員長の今本博健京都大学名誉教授も傍聴し発言。「百年に一度などといわず、千年に一度の洪水を想定して、ダムを治水基本方針にして、それは金庫にしまって鍵をかけておけばよい、というのは冗談だが、実際の洪水対策は、二十年、三十年に一度の洪水対策に全力を挙げることが大切。」「住民を水害から守るには、ダムでなく、堤防の補強こそ最優先にすべき。環境を大切にし、遊水地による治水対策が必要。」と強調し、会場から拍手が出ました。
 また、つづき研二県議も傍聴席から発言。当初のダム計画で住民に説明できず、大問題になり、知事がいわば「差し戻し」にしなければならなかったと推測される点
(1)ダムによる湛水で武庫川渓谷の自然がだめになる点
(2)洪水量の想定が過大で統計論的に根拠ない点
(3)土砂が堆積し、ダムの貯水量が減少し続ける致命的欠陥を県が、未だに具体的検討もせず、先送りしながらダム推進の県の姿勢を厳しく批判。
計画以上の洪水くれば還って下流を危険にするダムでなく、上流中流下流それぞれで流出抑制し、洪水の危険を分散させる総合治水こそ下流住民を守る治水対策と提案しました。武庫川ダムと総合治水は両立しません。


○前出のつづき議員の指摘した点は次のとおり。

(1)ダムによって武庫川渓谷がだめになる点。アセスメントで一番問題になった、試験湛水で渓谷の自然、生態系がだめになってしまうことについて、いまだに検討もせず、「今後その影響を検討する」としていることや、小さな洪水に対応する形にすれば、始終渓谷に湛水するのにその情報を開示しない。
(2)洪水量の仮定が妥当かについても、統計的に断定できない洪水量推定に固執し、統計的に妥当性のある河道に流れる洪水量による検討をなんらしていない。
(3)ダムによる湛水で、土砂が溜まる点についても「今後検討」と無責任な対応になっていると、批判。また、小規模洪水に対応できる最適な計画だとダム計画を自賛する意見に対して、「二十年に一度の洪水に最適な計画というが、それは、ダムの箇所だけの話。三十年確率を超える洪水には、ダムの効果激減。ダム地点に集めた洪水が下流にそのまま流れる。ダムでなくとも同じことというが、まったく違う。同じ二十年確率の調整地を上流で作ればどうか。確かに二十年確率を超える洪水が来ればあふれるが、それは、上流のその付近であふれるだけ。下流であふれるのでない。下流にとっては、洪水の危険を上流で受け持ってもらえる。危険を下流に集中させるのでなく、上流でも負担し、危険を分散させる。上流でも下流でも薄い危険で済む。しかし、ダムに洪水を集める方法でやればどうか。三〇分の一を超える洪水の危険はすべて下流に集中する。もともと盛り土堤防で弱いといっている下流に大洪水を集中させる。これが下流住民にとって最適な洪水対策か。下流住民にとって最適な洪水対策とは、上流でも中流でも下流でも洪水の危険を分散して持つことこそ最適な洪水対策だ。

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