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2006年02月01日

岐路にたつ兵庫の教育行政

県議会政務調査会での質疑

 1月11日〜13日、兵庫県議会で来年度県予算の部局要求原案の説明と質疑をする「政務調査会」が開かれました。
 この中で、35人学級の予算措置や、「高校改革」が正念場を迎えていることが明らかになりました。

35人学級を「段階的に」と後退? 一般会計の0.1%の予算で可能

 兵庫県で現在小学校1年生だけで実施されている35人学級。「より広げてほしい」という父母や教育関係者からの強い期待のなかで、兵庫県の姿勢が注目されてきました。
 知事と教育長は、昨年の本会議、日本共産党・中村まさひろ県議の代表質問に対し、「(小学校4年まで)来年度予算で真摯かつ前向きに検討する」という答弁をしていました。
 しかし、県教育委員会は「政務調査会」において、小学校低学年の35人学級拡大の「段階的導入を検討する」と後退した姿勢。理由としては「国の教員増(第8次定数改善)が見送られ、財源の見込みがたたない」と説明しました。
 県教委の試算では、35人学級に必要な予算は一学年・七億円、小学校四年まで拡大するには21億円(2〜4年生)必要になります。兵庫県の一般会計全体(2兆円)のわずか0.1%にすぎません。予算の使い方を変えればすぐにでも可能です。
 少人数学級の拡大・促進には、より一層の県民の世論と運動を盛り上げ、知事と教育委員会に確実な「予算措置」を求めることが急務となっています。

「高校改革」ー全県学区を否定せず 競争強化への流れ強める

 いま「競争の強化か」、それとも「競争是正」「共同の学びか」の、大きな分かれ道となっています。
 県教委の来年度予算要求案には、平成21年度以降の「高校改革」計画(「県立高等学校教育改革第二次実施計画」)策定に向け、検討委員会を設置することがあげられました。
 現在すすめられている「高校改革第一次実施計画」では、県教委による強引な「統廃合」「総合学科への改編」「総合選抜制度くずし」が問題になり、それに反対し、住民の意思を尊重した県立高校を求める市民運動が広がってきました。
 毛利りん県議は、次期計画にすすむまえに、「これまでの住民の反対の声、署名などにあらわれている声を真摯に聞いて、いったん足を止めるべき」と強く主張しましたが、県教委は「これまでの評価・検証では、基本的なにはよいと評価された」とこたえ、“いまのままで問題はない”と、住民の声を尊重しない姿勢を改めて浮き彫りになりました。
 つづき研二県議は、検討委員会のメンバーについて、「武庫川流域委員会でも、ダムに賛成・反対の人が参加して、審議は公開され、傍聴者の発言もできる。県教委の意見に賛同するメンバーだけでは大きな問題を残す。当然、父母や住民など様々な意見のメンバーで構成すべき」と指摘しました。
 また、「国連から勧告を受けている『過度の競争主義』の是正は、今後の検討の柱になるのかどうか。そして、これまで『生徒が自由に選べる』『特色化』として、全県学区のコースや学科を導入してきた流れをすすめ、学区による高校入試制度をなくし、全県学区にしていくことも検討の対象になるのか」と質問しました。
 県教委は、住民参加についてまともに答えず、全県学区化については、「全国的にも、和歌山県などでも全県学区への改編が行われているが、兵庫県は地理的問題(広い)があるので」と説明しつつ、全否定しませんでした。


 憲法9条に連動して教育基本法を改悪する流れが強まり、兵庫の教育行政ではその先取りとも言うべき「多様化」「特色化」の名による「新自由主義」的手法を教育に取り入れています。そのなかで「競争」でなく「共同の学びの場」としての「総合選抜入試制度」(総選)の存在に着目し、「全国的にも貴重な兵庫の総選を守ろう」と各地で運動が広がっています。
 一方、明石や尼崎市からは「総選を改革し、あたらしい入試制度に」と県教委に意見があがり、県教委は近いうちに「総選をなくし、複数志願制度への改編」を決める流れと言われています。
 総選以外の単独選抜入試の地域も含め、全県的な運動と取り組みが強く求められています。未来を担う子どもたちに、「人間として、市民としての確かな成長」を保障する取り組みです。

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